2016年10月24日

●「米大統領選はクリントン氏勝利か」(EJ第4386号)

 10月19日に米大統領選の3回目のテレビ討論会がラスベガ
スで行われ、CNNテレビの世論調査ではクリントン氏が勝利し
たことを伝えています。
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               第3回  第2回  第1回
  ドナルド・トランプ ・・ 39%  34%  27%
 ヒラリー・クリントン ・・◎52% ◎57% ◎62%
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 クリントン氏の3連勝です。しかし、これだけでは最終結果を
判断できないのです。なぜなら、CNNは民主党系のメディアで
あり、民主党の大統領候補に有利だからです。それに、クリント
ン氏は勝っているとはいえ、62、57、52と毎回ポイントを
減らしているのに対し、トランプ氏は、27、34、39と逆に
ポイントを増やしています。
 トランプ氏は、政治の経験がないことに加えて、討論の準備も
不十分であり、政策論ではクリントン氏に勝てないことを米国民
はよく知っています。したがって、クリントン氏が討論に勝つの
は織り込み済みなのです。それにトランプ氏には最低な女性蔑視
問題もあり、本来であれば、80対20ぐらいでクリントン氏が
勝っていても不思議ではないのに13ポイント差しかないのは、
クリントン氏が米国民に嫌われている証拠といえます。
 それでは、あと2週間後に迫った大統領選挙の結果はどうなる
のでしょうか。
 主な世論調査を平均した米政治専門サイト「リアル・クリア・
ポリティクス」が20日に公表した最新の支持率は、次のように
なっています。
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     ドナルド・トランプ ・・・ 42.1%
    ヒラリー・クリントン ・・・◎48.5%
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 クリントン氏は、トランプ氏に6.4 ポイントの差をつけてい
ます。米国の大統領選では、終盤にきて5ポイントの差があれば
当選安全圏にあるといわれます。したがって、この2週間、何事
もなければ、クリントン氏の楽勝であるといえます。
 しかし、クリントン氏には弱点があります。それは、健康問題
とメール問題の2つです。これについては、改めて述べますが、
あと1週間しかないものの、オクトーバー・サプライズが起きて
も不思議ではない状況です。
 もう少し詳しく見ることにしましょう。10の重要州における
支持率を分析します。項目のなかの「12年結果」とは2012
年の前回選挙でその州で勝利した政党です。このときはオバマ大
統領が勝ったので、当然民主党が多くなっています。
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            トランプ   クリントン 12年結果
     アリゾナ ◎42.5%   41.8%   共和党
     オハイオ ◎46.5%   46.0%   民主党
    バージニア  36.0%  ◎46.8%   民主党
     フロリダ  43.8%  ◎47.4%   民主党
      ネバダ  41.8%  ◎46.5%   民主党
     ミネソタ  41.3%  ◎45.3%   民主党
     アイオワ ◎45.0%   41.7%   民主党
ニューハンプシャー  38.4%  ◎45.6%   民主党
 ノースカロライナ  44.2%  ◎47.0%   共和党
    ジョージア ◎46.8%   41.5%   共和党
        ──2016年10月21日付、日本経済新聞
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 この10州のなかで、アリゾナ、オハイオ、バージニア、フロ
リダはとくに重要な州です。アリゾナは、共和党が過去50年で
一度しか落としていない牙城です。しかし、現在接戦になってお
り、クリントン氏は十分逆転可能です。
 米大統領選では「フロリダ州とオハイオ州をとった方が勝利す
る」といわれています。それは、オハイオ州とフロリダ州は、い
わゆる激戦州であり、毎回どっちが勝つかわからないからです。
それに両州は選挙人が多い州です。オハイオ州は18人、フロリ
ダ州は29人です。したがって、フロリダ州をとった方が勝つと
いわれているのです。
 オハイオ州はトランプ氏が勝っていますが、差はわずかであり
大接戦です。フロリダ州についてはクリントン氏が3.6 ポイン
トリードしています。10州の勝敗は、トランプ氏4州、クリン
トン氏6州とクリントン氏が大きくリードしています。よほどの
ことがない限り、クリントン氏の勝利は動かないでしょう。
 このような情勢をふまえて、現在、両候補の獲得している選挙
人の数は次の通りです。ちなみに選挙人の総数538人中270
人が過半数になります。
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     ドナルド・トランプ ・・・・ 170人
    ヒラリー・クリントン ・・・・ 260人
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 クリントン氏は選挙人をあと10人とれば勝ちです。オハイオ
州で逆転できればそれで決まりです。しかし、投票率やまだ態度
を決めていない有権者も10%程度いると思われます。そういう
意味で、選挙は何が起きるかわからないのです。
 21日晩のフジプライムニュースに出演した著名な米国の歴史
学者、エドワード・ルトワック氏は、今回の大統領選について、
「どちらが大統領になっても弱い大統領になるだろう。したがっ
て、議会の力が強くなり、議会は内向きなので、どうしても政権
は『内向き』にならざるを得ない。しかし、秘密外交はできる。
次の大統領は、きっとニクソンのような大統領になるかもしれな
い」という意味深なコメントしています。
            ──[孤立主義化する米国/071]

≪画像および関連情報≫
 ●最後のテレビ討論でトランプ氏のある一言
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   米国大統領選挙に向けた共和党のドナルド・トランプ候補
  と民主党のヒラリー・クリントン候補による最後のテレビ討
  論会が水曜夜、ラスベガスで開かれた。冒頭で握手を交わす
  こともなく、すぐさま最高裁と妊娠中絶問題についての討論
  になったが、この日ツイッターで大きな話題となったのは、
  討論開始15分ほどで、移民政策についてトランプ氏が発し
  た言葉だった。
   「この国に居る"悪いオンブレ"(hombre=スペイン語で、
  「男、ヤツ」の意味)たちを追い出すのだ」と、特にメキシ
  コからの不法移民に立ち向かう自らの姿勢を表明したのであ
  る。この発言に先立ち、トランプ氏は、「アメリカは麻薬組
  織のリーダーを国内から排除する手段を講じなければならな
  い」と発言している。
   この"悪いオンブレ"という言葉は瞬く間にネットで拡散、
  多くの人々がその言葉の使い方を非難した。「ドナルドさん
  よ、アンタはどうしようもないね。"悪いオンブレ"なんちゃ
  って、ヒスパニック系の票は諦めたんだね」「俺たち“悪い
  オンブレ“はバッド・カンパニー(=英国のハードロックバ
  ンド、意味は悪友)"の曲をフォーク/ウエスタンでカバーす
  る新しいバンドだぜ」などをツイート。また、この発言に端
  を発して交わされた論戦は、今回のテレビ討論会が始まって
  から最初の1時間で最も白熱したものとなった。
                   http://bit.ly/2eYNscc
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米大統領選/第3回テレビ討論会.jpg
米大統領選/第3回テレビ討論会
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする