2017年04月21日

●「イプシロンは世界に誇る国産技術」(EJ第4506号)

 日本が世界に誇る固体燃料ロケットである「イプシロン」につ
いてもう少し詳しく述べます。なぜなら、このロケットは日本の
安全保障に役に立つと思われるからです。
 「固体燃料」と「液体燃料」の違いについて知る必要がありま
す。一般に議論されているのは、液体燃料の場合は、発射直前に
注入しなければならないので、注入段階で衛星などによって発見
される可能性が高いが、固体燃料は予めセットしておくことがで
きるので、発射が発見されにくいというロケットを武器であるミ
サイルとして使う観点です。本当の違いは次の通りです。
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 固体燃料と対となるものに液体燃料があり、どちらにも長所と
短所がある。詳細は省くが、たとえば固体燃料は大きな推力(パ
ワー)が出せる反面、その推力の制御ができず、一旦火をつける
と燃料がなくなるまで燃え続ける。一方液体燃料は固体ほど大き
な推力は出せないが、燃費が良く、推力の量を変えたりや、エン
ジンを途中で止めたりといった制御も可能である。
                   http://bit.ly/2pTldwX
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 主力大型ロケットとして日本で用いられているH−UAロケッ
トなどは両方を搭載しており、パワーを必要とするときは固体燃
料、燃費が必要なときは液体燃料を使うのです。
 イプシロンが生まれるきっかけになったのは「M−V/ミュー
・ファイブ」(以下、MVロケット)というロケットです。これ
は固体燃料ロケットとしては最高の効率を発揮できたので、「究
極の固体ロケット」といわれたのです。
 MVロケットは、1997年の初号から合計7回打ち上げられ
廃止されています。実は、この廃止は中央官庁統合と関係があり
ます。結果としてこの組織統合がイプシロンを生み出す原動力に
なったといえます。MVロケットは、当時の文部省傘下の宇宙科
学研究所が作っていたのです。東京大学宇宙航空研究所がその前
身です。しかし、文部省と科学技術庁は非常に仲が悪かったとい
われます。2001年に文部省と科学技術庁が統合され、文部科
学省が誕生します。それでも文部省と科学技術庁の遺恨試合の因
縁は残っていたのです。
 しかし、結果として、これが国産のロケット開発に大きな影響
を与えることになったのです。科学技術ジャーナリストの松浦晋
也氏は次のように述べています。
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 文部省と科学技術庁は1960年代にロケットの管轄を巡って
大規模な権限争いを展開しており、1966年に「どっちの側か
らも有利に読める玉虫色」の国会報告という形で決着を図った。
 文科省発足により、旧科技庁系官僚は文部省系のM−Vロケッ
トの廃止へと動いた。1966年の国会報告は「Mロケットの改
良」を認めており、それが文部省ロケットの研究開発の根拠とな
っていた。そこで、まず「M−Vロケットは完成した」というこ
とにして、それ以上のロケット開発の道を封じた。次いでM−V
ロケットが高コストであることを理由に、廃止へと追い込んだ。
                  http://nkbp.jp/2oXvz1A
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 MVロケットは、とことんロケットそのものの性能の良さが追
及され、それを実現させてきたのですが、その半面コストは非常
に高く、ただでさえ予算の少ない日本の宇宙開発にとって、その
コストの高さが足かせになっていました。ちょうどそういうとき
に、中央官庁統合が行われたのです。
 この結果、宇宙科学に関連する組織整理が行われ、現在、宇宙
科学研究所は、JAXA・宇宙科学研究所になっています。そし
て、宇宙科学研究所は、MVロケットの低価格化を実現し、かつ
運用コストを簡素化し、「M−VA」という構想実現を目指して
取り組むようになります。
 しかし、JAXA組織は、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇
宙科学研究所(ISAS)、国土交通省系の宇宙開発事業団(N
ASDA)の3機関を統合したもので、なかなか意見がまとまら
なかったのです。
 MVロケットの改良型であるイプシロンは、低コスト化と運用
簡素化をクリアする設計プランが早くから提案され、2010年
には打ち上げができる状態にあったのですが、意見がまとまらず
2013年3月に打ち上げられ、成功します。
 その後、3年間にわたって改良が加えられ、2016年12月
20日に2号機が打ち上げられ、約13分27秒後に搭載してい
た「ジオスペース探査衛星」(ERG)を予定した軌道に投入す
ることに成功します。この成功をもってERGには「あらせ」と
いう愛称が与えられました。そしてこれは「強化型イプシロン」
と呼ばれるようになります。
 小型化・軽量化が図られており、打ち上げ能力が約30%増加
したにもかかわらず、打ち上げコストは1号機と同じ約50億円
に収まっています。さらに2号機では、ロケットが正常に飛行し
ているかどうかを地上からの管制レーダーに頼ることなく、ロケ
ット自身が自律的に判断する装置が搭載され、地上レーダーは不
要になります。将来的にはノートPC2台での打ち上げ可能なほ
どコンパクトなモバイル管理を目指し、コストを30億円に抑え
ることを目指しています。
 この日本のイプシロンの技術は、海外では「日本が潜在的に大
陸間弾道ミサイル(ICBM)」を持つ能力を育てている」とい
う論調で報道されていますが、確かにいつでもICBMにつなが
る技術であり、「安全保障面でのブラフ」として使えると、既出
の科学技術ジャーナリストの松浦晋也氏はいっています。
 確かに「全段固体推進剤」「打ち上げ期間の短縮」「少人数の
運用者」という3つの特質が揃っており、この技術を持っている
だけで日本の安全保障面での抑止効果は十分あるといえます。
             ──[米中戦争の可能性/076]

≪画像および関連情報≫
 ●東京オリンピック開催決定とイプシロンの効力
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   インターネット上には、台湾・タイ・インドネシア・トル
  コなどの国々の祝意が溢れています。これら親日諸国のこと
  を知っていても、何故、親日なのかを体系的に知っている方
  は、意外と少ないのが現状です。中韓を徹底的に封じ込める
  には、日本人が中韓を見捨てて、投資も観光客も親日国家の
  東南アジアと南アジアにシフトすることが必要なのです。
   最近のニュースで一番中韓にとってショックだったのは、
  イプシロンの打ち上げ成功です。マスメディアは、低コスト
  で宇宙ビジネスに本格的に参入できる画期的な技術を物にし
  たと報道しているが、実態は世界最高性能の弾道ミサイルを
  開発したことになったのであり、組み立てから発射まで人工
  知能によって一週間で発射可能のコンパクトな技術は、反日
  中韓にとっては安全保障上の脅威なのです。それがためか、
  韓国はイプシロン打ち上げ成功から二分後にニュースを流し
  ていました。我が国のロケット打ち上げ精度は、ホワイトハ
  ウスの円筒形の屋根を直撃できる精度があり、国民の生命と
  財産を守るためには、あらゆる手段を執ることができますの
  で、イプシロン効果で中国の尖閣での圧力は減速します。日
  本の安全保障のためには、あと数年間尖閣海域で威嚇行動を
  継続してもらえれば、様々な安全保障上の準備ができるので
  す。これらの状況で中国は、どのように行動するかは中国エ
  リートの友人によると、テーブルの下で握手を求めてくるの
  が中国人の特質だとのことなのです。また、その逆に友好的
  に話し合っていても、テーブルの下にナイフを隠しもってい
  るのも中国人なので、いっさい隙を与えてはいけない民族な
  のです。             http://bit.ly/2ou73kC
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国産固体燃料ロケット「イプシロン」.jpg
 
国産固体燃料ロケット「イプシロン」
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする