2018年05月14日

●「ロシアのハイブリット戦とは何か」(EJ第4762号)

 ロシアは、現在、AIを使った「高度な情報戦」に力を入れて
います。経済制裁を受けて、経済不振に苦しむロシアでは、資源
の選択と集中により電子戦を高度化し、新しい時代の戦争に備え
て着々と成果を積み上げています。
 戦争では、軍を動かす作戦と並行し、通信インフラへの攻撃や
ハッキングに加えて、SNSを使うフェイク情報による世論の撹
乱や、プロパガンダによる宣伝戦などを展開します。これをロシ
アでは「ハイブリッド戦」と呼んでいます。
 このハイブリッド戦は、ウクライナへの侵攻を巡ってロシアと
対立している米オバマ前大統領やドイツのメルケル首相などへの
批判や、ウクライナの親欧米政権を貶める内容が中心でしたが、
国内選挙における反政権勢力に対しても使われています。今回の
プーチン大統領の4選でも、ロシア国内において、ハイブリッド
戦による世論操作がフルに行われたのです。
 ロシアのハイブリッド戦のシステムを支えているのは、次の3
つの要素です。
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   1.        フコンタクテ(Vkontakte)
   2.            ボット/トロール
   3.インターネット・リサーチ・エイジェンシー
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 第1は「フコンタクテ」です。
 「フコンタクテ(VK)」はロシア版のフェイスブックです。
このサイトには、現在、世界中の極右勢力が集まってきており、
ロシアのサイトでありながら、ドイツ国内のアクセスランキング
の8位に食い込むほどの人気です。
 これは、本家のフェイスブックで、ヘイトスピーチなどの差別
的な表現や活動を禁止しているので、そこを逃げ出して、自由に
発言できるフコンタクテで発言するようになっており、アクセス
ランキングを上げているのです。
 第2は「ボット/トロール」です。
 「ボット/トロール」は、フェイクニュースやリークを拡散さ
せる重要な手段です。トロールとは、ツイッターのツイートのよ
うなものです。多くのツイッターのアカウントから、人手によっ
てツイートされますが、そのうちの5%から15%は「ボット」
なのです。しかも、AIがコントロールしており、ツイートに返
信して対話したり、拡散を行います。例えば、次のような対話が
行われています。A、B、Cはボット(自動拡散プログラム)で
あり、ロシア工作部門の同一人物です。
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 A:こんな話がある。
 B:それは信じられない。ニセ情報ではないか。
 A:そんなことはない。間違いない情報だ。
 B:お前は騙されているだけだ。
 C:話に割り込んですまないけど、こんな情報があるよ。
   (そういって、Cはニュース記事をリンクする。Cは
   RT[リツィート]やブライトバートのフェイク記事
   だ。それを見てBがこう書き込む)
 B:なーんだ。証拠があるのか。それなら事実だ。
                  https://bit.ly/2IuLgHO
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 第3は「インターネット・リサーチ・エイジェンシー」です。
 トロール(ツイート)の発信には相当の人力が必要です。そう
いうトロールが発信されないと、ボットが機能しないからです。
そのため、作業員をリクルーティングし、その作業をさせる組織
があります。それが、「インターネット・リサーチ・エイジェン
シー」です。トロール部隊ともいわれています。
 日本経済新聞社が、サンクトペテルブルグにあるトロール部隊
の本拠を突きとめて記事にしています。2016年12月19日
の日本経済新聞電子版です。
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 午前9時前、サンクトペテルブルクの住宅街。まだ薄暗いなか
予備校生のようないでたちの若者らが、続々と4階建てのビルに
入って行く。看板には「ビジネスセンター」とだけ書かれ、窓の
カーテンはすべて閉めきられている。
 ビルに向かう若者に話しかけても誰も一切応えない。1階の受
付に立つ警備員2人に業種を尋ねてみた。答えは「革製品の会社
だ」。「そうは見えない」と返すと、「PR会社」に変わった。
「社長にインタビューがしたい」としつこく求めると、怒声が響
いた。「トップは大統領だ」。
 元従業員3人が証言する。ここは1日24時間365日、ネッ
トト上で情報工作をする「会社」だ。300〜400人の従業員
が業務ごとに部署に分かれ、メディアにコメントを投稿、フェイ
スブックなど交流サイト(SNS)には偽情報を拡散し、架空の
人物になりすましてブログも展開する。政治風刺画を手掛けるデ
ザイン部や映像制作部もあるという。(添付ファイル参照)
               https://s.nikkei.com/2ww3yUc
─────────────────────────────
 トロール部隊で働いたことのある元従業員によると、月給は4
万ルーブル(約7万6000円)で、特定のメディアサイトにコ
メントを書き込んだり、政治的なツイートを発信したりするのが
作業内容です。毎朝ターゲットが与えられ、30〜40のIDを
使い分け、1日200件程度のコメントの書き込みや、政治的な
内容のツイートを発信します。それらのツイートにAIにコント
ロールされているボットが絡んで拡散されるのです。
 会社の運営者の実態は謎に包まれています。給料日には、社員
は経理部の部屋の前に整列させられ、札束の詰まった紙袋から、
直接現金が支給されるそうです。そのさい、税金も年金などの社
会保障費などは一切天引きされることはないといいます。
          ──[次世代テクノロジー論U/006]

≪画像および関連情報≫
 ●プーチン政権による「情報テロ」への警戒を強める欧米各国
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   対外発信を強化するロシア国営メディアのプロパガンダ/
  宣伝活動に加え、ネット上の情報工作により各国の市民への
  影響力の拡大を図っているとみられている。
   米国の選挙・・・7割近くは電子投票でありますが、安倍
  首相ではありませんが、開票装置を操作して当選させようと
  していたクリントン氏が、ロシアのハッキングにより、クリ
  ントン氏を当選させる為の操作をでき無くしてしまったので
  す。この事実の公開って・・・難しいですよね。ロシアにサ
  イバー攻撃された一派がが国家ぐるみの違法・投票結果操作
  を行っているわけですから・・・ロシアに文句を言えた筋合
  いではないのです。
   スリがすった財布をすられて・・・警察に訴えるようなも
  のですから・・・。ロシアは関与を否認するが、ネット世論
  を操作する「トロール部隊」の拠点が少なくともサンクトペ
  テルブルクに1つあることが判明しているのです。
   ロシアがこの米国の金融ユダヤグループの瓦解をしり、攻
  撃を開始しているとも言えますが、日本は、この金融ユダヤ
  に牛耳られている国であり、来年は相当の混乱の渦に巻き込
  まれることとなるのは確実な情勢なのです。
                  https://bit.ly/2KcYeXL
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サンクトペテルブルグのトロール部隊の拠点.jpg
サンクトペテルブルグのトロール部隊の拠点
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 次世代テクノロージ論U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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