2018年03月23日

●「森友学園と日本航空学園の類似性」(EJ第4729号)

 3月19日の参院予算委員会の集中審議において、自民党の和
田政宗議員は、安倍首相を擁護しようとして、暗に野党に対して
次の発言をしています。和田議員は、自民党に何人もいるアベ擁
護派議員の一人で、自民党の広報副本部長を務めています。
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 文書に伝聞形で書かれているということで証人喚問に呼べとい
うならですね。山梨のある学校法人が格安で国有地の払い下げを
受けた案件はどうなるんでしょうか。この学校の保護者の会の連
合会長は、野党のある国会議員です。
              ──和田政宗自民党広報副本部長
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 この質問は、森友決裁文書のなかに伝聞形で書かれている昭恵
夫人の記述を基にして証人喚問をしようとする野党を批判し、安
倍首相を擁護しようとする発言といえます。
 ところで、「山梨の国有地の払い下げ」とは何を意味している
のでしょうか。気になるので、調べてみたところ、意外な事実が
わかったのです。森友学園、加計学園に続き、さらにもうひとつ
学校法人が登場してきたのです。
 ここで山梨のある学校法人というのは、学校法人日本航空学園
のことです。その日本航空学園は、山梨県内の国有地を約50年
にわたって無断で使い続けていたのです。この国有地は、201
6年5月に評価額の8分の1という格安の価格で、学園に売却さ
れています。森友学園とそっくりです。
 この件を報道したのは、2018年1月8日付の毎日新聞です
が、その一部を以下に引用します。
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 山梨県内の国有地を地元の学校法人が約50年無断で使い続け
管理する財務省関東財務局が把握しながら放置した末、2016
年5月に、評価額の8分の1で売却していたことが明らかになっ
た。国は学校法人「森友学園」への国有地売却問題を機に国有財
産の処分の適正化に着手したが、ずさんな管理と不透明な取引の
実態が改めて浮かんだ。
 財務省は国有地を売却した際、原則的に所在地や買い手、金額
日付といった内容しか公表しておらず、毎日新聞が入手した売買
に関する資料などで詳細が判明した。問題の土地は、同県甲斐市
の計約6566平方メートル。学校法人「日本航空学園」が運営
する日本航空高校のキャンパス内にあり、同校がパイロット養成
用の滑走路などとして使っている。
 財務省理財局などによると、国有地は旧建設省が管理して農道
や用水路として利用されていたが、1960年代に学園が周辺の
田畑を買収して滑走路などを整備した際、敷地内の農道なども無
断でその一部にしていた。       http://bit.ly/2psg2W0
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 これは、国有地を管理する財務省理財局と、国有地と知りなが
ら、無断使用を続けてきた双方に問題があります。この毎日新聞
の記事を読んだ和田政宗議員は、直ちに次のようにツイートして
います。
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 今朝の毎日。財務省が、日本航空学園による国有地占有を放置
し、結局格安で払い下げ。森友もそうだが、こうした国有地売却
が他にもあるのかチェックしなくてはならぬ。政治家の関与ある
なし関係のないところで行われている。毎日の本質を突く記事。
朝日にはこうした記事は書ける?    http://bit.ly/2DJj6Cu
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 参院予算委員会での和田氏の発言とこのツイートを見ると、こ
の山梨の例がそうであるように、森友問題も本来政治家案件では
ないというような印象操作をしているようにみえます。
 しかし、山梨の国有地の無断使用の問題は、現職の自民党参院
議員が深く関わっているのです。それは自民党の赤池誠章参院議
員です。現在、前川喜平前文科事務次官が授業を行った中学校に
教育委員会を通じて、文科省から圧力をかけさせようとしたあの
参院議員です。
 赤池議員は2005年の当選ですが、それまでは、この日本航
空学園グループ傘下の日本航空総合専門学校(2006年に日本
航空大学山梨に改称)の学校長を務め、社団法人山梨県研修学校
協会会長に就任していたのです。そういう経歴から、現在は自民
党文部科学部会の部会長を務めているのです。
 それだけではないのです。この学園には、安倍首相と同期のタ
カ派議員の米田健三元内閣府副大臣が、この日本航空学園で、理
事・教育顧問を務めていることがウィキペディアに出ています。
 このように、同学園は自民党と強く結びついているのです。
 リテラによると、日本航空学園の創立者である梅沢義三氏につ
いて、次のように述べています。なぜ、安倍政権には学校にまつ
わる話がいくつも出てくるのでしょうか。
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 日本航空学園の梅沢理事長は、「日本文化チャンネル桜」の設
立発起人に名を連ね、『日本航空学園アワー』なる番組が放送さ
れていたほどのゴリゴリの極右。元谷外志雄・アパグループ代表
が塾長・最高顧問を務める「勝兵塾」に参加した際には、「憲法
についてのくだらない議論よりも教育勅語を教えることが必要」
「我が国の伝統文化を教えれば10年後にはスムーズに憲法改正
ができる」「国体をしっかり守りさえすれば憲法なんてどうでも
いい」などと語っており、安倍自民党との親和性が非常に高い学
校法人なのだ。
 保護者・OB会の連合理事という立場の野党議員と、政権与党
議員である元学校長や、安倍首相の盟友的存在である自民党副大
臣経験者ならば、どちらが役所に影響力を誇るか。誰にだってわ
かる話だろう。            http://bit.ly/2DJxcUl
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            ──[メディア規制の実態/053]

≪画像および関連情報≫
 ●第2の森友学園か?/辻田 真佐憲氏
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   先日、山梨県甲斐市の学校法人・日本航空学園が同県内の
  国有地を格安で売却されていたと報道された(「毎日新聞」
  1月8日付)。これにたいし、同学園側は「法律に基づき手
  続きを進めるためのものであり、何ら落ち度はない」と応え
  現在その行方に注目が集まっている。
   同学園理事長の梅沢重雄は、『人生でいちばん大切な10
  の知恵 親子で読む教育勅語』(2014年)を刊行するな
  ど、「教育勅語」に入れ込んでいることでも知られる。その
  ため、一部で「第二の森友学園か?」との観測も流れた。
   戦後、「教育勅語」を学校教育に利用して、大きく話題に
  なったことが2回ある。
   ひとつは、1960年代の島根県松江市の私立・淞南高校
  (現・立正大学淞南高等学校)。もうひとつは、昨年の森友
  学園の塚本幼稚園だ。日本航空学園は、これに続くのだろう
  か。「教育勅語」を利用する学校は「君が代」や軍歌との関
  係が深い。同学園もまた「君が代」を重視し、「君の御楯」
  「御国を負いて」などの歌詞をもつ寮歌を使っている。とは
  いえ、安直な類似の指摘は避けなければならない。そこで、
  イデオロギーの面から、日本航空学園は先行する事例とどこ
  が同じで、どこが違うのか、検証してみた。
   日本航空学園は、戦前の航空学校を前身とし、アジア太平
  洋戦争の敗戦による閉校などをへて、1964年現在の名称
  となった。現理事長の梅沢重雄は三代目で、創立者・梅沢義
  三の孫にあたる。         http://bit.ly/2B3HvBd
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米田健三/赤池誠章両氏.jpg
米田 健三/赤池 誠章両氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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