2018年04月02日

●「森友学園は国有地をなぜ買えたか」(EJ第4735号)

 2018年3月27日、財務省が森友学園との国有地取引に関
する公文書を改ざんした問題で、衆参両院の予算委員会で、当時
の理財局長だった佐川宣寿氏の証人喚問が行われました。
 しかし、佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」として約50回も
証言を拒否し、改ざんの経緯はいっさい明らかにされないままに
終わっています。
 森友学園事件で重要なことは、「なぜ公用文書を改ざんしなけ
ればならなかったか」という「動機」にあります。しかし、議員
からの厳しい追及にも関わらず、佐川氏は口を閉ざして、何も語
らなかったのです。それは、森友学園との契約が、それほど疑惑
にまみれたものだったからです。
 留意すべきは、いまだに改ざん前の原本の提出が財務省からな
いことです。提出されたのは、財務省が作成した改ざん前と改ざ
ん後の比較表であり、原本ではないのです。「コンピュータがグ
チャクチャになっていて時間がかかる」というのが財務省のいい
訳ですが、なぜ、原本を隠すのでしょうか。
 さて、森友学園は、不動産鑑定士による評価額9億5600万
円の土地を大阪航空局の算定によるゴミの撤去費用8億2200
万円を引いて1億3400万円で取得しています。しかし、森友
学園は1億3400万円を国に支払ったわけではないのです。
 それは、「有益費」として国から森友学園に対して、3億31
76万円が支払われているからです。この「有益費」というのは
森友学園が国と締結した「買受条件付賃貸借契約」の第6条に記
載されているものです。この契約は、2015年5月29日に締
結されています。これが籠池理事長のひとつの仕掛けです。
 実際に小学校校舎の建築のさい、校舎建築に支障のあるゴミが
見つかり、2015年7月29日から12月15日までに土壌改
良・地下埋設物撤去工事が行われています。この土地は阪神淡路
大震災のさい、仮設住宅も建てられていたので、排水管、マンホ
ール、アスファルト、コンクリートガラ約720トンと汚染土約
1090トンが撤去されています。
 このようなゴミの撤去や土壌改良は、その土地の価格を上げる
ことになるので、次のように契約書に従って「有益費」が森友学
園に支払われています。籠池泰典氏は、この金額を早く支払って
くれるよう安倍昭恵夫人付きの谷政府職員を通じて財務省に働き
掛け、2016年3月30日に支払いが決定され、4月6日に支
払われています。
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   地下埋設物撤去費 ・・・ 86324000円
    土壌汚染対策費 ・・・ 45436000円
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               131760000円
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 しかし、この1億3176万円の積算根拠はきわめて曖昧なの
です。この問題を調べている渡辺輝人弁護士は、ブログで次のよ
うに述べています。
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 特に、8600万円余の地下埋設物撤去費用はどのような説明
がつくのでしょうか。森友学園の代表者は、地下のごみの撤去費
用を「1億円くらい」と述べる一方、財務省は「理事長は『撤去
費の額は他の工事と一体になっているので分からない』と答えて
いる」と述べています。(一部略)
 そもそも、森友学園が購入時には異議申立できない可能性が高
いものを、なぜ、賃貸の段階だと「有益費」として「返還」して
貰えるのでしょうか。「有益費」は、国の基準で検証することに
なっています(「国有財産有償貸付合意書」第6条)。国は「検
証」結果の詳細を公表し、その正当性を証明すべきでしょう。
                  https://bit.ly/2pTocr1
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 この1億3176万円は、森友学園としては建築業者に支払う
べきお金ですが、少なくともこの時点で森友学園には、1億31
76万円の現金が入っているのです。これは、大幅値引きされた
国有地を購入する資金として十分使えます。
 これに加えて、建築中の校舎の建物が、国土交通省「平成27
年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択され
6194万4000円の補助金支給が指定されたのです。このよ
うに、昭恵夫人が名誉校長であれば、なんでもスイスイ通ってし
まうのです。しかし、瑞穂の国記念小学院の校舎は一見木造に見
えますが、実は木造ではなく、鉄骨造りなのです。このように、
普通なら絶対にパスしないものでも通ってしまうのです。
 さて、ここからが籠池理事長(当時)の最終の仕掛けです。彼
は、安倍昭恵夫人が名誉校長に就任した後の財務局の驚きべき変
化に自信を深め、最後の賭けに出たのです。
 2016年3月11日になって、籠池理事長は突然次のことを
財務省近畿財務局に申し入れてきたのです。
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 2016年2月の杭打ち工事中に、次の通りさらに深い所から
「新たな」埋設物を発見した。        ──籠池理事長
           杭打箇所:地下3・0〜9・9メートル
            その他:地下3・0〜3・8メートル
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 本当は「有益費」を支払う時点で、2015年9月4日、工事
業者と近畿財務局は、財務局の9階会議室で打ち合わせを行って
おり、廃材やゴミを撤去しないことで合意に達しています。した
がって、財務局としては、森友学園が申し出てきた「新しい」ゴ
ミの存在にについては寝耳の水だったのです。しかも、籠池理事
長は、このままでは、2017年4月の開校に間に合わなくなっ
てしまうと、財務局にプレッシャーをかけています。加計学園と
まったく同じ構図であるといえます。
            ──[メディア規制の実態/059]

≪画像および関連情報≫
 ●「森友」「新たなゴミ」の根拠/検査院「確認できず」
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   日本共産党の辰巳孝太郎議員は20、22両日の参院財政
  金融委員会で、学校法人「森友学園」への国有地8億円値引
  きの根拠がないことを、この間明らかになった資料をもとに
  浮き彫りにしました。
   8億円値引きの理由について国は、ゴミ撤去費(有益費)
  として当初補償していた分とは別に、2016年3月に大量
  の「新たなゴミ」が発見されたためと説明しています。
   辰巳氏は、値引きの妥当性を検査した会計検査院に、「前
  年(15年)に学園が残したゴミではなく、新たなゴミだと
  判断する根拠はあったか」と質問。同院の宮川尚博審議官は
  「確認できなかった」との検査結果を報告しました。
   辰巳氏は、今年に入り開示された財務省近畿財務局の法律
  相談文書で、有益費の範囲内なのか、新たなゴミなのかを精
  査する必要性が指摘されていると強調。同文書が検査院に提
  出されたのは結果報告の前日だとして、精査するよう求めま
  した。宮川審議官は「文書の内容を精査の上、慎重に検討す
  る」と述べました。
   16年3月のゴミをめぐっては、同月30日に学園理事長
  (当時)の籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=や学園側業者と、
  財務省近畿財務局、国土交通省大阪航空局の職員が会合した
  音声記録が明らかになっています。国交省の和田浩一航空局
  次長は、会合に航空局職員が同席していたことを認めつつ、
  「(出席職員は)詳細は覚えていない」と答弁。
                  https://bit.ly/2GDolsF
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瑞穂の国記念小学院/森友学園.jpg
瑞穂の国記念小学院/森友学園
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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