2020年04月14日

●「財務省は政権の支配を進めている」(EJ第5227号)

 新型コロナウイルスの感染被害は拡大するばかりです。12日
には、「報道ステーション」の富川悠太MCの感染も報道され、
テレビ界に衝撃が走っています。こういう有名人が感染すること
がわかると、その人が実際には自分とは離れた場所にいる人であ
るにもかかわらず、いつもテレビで視ているだけに身近かな人が
感染したと錯覚するのです。富川悠太氏もニュースに携わる仕事
をしているので、本人が強く事実の公表を求め、公表されたとい
います。国民は本気で、外出を自粛すべきときです。
 安倍政権の新型コロナウイルス感染拡大対応の108兆円の緊
急経済対策が、実は中身がスカスカであることは、4月10日の
EJ第5225号で指摘しています。さらに、いわゆる真水とさ
れる財政支出は20兆円といわれています。30万円の現金支給
についても実際に受け取れる世帯は20%程度とされています。
休業要請に対する休業補償についても、曖昧な表現ではなく、明
確に「出さない」と発言しています。こうキッパリいってしまう
と、事情が変わって、後から出すことはできなくなります。消費
税の減税などは最初から否定しています。
 このところ小池東京都知事の評価が上がっています。小池氏の
方が、安倍首相よりも、防衛相をやったたけあって、危機管理の
要諦を心得ており、毅然としているからです。休業補償について
も、何回も安倍首相に国として支給するよう求めたのですが、聞
き入れられず、東京都独自の休業協力金を発表しています。連日
テレビにも出ており、選挙運動などしなくても、小池氏の都知事
再選は動かぬところと思われます。
 なぜ、緊急経済対策が、このようなケチくさい内容になってし
まったウラには、やはり財務省の存在があります。今回、財務省
は、さらにその存在感を増しているのです。
 安倍首相は、当初は増税のスケジュールを強引に延期させるな
ど、何かにつけて財務省と戦ってきたはずです。これまでにそう
いう宰相はいなかったので、私は、安倍首相のそういうところを
評価していたのですが、今回のような未曾有の危機に対して、首
相は、財務省に何もいえないのは、事情が変わったものといわざ
るを得ません。おそらく首相が、森友問題などで財務省に大きな
借りを作っており、そのために財務省のいうことを拒否できない
のではないかと考えられます。
 財務省の怖いところは、テレビ局を事実上支配しており、よく
テレビに登場するMCや、コメンテーターは、財務省の方針に逆
らわない人物を厳選しています。財務省の考え方に関して、批判
的なことをいうコメンテーターについては、少し時間をかけて目
立たないように担当を外し、2度とテレビには出られないように
しています。そのようにして、テレビを去ったコメンテーターは
数多くいます。
 財務省は、日本財政破綻論者を経済学者や経済人に多く作って
います。彼らに「そんなことをすると財政が破綻する」と、こと
あるごとに発言させるのです。それも心にもないことをいってい
るのではなく、本人自身がそう信じているわけです。
 「ライジングサン/ダイアリー」というサイトがあります。経
済に関して鋭い分析をし、歯に衣を着せない主張をしているので
よく読んでいます。
 このサイトに、読売テレビの辛坊治郎キャスターの本からの引
用が出ています。辛坊治郎氏も日本の財政破綻論者の一人として
このサイトでは位置づけています。
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 あなたがローンに頼って、収入を超える消費生活を続けている
とします。返済期間が来るたびに、元本と利息と生活費の不足を
賄うお金を借り換えなければなりません。借金は増え続けますが
お金を借り続ける事が出来る限り、生活は破綻しません。いつか
破綻するとの不安を抱えたまま、ローンの返済が行き詰る瞬間ま
で、平穏な生活が続きます。
 健全な生活をしている周囲の人から、お金は大丈夫?と聞かれ
ることはあっても、あなたの生活態度にそれ以上干渉するひとは
少ないでしょう。ところが、もうお金は貸せない、今まで貸した
分も返してほしいと言われた瞬間、あなたの生活は急変します。
毎月の生活費の不足が一気に表面化し、借金取りが押し寄せて家
計は破綻です。
 様々な人があなたの生活態度に注文をつけ始めます。今回のギ
リシャがそうでした。ハンガリーの危機も突然浮上しました。家
計でも企業でも、そして政府でも、借金の借り換えが難しくなっ
たその時、危機は突然やってきます。
 国債を持っている銀行や投資家の不安心理に何かのきっかけで
火がつけば、皆が一斉に国債を売りださないとは限りません。売
らないまでも新たに買おうとはしないでしょう。毎年大量の国債
が発行されている日本でそんなことが起これば大変です。
 人の心理は微妙です。常識で考えて「何かおかしい」と思うよ
うな状況が強まれば強まるほど、そのリスクは高まります。うっ
かりすると、その不安心理に付け込んで稼ごうとする投機家が出
てこないともかぎりません。1997年のアジア通貨危機は、そ
うして始まったのです。       https://bit.ly/3c8r9KD
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 辛坊氏は、国の財政を家計に喩える典型的な財務省のロジック
を展開しています。日本は高齢化が進んでおり、高齢者が貯蓄を
取り崩し、個人金融資産が減少してきています。個人金融資産が
減少しているのに、これ以上どんどん国債を発行していけば、い
ずれ国の借金が個人金融資産を上回って、債務超過に陥り、財政
破綻を迎えるのは時間の問題です。だから増税をして財政規律を
守らなければいけないというのが、財政破綻論者の主張です。
 辛坊キャスターのような有名人が、テレビからこのロジックを
訴えれば、信ずる人は多くなります。ちなみに、ギリシャの話が
で来るので、これは2011年頃出版された本からの引用である
と思われます。    ──[消費税は廃止できるか/068]

≪画像および関連情報≫
 ●「財政破綻論者」の不可解な行動 = 「節約してお金をため
  る」という矛盾/窪園博俊氏
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   「財政破綻論者」とは私の父だ。週刊誌か、あるいはテレ
  ビのワイドショーに感化されたのか、かなり前から「財政は
  破綻する」が口癖となった。確かに日本の財政事情は悪いが
  それでも低成長・低インフレの持続が見込まれ、当分は国債
  も順調な消化が見込まれる。そう説明したこともあるが、破
  綻論に取りつかれた父には馬の耳に念仏。終戦前後の苦しい
  時代がやってくる、とのイメージにとらわれている。
   「財政破綻」が起きると、お金の価値は失われる。節約し
  て貯蓄する行為は無意味となる。本当に破綻が心配なら、手
  持ち資金の価値が失われる前に国際競争力のある企業の株を
  買う、またはドルなど外貨資産に切り替えた方がいい。ある
  いは、お金に価値があるうちに散財する、というのも手だ。
  実際には、父がやっていることは冒頭にも紹介したように節
  約である。
   政府・日銀の調査などを見ると、破綻かそれに近い状況を
  心配しながらも節約に励む父のような存在は珍しくない。以
  前も紹介した日銀が事務局を務める「金融中央広報委員会」
  の『家計の金融行動に関する世論調査』(二人以上の世帯)
  によると、老後を心配する世帯は83・4%に達し、そのう
  ち25・2%は「生活の見通しが立たないほど物価が上昇す
  る」ことを懸念している。    https://bit.ly/2xe6arb
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辛坊治郎氏.jpg
辛坊治郎氏

posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | 消費税は廃止できるか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする