2019年07月17日

●「羅先にTHAADを設置する提案」(EJ第5048号)

 2019年7月11日のEJ第5045号で、「北朝鮮に米軍
基地を置く」という情報をお伝えしましたが、多くの人は「そん
な馬鹿な!そんなことはあり得ない」と考えたと思います。情報
の出所は4日発行の「夕刊フジ」の連載コラム、鈴木棟一氏のコ
ラム『風雲永田町』です。
 ところが7月4日発行の「夕刊フジ」で、今度はジャーナリス
トの有本香氏が、自身のコラム『有本香の以読制毒/読を以て毒
を制す』において、この情報について次のように述べています。
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 ◎北朝鮮に米軍基地計画情報/金正恩が懇願か
  筆者が最初にこの話を耳にしたのは、ベトナムの首都ハノ
 イで行われた米朝首脳会談の少し後。与太話の類と思って聞
 き流した。だが、最近、複数の朝鮮ウォッチャーが口にし、
 政府関係者からも「関心を寄せざるを得ない話題」との言を
 得、無視できないと思い直した。
        ──2019年7月11日発行「夕刊フジ」
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 有本香氏は、この情報に関連して、北朝鮮の北東部、日本海に
面する羅先(ラソン)という港町のことを取り上げています。こ
の羅先という町は、北朝鮮の経済特区になっており、主として中
国とロシアの資本が入っています。
 カジノが完備しているエンペラーホテルは、香港資本のホテル
であるし、羅津港は中国とロシアが整備しています。中国は羅津
港の一部埠頭の50年間の租借権を持っていますが、この契約を
率先してやったのが、叔父の張成沢であり、現在のところこの租
借権は宙に浮いています。
 ロシアは、ロ朝国境のハサン駅から羅津港まで約50キロメー
トルをロシアの車両が台車交換なしで直接乗り入れることができ
る工事を2013年秋に完成させています。
 このように、北朝鮮が他のアジア諸国の中国による港湾整備案
件と違うことは、中国だけでなく、ロシアやモンゴルなどにも利
用を呼びかけて、「3すくみ」の状態を作り、どこか一国、例え
ば中国に勝手をさせないようにすることです。この「3すくみ」
の状況について有本香氏は次のように述べています。
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 周囲の大国を次々と自らの問題に引き込み、時々に優勢な国に
付いて利を得る。この事大主義的外交術は、古来、朝鮮で行われ
てきた「伝統芸」だ。といっても現在のところ、中露をすくませ
るに十分な「第3の力」を得るに至っていない。
 そこで考えた「ウルトラC」の新ターゲットが、ドナルド・ト
ランプ大統領の米国ということのようだ。金正恩朝鮮労働党委員
長自身が「羅先」に言及し、トランプ氏やマイク・ポンペオ国務
長官に、「韓国が配備を嫌がっている米軍の最新鋭迎撃システム
『THAAD/高高度防衛ミサイル』をうちへ」といったとの仰
天話も聞かれる。 ──2019年7月11日発行「夕刊フジ」
          『有本香の以読制毒/読を以て毒を制す』
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 驚くべきことであるが、真偽のほどはわからないものの、金正
恩委員長は、「『THAAD』を羅先に設置してはどうか」と提
案しているというのです。それは、米軍基地を羅先に置くことを
意味しています。そうすると、羅先に申し分ない「米中露の3す
くみ」の状態ができることを意味し、金正恩委員長の狙いである
体制保証は実を結ぶことになります。
 実際にこういう提案が行われたかどうかは不明ですが、トラン
プ大統領としては、金正恩委員長を年齢は若いが、なかなかでき
る男と評価しているはずです。「この男、他にやることはないの
か」とか、「リトルロケットマン」とこき下ろしていたときと比
べると、大変な変化です。
 対照的に評価を大きく落としているのは、韓国の文在寅大統領
です。せっかく米朝の仲介役を買って出たのですが、以後は完全
にお役御免です。今回の板門店での歴史的米朝首脳会談にも、文
在寅政権は関与していないのです。
 そもそもG20大阪サミット直後の韓国訪問も、何度も米国に
懇願してやっと実現したものですが、トランプ大統領はその場を
利用して、韓国抜きで親書とツイートで確かめ合い、劇的に板門
店で会談を開いたのです。これについて、国際舞台で活躍する国
際交渉人の島田久仁彦氏は次のように解説しています。
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 今回のサプライズに際し、一つ確実に言えることがあるとした
ら、残念ながら「韓国そして文大統領は全く関与していない」と
いうことでしょう。29日のG20会合中に、トランプ大統領か
ら、「私のツイート見たか?」と尋ねられ、「はい」と答えたと
伝えられていますが、それまで何も知らされておらず、この“工
作”に全く関与できていないことが浮き彫りになりました。
 そして、面白いことに、頼みに頼み込んで大阪の後、ソウルに
立ち寄ってもらい、米韓首脳会談を!と狙っての招待だったにも
拘らず、実質的に米韓で話し合われた内容は、正直何もなく、こ
の訪問自体、うまくアメリカに“利用”されてしまいました。
 それでも意地からでしょうか。トランプ大統領に付き添って板
門店に赴きましたが、米朝の間に入ることはできず、38度線を
挟んでトランプ大統領と金正恩氏が握手するという歴史的な瞬間
にも立ち会うことが許されませんでした。
 皆さんも生中継の映像を観られたかもしれませんが、トランプ
大統領が韓国側の建物からドアを開けて出た際、後ろに文大統領
が控えていましたが、歩き出して自分も2人の首脳に加わろうと
思った矢先、目の前でドアを閉じられてしまいました。まるでト
ランプ大統領から「お前は用なしだ!」とでも言われたかのよう
な瞬間でした。           https://bit.ly/2xX9T9j
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              ──[中国経済の真実/047]

≪画像および関連情報≫
 ●サプライズ米朝会談実現でも「文在寅はずし」は終わらない
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   6月30日、トランプ米大統領の「ツイッター提案」から
  始まった板門店(パンムンジョム)でのサプライズ米朝首脳
  会談の推移を、韓国メディアは固唾を飲んで見守った。
   韓国メディアが関心を寄せたのは、会談そのものの成否だ
  けではない。それに劣らず、文在寅大統領の「立ち位置」が
  注目の的となったのだ。というのも、北朝鮮メディアはこの
  前日まで、「思考と精神がマヒしている」などと言葉を極め
  て文在寅大統領を罵倒していたからだ。
   文在寅政権はこの間、北朝鮮に対してたいへんな気の使い
  ようだった。特に、金正恩党委員長が最も批判されることを
  嫌う、北朝鮮国内における残忍な人権侵害からは露骨に目を
  背けてきた。
   それにもかかわらず、北朝鮮は最近になって、文在寅氏に
  対する個人攻撃を開始していた。日米との不協和音に加え、
  北朝鮮からもハシゴを外される危機に直面していたのだ。北
  朝鮮が腹を立てているのは、韓国が米国との協調を優先し、
  南北首脳会談で合意したはずの経済協力に、文在寅政権がな
  かなか踏み出そうとしないからだ。もっとも韓国としても、
  北朝鮮の非核化が進展していない以上、おいそれと経済協力
  に踏み出すことなどできない。そこで文在寅政権は、米朝対
  話の「仲介者」を自任して当事者としての立場を守ろうとし
  てきたわけだが、北朝鮮は「(韓国の)仲介など不要だ」と
  明言している。これを受けて韓国メディアは、北朝鮮が板門
  店での米朝首脳の対面の場から、文在寅氏を締め出すのでは
  ないかと心配したわけだ。    https://bit.ly/2xKdreN
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劇的で歴史的な米朝首脳会談/板門店.jpg
劇的で歴史的な米朝首脳会談/板門店
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 中国経済の真実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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