2018年04月18日

●「安倍政権を露骨に擁護する大新聞」(EJ第4747号)

 森友問題の決裁文書の改ざんが発覚し、安倍政権の支持率が急
落しましたが、佐川喚問の不発直後の共同通信の調査で、逆に支
持率が少し上がったときがあります。その日に安倍首相は、麻生
財務相に電話し、次のようにいったという情報があります。
─────────────────────────────
  麻生さん、今日の世論調査を見ましたか。──安倍首相
─────────────────────────────
 安倍首相はきっと不安に思っていたのでしょう。「どこまで下
がるのか」と。ところが、佐川喚問直後の世論調査で、支持率が
42・4%と前回よりも少し上がったのです。このように安倍首
相は、それほど支持率をいつも気にしていたのです。
 しかし、愛媛県と今治市の職員が官邸を訪問した記録が出てき
て、支持率はさらに下がりつつあります。2018年4月13日
〜15日のNNN(日本テレビ)と同時期に実施された朝日新聞
の世論調査は次のようになっています。
─────────────────────────────
      ◎日本テレビ(NNN)
       支持する  ・・・ 26・7%
       支持しない ・・・ 53・4%
      ◎朝日新聞
       支持する  ・・・ 31・0%
       支持しない ・・・ 52・0%
─────────────────────────────
 ここで重要なのは、支持と不支持の差です。日本テレビの調査
では、26・7%、朝日新聞では21%と、いずれも、その差が
20ポイントも開いているのは政権にとって深刻です。なかでも
政権寄りといわれる日本テレビの調査において、支持率が20%
台になったことは、安倍政権にとって深刻です。
 「青木方程式」というのがあります。これは、元参院議員の青
木幹雄氏が提唱したことで知られています。内閣の支持率と党の
支持率の合計が50%を切ると、内閣が崩壊するという方程式で
す。日本テレビの調査では、自民党の支持率は33・4%である
ので、結果は次のようになります。
─────────────────────────────
    26・7% + 33・4% = 60・1%
─────────────────────────────
 青木の方程式では「60%」を超えており、今のところ自民党
の支持は安定しています。これに対して野党トップの立憲民主党
の支持率は「9・5%」に過ぎず、内閣がすぐに倒れるという状
況ではないです。しかし、内閣支持率が党の支持率を6・7ポイ
ント下回っている状況であり、今後この差が拡大すると「安倍降
し」がはじまる可能性があります。
 4月11日の衆院予算委員会の加計問題に関する集中審議を視
聴する限り、どう贔屓目に見ても安倍首相の答弁は苦しいと思い
ます。しかし、これを受けての新聞報道を見ると、特定の新聞社
での安倍政権擁護は露骨極まるものです。ここでは、4月12日
付の読売新聞社説を例にとって説明します。
 読売新聞の社説は、「学校法人『加計学園』を巡る問題が再燃
している」と書き、次のように論じていきます。
─────────────────────────────
 ・衆院予算委員会で野党は面会や発言の有無をただした。安倍
 首相は柳瀬氏について、「私は元上司として信頼している」と
 語ったが、面会記録への言及は控えた。
 ・事実関係について柳瀬氏には積極的な説明が求められよう。
 問題の核心は、学園の加計孝太郎理事長の友人である首相が不
 当に関与していたかどうかだ。
─────────────────────────────
 ここまでは客観的に書かれており、「不当に関与していたかど
うかだ」の部分も分かりやすい表現です。このような誰でも納得
する客観的記述からはじめるのが論説のプロの手法といえます。
問題はその先の記述です。
─────────────────────────────
 ・首相は予算委で、「プロセスに問題はない。私から指示を受
 けた人は一人もいない」と改めて強調した。国家戦略特区の指
 定から開学に至るまでの一連の行政手続きで、首相の直接的な
 関わりを示す事実は出ていない。
─────────────────────────────
 読売新聞は、国家戦略特区の指定から開学までのプロセスに問
題はないとする安倍首相の言葉をそのまま認め、断定しています
が、どうしてそのような断定ができるのでしょうか。
─────────────────────────────
 ・事案の細かい経緯を巡って、水掛け論に終始するのでは、生
 産的とは言えまい。
 ・四国は獣医学部の空白地で、公務員獣医師らの確保が長年の
 課題だった。文部科学省の大学設置・学校法人審議会が専門的
 見地から検討し、開設を認めるよう答申した事実は重い。加計
 学園が新設した岡山理科大獣医学部獣医学科には、募集人員を
 大幅に上回る出願があった。1期生を迎えて今月開学しており
 影響が出ないよう配慮したい。
─────────────────────────────
 社説の後半の部分は、政権擁護べったりです。まず「水掛け論
は生産的ではない」と野党の追及を批判し、四国は獣医学部の空
白地で、専門家の審議を経ての学部新設であるから、プロセスは
は何も問題がないとして首相答弁をヨイショしています。
 さらに、募集人員を大幅にオーバーしての開学であり、学生に
迷惑をかけてはならないと主張しています。新入学生を人質にと
るような書きぶりです。開学しているのだから、いいじゃないか
という書き方です。読売新聞ほどの大新聞社の社説としては、あ
まりにも政権寄りであり、安倍応援団といわれても仕方がないと
いえます。       ──[メディア規制の実態/071]

≪画像および関連情報≫
 ●柳瀬氏らの証人喚問要求など野党追及強める/NHK
  ───────────────────────────
   「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県や学園の関
  係者らが、総理大臣官邸を訪問した際に記されたとする文書
  が残っていたことを受けて、野党側は記載のある柳瀬元総理
  大臣秘書官らの証人喚問を求めるなど、政府への追及を強め
  ることにしています。
   「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、3年前に愛媛県や
  学園の関係者らが総理大臣官邸を訪問し、当時総理大臣秘書
  官だった柳瀬唯夫経済産業審議官が「この件は首相案件だ」
  などと発言したと記された文書が残っていたことがわかり、
  愛媛県の中村知事は、文書は県が作成したものだと認めまし
  た。これについて、柳瀬氏は「記憶の限りでは、お会いした
  ことはない。私が外部の方に対して、この案件が首相案件に
  なっているといった具体的な話をすることはありえない」と
  否定していて、政府は関係府省にこうした文書が保存されて
  いないか確認しています。
   こうした中、衆議院予算委員会で11日、安倍総理大臣も
  出席して集中審議が行われることになっていて、与党側は事
  実関係を明らかにし、説明を尽くすよう政府側に求めること
  にしています。これに対し野党側からは、柳瀬氏が3年前に
  「首相案件だ」などと発言したことが事実であれば、「加計
  学園」が獣医学部の新設を申請していることを知ったのは去
  年1月だったとする、安倍総理大臣の答弁と矛盾するといっ
  た指摘も出ており、柳瀬氏らの証人喚問を求めるなど追及を
  強めることにしています。    https://bit.ly/2HGvgja
  ───────────────────────────

加計学園.jpg
加計学園
 
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
RDF Site Summary