2018年09月06日

●「操縦クルーが緊張したタイミング」(EJ第4844号)

 昨日のEJの最後にご紹介した事故調の最終報告書の記述には
「離陸からドーンのような音の発生直前までの精神緊張度につい
て/3・1・9項」の題名がつけられています。そのなかにある
「(表2)「精神緊張度9段階」を再現します。
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(表2)「精神緊張度9段階」
 段階点(1)〜(3)
 ・正常な状況下において一般的に生じる緊張
 段階点(4)〜(6)
 ・緊急状況には至っていないが、何らかの異常発生時等にお
  いて一般的に生じる緊張
 段階点(7)〜(9)
 ・緊急状況下において生じる緊張
                ──事故調最終報告書より
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 事故調の最終報告書では、ボイスレコーダーに収録されている
音声(機長、副操縦士、航空機関士、パーサー、スチュワーデス
など)の緊張度を測定し、9段階の数値をつけた表が掲載されて
います。これによると、コックピット内の機長や副操縦士、航空
機関士が、どの段階のどの会話で、高い緊張度を感じているかが
わかるので、事故原因の解明に役立つ貴重な分析といえます。
 その分析を以下に示します。右端の、例えば「162/2」と
いう数字は、「/」の左は音声基本周波数最大値ヘルツを表し、
右は上記の9段階の精神緊張度数値を示しています。
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 18:16:35 CAP          162/2
          Roger own navigation ah─
    16:55 CAP          168/3
          TOKYO CONTROL
          JAPAN AIR 123 passing─
    18:38 CAP          170/3
          Present position direct
          SEAPERCH─
    24:12 STW          267/3
          ・・たいとおっしゃる方が
          いらっしゃるんですが、よ
          ろしいでしょうか?
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    24:15 COP         250/6
          気をつけて
    24:16 F/E         290/7
          じゃあ、気をつけてお願い
          します。
    24:17 COP         220/5
          手ばやく
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    24:18 STW         300/4
          はいありがとうございます。
    24:18 F/E         210/5
          気をつけてください。
   CAP=機長、COP=副操縦士、F/N=航空機関士
   STW=スチュワーデス
                 ──池田昌昭著/文芸社刊
 『JAL123便は自衛隊が撃墜した/御巣鷹山ファイル2』
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 18時16分35秒から、24分12秒までの機長の会話は、
緊張度段階は2〜3であり、ごく普通の緊張度であって、通常の
業務をこなしているときの緊張度と同じです。
 しかし、18時24分15秒からの機内スチュワーデスと副操
縦士や航空機関士の会話のときは、とくに緊張すべき対話ではな
いにもかかわらず、コックピット内の副操縦士と航空機関士の緊
張度は、5〜7という緊急状況下において生じる緊張度になって
います。これは、そのとき、コックピット内で、何らかの原因で
高い緊張感に包まれていたことがわかります。
 仮にこのとき、飛行機外部において、何らかの危険が迫ってい
たとします。たとえば、何らかの飛翔体がJAL123便と並行
して飛んでおり、衝突の危険があるような場合です。当然のこと
ながら、コックピット内は緊張します。実際に例の「ドーン」と
いう音は、その直後の18時24分34〜36秒に起きているの
です。そして42秒に機長は「スコーク77」を宣言します。
 この最終報告書の記述によってわかったことがあります。それ
は、JAL123便墜落の原因は、いわゆる隔壁破壊説ではない
ということです。角田四郎氏は、これについて、次のように述べ
ています。
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 これまで私は、幾度か「隔壁説」に予知、予見はありえないと
述べてきた。そして、なにか異常を感知した形跡があれば、この
事故の原因は隔壁破壊とは全く異なるはずで、他の原因を求めな
ければならない。急減圧が万一あったとしても、それは「事故原
因」ではなく、「事故の結果」ということになるのだ。
       ──角田四郎著『疑惑/JAL123便墜落事故
      /このままでは520柱は瞑れない』/早稲田出版
─────────────────────────────
 つまり、事故調は、最終事故報告書において隔壁破壊主因説を
結論とする一方で、このレポートを報告書に盛り込むことによっ
て、隔壁破壊説を自ら否定していることになります。これは、事
故調がこれを手掛かりにして、真の事故原因を掴んでほしいと考
えているのではないかと思います。そういう意味でこの悲惨な事
故の原因は、まだほんの一部の事実しか解明されていないことに
なります。    ──[日航機123便墜落の真相/014]

≪画像および関連情報≫
 ●日航123便墜落事故/524人の命乞い/小田周二氏
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   事故原因報告書の目的は墜落の事故原因を明確にすること
  であるが、事故調の事故報告書には「墜落の原因が明確に記
  載されていない」。国の公式の報告書としての資格はない。
   123便は「操縦不能で墜落した」との暗示をしているが
  事故調は「操縦に難がある」が「飛行の継続が出来た」と結
  論している。「飛行出来た」ことは旋回、上昇、降下飛行が
  出来た結果であり、操縦出来たことに相当する。この事項で
  も説明不能の矛盾である。
   日航123便は油圧操が不可になった後、機長らは「エン
  ジン出力の調整で手動操縦を行っている。然し報告書には、
  この「エンジン出力調整での操縦」についての記述がない。
  事故機は 操縦不能との暗示を仄めかすが、油圧破壊後の操
  縦性、飛行性についての調査、検証を行い記載していない。
   目撃証言、乗客の体験証言は操縦席のボイスレコーダーと
  同じ重要な証拠である。然し、事故報告書ではこの証言を一
  切無視して、調査を行い、科学的、技術的に理解出来ない疑
  惑の結論を引き出している。
   事故調の「隔壁破壊説」は、生還者、落合由美氏の証言で
  否定されるものである。垂直尾翼の破壊の原因は隔壁破壊が
  原因でなく、事実上、技術的な矛盾は明解である。多数の乗
  客を乗せた旅客機に異常事態が生じた場合、至急最寄りの飛
  行場に緊急着陸するのが鉄則である。それは多数の乗客の命
  を助ける唯一の手段なのであるからだ。
                  https://bit.ly/2MKhqBV
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ボーイング747のコックピット内.jpg
ボーイング747のコックピット内
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | 日航機123便墜落の真相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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