2017年03月27日

●「米軍は斬首作戦をいつ実行するか」(EJ第4487号)

 金正恩委員長の斬首作戦──この作戦の実施のハードルは非常
に高い。そのため、この作戦はオバマ政権時の昨年秋から対北朝
鮮作戦のひとつとして、着々と準備が進められてきたのです。し
たがって、トランプ政権になって急に浮上したわけではないので
す。オバマ政権では、絶対に実施できなかった作戦ですが、軍部
は独自に準備を進めてきたといえます。そのため、斬首作戦の高
いハードルが、少しずつ下がってきているのです。そのハードル
を下げた出来事とは次の4つです。
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      1.在韓米軍の緊急避難訓練の実施
      2.日韓でのGSOMIA締結発効
      3.韓国でのTHAAD前倒し配備
      4.特殊部隊による特殊訓練の実施
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 「1」は、「在韓米軍の緊急避難訓練の実施」です。
 2016年10月末のことです。米大統領選の直前です。在韓
米軍が韓国を脱出して沖縄に避難する訓練を行っています。これ
は、朝鮮半島有事のさい、北朝鮮軍が38度戦を越えて南進して
きた場合の対応訓練です。この時期にこのような訓練を行うとい
うことは、そのリスクが高いということを意味しています。
 「2」は、「日韓でのGSOMIA締結発効」です。
 2016年12月には、米国の後押しもあって日韓でGSOM
IA(秘密軍事情報保護協定)が締結し、即日発効したのです。
これによって、日韓で秘密情報が直接やり取りできるようになり
朝鮮半島有事のさい、即応性がとれるようになったのです。
 「3」は、「韓国でのTHAAD前倒し配備」です。
 続いて韓国のTHAAD(高高度ミサイル迎撃システム)配備
の大幅前倒しです。本来は、2017年夏頃の配備が予定されて
いたのですが、朴大統領の弾劾が可決されたことによって、大幅
にTHAAD配備が前倒しされ、大統領選前の4月にも実戦配備
される予定になっています。
 「4」は、「特殊部隊による特殊訓練の実施」です。
 斬首作戦は、目指す相手がどこにいるかを突きとめる必要があ
ります。官邸中枢の情報によると、米軍は既に金正恩委員長の居
場所を突きとめており、特殊部隊はそのための訓練を積んでいる
といわれます。官邸中枢は金委員長の居場所での訓練について次
のように述べています。
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 米軍による攻撃を警戒している金正恩は、地下150メートル
程度の地下居宅など複数の強固に防護された施設を転々としてい
るようだ。米軍は、その所在をキャッチしたうえで、“隠れ家”
そっくりの施設をつくり、特殊部隊による突入訓練を繰り返して
いた。          ──『週刊文春』3月30日号より
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 米国防総省は、大統領の意向に関わらず、独自に動ける範囲が
大きいのです。オバマ政権では、大統領と国防長官の意見が対立
し、何人もの防衛長官が辞任していますが、防衛長官としてはや
るべきことはやっているのです。上記の斬首作戦への対応がそれ
を示しています。
 国防総省としては、次の大統領がクリントン氏になっても、ト
ランプ氏になっても、オバマ政権の対北朝鮮政策である「戦略的
忍耐」は変更になると考えていたのです。したがって、大統領選
挙前から上記のようなやるべき手を打っていたのです。まして、
オバマ政権を引き継ぐといっていたクリントン氏ではなく、北朝
鮮に厳しいトランプ氏が大統領になったので、国防総省の対応は
正解だったといえます。
 それなら、斬首作戦はいつ実施されるのでしょうか。
 それは北朝鮮の出方によって、いつ実施されてもおかしくはな
いのです。その最大の原因は、朴大統領の弾劾罷免にあるといえ
ます。韓国大統領選挙は、4月16日に告示され、5月9日に投
開票されることになっています。
 韓国の大統領選挙では、有力な保守系候補がおらず、最大野党
「共に民主党」の文在寅前代表が既に多くの支持を集めており、
革新系の大統領が誕生する可能性があります。文在寅大統領が誕
生すると、親北親中反日政権ができることは確実です。文在寅氏
について、「ニュースポスト・セブン」のサイトの室谷克実氏の
記事を引用します。
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 文在寅は「従北・親中」と称されることが多いが、実態は「従
中・親北」だ。新政権は中国との関係を最優先する政策に方針転
換し、中国が設置に猛反対する「高高度ミサイル防衛体系(TH
AAD)」の配備延期や「日韓軍事情報包括保護協定(GSOM
IA)」の破棄を主張するはずだ。
 北朝鮮と意を通じ、中国という後ろ盾を得て強気になった韓国
は、かねて領土であると主張する対馬の“奪還”に向かう可能性
がある。具体的な手段としては、対馬の警察力の弱さにつけ込み
新政権の意向を汲んだ大量の韓国人観光客が対馬に上陸し、「こ
こは我々の島だ」と一方的に領有権を宣言して攪乱。その後もあ
の手この手で揺さぶりをかけてくると考えられる。竹島周辺では
韓国海洋警察の艦船が日本の海洋調査船などにわざと衝突して撃
沈する可能性がある。         http://bit.ly/2n0SILS
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 文在寅氏は、つねづね「アメリカにものがいえる韓国になるべ
きである」といっています。米国がこだわるTHAAD配備にも
GSOMIAにも反対であるので、親中反米になります。
 しかし、文在寅氏が大統領になる前、米韓軍事演習が終わる前
に斬首作戦が実行されたらどうなるでしょうか。それは大統領選
挙結果にも、その後の韓国のあり方にも重大な影響を与えること
は確実です。斬首作戦は明日行われても不思議はないのです。
             ──[米中戦争の可能性/057]

≪画像および関連情報≫
 ●日本に災厄をもたらす次期大統領最有力「文在寅」の正体
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   朴槿恵が弾劾訴追されたのは、朝鮮日報、東亜日報、中央
  日報という韓国の保守系新聞が誤報を繰り返しながらも、左
  派と同じトーンで朴槿恵叩きをやったことが一番の原因じゃ
  ないでしょうか。
   今回、北朝鮮が朴槿恵の罷免決定から1日もたたないうち
  に北朝鮮が速報を流しました。昨年10月以降、韓国のマス
  コミが大々的に「崔順実スキャンダル」を報道し始めてから
  北朝鮮のメディアは継続して朴槿恵を弾劾すべきだ、逮捕す
  べきだと発信し、韓国のマスコミはよくやっていると書いて
  いたんです。
   朴槿恵退陣のデモを主催した団体の主体は、親北の左派で
  す。その中心勢力は民労総(全国民主労働組合総連盟)とい
  う極左の労働組合。国家保安法の反対やTHAAD配置の反
  対、北朝鮮と連邦制で統一すべきだと掲げ、デモをやってき
  た組織です。
   一昨年には火炎瓶を投げたり、鉄パイプを振り回したり、
  過激なデモをやっていて、国民の支持はあまり得られなかっ
  たけど、今回は10月に保守系の新聞が大規模なキャンペー
  ンをやったために、朴槿恵弾劾というスローガンに変え、暴
  力的な行動を謹んだ。       http://bit.ly/2ngk0jh
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文在寅氏/次期韓国大統領候補.jpg
文在寅氏/次期韓国大統領候補
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | TrackBack(1) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする