亡者全員にPCR検査を実施しているとする安倍政権の主張を伝
えようとするジャーナリストの田崎史郎氏と同番組の玉川徹氏が
激突した「羽鳥慎一モーニングショー」の日付が判明しました。
2020年4月6日の「羽鳥愼一モーニングショー」です。その
一部を再現します。
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田崎史郎:そうじゃなくて、肺炎で亡くなった人について、あと
でCT検査をして、これでコロナかどうか、いちいち判断して
いるんですよ。
玉川 徹:全部でありませんよ。
田崎史郎:全部やっているんですよ。その結果として、今の死者
数が出てきている。
玉川 徹:最初からですか?すべての病院に対してですか?1日
400人、肺炎で亡くなっている人にPCR検査やっているん
ですか。
田崎史郎:「CT検査をしなさい」ということを言っているわけ
ですよ。 https://bit.ly/2YXd5jY
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田崎史郎氏といえば、今や安倍政権の代弁者といわれるジャー
ナリストです。1992年までは自民党田中派の番記者であり、
当時田中派の番頭を務めていた小沢一郎氏とはとくに親しく、小
沢親衛隊の1人であったことを知る人は、今では少ないと思いま
す。政権にすり寄るのは昔から得意な人です。
そのため、『週刊文春』の企画による「好きなコメンテーター
/嫌いなコメンテーター」の順位では「嫌いなコメンテーター」
の第2位に堂々とランクされています。何があっても安倍政権を
擁護し過ぎるからです。
現在の田崎氏は、安倍政権から情報をもらって、安倍政権の政
策やその考え方を説明し、代弁することに徹しています。ワイド
ショーでは、そういう政権ベッタリの田崎史郎氏を自民党の考え
方を代弁する存在として番組に出演させています。自民党の議員
を出演させるよりも使い勝手がよいからです。もちろん彼のバッ
クには、官邸がメディアに睨みをきかせ、便利な存在として必要
に応じて、田崎氏を番組に押し込んでいます。
そもそも目に見えないウイルスとの戦いは、感染者を少しでも
早く発見し、隔離することしかないはずです。それを実現するに
は、PCR検査を多くの人に実施するしか方法はありません。
といっても、国民全員を検査するわけにはいかないので、医療
態勢を整えながらではありますが、少しでも症状が疑われる人は
全員検査できるシステムを確立すべきです。この場合、コロナ感
染が疑われる肺炎の死者に対しても、必ずPCR検査を行うべき
です。下手をすれば、さらに感染を拡大してしまうからです。
しかし、日本はPCR検査を行う人も、機械も、必要な物資も
医療態勢も、何もかも欠けていたのです。それを考えれば、生き
ている人ですら、数を絞らざるを得ないPCR検査を肺炎での死
亡者のすべてに実施できるはずがないといえます。それは、昨日
のEJでご紹介した日本法医病理学会のアンケートを見れば明ら
かになっています。
論理的に考えてみます。姿の見えないウイルスの感染を防ぐに
は、人と人が会って話をすることを抑制するしかありません。つ
まり、各自が家に閉じこもる作戦です。考えてみれば、最も原始
的な作戦といえます。現在、我々はそれをやっています。確かに
感染は急速に収まりつつあります。当たり前です。
しかし、人と人の接触を8割抑制し、それを長期間続けると、
経済は停滞し、やがて死んでしまいます。人の行動を止めてしま
うと、飲食店などは軒並み潰れてしまいます。現にそういう傾向
が出てきています。しかも、そうだからといって、この閉じこも
りを解除すると、再び感染が拡大し、また閉じこもり作戦に戻ら
ざるを得なくなります。
要するに人から人への感染を防ぐには、一にも二にも感染者を
発見し、その人を隔離することしかありません。そのためには、
少しでも多くの人に、PCR検査を実施し、陽性者を発見し、隔
離することです。つまり、陰性者と陽性者を分けて、陽性者を隔
離することです。もし、これが実現すると、陰性者に関しては自
由に経済活動をしてもらってもいいことになります。
ただ、ひとつこの新型コロナ感染症の場合、感染しても全く症
状が出ない感染者がいることです。この感染者は、自分も意識し
ないで他人にコロナ菌をうつす可能性があります。この症状の出
ない感染者をどうするかが問題です。
これに対する解決策として期待されているのが抗原検査です。
それもPCR検査と同様に検体をのどの奥から採取する抗原検査
ではなく、唾液から検体を採取する抗原検査キットです。日本経
済新聞の次の記事を読んでください。
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【ワシントン=鳳山太成】米食品医薬品局(FDA)は5月8日
自宅で採取した唾液で新型コロナウイルスに感染しているか調べ
られる検査キットを初めて認可した。米大学が開発した手法で、
唾液の検体を郵送すれば感染の有無が分かる。唾液の採取は簡単
で、病院や検査場に行かずに済む。本格的に普及すれば、検査体
制の拡充につながりそうだ。FDAが米ラトガース大の検査キッ
トの緊急使用を認可し、同大が全米向けにキットを販売できるよ
うになった。唾を入れたチューブを同大に送れば2日後に結果が
判明する仕組みだ。患者がキットを入手するには医師の処方箋が
必要だ。これまでもFDAは、鼻や喉に綿棒を入れて粘液を採取
するタイプの自宅用検査キットを認可している。ラトガース大は
唾液を使う方が「苦痛が少なく(採取ミスが起きにくいため)信
頼性が高い」と説明している。 https://s.nikkei.com/2LpHXS8 ─────────────────────────────
──[消費税は廃止できるか/087]
≪画像および関連情報≫
●新型コロナのPCR検査が増えない3つの理由
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日本臨床検査医学会では、2020年2月、新型コロナウ
イルスに関するアドホック委員会を立ち上げた。
新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)のPCR
検査の拡充が進まなかったことが背景にある。COVIDー
19に対しては、症状に基づいて症候診断するのが難しい。
臨床検査が大きな役割を果たすことが分かってきたことから
臨床検査医学会として、どう対応するか検討した。正しい意
見・情報を発信しつつ、厚生労働省や感染症の関連学会と協
力するため、委員会を立ち上げた。
PCR検査については、臨床検査医学会としては、検査数
を増やすのが大切だという認識は持っている。と同時に、遺
伝子関連検査については、医療法で精度管理など様々なルー
ルが定められており、それらを無視して増やすことはできな
いと考えている。
PCR検査を増やす方針については、学会員も同意してい
る。それでも実施数が増えない理由は、(1)検体採取が、
どの医療機関でもできるわけではない、(2)機器や試薬が
不足している、(3)経験や知識のある人材が限られる――
という、大きく3つがあると考えている。検体の搬送などの
問題もあるが、機器や試薬の不足、人材が限られるといった
問題が大きい。 https://nkbp.jp/2LmVUjB
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唾液を検体とする抗原検査