2018年02月08日

●「古賀氏はなぜ報ステを降板したか」(EJ第4700号)

 2015年3月27日(金)放送「報道ステーション」──こ
れが古賀茂明キャスターの最後の出演になります。このとき、番
組内で何があったのか、途中CM中に何が起きたのかについて、
できるだけ詳しくお伝えすることにします。
 その日の前日の26日付で、それまで「報道ステーション」の
月曜〜木曜のコメンテーターを務めていた惠村順一郎氏(朝日新
聞論説委員)が番組から降板しています。この惠村氏のコメント
は、私はなかなかのものだったと記憶しています。古賀氏は、た
しか金曜日のコメンテーターとして、月に2回程度出演していこ
とを覚えています。
 古賀氏によると、「報道ステーション」のVTRは実に素晴ら
しく、それは、報道局幹部や政治部・経済部からの圧力と戦うM
プロデューサーの働きによるところが大きく、このVTRと惠村
コメンテーターのコメントで番組の9割方が決まるというのが、
当時の「報道ステーション」の実態だったのです。ところが、そ
のMプロデューサーも古賀氏と同じ日をもって、この番組の担当
を外れ、他部署に異動になっています。
 テレビのモーニングショーや各種報道番組では、放送が始まる
前に番組内容についての打ち合わせがあり、テーマごとに誰がど
のようにコメントするか、大体決まっているのです。つまり、筋
書きというか台本があるのです。
 2015年3月27日、その日、私は「報道ステーション」を
偶然視聴していたのです。その日の「報道ステーション」で何が
あったのかについて、ネット上の情報と私の記憶をベースとして
核心部分を再現してみることにします。言葉は、読み易いように
若干補正しています。
 番組が始まると、古賀氏は最初にコメントする場面で、いきな
り、次のように切り出したのです。
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 そのお話をする前に、あの私、今日がこの番組が最後というこ
とでですね、テレビ朝日の早河(洋)会長とか、古舘プロジェク
トの佐藤(孝)会長のご意向でですね、私はこれが最後というこ
となんですが・・。これまで非常に多くの方から激励を受けまし
て・・、その一方で、菅官房長官をはじめ、官邸の皆さんにはも
のすごいバッシングを受けてきましたけれども。まあ、それを上
回る皆さんの応援のおかげで、非常に楽しくやらせていただいた
ということで、心からお礼を申し上げたいと思います。これまで
本当にありがとうございました。(頭を下げる)
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 古賀氏のこの突然の発言に対して、古館メインキャスターは、
次のように反論したのです。そのやり取りの一部です。
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古館:古賀さん、今のお話は私としては承服できません。古賀さ
   んは、金曜日にこの番組に出てくださって、大変私ども勉
   強させていただいております。4月からこの番組の内容が
   変わっていくなかでも、古賀さんには機会があれば、企画
   が合う場合は、出ていただきたいと思っているのです。
古館:それは本当にありがたいことです。でも、それが本当であ
   れば・・ね。
古館:古賀さんが、これで、すべて、何かテレビ側から降ろされ
   たということは、ちょっと違うと思いますよ。
古賀:でも、古館さん、いわれましたよね。私がこういうふうに
   なることについて「自分は何もすることができなかった。
   大変申し訳ないって・・」。
古館:はい。もちろんそれは・・。でもこの前、楽屋でお話しし
   たのは、古賀さんに教えていただいているなかで、古賀さ
   んのご意向に沿うようなかたちにできていないとしたら、
   大変申し訳ないと思っているという意味で、そのように申
   し上げたのです。        http://bit.ly/2nGrWLf
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 生放送の最中に、メインキャスターとコメンテーターが、その
ときのテーマとは関係ないことで、ちょっと口論になったのです
から、世間は大騒ぎになったのです。
 このやり取りを見ていた私としては、古賀氏が番組を降ろされ
たことに対して、テレビ朝日にクレームをつけていると思ったの
です。でも、何でこのようなことを番組のなかでいうのだろうと
不思議に思ったことは事実です。番組の視聴者としては、その裏
側のことを何も知らないので、当然のことです。それはとにかく
異様なやり取りであったことは確かです。
 この場合、古館キャスターは、古賀氏が菅官房長官のバッシン
グを受けたことをいわなければ、うまく受け流したと思いますが
官邸の関与まで言及したので、「今のお話は承服できません」と
反論したと思うのです。
 番組がCMに入ったとき、古賀氏によれば、番組の幹部のW氏
がやってきて、次のようにクレームをつけたそうです。
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  何で打ち合わせにないことを話すのですか、古賀さん!
                    ──番組幹部W
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 これに関して古賀氏は、その幹部に対して次のようにいい返し
ています。古賀氏としては、官邸の圧力に対して心から腹立たし
いと思っていたので、番組W幹部に強く反発したのです。
─────────────────────────────
 打ち合わせしたこと以外、話してはいけないのですね。それな
らそのことを番組の幹部からいわれたと私は番組でいいますよ。
あなたは自分の名前を出さないで、裏でそういうふうに圧力をか
ければいいかも知りれないが、私は名前を出してやっているんで
すから。               http://bit.ly/2BUVvh6
─────────────────────────────
            ──[メディア規制の実態/024]

≪画像および関連情報≫
 ●報ステ降板の古賀茂明氏「日本のメディアはますます悪化」
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   「流行語大賞逃しました」――。待ち合わせ場所に現れた
  古賀氏は、冒頭、そう言って笑わせた。2015年1月、報
  道ステーションの生放送で「I am not ABE」と掲げ、コメン
  テーターを事実上降板となった。その後、テレビ朝日から呼
  ばれることはないが、大阪の朝日放送で夕方のニュース番組
  のレギュラー(毎週火曜)は今も続けている。BS―TBS
  にも2度出演したという。ただ、安倍政権に対するテレビ局
  側の萎縮はさらに加速したと、危機感をあらわにした。
   私があの時、「I am not ABE」を掲げたのには、2つ理由
  があります。まず、「安倍さんがイスラム国と戦う」と言い
  米国と一緒に世界中で戦争をするようなイメージをばらまい
  ていたので「日本人は安倍さんとは違う」というメッセージ
  を海外に発信しなきゃいけないと思ったこと。
   もうひとつは、安倍政権批判をする人がどんどんテレビか
  ら排除される状況になっていたので、私が一石を投じればそ
  れに勇気付けられてテレビ局が奮起したり、他のコメンテー
  ターも頑張ってくれるのではないかと思った。しかし、ほと
  んど盛り上がりませんでしたね。むしろ海外メディアの方が
  反応してくれました。外国特派員協会から「報道の自由の友
  賞」というのをいただいたり、米紙ニューヨーク・タイムズ
  から寄稿を頼まれたりしました。  http://bit.ly/2nES6hm
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古賀茂明氏「報ステ」最後の出演.jpg
古賀 茂明氏「報ステ」最後の出演
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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