2018年04月17日

●「17年1月20日にこだわる理由」(EJ第4746号)

 加計学園問題をめぐる安倍首相の答弁は不可解です。論理が破
綻しています。それでも平然とその答弁を繰り返すのみです。聞
く耳は持たないという姿勢です。質問にまともに答えていないか
らです。安倍首相は窮地に追い込まれているようです。ことの発
端は安倍首相の次の発言です。
─────────────────────────────
 学校法人「加計学園」による獣医学部新設計画について、事業
主体が同学園だと私が初めて知ったのは、2017年1月20日
の国家戦略特区諮問会議だったのです。     ──安倍首相
─────────────────────────────
 安倍首相は、その前に何度も加計学園の加計理事長とゴルフや
会食を繰り返しており、そのなかで加計学園の獣医学部新設の手
続きが進行していたのです。したがって、安倍首相がそうした学
園の動きを一切知らなかったとは、とても考えられないことです
が、なぜここにきて日を切ったかです。
 それは、2001年にできた次の「大臣規範」に原因であると
思われます。
─────────────────────────────
   閣僚は関係業者から饗応接待を受けることを禁じる
─────────────────────────────
 安倍首相は、2017年1月20日以前に加計理事長と何回も
ゴルフや会食をしており、そのさいの経費は奢ったり、奢られた
りであると国会でも答弁しています。
 しかし、加計学園は国家戦略特区の申請をし、獣医学部の新設
手続き中であり、安倍首相はその国家戦略特区諮問会議の議長で
あるので、加計理事長はまさに利害関係者です。そういう人物か
らゴルフや会食の接待を受けることは「大臣規範」に違反すると
スタッフから知らされ、安倍首相は、急遽2017年1月20日
に加計学園が申請当事者であることをはじめて知ったということ
にしたというわけです。
 今回起きている問題は、2015年4月2日に、愛媛県や今治
市の職員が、当時の柳瀬唯夫首相秘書官(現・経済産業審議官)
と面会し、「これは首相案件である」と告げられ、手続きに関す
るさまざまなアドバイスを受けたということです。
 同じことを競合相手である京都産業大学にもやっているのであ
れば問題はないのですが、そんなことはしていないのです。そも
そもこのような案件で、総理秘書官が官邸で関係者にわざわざ会
うなどということはあり得ないことです。どう考えても「加計あ
りき」の依怙贔屓です。
 問題は、これが本当であるとすると、安倍首相は2017年1
月20日どころか、2015年4月以前の段階から、加計学園の
獣医学部新設の動きを知っていたことになります。つまり、20
17年1月20日の時点ではじめて知ったという発言は「ウソ」
ということになります。だからこそ、理屈にならない理屈で、安
倍首相は逃げようとしているのです。
 ところが、2015年4月2日に柳瀬首相秘書官が愛媛県と今
治市の職員、加計学園の関係者に会い、「首相案件」といったこ
との証拠が出てきているのです。それにも関わらず、安倍首相は
次のような答弁にならない答弁を繰り返しています。
─────────────────────────────
 愛媛県が作成した文書なので、政府としてコメントできないと
いうことでございます。そのうえで、柳瀬元秘書官の発言につい
ては、元上司として、信頼しているところでございます。
                       ──安倍首相
─────────────────────────────
 実は、安倍首相は柳瀬唯夫秘書官を加計理事長と引き合わせて
います。それは、2013年5月6日のことです。そのとき、柳
瀬首相秘書官、加計理事長、安倍首相は、ともにゴルフをしてい
ます。この日は、萩生田光一前官房副長官が安倍首相と加計理事
長とのスリーショットの写真(添付ファイル)をブログで公開し
ていた、あのバーベキューの翌日に当たります。
 ノンフィクション作家・森功氏の『悪だくみ「加計学園」の悲
願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)によると、この日、安倍首
相や加計理事長、萩生田前官房副長官のほか、昭恵夫人や萩生田
夫人、加計理事長の後妻、さらに今井尚哉氏や柳瀬氏といった首
相秘書官らも参加していたのです。これについて、リテラは次の
ように書いています。
─────────────────────────────
 当時は、第2次安倍政権が発足して半年が経った頃で、これま
でさんざん獣医学部開設の申請を却下され続けてきた加計学園が
安倍首相の力を借りて、今度こそ、開設を実現させようと仕切り
直していた時期。
 そんな時期に官邸スタッフ勢揃いのゴルフに加計理事長を参加
させたというのは偶然とは思えない。これは官邸スタッフに対す
る「俺の腹心の友に協力しろ」という無言の呼びかけであり、安
倍首相はこのゴルフで、特区担当の柳瀬氏と加計理事長を引き合
わせた上で「よろしく頼む」と指示したのではないか。
                  https://bit.ly/2H33f8s
─────────────────────────────
 つまり、こういうことになります。加計学園は長年にわたって
獣医学部の新設のプランを持っていたのですが、15回も却下さ
れています。加計学園は、傘下の学校に動物関連の学科が多く、
「広島アニマルケア専門学校」など動物の専門学校を2つも持っ
ています。しかし、大学の獣医学部新設は、岩盤規制に阻まれて
申請はことごとく却下されてきたのです。
 そこに2012年に第2次安倍政権が発足したのです。親友の
安倍晋三氏が首相です。加計理事長でなくても今度こそと考えて
も不思議はないのです。しかし、安倍首相は少し乱暴にやり過ぎ
たといえます。奢りで、「加計ありき」をやってしまったのでは
ないでしょうか。    ──[メディア規制の実態/070]

≪画像および関連情報≫
 ●安倍首相、会っていない言い張る秘書官の記憶を信頼
  ───────────────────────────
   どっちがうそつき? 安倍晋三首相は4月11日の衆院予
  算委員会で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめ
  ぐり、「首相案件」などと書かれた愛媛県職員作成の「備忘
  録」に対する論評を避けた。自身の関与や学園の要請を否定
  した上で、記憶を根拠に「首相案件」発言を否定した柳瀬唯
  夫経産省審議官を「信頼する」と主張。記録より記憶を“信
  用”した。野党は、県職員、柳瀬氏の「証人喚問対決」を提
  案。与野党の怒号、首相秘書官のやじまで乱れ飛ぶ騒然とし
  た審議で、安倍政権は疑惑を晴らすことができなかった。
   加計学園の獣医学部新設計画を首相秘書官が「首相案件」
  と述べたと書かれた「備忘録」の判明から一夜明けた国会。
  首相はいつになくペーパーを棒読みし、やじに敏感に反応し
  た。「(自身に批判的な)前川喜平氏を含め、私から指示を
  受けた方は1人もいないと明らかになっている」「(国家戦
  略特区諮問会議の)民間議員からも、プロセスに1点の曇り
  もないと明確な発言があった」。自身は無関係とする従来の
  説明を繰り返し、そのたびに質疑が止まった。備忘録につい
  ても「都道府県の作成の文書で政府の文書ではない。政府と
  してコメントする立場にない」と、延々と繰り返した。一方
  で、15年4月2日に官邸で愛媛県や今治市側と会ったとさ
  れる柳瀬氏について「私は部下を信じて仕事をしている。柳
  瀬氏の発言は信頼している」と述べた。
                  https://bit.ly/2IXlKY2
  ───────────────────────────

問題の写真/安倍首相・加計理事長・萩生田光一氏.jpg
問題の写真/安倍首相・加計理事長・萩生田光一氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
RDF Site Summary