2018年07月10日

●「アップルを復活させた有名なCM」(EJ第4803号)

 田方篤志氏のブログにしたがって、同氏による新井教授の考え
方に対する反論を指摘していきます。田方篤志氏によると、「新
井紀子教授は『偏差値』にこだわり過ぎる」といいます。偏差値
について新井教授は次のように述べています。
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 読解能力値の高い子は、教科書や問題集を「読めばわかる」の
で、1年間受験勉強に勤しめば、旧帝大クラスに入学できてしま
うのです。東大に入れる読解力が12歳の段階で身についている
から、東大に入れる可能性が他の生徒より圧倒的に高いのです。
 ──          ──新井紀子著/東洋経済新報社刊
          『AIvs教科書が読めない子どもたち』
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 新井教授にとっては、偏差値の高い大学に入ることが最も重要
なことであると認識しています。したがって、偏差値の低い子に
ついては、早いうちに手を打つ必要があるので、RSTを全国的
に実施して、そういう子を発見し、教育するべきであると主張し
ています。本当にこれが正しい教育なのかと田方氏は疑問を感じ
ています。そこで田方氏は、ここでアップルの有名なCMの話を
するのです。まずは、そのCMを試聴してください。時間は60
秒であり、日本語バージョンです。
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  ◎アップルのCM
  「Think different」/「クレージーな人たちがいる」
                https://bit.ly/2MXStP7
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 1996年、アップルは完全に方向を見失っていました。現在
のアップルしか知らない若い人たちにとっては、想像もつかない
でしょうが、アップルにも、そういうときがあったのです。当時
アップル・ジャパンに勤務していた増田隆一氏は、そのときの様
子を次のように述べています。
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 私が記憶している最悪の数字では、会社の運転資金が残り14
日分しかないこと(この数字には諸説ある)。もはや倒産は免れ
そうにないという噂が社内も社外にも蔓延していました。新聞各
紙では毎日のように、どこかの企業がアップルを買収するという
記事が掲載されていました。社員には、何人もの転職エージェン
トからの接触があり、次の転職先が紹介されるという日々が続い
ていました。そのとき、スティーブ・ジョブズがアップルを追い
出されて数年後、再びアップルに復帰したというニュースが流れ
ました。完全に方向性を見失っていたアップルと自信喪失の真っ
只中にいる社員にとって、文字通り「最後の希望」にも思えまし
た。                https://bit.ly/2KUaVYf
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 そのCMが「Think different」 です。このCMはCEOに復
帰したスティーブ・ジョブズが、顧客だけでなく、モラルダウン
しているアップル社員の士気高揚と、その目指すべきアップルの
ビジョンを示すため、大変な力を入れて作ったCMです。
 「Think different」とは何でしょうか。
 この言葉の意味は「発想を変える」、「ものの見方を変える」
「固定概念をなくして新たな発想でコンピュータを使う」という
ことです。キャンペーンでは「世界を変えようとした人たち」と
して、アインシュタインやピカソ、キング、ガンジー、クレイな
どを挙げています。全員ものごとを変えた人たちばかりです。だ
から、われわれもアップルを変えようと社員全員に呼び掛けたの
です。CMですが、社員へのモチベーションなのです。
 忘れたくないCMですから、あえて言葉も掲載します。社員の
モチベーション向上に訴える素晴らしいメッセージです。
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  クレージーな人たちがいる
  反逆者、厄介者と呼ばれる人たち
  四角い穴に 丸い杭を打ちこむように
  物事をまるで違う目で見る人たち
  彼らは規則を嫌う 彼らは現状を肯定しない
  彼らの言葉に心をうたれる人がいる
  反対する人も 賞賛する人も けなす人もいる
  しかし 彼らを無視することは誰もできない
  なぜなら、彼らは物事を変えたからだ
  彼らは人間を前進させた
  彼らはクレージーと言われるが私たちは天才だと思う
  自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが
  本当に世界を変えているのだから
  Think different.        https://bit.ly/2u46xzB
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 このCMの最後の部分に「自分が世界を変えられると本気で信
じる人たちこそが、本当に世界を変える」というフレーズがあり
ます。これは、スティーブ・ジョブズが自身を重ね合わせている
言葉だと思います。そのときのアップルの社員は、ジョブズ自身
がクレージィーそのものですから、ジョブズならアップルは必ず
再生できると信じたのです。このCMが起爆剤になって、アップ
ル全社が燃えたのです。
 そして確かにこのCM以後、アップルは奇跡ともいうべき再生
を果すのです。新型パワーブックG3、アイ・マック、パワー・
マッキントッシュG3といった優れた商品が次々と開発され、そ
れがやがて、アイフォーンとタブレットの誕生にまで行き着くこ
とになります。奇跡の大復活です。
 話をAIと教育の問題に戻します。なぜ、このCMが、偏差値
重視教育のアンチテーゼになるのかということです。それは、こ
のCMが、ひとりの男の子を変えるきっかけになったからです。
これについては、明日のEJで詳しく取り上げます。
          ──[次世代テクノロジー論U/047]

≪画像および関連情報≫
 ●CMの発表時のジョブズの挨拶/1997年9月23日
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   おはようございます。私たちはこの広告を完成させるため
  朝の3時まで起きていました。これからこの広告をみなさん
  にお見せして感想を伺いたいと思います。
   さて、私が戻ってから2か月強になりますが私たちは本当
  に一生懸命努力しました。私たちがこれからしようとしてい
  ることは、おおげさなことではありません。むしろ基本に立
  ち返ろうとしています。すばらしい製品、すばらしいマーケ
  ティングとすばらしい流通という、基本に還ろうとしている
  のです。
   アップル社には、もちろんすばらしさがありますが、ある
  点においては基本に忠実かどうか、ということからかけ離れ
  ているように思えます。そこで私たちは、製品ラインから着
  手しました。この数年間どんどん大きくなるプロダクトロー
  ドマップを見てみて下さい、意味のない製品をたくさん販売
  しています。製品があまりにも多く、フォーカスしていませ
  ん。実際、私たちはプロダクトロードマップのうち70パー
  セントの製品を削除しました。
   私はその後数週間も、この価値のない製品ラインのことが
  よくわかりませんでした。このモデルは一体何なのか、一体
  これはどういった製品なのか、と考えざるを得なかったので
  す。私は顧客と話し始めたのですが、彼らも同じく理解でき
  ませんでした。         https://bit.ly/2zfgGym
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アップルの有名な広告.jpg
アップルの有名な広告
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 次世代テクノロージ論U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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