2018年04月03日

●「8億円値引きの根拠は虚偽である」(EJ第4736号)

 森友学園が、2016年2月の杭打工事中に、地下3メートル
より深い所から「新たな」埋設物が出てきたと近畿財務局に連絡
を入れたのは、2016年3月11日のことです。
 契約書では、こういう場合、学園側がそのゴミの撤去を行い、
そのうえで撤去費を近畿財務局に請求することになっているので
すが、学園側は、そんなことをしていたら、2017年4月の小
学校開校に間に合わなくなると申し入れたのです。これは、国に
対し、ゴミ処理費用に見合う値引きを暗に求めたことを意味しま
す。国に対する一種の恫喝といえます。
 近畿財務局としては、校舎建築に不可欠なゴミの撤去について
は「有益費」として森友学園に1億3176万円を支払っていま
すが、ゴミについてはこれ以上出てこないようにするため、工事
業者と打ち合わせをしていたのです。
 ここに近畿財務局と森友学園の校舎工事を担当している業者と
のゴミの処理に関する打ち合わせの記録があります。学園は入っ
ていません。この記録は、ゴミの撤去工事を担当した中道組が作
成したものと思われます。「キアラ」とあるのは、キアラ建築研
究機関。2015年9月4日のことです。玉木雄一郎希望の党代
表のブログから引用します。
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中道組:先日現場立ち合い(原文ママ)にてご確認頂きました汚
    染土に含まれている産廃と地中埋設物撤去範囲に含まれ
    ている産廃処分につきまして予算計上可能か否か今後の
    施工計画について打合せする必要があるのでお時間頂戴
    致しました。(中略)すべて撤去となると膨大な金額と
    なる為、工事を進めてよいものか判断頂きたい。
財務局:(中略)北東部分の産廃だけで約4000万円もかけ、
    北西部他地域の予測される産廃処分を併せて考慮すると
    そもそも地価を上回る瑕疵が発生する国有地を貸し出し
    することは出来ないので契約取止めになる。
キアラ:産廃処分費に予算がつかないのであれば、基本的に建築
    工事に支障はないので場外に出さない方法を考えるしか
    ないと思われる。
財務局:出来ればキアラ設計に場外処分を極力減らす計画を考え
    てもらえないか。(中略)建築に支障ある産廃及び汚染
    土は瑕疵にあたる為、費用負担義務が生じるがそれ以外
    の産廃残土処分が通常の10倍では到底予算はつかない
    が、借主との紛争も避けたいので場内処分の方向で協力
    お願いします。       https://bit.ly/2E9YT9c
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 要するに、校舎以外の土地の部分には廃材や生活ゴミが多数あ
ることはわかっていたのですが、それを場内処分にしてほしいと
財務局は工事業者に頼んでいます。しかし、この打ち合わせ記録
には、手書きで書き込んだ部分があるのです。この記録の存在を
その翌年に知った籠池理事長が書き込んだものと思われますが、
法律用語が使われているところから、弁護士と相談してメモした
ものと考えられます。
 この記録を見た籠池理事長は近畿財務局に対し、より深いとこ
ろから「新たな」埋設分が出てきたことを申し出たのです。20
16年3月11日のことです。これに対して、近畿財務局がどう
対応したかについて、玉木雄一郎希望の党代表は、自身のブログ
で次のように述べています。
─────────────────────────────
 ところが、不思議なことに、平成27年9月の合意からわずか
半年後の昨年(平成28年)4月になって、有益費対象の工事で
は撤去しないこととした廃材や生活ゴミを、一転、すべて撤去す
るという前提で、8億円もの撤去費用を国が算出したのだ。しか
も今度は、小学校の開校予定に間に合わないという理由で、立替
払いによる工事もせず、いきなり土地の価格を9億円から8億円
も値引きして売却するという異例の対応を取ったのである。
 国は、建設工事に支障のない廃材や生活ゴミの撤去費用につい
て、国に負担義務がないとした平成27年9月の判断を、半年後
の平成28年4月になって、なぜ一転して変えたのか。そのヒン
トが平成27年9月4日の「打合せ記録」にある。
                  https://bit.ly/2E9YT9c
─────────────────────────────
 おそらく籠池理事長は、この打ち合わせ記録を財務局に持ち込
み、撤去しないことにしている廃材や生活ゴミに、3メートル以
上の深部から出てきたとする「新たな」ゴミの分も含めて値引き
してほしいと交渉したのです。これも一種の恫喝です。
 結局、財務省は、この恫喝に屈して、すべてのゴミを含めて約
8億円を値引きして、土地を1億3000万円で売却することに
したのです。2016年6月のことです。それでは、その既知の
ゴミである廃材や生活ゴミ以外の新しいゴミというのは、本当に
あったのでしょうか。
 結論からいえば「NO」です。そんなゴミは「存在しない」の
です。確証があります。それは、森友学園の校舎工事を受注した
藤原工業株式会社の「マニフェスト」(産業廃棄物管理票交付等
状況報告書)で既に明らかになっています。このマニフェストは
豊中市の市議が情報公開請求をして入手したもので、2017年
7月7日に公表されています。
 それによると、新築混合廃棄物は「194・2トン」とあり、
これは財務省が主張するゴミの量の100分の1であることがわ
かったのです。2万トンあるといっているのに実際は194トン
しかないのですから、明らかに虚偽です。財務省の8億円の値引
きは明らかに不法です。
 そこで豊中市の市議らを含む市民団体は、財務省近畿財務局職
員らに対する背任罪の告発状を大阪地検特捜部に提出し、受理さ
れ、捜査がはじまっています。
            ──[メディア規制の実態/060]

≪画像および関連情報≫
 ●【森友】安倍首相と財務省、国民に虚偽説明か
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   11月22日に会計検査院は森友学園への国有地払い下げ
  の問題をめぐり、値下げ額の8億円の根拠が不十分だとして
  参議院予算委員会理事会で報告した。今年3月、この問題に
  ついて国会法に基づき参議院議長から会計検査院に(1)経
  緯、(2)価格算定の適正性、(3)行政文書の保管状況に
  関する検査依頼がなされ、それに対する報告であった。
   払い下げが行われた土地に建設予定だった小学校は、当初
  「安倍晋三記念小学校」という名称で、安倍晋三首相夫人の
  昭恵氏が名誉校長に就任していた。今回の会計検査院の報告
  により森友問題は、なぜ国有財産を不当に払い下げたのか、
  安倍首相夫妻はどのように関与していたのかを問うスタート
  ラインについた。
   2017年10月下旬、東京新聞は1面トップで会計検査
  院が「値引き額が最大6億円過大」と算出していると報じて
  いたが、筆者は11月8日付当サイト記事『【森友問題】値
  引き6億円過大、会計検査院が認定…実際はごみ存在せず、
  値引き自体不当』で、「最大6億円」ではなく「8億円の値
  下げ自体」が不当であると指摘した。ところが11月9日、
  NHKに出演した会計検査院の河戸光彦院長は、この問題で
  財務省や国交省の責任を問うような明確な話を避けて、資料
  が入手できないことを理由に、問題を曖昧化する姿勢をみせ
  た。              https://bit.ly/2GpJR0P
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森友学園の土地の埋設物発見の経緯.jpg
森友学園の土地の埋設物発見の経緯
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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