2017年04月19日

●「世界3位の核保有国になれる日本」(EJ第4504号)

 日本はその気になったら、短期間で世界第3位の核兵器保有国
になれる──これは事実でしょうか。
 結論からいうと、それは事実です。核兵器は核分裂を主とする
原子爆弾と核融合を主とする水素爆弾の大きく二つに分類されま
すが、日本はその両方とも作る技術を保有しています。しかも、
核融合の技術は世界に冠たるものがあることは、昨日のEJで指
摘した通りです。
 そのため、中国は楊承軍教授に限らず、日本の核兵器保有を非
常に警戒しています。あるとき、国連総会で中国の大使が「日本
は核開発に乗り出す可能性がある」と発言し、日本の大使がそれ
に反論する応酬があったのです。
 そのとき中国大使は、日本が47トン以上のプルトニウムを保
有しており、ごく短時間で核兵器を保有できるといったのですが
日本大使は冷静に日本の専守防衛の基本方針と非核三原則の堅持
を説明したのです。興味深いことは、日本大使は「ごく短時間で
核兵器を保有できる」については否定しなかったことです。
 原子爆弾について考えてみます。国際原子力機関(IAEA)
によると、原子炉用のプルトニウムなら、8キログラムで1発の
核兵器が作れるそうです。そうすると、日本は47トンのプルト
ニウムを保有しているので、計算上6000発の原子爆弾を作れ
ることになります。これは、ロシア、アメリカに次ぐ世界第3位
になります。つまり、これは事実なのです。
 日本は核実験をしなくても核兵器が作れる──これは本当のこ
とでしょうか。
 いわゆる核実験(正しくは核爆発実験)には、次の2つの方式
があります。
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    1. ホット・ラボ ・・・   核爆発実験
    2.コールド・ラボ ・・・ 核起爆装置実験
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 「ホット・ラボ」というのは、核爆発実験、北朝鮮のやってい
る核実験のことです。地上であれ、地下であれ、これをやると、
他の国にわかってしまいます。
 これに対して「コールド・ラボ」というのは、核爆発を伴わな
い核起爆装置の実験です。爆縮型の原爆は核起爆装置の完成が核
兵器の完成を意味します。
 1993年7月のことですが、パキスタン陸軍のアスラム・べ
グ退役参謀長は、インタビューで次のように発表して、核兵器の
保有を宣言しています。
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 パキスタンは、1987年に一線を越えた。起爆装置を開発し
原爆実験に成功した。実験はコールド・ラボ状態で行われ、大成
功を収めている。       ──アスラム・べグ退役参謀長
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 少し専門的になりますが、コールド・ラボ実験は、核物質以外
は完成した核兵器を使用して、起爆装置を爆発させ、衝撃波の画
像処理を行う超高速測光機やハイテク・センサーなどで、その成
否を検証するものです。
 パキスタンのように公表はしていませんが、イスラエルもコー
ルド・ラボ実験を行っています。イスラエルについては次の情報
があります。
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 イスラエルの場合は諸説あるようでして、ネゲブ砂漠で地下核
実験を行ったとの説や、南アフリカの核開発計画に協力する見返
りとして核実験をさせて貰ったとの説、或いは米国から核爆発デ
ータを提供して貰い、それを元にスパコンでシミュレートしたと
の説などがあり、どれが真相なのか未だに定まっていない様子で
す。いずれにしてもイスラエルとは米国の庇護の元で成り立って
いるような国で中東に於ける米国の橋頭堡みたいな位置付けにあ
ると言っていいでしょう。       http://bit.ly/2ogYda3
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 これは未確認情報ですが、日本は昭和40年代(1965年)
に極秘裏に通産省工業技術院によってコールド・ラボが行われ、
成功していると噂されています。50年近く前の話で、現在の日
本の技術でそれができないはずはないといえます。
 イスラエルのケース「米国から核爆発データを提供して貰い、
それを元にスパコンでシミュレート」は、日本も技術的に可能で
す。しかし、スパコンでシミュレートするには、核実験を何度も
行っている米国からのデータ提供がないとできないのです。これ
については、米国はデータの提供はしないはずです。米国は日本
の核武装を何よりも恐れているからです。その片務性によって不
公平といわれている日米安保条約は、表向きはともかく、日本が
核保有国にならない見返りに行われているといわれています。
 最近日米安保条約によって提供されるという「核の傘」に日本
では、疑問や不安が出てきています。日本が核で攻撃されたとき
米国が核兵器で反撃してくれることになっていますが、本当に米
国は反撃してくれるのかについて疑問が出てきているからです。
自ら反撃するのではなく、他国に依存しているからです。
 確かに日本は米国の「核の傘」に守られて、約70年間どこと
も戦争せず、平和を謳歌してきています。これは日米安保条約の
お陰であるといえます。しかし、核保有国が増えている現在では
今後はそれが困難になりつつあります。
 「ニュークリアシェアリング」というものがあります。事実上
の核保有といわれます。核兵器を持たないベルギー、ドイツ、イ
タリア、オランダが米国と結んでいる条約です。これら4ヶ国は
有事のさい、米国の核を使って反撃できるのです。そのため、そ
れらの国々は、日常的に米国の核を使って訓練しています。これ
なら米国に頼らず、有事のさいはそれぞれの国の判断で反撃でき
ます。日本はもっと自国の安全保障について真剣に考えるべきと
きにきています。     ──[米中戦争の可能性/074]

≪画像および関連情報≫
 ●世界の孤児にならずに事実上の核保有を実現/北野幸伯氏
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   日本で「核武装を主張する人たち」も、結局、最大の脅威
  は中国。次に同国の属国・北朝鮮。その次にロシアであるこ
  とを同意してくれるでしょう。
   「だから、日本も核を持て!」という論理ですが、それを
  やると、「中国どころか、アメリカ、欧州、ロシアも敵にま
  わしてしまう」という話をしました。では「核を持てない」
  日本はいったいどうすればいいのか?第一のステップは、日
  米安保を「片務」から「双務」にすること。そのために「集
  団的自衛権を認めよう」と。次のステップですが、「ニュー
  クリア・シェアリング」(核の共有)という仕組みがありま
  す。これは核兵器を持たないベルギー、イタリア、ドイツ、
  オランダがアメリカと結んでいる条約です。過去には、カナ
  ダ、ギリシャ、トルコも参加していました。
   「ニュークリア・シェアリング」とは何かというと、右の
  4国は、有事の際さい、アメリカの核を使って反撃できるの
  です。そのため、この四国は日常的にアメリカの核を使って
  訓練をしています。「集団的自衛権」を自らに認めることで
  アメリカと対等な同盟国になりうる日本。アメリカと数年間
  信頼関係を醸成したうえで「ニュークリア・シェアリング」
  を要求したらいい、と私は考えます。
                   http://bit.ly/2pleWdM
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「ニュークリア・シェアリング」という方法がある.jpg
「ニュークリア・シェアリング」という方法がある
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする