2020年05月12日

●「責任を平然と回避する加藤厚労相」(EJ第5243号)

 今にして考えると、かつての田中派には、人材がいたように思
います。当時、自民党副総裁を務めた金丸信氏の名言として次の
言葉が残されています。田中角栄元首相は、人材の目利きをきち
んとしたうえで、人材の活用を考えていたのです。
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  無事の橋本(龍太郎)、平時の羽田(孜)、乱世の小沢
  (一郎)、大乱世の梶山(静六)     ──金丸信
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 それでは今の安倍政権はどうでしょうか。奇しくも今回の新型
コロナウイルスの感染拡大への対応の最前線に立っているキーマ
ンに安倍首相自らが後継者と認める2人がいます。加藤勝信厚生
労働大臣と岸田文雄政調会長です。加藤厚労相は、まさに感染阻
止の重責を担う担当大臣として最前線におり、岸田政調会長は、
コロナ禍中の事業者や個人に対して、倒産や失業などを防ぐ資金
援助などの経済対策を担う重責を担っています。しかし、残念な
がら、2人とも、それぞれの重責を担うにはとても値しない人物
であることが明らかになりつつあります。
 岸田政調会長は、もともと財務省寄りの増税派で、この国難の
さなかにあっても、国家が巨額の資金をバラ撒くことに反対の人
物です。そのため「国民1人当たり一律10万円」プランが主流
になっていたのを「コロナ禍で収入が半減した世帯に30万円」
プランに変更し、安倍首相の承認を得て、閣議決定まで行ってい
ます。この方が国の出費が少なくて済むからです。しかし、これ
に対して二階幹事長と公明党が猛反対し、元のプランに戻ってし
まっています。この件で、その責任者である岸田政調会長のリー
ダーシップのなさが、いみじくも露呈してしまったのです。
 加藤厚労相は、2017年8月から2018年10月まで厚生
労働大臣を務め、2019年9月には、再び厚労相に就任してい
ます。したがって、厚労省のことはよくわかっており、今回の新
型コロナ対策のトップの重責を担っている中心人物です。当然、
日本の感染症対策の脆弱さも、心得ていたはずです。
 したがって、2月17日に厚労省が出した「37・5度以上の
発熱が4日以上」という目安は、医療崩壊を防ぐためにPCR検
査を一時的に絞る苦肉の策であり、基準であったことは確かなこ
とです。しかも、このことは、専門家会議でも共有化されていた
はずです。これによって、時間を稼ぎ、検査体制の充実を図るは
ずだったからです。
 ところが、この基準によって検査が受けられず、日本のPCR
検査数は大幅に絞られてしまうことになります。このことは、国
会でも何度も取り上げられ、その都度加藤厚労相や安倍首相が検
査数引き上げを約束していますが、一向にその数は増加せず、そ
のうち、基準を満たしていても、電話をたらい回しにされたり、
そのため、重症化して死亡する人が増えるに及んで、やっと、厚
労省は重い腰を上げて、その目安の変更を決断するにいたったの
です。目安を示してから、実に2ヶ月以上の年月が経過していま
す。あまりにも遅過ぎる決断です。
 しかし、このときの加藤厚労相の次の発言に対して、ネット上
では怒りの声が湧き上がっています。加藤厚労相が自身と厚労省
の責任を回避したからです。
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 「37・5度以上の発熱が4日以上」という単なる相談の目安
が、受診のひとつの基準のようにとらえられた我々からすれば、
それは誤解であります。      ──加藤勝信厚生労働大臣
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 このようにして検査を絞り、死ななくてもよい人を何人も死亡
させた2ヶ月以上の間に、検査体制は充実したのかというと、一
向にそうなっていないようです。
 PCR検査に不可欠な人員の補給、医療用のマスク、防護服、
検査試薬などの不足の問題ですらも、一向に改善されていない状
態にあります。国会において医療用のマスクや防護服は優先して
届けると安倍首相は約束したにもかかわらずです。なぜ、そんな
ことすら、きちんとできないのでしょうか。防護服がないため、
ゴミ袋を頭からかぶって検査をしている医療関係者の映像を見て
日本国民として情けなくなりました。こんなみっともないことが
あるでしょうか。このことは、安倍首相が4月のはじめに全国民
に届けると約束したマスクが、1ヶ月以上経った現在でも依然と
してまだ4%しか届いていないことを考えても、この内閣のスピ
ード感のなさは明らかです。これでは「無能」といわれても仕方
がないと思います。
 「37・5度以上の発熱が4日以上」──改めて考えるまでも
なく、尋常ではない症状です。こんな症状になれば、誰でも医療
機関を受診します。そもそもこの「目安」自体が非常識です。こ
れにはっきりと反対した自治体があります。和歌山県です。和歌
山県の仁坂吉伸知事は、2月28日に、政府の「受診の目安」に
ついて、「自宅待機させることで、かえって早期発見と悪化防止
の妨げになる可能性がある。クリニックもパンクしている状況に
ない」と批判し、「和歌山県は従わない」と宣言しています。
 この件について、政府を厳しく批判している「リテラ」は、結
びとして次のように報道しています。
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 “4日ルール”によって多くの人が重症化し、救えたかもしれ
ないのに亡くなってしまうという犠牲者を出しながら、反省はお
ろか、抜本的な見直しをおこなおうとはしない加藤厚労相。いや
そもそも最初から感染拡大を防ぐという観点に立っていれば、和
歌山県の仁坂知事のように“4日ルール”などは設けていないは
ずなのだ。事態をここまで悪化させたにもかかわらず、いまだに
問題解決を図ろうとしない安倍首相と加藤厚労相が舵取りしてい
ること、それこそが「国難」だ。   https://bit.ly/2yyqtQM
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           ──[消費税は廃止できるか/084]

≪画像および関連情報≫
 ●石原良純も「いまさら言うの?」・・・加藤大臣の「誤解」
  発言に相次ぐ批判の声
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   石原良純が、9日放送の『週刊ニュースリーダー』(テレ
  ビ朝日系)で、PCR検査の相談目安の見直しに憤慨する一
  幕があった。
   これまで新型コロナウイルスに感染しているか受診の目安
  とされたきたのは「37度5分以上の発熱が4日以上続く」
  といったものだったが、新たに見直されることが分かった。
  厚生労働省が新たに打ち出した目安は「発熱やせきなど比較
  的軽い風邪の症状が4日以上続く」と、「37度5分以上」
  が削除された。また「高熱や強いだるさ、息苦しさなどがあ
  る」とし、症状には個人差があるためすぐに相談するよう呼
  びかけている。
   当初からの「37度5分以上の発熱後4日間自宅待機」に
  ついて加藤勝信厚生労働大臣は「検査を受ける要件ではなく
  て、受診の診療の目安」として絶対的な基準ではなかったと
  主張。さらに「(その目安をめぐって)誤解もあった。そう
  ではなく倦怠感があれば、すぐに連絡をしていただきたい。
  こういうことは、これまで幾度も周知をさせていただいてい
  る」と、厚労省としては十分アナウンスはしているつもりと
  弁明した。だが「37度5分」という数字の印象が強く、国
  民の中には過度に受診を控えていた人がいたのも事実。これ
  については8日放送の『バイキング』(フジテレビ系)で坂
  上忍があきれていた。      https://bit.ly/2LhWj6Z
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和歌山県仁坂知事.jpg
和歌山県仁坂知事
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | 消費税は廃止できるか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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