2018年02月23日

●「『徹の部屋』では何が話されたか」(EJ第4710号)

 「AbemaTV」 (アベマTVと表記)というテレビがあります。
PCやスマホ向けのライブストリーミング形式で映像を配信する
インターネットテレビのことです。株式会社アベマTVが運営し
ていますが、放送事業者ではないので、放送法の対象にはならな
いのです。
 ライブストリーミングというのは、データをダウンロードしつ
つ同時に再生する方式のストリーミングの一種であり、映像や音
声をリアルタイムで配信し、リアルタイムでデータの変換を行い
そのままストリーミング再生するというものです。
 この株式会社アベマTVは、テレビ朝日が40%、サイバーエ
ージェントが60%を出資しており、取締役会長には、早河洋テ
レビ朝日会長、代表取締役社長には、藤田晋サイバーエージェン
ト社長が就任しています。この早河洋氏と藤田晋氏を結びつけた
のが、幻冬舎の見城徹社長です。
 既に述べているように、見城徹氏はテレビ朝日の放送番組審議
会会長を務めていますが、サイバーエージェントの藤田晋社長を
そのメンバーに加えています。このように、この早河、見城、藤
田の3氏は大変仲が良く、いろいろな企画を話し合い、実行に移
しています。
 そのひとつにアベマTVには「徹の部屋」という番組があり、
政財界の有名人を招いて、見城社長がゲストと本音で話し合うと
いうものです。
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    「徹の部屋」一番会いたい人物と本音トーク
                 ──アベマTV
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 2017年10月8日夜のことです。公示前とはいえ、選挙の
直前です。「徹の部屋」に安倍首相が出演したのです。そのとき
のメンバー(敬称略)は次の通りです。
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    「徹の部屋」一番会いたい人物と本音トーク
     司 会:見城徹/アシスタント:大石絵理
     出演者:安倍晋三首相
         ジャーナリスト/有本香
         ジャーナリスト/東海大学教授/末延日正
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 この日、この「徹の部屋」での出席者の発言をいくつか次にご
紹介します。ソースは「ニュースサイト/リテラ」です。読み易
いように文章を一部変更しています。
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見 城:ボクは、ずっーと安倍さんのファンなんですよ。日本の
    国は安倍さんじゃなきゃダメだと思っています。大石さ
    ん、安倍さんの印象どうですか。
大 石:ダンディでかっこいい方ですよね。
見 城:すごくハンサムですよ。内面が滲み出ているお顔です。
大 石:嘘が苦手そう。
見 城:ほんとうにね。信義に厚い方。私利私欲がない。だから
    足を引っ張られやすい。
末 延:安倍さん、いい人なの。正直だから嘘をいえない。だか
    ら、ちょっと口下手なところがある。
安 倍:きょうはね、そうやって褒めていただいて、本当にうれ
    しいですよ。
見 城:ほんとうにね。安倍さんにがんばっていただかないと、
    日本は経済も立ち行かなくなるし、北朝鮮からも守れな
    いし、外交も歴代の総理大臣でこれだけのことをやった
    人はいないですよ。ところが、メディアは報道すべきこ
    とを報道しない。
末 延:日本のメディアは権力監視を勘違いしている。
有 本:日本のメディアはね、そういう人たちだから。
末 延:総理がつらいのは、じっと聞いていなきゃいけない。反
    対した人も含めてね。日本の暮らしを当然守る責任があ
    る仕事ですよ。そこはしようがないですよね。総理大臣
    になったんだから。
安 倍:それは当然そうなんですね。私に批判的な人たちに対し
    ても総理大臣としてはその人のですね、生活(政策?)
    に対して・・・
末 延:それでも腹が立つでしょ?
安 倍:まだまだ人間ができていませんからね。
見 城:いい人すぎるんですよ。
末 延:正直ですよ。
安 倍:久々にそういっていただけて、うれしいです。もう、い
    ままでずっと「安倍独裁」とかいわれてですね、そんな
    ことはやっぱりなんですねえ。 http://bit.ly/2EGh9YH
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 中身のない、飲み屋で話すような話です。それにしても安倍首
相への歯の浮くようなお世辞の嵐です。これについて、リテラは
次のように締めくくっています。
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 もはや言葉を失うしかない。しかしきっと、安倍首相は見城を
はじめとする会食仲間から、いつもこのように、「人間として深
まっている」などとヨイショばかり受けているのだろう。そうし
てどんどん国民から背を向け、自分中心で政治を動かしてきたの
だろう。そんな「闇」が、この番組によってオープンにされたの
である。(一部略)見城は「ほんとにメディアは報道すべきこと
を報道しない」などと言って安倍首相を擁護したが、このような
為政者と距離も置かずにベッタリした関係を流すだけの番組を彼
は「あるべき放送」とでも考えているのだろうか。
                   http://bit.ly/2CzgRB2
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            ──[メディア規制の実態/034]

≪画像および関連情報≫
 ●アベノTVをめぐる見城、藤田、早河の関係
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   じつはこのAbemaTV をめぐる、見城氏および藤田氏と早河
  会長の関係については、2017年6月29日のテレビ朝日
  株主総会でも問題視されていた。前述とは別の関係者がその
  ときの様子をこう語る。
   「総会ではAbemaTV と『徹の部屋』を名指しするかたちで
  見城氏と藤田氏がテレ朝の番組審議会委員であることは利益
  相反にあたるのではないかとの強い疑義が呈された。早川会
  長の指定で、広報やコンプラ関連を統べる両角(晃一)取締
  役が応答したのですが、ところが、口から出たのは彼らへの
  惜しみない賛辞。とくに見城氏に対しては『大変に高い見識
  をおもちの方』とか、『当社としても大変感謝してございま
  す』などと絶賛の嵐でした。一方、番組審議会については、
  『公平なチェック機関として機能を十分に活かしています』
  とだけ言って終わらせてしまった」。
   だが、今回の『徹の部屋』のあまりに露骨すぎる放送によ
  って、このAbemaTV 問題が再燃するのは必至だ。当然、次の
  株主総会では大きな問題になるだろうし、選挙後に告発の動
  きもあるのではないかともいわれている。
   しかし、一方で、テレビ朝日の安倍応援団による侵食は確
  実に影響を強めている。5月の安倍首相と早河会長、篠塚浩
  取締役報道局長、伊井忠義政治部長らの会食の直後、テレ朝
  の政治部記者が菅偉義官房長官の会見で“助け舟”質問をし
  たり、森友・加計問題追及の先陣をきってきた『羽鳥慎一モ
  ーニングショー』で、急に政権批判がトーンダウンしたり、
  また、8月には『グッド!モーニング』が加計問題をめぐり
  安倍首相の側近である萩生田光一自民党幹事長代行に全面謝
  罪する場面があった。テレビ朝日はこのまま、安倍一派に私
  物化されてしまうのか。それとも、自浄作用を発揮できるの
  か。その動向を今後も注視していく必要があるだろう。
                   http://bit.ly/2ERXubN
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「徹の部屋」/2017年10月8日放送回.jpg
「徹の部屋」/2017年10月8日放送回
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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