2017年01月16日

●「習近平の暗殺は何回も起きている」(EJ第4438号)

 中国、正確には中華人民共和国は、中国共産党が一党支配をし
ています。したがって、中国共産党のトップである中央委員会総
書記が中華人民共和国の国家主席(元首)になります。順番から
いうと、まず、中国共産党大会で中央委員会総書記になって、そ
のうえで、全国人民代表大会(全人代)において、中華人民共和
国の国家主席になるのです。その任期は、いずれも5年で、2期
10年と決められています。現在の習国家主席の場合は、次のよ
うになっています。
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        ◎2012年11月15日
         中国共産党第6代中央委員会総書記
        ◎2013年 3月14日
         中華人民共和国第7代国家主席
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 中国共産党は、今年の秋に北京で「第19回党大会」を開催し
ます。この大会で習近平国家主席は2期目の中央委員会総書記に
指名され、2018年の全人代で2期目の国家主席に就任するこ
とになります。なお、中国共産党大会は、5年ごとに開催される
ことになっています。
 これまでの中国の国家主席がそうであったように、現在の習近
平国家主席の権勢ぶりを考えると、何の問題もなく2期目に移行
できると思われますが、このところ習国家主席の身辺は危険に満
ちており、その危険度は日々増加しています。福島香織氏は、習
近平氏の現況について次のように述べています。
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 『誰が習近平を謀殺するのか』(黄子佑著)という電子版書籍
が2015年春ごろ話題になった。(中略)習近平が突如失脚す
るとしたら、一番大きな可能性は普通の権力闘争の結果ではなく
暗殺か政変、クーデターである、という主張を書いた本だが、こ
れがまんざら、放言というわけでもないところが、チャイナリス
クなのである。
 なにせ習近平が暗殺未遂に遭ったのは、噂になっただけでも6
件はある。本人も暗殺計画に非常におびえ、今や習近平の護衛に
ついているSPは、テレビのニュース映像などから確認できるだ
けでも16人以上に膨らんだ。過去、ここまでどこへ行くにも、
SPに囲まれていた指導者はいない。暗殺もクーデターもいつ起
きても不思議はない、習近平自身がそう感じているのである。
        ──福島香織著/『赤い帝国・中国が滅びる日
  /経済崩壊・習近平暗殺・戦争勃発』/KKベストセラーズ
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 どうして、習近平国家主席がそんなに狙われるのかというと、
それは、就任の2012年から展開している「反腐敗キャンペー
ン」を建前にして、自らの政敵を次々に失脚させていることに原
因があります。
 そもそも中国の国家主席はリスクの多いポストなのです。それ
は、党が軍部を完全に掌握できていないことによって起こるケー
スが多いのです。つまり、シビリアン・コントロールが不安定に
なっているのです。
 初代の国家主席である毛沢東や、国家主席には就任していない
ものの、事実上の国家主席であったケ小平の世代は、革命戦争を
指導しており、その命令に軍部は素直に従っていたのですが、江
沢民政権以降は、最高指導者に軍歴がないことから、党と軍の統
制はうまくとれていないのです。
 習近平政権にとって最大の危機は、2015年にあったといえ
ます。そのキーワードは次の3つです。
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  1.       北載河会議 2015年8月 3日〜
  2.       天津大爆発 2015年8月12日
  3.抗日戦争勝利70年観兵式 2015年9月 3日
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 実は、この3つの出来事はつながっているという説があるので
す。北載河会議というのは、毎年夏になると、中国の最高指導者
たちは、渤海を望むリゾート地・北戴河に集まり、約3週間の夏
休みを過ごすことになっています。そこでは非公式に人事などの
案件が話し合われますが、基本的には夏期休暇です。
 未確認情報ではありますが、この会議の終了後に北載河会議に
中国共産党の高級幹部が集まるのを利用して、暗殺計画が企てら
れたというのです。2015年の計画では、この会議の終了後、
16日には列車に乗って天津市を訪れ、会議での決定事項を報告
することになっていたのです。暗殺計画は、その列車を爆破しよ
うとしたのです。ところが、この計画は突如中止されます。計画
が漏れたからです。もちろん、これらの高級幹部のなかに習近平
国家主席がおり、習政権高級幹部を狙った暗殺計画です。
 そして、計画漏洩後の8月12日、天津港地区・国際物流セン
ター内の危険物専用倉庫が大爆発を起こしたのです。それは、習
国家主席を乗せた列車を爆破しようとして用意した爆薬を犯人グ
ループが証拠隠滅のために爆破したものだというのです。
 これは、尋常な爆発ではなく、被害を受けた面積が約20平方
キロ(東京ドーム1500個以上)に及び、その後の中国経済に
深刻な影響を与えることになります。
 しかも、爆破された倉庫を保有する企業の実質的な責任者は、
習近平国家主席の政敵といわれる先々代の国家主席である江沢民
氏の腹心の親族であり、その関与が取り沙汰されています。その
ためか、政府は情報を隠蔽し、報道規制を強めたのです。
 中国国家インターネット情報弁公室は、関連サイトの閉鎖や中
国版のツイッターである微信のツイートを多数削減し、その発信
自体も禁じたのです。そのせいか、天津大爆発の情報は現在でも
不足しています。そして、9月3日には抗日戦争勝利70年観兵
式が行われたのです。そこで何が起きたのでしょうか。
             ──[米中戦争の可能性/008]

≪画像および関連情報≫
 ●天津大爆発は氷山の一角 同様事故20か月で30件以上
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   2015年8月12日に中国・天津の化学工場で発生した
  大爆発事故は、被害を受けた面積が約20平方キロ(東京ド
  ーム1500個以上)に及び、中国経済に深刻な影響を与え
  ている。政府が情報統制の姿勢を強めるなか、事故の“爆心
  地”への潜入に成功したジャーナリストの相馬勝氏が、爆発
  事故の処理に追われる中国政府の対応について解説する。
   事故後1か月以上経ったいまも爆発原因は解明されず、事
  故現場の後片付けも終わっていないというのに、天津市当局
  は9月上旬、この爆発跡地に「生態公園」(エコパーク)を
  建設する計画を明らかにした。
   計画では、公園内に犠牲になった消防士らを悼む英雄記念
  碑のほか、幼稚園や小学校を建設するとしており、11月に
  も着工し来年7月に完成する予定。だが、ネット上では「責
  任追及が先だ。そうでないと、亡くなった消防士の無念さは
  いかばかりだろうか。彼らの霊が浮かばれない」「まだ残留
  化学物質があるのに、幼稚園や小学校を建設するのは非常識
  過ぎる」などとの批判の声が上がっている。
   公園案は民衆の不満を抑えるための習近平指導部の浅慮と
  もいうべきものだろう。住民はおろか、中国の国民も事故原
  因の究明を望んでいる。なぜならば、北京でも上海でも、全
  国各地で天津市のような不法な危険物の大量貯蔵が進んでい
  るとされるからだ。        http://bit.ly/2jkeA3v
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天津大爆発の惨状.jpg
天津大爆発の惨状
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする