2017年08月08日

●「百条委員会での浜渦副知事追放劇」(EJ第4579号)

 なぜ、社会福祉総合学院問題を詳細に書いているのかというと
小池知事が登場するまでの都庁と都議会の関係がどのようなもの
であったかの一端を知るためです。なぜ、市場関係者の意向を無
視して築地市場が豊洲のガス工場の跡地へ移転することになった
のかについても、このことと無関係ではないからです。
 当時、江東区選出の民主党都議会議員であった柿沢未途氏(現
民進党衆議院議員)は、ネット上の「定例会報告」のサイトで、
社会福祉総合学院問題と百条委員会の顛末について、痛烈に批判
しているので、概要をご紹介することにします。かなり長文なの
で、部分的に取りあげて解説します。
 まず、柿沢未途氏はこの百条委員会(2005年5月12日)
によって、なぜ、特別職の3人が辞任することになったのかにつ
いて、次のように述べています。
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 特別職3人が辞表を出すという事態の裏側には、都議会の有力
議員の理事者側への働きかけがあったと言われています。そうし
た議会側の働きかけに応じる形で特別職が辞表を書いたという話
を私たちも聞いています。もしこれが事実だとするなら、議会か
ら執行機関側への重大な政治介入というべきであり、浜渦副知事
の議会への働きかけを云々する資格などありません。
 さらに言えば、強引な「偽証」認定こそ行ったものの、浜渦副
知事の「やらせ質問」に関する立証も十分とは言えません。わが
会派の名取幹事長の証言によれば、わが会派がこの問題に取り組
む端緒となったのは、浜渦副知事の働きかけというより、むしろ
石原知事からの問題提起だったことが明らかになっています。
          ──平成17年第2回定例会/柿沢未途氏
                   http://bit.ly/2vDGm5k
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 百条委員会で浜渦副知事は、民主党に「やらせ質問」の働きか
けを行ったのかと質問され、「やっていない」と答えています。
これが「偽証」と認定されたのです。しかし、当の民主党の名取
幹事長は、質問をしたのは浜渦氏というよりも、石原知事からの
問題提起であるといっています。実際、石原知事は2005年5
月20日の記者会見で次のように発言しています。
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 名取幹事長とある席で会った時に、「非常にこれについて関心
をもっているので、民主党もこの問題について考えてほしい。詳
しくは、監理団体担当の浜渦から聞いてくれ」と言った。その後
彼が呼ばれて説明をしたと思うが、そのとき、質問をやってほし
いと依頼はしてないはずである。        ──石原知事
                   http://bit.ly/2hpuwFv
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 浜渦氏の発言が虚偽であるとするから、「やらせ質問」をする
よう求められた富田政調会長の証言が必要になります。しかし、
富田氏は、自分は社会福祉総合学院問題とは無関係であることを
理由として百条委員会の出席を拒否したのです。そのため浜渦氏
の「やらせ質問」の立証は不十分のままです。
 百条委員会の調査項目は1〜5まであるのですが、「やらせ質
問」に当たるものはなく、強いていえば6の「その他調査に必要
な事項」に辛うじて該当しますが、これはあくまで1〜5に関連
するものであり、「やらせ質問」はテーマではないのです。しか
し、百条委員会では、肝心の社会福祉総合学院問題について質疑
はなく、「やらせ質問」があったなかったに終始したのです。ま
さに、都庁と都議会は伏魔殿そのものです。
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 そもそもこの百条委員会は、特定の個人を糾弾し、断罪するた
めに設置された委員会ではありません。社会福祉総合学院の運営
等に関して、違法、不法、あるいは不適正な点はないか、そのこ
とを調査するために設置されたものです。
 にもかかわらず百条委員会の議論は、浜渦副知事の「やらせ質
問」追及に終始し、さらにその立証を目的として、わが会派の富
田議員の証人出頭まで求めてきました。そして「社会福祉総合学
院の運営等と何ら関わりがない」ことを理由として、出頭要請に
応じないと、富田議員は刑事告発相当であるとの議決まで行いま
した。一体、何のために設置された百条委員会だったのか、浜渦
副知事を追い落とし、返す刀で民主党議員を吊るし上げようとい
う、そうした政治的な意図をもった委員会であったのかと勘ぐら
ざるを得ません。  ──平成17年第2回定例会/柿沢未途氏
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 これは、何が何でも政敵を追い落とすという当時の都議会自民
党と公明党の暴挙というべきです。さらに、柿沢未途氏は、次の
ように書いて、「定例会報告」を終えています。
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 社会福祉総合学院の施設の90%以上が、いや委託部分を含め
ると100%近くが、特定の学校法人の施設として使用されてい
る実態、そしてそれに対して都が総額21億円もの補助金を支出
している実態、包括外部監査でも指摘をされたこうした実態が、
都民の目から見て、はたして適正なものと言えるのか、非常に疑
問です。
 こうした疑問に対して詳細な検討がなされないまま、浜渦副知
事を辞職に追い込んだことをもって、百条委員会は、その幕を閉
じようとしています。まことに本末転倒と言わざるを得ません。
 議会と知事、そして官僚機構を巻き込んだ都庁内の「コップの
中の嵐」を、都民は冷ややかな目で見ています。
          ──平成17年第2回定例会/柿沢未途氏
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 このようにして、石原知事は腹心の部下である浜渦武生副知事
を失うのです。その後、石原知事はどのようにして、都政運営を
行ったのでしょうか。これについて興味深い事実があります。
              ──[中央卸売市場論/026]

≪画像および関連情報≫
 ●石原&浜渦都政の異常さを証言からみてみる
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   2005年7月3日投票の都議会議員選挙まで1ヶ月をき
  りました。都議選を前に、石原都知事の30年来の側近・浜
  渦武生副知事の強権的な姿勢が明らかになってきています。
  週に2・3回しか都庁に来ない知事に代わって都庁を支配。
  都庁の各部署は、浜渦氏に事前に説明しないと知事にブリー
  フィング(事業説明)できない状況だったと報じられていま
  す。強権ぶりに気づかなかったという知事の姿勢は情けない
  限りですが。浜渦氏に指示をうけるため、「お手紙」と呼ば
  れる文書を出すことが当たり前。現場の声が届かないトップ
  ダウンの都政運営のもとで、福祉・保育施策も次々に切られ
  ているというのが実態です。
   具体的な証言でふれていきます。「彼は弱者といわれる者
  すべてが嫌いなのです。障害者、高齢者、女性、外国人、貧
  しい人、失業者、ホームレスなど。でも、地方自治体におい
  て、これらの人々のために行う施策は大きな比重を占めるも
  のであり、嫌だから切り捨ててよいものではないはずです。
  しかし、石原慎太郎は、それを行っているのです。弱者や福
  祉などという言葉は彼の前では禁句のようなものでしょう。
  (中略)想定問答を作る職員は、これまで作り上げてきた福
  祉の理念がガラガラと崩れるのを、自ら率先して、理論構成
  していかなければなりません。知事はそれを見て笑っている
  のでしょう。どうせ職員など、局長も含めて、奴隷のように
  しか見ていないでしょうから。   http://bit.ly/2vC2nk8
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柿沢未途衆院議員.jpg
柿沢未途衆院議員
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 中央卸売市場論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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