2018年01月16日

●「公然と文書でメディアを規制する」(EJ第4683号)

 2014年11月20日といえば、第2次安倍政権による衆議
院解散前日のことですが、在京テレビキー局の編成局長と報道局
長に次の文書が届いたのです。当時の萩生田光一自民党筆頭副幹
事長と福井照報道局長が差出人のA4一枚の文書です。後世に残
る前代未聞の、とんでもない文書なので、少し長いですが、その
全文をご紹介します。
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 平成26年11月20日
 在京テレビキー局各位
 編成局長殿 報道局長殿
            自由民主党筆頭副幹事長 萩生田光一
                   報道局長  福井 照
 選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保について
 のお願い
 日頃より大変お世話になっております。
 さて、ご承知の通り、衆議院は明21日に解散され、総選挙が
12月2日公示、14日投開票の予定で挙行される見通しとなっ
ております。つきましては、公平中立、公正を旨とする報道各社
の皆様にこちらからあらためてお願い申し上げるのも不遜とは存
じますが、これから選挙が行われるまでの期間におきましては、
さらに一層の公平中立、公正な報道姿勢にご留意いただきたくお
願い申し上げます。
 特に、衆議院選挙は短期間であり、報道の内容が選挙の帰趨に
大きく影響しかねないことは皆様もご理解いただけるところと存
じます。また、過去においては、具体名は差し控えますが、ある
テレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実
として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあった
ところです。したがいまして、私どもとしては、
 ・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただ
  きたいこと
 ・ゲスト出演者等の選定についても公平中立、公正を期してい
  ただきたいこと
 ・テーマについて、特定の立場から特定政党出演者への意見の
  集中などがないよう、公平中立、公正を期していただきたい
  こと
 ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、ある
  いは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中
  立、公正を期していただきたいこと
──等について特段のご配慮をいただきたく、お願い申し上げる
次第です。以上、ご無礼の段、ご容赦賜り、何とぞよろしくお願
い申し上げます。
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 この文書は、時の政権がメディアに対して圧力をかけた証拠に
なる文書です。少なくとも先進国において、メディアに文書まで
送って、これほど露骨な圧力をかけた例はないはずです。
 文書のなかに「過去においては、具体名は差し控えますが、あ
るテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事
実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあっ
た」という部分がありますが、これは、1993年に起きた「椿
事件」のことを指しています。
 1993年といえば、7月18日に行われた衆議院議員選挙に
おいて、与党自民党は解散時の議席は維持したものの過半数を割
り、非自民で構成される細川連立政権が誕生したのです。その結
果、自民党は、結党以来はじめて野党に転落したのです。
 1993年10月に産経新聞にある記事が掲載されたのです。
その記事は選挙前に当時の報道番組「ニュースステーション」の
スタッフに対し、テレビ朝日の椿貞長報道局長が次のように発言
したと書かれていたのです。
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 小沢一郎のけじめをことさらに追及する必要はない。今は自民
党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立
を成立させる手助けになるような報道をしようではないか。
        ──椿貞長報道局長 http://exci.to/2r4OdXZ
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 この産経新聞の記事を受けて、郵政省(当時)は椿発言を重視
し、江川晃正放送行政局長が緊急記者会見を開き、放送法に違反
する疑いがあり、その事実があれば、電波法第76条に基づく無
線局運用停止もありうることを示唆しています。これによって、
衆議院は、自民党と共産党の訴えを受けて、椿貞長氏に対する証
人喚問を実施したのです。
 この証人喚問で椿氏は、「誤解を招く発言をしたことは事実で
あるが、偏向報道するよう指示していない」と主張。その後1年
以上かけたテレビ朝日の内部調査の結果でも、偏向報道を行った
事実はないとする報告書を郵政省に提出し、郵政省はそれを受け
入れ、テレビ朝日に対する免許取り消しなどの措置を見送ってい
ます。したがって、上記萩生田文書にある「それを事実として認
めて誇り」という部分は事実と異なります。
 とにかくこの総選挙で自民党は野党に転落したのですが、自民
党としては、その悔しさゆえにその敗因を己にあることを素直に
認めず、テレビのせいにしようとしたことは明らかです。それは
選挙後の細川連立内閣の支持率の高さに対して、当時の加藤紘一
議員が次のようにいっていることからもよくわかります。
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 ウンチャンナンチャンじゃないが、敗因は6チャン(TBS)
10チャン(テレビ朝日)の影響だな。   ──加藤紘一議員
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 もうひとつ特筆すべきことがあります。それは、安倍首相自身
が、この1993年の選挙で、衆議院議員に初当選していること
です。安倍首相の「テレビ憎し」はこのときからはじまっている
のです。        ──[メディア規制の実態/007]

≪画像および関連情報≫
 ●加計報道は第2の椿事件である
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   現在、マスコミは加計学園の件で安倍内閣を倒閣すべく、
  一方的な安倍叩きの偏向報道、印象操作、捏造報道をしてい
  る。やりたい放題になっていると言っていい。テレビで国会
  での加戸氏の証言をまったく取り上げない件ひとつでも、そ
  れは明白だ。虚偽の内容でないかぎり、新聞は自分たちの主
  義主張を紙面に押し出して書いても構わない。しかしテレビ
  は違う。放送法というのがあり、テレビは公正中立の内容で
  なければならない。
   今のテレビ報道は明らかに公正中立ではない。今年に入っ
  てからの森友・加計の報道には、まったく客観性が見られな
  い。過去半年間、テレビが伝える、この件に関する報道のど
  こをとっても、放送法に抵触するのではないかとさえ思う。
  本来なら放送法を適用し、総務省はテレビ局の放送免許取消
  をすべきだろう。それをやらなければ、マスコミが政権を作
  ったり壊したりと日本の政治を自由に操る、マスコミ傀儡政
  権ばかりになる。
   政府は放送法を適用することに消極的だが、過去に一度だ
  けテレビ局を追い込んだことがある。それが1993に起き
  た椿事件だ。これは放送史上初めて、放送法違反による放送
  免許取消し処分が本格的に検討された事件である。
                   http://bit.ly/2uZXXDJ
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萩生田光一氏.jpg
萩生田 光一氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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