2019年10月03日

●「米国は韓国をどのように考えるか」(EJ第5101号)

 前回のテーマは「米中ロ覇権争いの行方」でしたが、話の中心
は中国です。今回のテーマはズバリ「中国経済の真実」であり、
メインはもちろん中国です。そういうわけで、このところEJは
180回にわたり、中国について特集を組んでいます。
 しかしながら、今後中国がどうなるかについては、関連書のほ
とんどを読みましたが、一向に見えてきません。現代の中国は、
社会主義国にして、市場経済を営むという、今までになかった国
家の壮大な実験をやっているような気がします。こと経済政策に
関しては、やっていることは無謀であり、もし自由主義社会であ
れば、とっくに経済が破綻してもおかしくない状況ですが、現在
も膨張を続けています。しかし、大きな危険をはらんでおり、あ
る日突然破綻しても、おかしくはありません。
 ただ、中国問題にとって最大の不安要素は「台湾」です。何し
ろ、台湾をめぐって、米中の局地戦争が起きても、おかしくない
からです。9月25日のことですが、米議会の上下両院の外交委
員会は、米政府に対し、香港の自治が十分に認められているかの
検証を義務付ける「香港・人権・民主主義法案」をそれぞれ全会
一致で可決しています。この法案は、この後、両院の本会議での
可決を受けて、トランプ大統領が署名すれば成立します。
 これに対して、中国外務省の耿爽副報道局長は、次のように反
発しています。
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      強烈な憤慨と断固たる反対を表明する
         ──2019年9月27日付、日本経済新聞
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 これを受けてか、香港のデモはさらに激しさを増しています。
これがそのまま台湾問題に波及します。こんな話があります。5
月中旬のことですが、台湾のNSC(国家安全会議)のトップが
訪米します。訪米の目的は、ジョン・ボルトン安全保障担当補佐
官と会談するためです。ボルトン補佐官の発言です。
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 朝鮮半島情勢については、これまで韓国が守っているラインが
ある。つまり三十八度線だ。しかし、近い将来、そのラインは、
東シナ海にまで下りてくる。つまり、朝鮮半島情勢が直接、台湾
に繋がる。台湾はそのことに覚悟をもって備えて欲しい。
       ──ボルトン安全保障担当大統領補佐官(当時)
 ──『文藝春秋』2019年10月号「総力特集/日韓断絶/
                 憤激と裏切りの朝鮮半島」
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 ボルトン氏のこの発言は重要です。そこには、「韓国の存在が
ない」からです。ボルトン補佐官は辞めましたが、米国による台
湾の戦略的位置づけは、彼の個人的な考え方であるはずがないし
米国の方針です。
 米国は、おそらく北朝鮮と韓国は将来連邦国家になるとみてい
ます。そうなったとき、米国にとって朝鮮半島はもはや同盟国で
はなく、脅威的対象国になるとみています。そのため、2018
年に次の2つの法律を相次いで成立させたのです。
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 2018年 3月16日/        「台湾旅行法」
 2018年12月31日/「アジア再保証イニシアチブ法」
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 「台湾旅行法」では、米国大統領の台湾訪問を狙い、「アジア
再保証イニシアチブ法」によって台湾に継続的な武器の供与を可
能にし、事実上の米台安全保障条約にしようとしています。
 文在寅韓国大統領はおそらくこう考えています。彼は、来年の
選挙に勝って、憲法を改正し、1期5年の、大統領の任期を2期
10年にしようとしています。そのうえで、さらに憲法の改正を
行い、社会主義民主国家を宣言、北朝鮮との統一連邦国家への道
を具体的に進めると思われます。この場合、連邦国家といっても
実質的に北朝鮮に同化されてしまうはずです。韓国高官のX氏は
もし連邦国家になると、名実ともに大韓民国という国家は消滅し
てしまうとして、危機感を募らせているのです。
 こういう情報もあります。韓国内には、朝鮮労働党の秘密党員
がたくさん潜伏しています。これらの秘密党員が2014年6月
15日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(当時第一書記)に対
して、忠誠を誓う「誓詞文」を送っています。そこには、10カ
条の誓約が書かれていますが、その一部をご紹介します。
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 「韓国の、自由民主主義体制をたたき潰し、全朝鮮半島に主体
(チュチェ)思想化を実現するのに、一命を藁(わら)のように
ささげます」「駐韓米軍を南半分から完全に追い払う」「南側政
府の警察、検察など司法部と行政部に浸透し、政府の行政機関を
マヒさせ」などなど、恐ろしいことが書いてあるのですが、最後
に40の個人・団体名があり、そこに「文在寅」の名前があると
いうのです。 ──9月27日発行/D(電子)版「夕刊フジ」
       関連ユーチューブ動画 https://bit.ly/2onZ7qN ─────────────────────────────
 これは、月刊「Hanada」10月号に掲載されているので
すが、同誌は、増刷分を含めて現在売り切れています。最初の報
道から1ヶ月以上経っていますが、韓国政府からは、同誌に対し
て何のクレームもないそうです。これに関するユーチューブによ
る動画(5分2秒)もあるので、ぜひご覧ください。
 このように、米中貿易戦争といいますが、中国だけではなく、
北朝鮮、韓国を含めて見る必要があります。2019年1月4日
から、主として米中の覇権争い、それに加えて、隣国韓国と日本
の関係について書いてきましたが、このテーマは、本日で終了し
ます。長い間のご愛読感謝いたします。10月7日からは、新し
いテーマでお送りします。なお、明日、10月4日のEJはEJ
5000号記念の特別版をお届けいたします。
              ──[中国経済の真実/100]

≪画像および関連情報≫
 ●韓国はもはや「内戦」状態/北朝鮮が全半島を支配する日
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   「韓国は革命前夜だ」と言ったら、韓国人の洪ヒョン氏が
  「前夜ではありません。すでに内戦です」と反論した。憲法
  裁判所が朴槿恵大統領弾劾訴追を承認して、罷免の決定を下
  したのが今年3月10日だった。保守派はこの判断を合憲だ
  とは認めず、「国民抵抗権」の旗印の下に「国民抵抗本部」
  を設置し、街頭に出て弾劾を弾劾すると気勢を上げる。憲法
  裁判所の判断を暴力によって覆そうとする試みを法治国家の
  枠組みのどこに位置づけ得るのか。洪氏はこう説明する。
   「韓国憲法は、国家が正常に機能しない場合、国民抵抗権
  で立ち上がることを認めています。これは韓国が北朝鮮と対
  峙して生まれた国家だからこそ設けられた、憲法で保証され
  た国民の権利なのです。北朝鮮の支配下で、ルールだからと
  いって従えば、韓国の自由や民主主義が死んでしまう。その
  ときに立ち上がる権利を保障したのです」
   いま国民抵抗本部に集まる人々が増えているという。組織
  の中心軸を構成するのが、韓国の陸・海・空の退役軍人の会
  だ。現役の軍人を除く軍関係者が勢揃いしていることの意味
  は大きい。保守派の人々の抱く強い危機感は、5月9日の大
  統領選挙で文在寅氏が当選する可能性が高いと言われていた
  時点から強まっていた。そして実際、文氏は韓国の大統領に
  なった。洪氏はかつてこう語っていた。
                  https://bit.ly/2maMkYd
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ボルトン前安全保障担当大統領補佐官.jpg
ボルトン前安全保障担当大統領補佐官
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 中国経済の真実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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