2017年06月21日

●「北朝鮮と中国瀋陽軍区の親密関係」(EJ第4546号)

 中国について考えるとき、どうしても中国をひとつのまとまっ
た国としてみてしまいますが、中国の国内において“核心”の習
近平主席でも、支配できない地域があるのです。その地域こそ、
北朝鮮と密接な関係のあるかつての「瀋陽軍区」、現在の「北部
戦区」です。
 既に述べているように、北部戦区(正確には北部戦区の瀋陽地
域)は、北朝鮮と国境を接しており、長年にわたって北朝鮮とは
親交があることは、昨日のEJで述べた通りです。この北部戦区
を支配しているのは、チャイナセブンにおける江沢民派の次の3
人(〇印)です。
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  ◎チャイナセブン
  序列第1位/習近平国家主席 ・・・・・・ 太子党派
  序列第2位/李克強首相 ・・・・・・・・ 共青団派
 〇序列第3位/張徳江全人代常務委員 ・・・ 江沢民派
  序列第4位/兪正声人民政治協会議主席 ・・ 太子党
 〇序列第5位/劉雲山政治局常務委員 ・・・ 江沢民派
  序列第6位/王岐山中央規律検査委員会書記  太子党
 〇序列第7位/張高麗副首相 ・・・・・・・ 江沢民派
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 チャイナセブンの序列第3位の張徳江全人代常務委員、第5位
の劉雲山政治局常務委員、第7位の張高麗副首相の3人は、いず
れも江沢民派で、習近平主席とは対立関係にあり、激しい権力抗
争を繰り広げています。そして彼らの支配する北部戦区は、現在
の金正恩体制の生殺与奪の権を握っている存在といえます。
 この北部戦区の江沢民派の人脈については、4月10日と11
日のEJで詳しく述べているので、参照してください。
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 ◎4月10日付、EJ第4497号
 「北朝鮮は張徳江氏が掌握している」http://bit.ly/2oTI3b1
 ◎4月11日付、EJ第4498号
 「北朝鮮と中国の本当の関係を探る」http://bit.ly/2okPtkG
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 これら3人の江沢民派のチャイナセブンが、中国において、ど
のくらい強い力を持っているかは、人民解放軍を自分の配下に置
こうとする習近平主席による軍制改革において、自らの支配地域
をかえって拡張させたことによってもわかります。いわば、焼け
太りに成功しているのです。
 習近平主席は、軍制改革で、北京軍区と瀋陽軍区を合併させ、
その新戦区をすべて中国最高指導部で管轄しようと目論んだので
すが、3人の猛反対によって断念しています。それどころか、張
徳江全人代常務委員は、瀋陽軍区に加えて、劉雲山政治局常務委
員が支配してきた北京軍区の一部の内モンゴル自治区を取り込み
さらに山東省を飛び地として確保するなど、北部戦区を大拡張さ
せたのです。これは習近平主席の敗北といえます。
 先の米中首脳会談で、トランプ米大統領は、北朝鮮の第6回目
の核実験やICBMの発射を抑えるよう、習近平国家主席に強い
プレッシャーをかけましたが、彼に北朝鮮をどうこうできる力は
事実上ないといえます。そこで習近平主席はトランプ米大統領に
100日間の猶予を求め了解を得ています。時間稼ぎです。米中
首脳会談は4月6日に行われているので、期限は7月初旬に終了
します。あと15日ほどです。
 しかし、現時点でも習近平主席には、北部戦区をコントロール
できていないのです。もちろん石油を止めることはできますが、
もしそれを強行すると、北部戦区が北朝鮮と組んでクーデターを
起こしかねないのです。これに関連して、野口裕之氏は、次のよ
うに述べています。
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 最精強を誇る「瀋陽軍区」は、習主席にとって目障りどころか
政治生命まで左右する「超危険な存在」であった。いや、依然、
「超危険な存在」と言うべきだ。今なお北部戦区は「瀋陽軍区」
なのだ。習主席は北京より平壌と親しい「瀋陽軍区」によるクー
デターを極度に恐れている。「瀋陽軍区」高官の一族らは、北朝
鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘権を相当数保有する。「瀋陽軍
区」が密輸支援する武器+エネルギー+食糧+生活必需品武器や
脱北者摘発の見返りだ。北朝鮮の軍事パレードで登場するミサイ
ルや戦車の一部も「瀋陽軍区」が貸している、と分析する関係者
の話も聞いた。            http://bit.ly/2tk3v8q
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 習近平主席が北朝鮮に対し、石油供給停止などの強い経済制裁
に踏み切れないでいるのは、もしそれをやると、北部戦区が北朝
鮮と組んで、クーデターを起こし兼ねないからです。ここに北朝
鮮の核が効いてくるのです。それは、おそらく北京にとって最悪
のクーデターになるはずです。野口裕之氏は、クーデターの可能
性について、次のように述べています。
─────────────────────────────
 1.北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制
   裁に踏み切れば「瀋陽軍区」はクーデターを考える。
 2.他の戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区
   にある核戦力を使って威嚇し、恭順させるしかない。
 3.「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で、核戦力さえ
   握れば、旧成都地区の核戦力を封じることができる。
                  http://bit.ly/2tk3v8q
─────────────────────────────
 北部戦区の高官たちは、北朝鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘
権と引き換えに、高濃度ウランを生み出す遠心分離機用の金属・
酸化アルミニウムなどの核関連物質や、戦車用バッテリーなどの
大量の通常兵器の関連部品を北朝鮮に密かに売りつけているとい
われているのです。もちろんそのなかに、戦略物資の重油も含ま
れているのです。     ──[米中戦争の可能性/116]

≪画像および関連情報≫
 ●北朝鮮の後ろ盾/瀋陽軍区とロスチャイルド家の関係
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   現在の北朝鮮の武力解除に向けての緊迫した事態を考慮す
  る上で、北朝鮮の後ろ盾である瀋陽軍区に注目する必要があ
  ります。ここが重要なのは、フルフォード氏がこれまで何度
  も日本、韓国、北朝鮮、旧満州を統合する「ネオ満州国」と
  いう統一国家建設の構想を持つ支配層が居ることを言及して
  いるためです。取り上げた野口裕之氏の瀋陽軍区に関する記
  事は大変優れた明快なもので、引用元で全文をご覧になるこ
  とを勧めます。
   記事によると、瀋陽軍区は中国人民解放軍の中でも最精強
  な軍区であり、習近平氏の政治生命まで左右する「超危険な
  存在」とのことです。ここが、北朝鮮に対して、武器・エネ
  ルギー・食料・生活必需品を密輸し、見返りに北朝鮮に内蔵
  されるレアメタルの採掘権を得ているようです。
   北京は瀋陽軍区を警戒し、核武装を許さないため、瀋陽軍
  区は北朝鮮に原料や技術を流し、北朝鮮が核を保有すること
  で、事実上の瀋陽軍区の核保有を目指しているということで
  す。記事では、北朝鮮と瀋陽軍区は一蓮托生であるとしてい
  ます。なので、北朝鮮の武装解除は瀋陽軍区の消滅につなが
  ります。イスラエルは将来の移住先としてネオ満州国を考え
  ており、瀋陽軍区に多数のイスラエル企業が入り込み、将来
  のイスラエルからの移民に備えています。
                   http://bit.ly/2sQr0sq
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劉雲山政治局常務委員.jpg
劉雲山政治局常務委員
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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