2020年02月06日

●「企画が変更になったのではないか」(EJ第5182号)

 「羽鳥慎一モーニングショー」の『そもそも総研』において、
消費税が取り上げられたことは、1月23日の議論の以前にも2
回あります。最初はれいわ新撰組の山本太郎氏の出演です。正確
な日は忘れましたが、2019年の後半であることは確かです。
実際にモーニングショーに主演しての話でしたが、そのときの時
間は非常に短かったと思います。しかし、消費税のことはしっか
り話しています。
 2回目は、ビデオ取材での藤井聡京都大学大学院教授の出演で
す。いずれも消費税のテーマであり、玉川徹氏が藤井聡教授に質
問して応えてもらうインタピュー形式です。『そもそも総研』は
いつもこのスタイルです。
 3回目が1月23日ですが、当初は藤井聡教授に実際に番組に
出演していただいて話を聞くという企画だったと思います。最初
から、消費増税反対派と賛成派の対決の企画ではなかったはずで
す。これは推測ですが、それがイランの米軍基地への攻撃の関係
で中止になり、先送りになったところで、少し事情が変わったの
ではないかと思います。例えば、自民党税制調査会などから、要
請があったのではないでしょうか。増税反対派だけから話を聞く
のでなく、増税賛成派からも意見を聞かなければ、不公平ではな
いかという申し入れです。消費税を10%に上げた時点で、テレ
ビの人気番組で、一方的に増税反対のキャンペーンを繰り返され
たらたまらないという考え方です。
 本当のところはよくわかりませんが、消費増税は確実に次の衆
院選のテーマになることは確実であり、政府与党としてもその反
対を伝えるテレビ番組に神経を尖らせていたものと思います。そ
ういう事情で企画の変更があって「藤井教授VS片山議員」の対
決が生まれたのではないでしょうか。
 1月23日の『そもそも総研』の最後の部分をご紹介すること
にします。片山議員は、消費税について語るとき、「私は消費税
を作ったモーリス・オーレさんと直接話したことのある唯一の国
会議員」と話しています。確かに消費税は1952年にフランス
財務省の官僚であるモーリス・オーレ氏が開発したものですが、
そのオーレさんの考え方をいうのであればわかりますが、そうで
はなく、自分はそんなに偉いんだぞと、自分を持ち上げるために
その話をするのは鼻につきます。こういうところが嫌われている
ことをこの年になってもまだ気がついていない人物です。藤井教
授にしてみれば「それがどうした」ということになるでしょう。
勝負はその時点で片山議員の負けです。
 添付ファイルの上のグラフをご覧ください。これは、消費税が
10%のままの場合と、10%に増税せず、8%のままの場合と
税率を5%に減税した場合の総税収の推移を示しています。藤井
教授は次のようにいいます。
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 経済成長のメインエンジンは「消費」です。その消費の罰金と
して機能するのが消費税です。したがって、消費税を軽減すると
罰金が減って消費は確実に拡大していきます。これは過去のデー
タからして当然ですが、どのくらい伸びるかを計量経済分析に基
づいて分析すると、大体1・4兆円から1・7兆円伸びて行く。
税率を軽減すれば、直後は税収は落ちますが、その後、どんどん
伸びて行って、2021年には逆転します。10%を5%に軽減
すると、15年後には税収は30兆円増える計算になります。
               ──藤井聡京都大学大学院教授
  ──2020年1月23日、「羽鳥愼一モーニングショー」
                   『そもそも総研』より
─────────────────────────────
 これに対して、片山議員は次のように反論しています。このと
き、片山議員は「モーリス・オーレさんと会ったことがある」と
話しています。
─────────────────────────────
 現在の日本の税収能力は72兆円あり、税収は減っていない。
したがって増えていないというのはウソです。消費税が乗り越え
なければならないカベは、消費税を上げると物価が上がる。上が
れば主婦としては、消費者としては、それを罰金と感ずるのは、
わかります。しかし、それは半年から1年半の間に平準化してい
くのです。藤井さんのグラフのように、一律右肩上がりになんて
ならない。               ──片山さつき議員
  ──2020年1月23日、「羽鳥愼一モーニングショー」
                   『そもそも総研』より
─────────────────────────────
 片山さつき議員は、藤井教授のいう「消費税は消費の罰金であ
る」という主張を認めています。確かに、消費増税が行われて、
一年か一年半ほど過ぎると、慣れるというか、平準化というか実
質消費は上がってきますが、消費の平均伸び率が増税前よりも大
幅に減っています。つまり、伸びの傾きが増税前よりも緩やかに
なってしまっているのです。
 その結果が1995年〜2015年までの20年間──その間
日本は1996年に5%、2014年に8%と2回の消費増税を
やっていますが、その20年間に、日本だけ名目GDP成長率が
「マイナス20%」なのです。世界平均はプラス135%であり
日本は成長するどころか、マイナス成長なのです。消費増税だけ
が原因とはいいませんが、デフレであるのに消費増税を行い、成
長しない国にしてしまっています。
 添付ファイルの下のグラフをご覧ください。これは、2018
年4月に消費税を廃止したマレーシアの消費の推移を示している
グラフです。消費税の税率は6%だったのですが、それをゼロに
したとたん、消費は跳ね上がっています。しかし、2018年9
月に一部の贅沢品に税金をかける、かつての日本の物品税に当る
「売上税」を導入すると、一転消費は減少したものの、消費税当
時よりも高い消費水準を維持しています。
           ──[消費税は廃止できるか/023]

≪画像および関連情報≫
 ●生激論で炎上した片山さつき/昔もヤバかったと話題に
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   1月23日に放送された羽鳥慎一モーニングショーのそも
  そも総研で、「そもそも消費税”減税”是か非か」について
  片山さつき議員と藤井聡教授の生激論が行われました。番組
  を見ていた人達が、片山議員の態度や発言に対して批判のコ
  メントをSNS上にアップし炎上する事態となったのです。
  そんな片山議員ですが、実は昔もヤバかったと話題となって
  いるのです。
   消費税について、片山議員と藤井教授が生激論したモーニ
  ングショーのそもそも総研。消費税”増税”して何が起きて
  いるのかについて議論していましたが、この時の片山議員の
  発言に対しネットが炎上する事態となったのです。
   「片山さつきの言っていることが理解不能」「人の話を聞
  く態度が酷くてムカついた」「経済的に3人育てられないか
  ら、子供は1人でイイヤになっちゃうんだよ」とネット上に
  コメントが寄せられています。この放送を見て、片山議員の
  発言がヤバいと感じた視聴者も多かった様ですが、実は昔も
  ヤバかったというのです。どのようにヤバかったのかという
  と・・・            https://bit.ly/36ZEnX8
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藤井総京都大学大学院教授のフリップ/2.jpg
藤井総京都大学大学院教授のフリップ/2
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 消費税は廃止できるか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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