2018年04月24日

●「森友学園21億円融資の謎を探る」(EJ第4751号)

 今回のいわゆる森友学園事件を理解するのに一番重要なことは
「国民会議」という改憲を目指す保守系団体が深く絡んでいると
いう事実を前提に置くことです。国民会議の会員は全国に約4万
人いますが、政治団体の届けを出していないため、その存在は、
闇に包まれています。
 国民会議は、国家神道を復活させることを悲願としており、そ
のための学校──それも幼児教育の学校を創設したいと考えてい
たのです。その格好のモデルが現れます。それが森友学園が経営
する「塚本幼稚園」です。園児に教育勅語を暗記させ、軍歌を歌
わせていたあの幼稚園です。この幼稚園に加えて、小学校を設立
できればと考えたわけです。
 森友学園の籠池理事長は、当時日本会議の大阪支部の役員であ
り、安倍晋三氏も麻生太郎氏も、国家神道を推進する「日本会議
国会議員懇談会」(日本会議と同じ)の特別顧問です。しかもコ
トが動いた2015年は安倍政権であり、麻生太郎氏は副総理兼
財務大臣で、国有地の売却の権限を持つ財務省のトップです。当
時の閣僚の19人中15人が、日本会議国会議員懇談会の会員で
あるという状況だったのです。
 このように、関係者全員が国民会議のメンバーで、環境条件が
これ以上ない状況であるからこそ、安倍首相をはじめ、日本会議
国会議員懇談会の一部の有力メンバーが、森本学園の小学校設立
のためにいろいろと奔走したのです。そうでなければ、国会開催
中の忙しい時に、なぜ安倍首相が大阪まで行ったのかが説明でき
なくなります。
 このように、国民会議を通してみると、森友学園事件は非常に
わかりやすい構図になります。ところが、なぜかメディアは、国
民会議のことは絶対に触れないので、わかりにくくなるのです。
財務省は、いまだに土地の決裁文書の原本を提出していませんが
それは、おそらく決裁文書の原本に国民会議の記述が多くあり、
それをどうしようか、悩んでいるのだと思います。まさか原本を
改ざんするとは、思いたくありませんが・・・。
 疑惑の3日間の話に戻ります。2015年9月4日に安倍首相
が、東梅田駅前の海鮮料理「かき鐡」で会ったという冬柴大氏と
は、どういう人物でしょうか。
 冬柴大氏は、「かき鐡」のオーナーですが、ただの飲食店の店
主ではないのです。冬柴氏は、かつて国土交通相を務めた冬柴鐡
三代議士の次男であり、大和銀行(現りそな銀行)に18年間務
め、2004年からはソニー生命保険に転職。父の鐡三氏が病没
した2011年にソニー生命を退職し、「冬柴パートナーズ株式
会社」を設立しています。
 業務は経営コンサルタント業ですが、父の人脈を生かして、人
脈紹介や、助成金の申請援助などを得意としている企業です。こ
のあたりに、森友学園との接点が見えてきます。しかも、冬柴氏
は元銀行マンであり、融資の紹介なども手掛けていたようです。
そこに「21億円」の話が出てくるのです。
 とにかく当時森友学園には資金がなく、小学校新設どころか、
借金もあり、幼稚園の運営にも窮していたのです。それが広大な
国有地を入手し、小学校の建物もほとんど完成する寸前までいっ
たのです。どうしてそのような芸当ができたのでしょうか。
 それは、官邸側のキーパーソンである当時の財務省の迫田理財
局長と、民間側のキーパーソンの冬柴大氏の働きがあったのでは
ないかと考えられているのです。そのためには、昭恵夫人が小学
校の名誉校長に就任する必要があったのです。
 そういえば、2015年9月3日に安倍首相は、この事件の官
邸側のキーパーソンである迫田理財局長と会談し、4日には大阪
に飛んで、今度は民間のキーパーソンである冬柴大氏に会ってい
ます。どのような用事があったのでしょうか。そして、5日には
昭恵夫人が森友学園を訪れて講演し、その場で名誉校長に就任し
ています。これらはけっして無関係ではないと考えられます。
 この直後に、森友学園が国から取得した小学校の土地にりそな
銀行の21億円の抵当権が設定されており、安倍首相夫妻と今井
尚哉秘書官の2015年9月3日〜5日の一連の行動は、この融
資に関係があったのではないかと考えられます。
 実は、2018年4月9日に「日刊ゲンダイ」に次のタイトル
記事が掲載されたのです。その記事の一部を紹介します。
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◎ 森友事件に新展開 検察の狙いは政界に流れた融資20億円か
       ──2018年4月9日発行/「日刊ゲンダイ」
 特捜部は、森友学園の小学校建設を巡る土地取得や名義変更、
設置認可などの過程で、複数の政治家に賄賂が渡った可能性があ
るとみているようです。スパコンの助成金詐欺事件やリニア談合
と比べると、森友事件の特捜部の捜査は明らかに時間がかかって
いる。時間が経てば証拠隠滅されかねないのに、財務省関係者は
誰ひとり逮捕されていないし、本省にガサも入っていない。それ
で、特捜部の“本丸”は公文書等毀棄や背任ではなく、『サンズ
イ(汚職)でバッジを狙っている』と噂されているのです。最近
東京地検から大阪地検特捜部に異動になった検事がいることも、
この話の信憑性を高めている。政界ルート解明のため、東西の特
捜部が連携する目的とみられています。 ──在阪メディア記者
                  https://bit.ly/2K4o6G5
─────────────────────────────
 大阪地検特捜部の狙いは、財務省ではないという情報が流れて
います。つまり、公文書の改ざん事件を追っているのではないと
いうことです。しかし、捜査は、東京地検特捜部も協力し、合同
で行われ、かなり大規模に、相当長期にわたっています。
 そういうところから特捜部は、上記のように、「サンズイ(汚
職)で政治家を狙っている」といわれているのです。もしかする
と、籠池夫妻が長期間拘束され、釈放されないのも、これと無関
係ではないのではないかとも考えられます。
            ──[メディア規制の実態/075]

≪画像および関連情報≫
 ●「森友学園」問題の核心/マネーボイス/2017年3月
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   森友事件はロッキード事件になぞられ「アッキード事件」
  ともいわれ、いまや安倍首相の辞任もあり得るとの観測さえ
  出てきている。そんななか、本紙は今後、安倍内閣ナンバー
  2の副総理・財務大臣も兼務する麻生太郎氏にも飛び火する
  可能性があるとの情報を掴んだ。
   すでに、公明党元幹事長でもあった前出・冬柴元国交相と
  同様、関西地盤の鴻池祥肇元財務担当大臣の森友学園に関す
  る口利き疑惑が飛び出しているが、その鴻池氏は麻生副総理
  の派閥(為公会)でナンバー2の会長代行を務める。だが、
  麻生副総理に飛び火しそうだと本紙がいうのは、そんなこと
  ではない。
   2017年3月2日発売の『週刊文春』(3月9日号)が
  この森友学園の国有地取得問題のキーマンだとして、川田裕
  介元鳩山邦夫事務所参与なる人物に実名で初告白させ、5頁
  の特集記事を載せている。この川田氏の告発によれば、安倍
  事務所にも出入りする一方、自分の息子が塚本幼稚園に通っ
  ており、「安倍晋三記念小学校」に入学予定という関係から
  森友学園の籠池泰典理事長の依頼を受け、14年夏ごろ、近
  畿財務局の庁舎で統括国有財産管理官と面談したという。
   だが、同記事には、重要な事実と思われることが抜け落ち
  ている。関係者によれば、川田氏はその前、別の政治家(当
  時)の名刺を使って動き出して以降、政治ブローカーに転じ
  ており、森友学園の件では自分で動いただけでなく、麻生副
  総理と懇意な人物=X氏のコネを使ったというのだ。
                  https://bit.ly/2F4drHP
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取材を受ける冬柴大氏.jpg
取材を受ける冬柴大氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(2) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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