2016年09月30日

●「斬首作戦に対抗する7日戦争計画」(EJ第4371号)

 「5015作戦計画」というものがあります。「50」という
のは、朝鮮半島のことをあらわしています。これは、米韓両軍の
北朝鮮に対する軍事作戦計画のことです。
 2016年1月6日に北朝鮮が「水爆」と称する核実験を行っ
て以来、この軍事作戦計画の名前が、ネットや表のメディアに盛
んに登場するようになっています。当初はネットだけの情報でし
たが、最近では表のメディア──例えば週刊誌でも報道され、話
題になっています。
 一番新しい情報をひとつ上げると、9月29日発売の次の週刊
誌にも掲載されています。
─────────────────────────────
 米韓が密かに企てる──「金正恩暗殺計画」/内幕レポート
             ──『週刊文春』/10月6日号
─────────────────────────────
 5015──この作戦計画について述べる前に、次の2つの作
戦計画について、知っておく必要があります。
─────────────────────────────
      1.5027作戦計画/OPLAN5027
      2.5029作戦計画/OPLAN5029
─────────────────────────────
 「5027作戦計画」とは何でしょうか。
 5027は、北朝鮮の侵攻を想定した米韓両軍の防衛作戦計画
のことです。この計画は、朝鮮戦争後に策定され、その後何回か
改訂されています。
 それでは、「5029作戦計画」とは何でしょうか。
 5029は、北朝鮮において、クーデター、革命、大規模亡命
・大量脱北、大量破壊兵器流出など、体制を動揺させる急激な変
化が起きたときの米韓両軍の軍事計画です。
 つまり、5027も5029も、北朝鮮が主体になって動いた
ときや、北朝鮮にクーデターなどが発生したときの米韓両軍の対
応作戦ということになります。この時点では、米韓の方から北朝
鮮を攻撃するつもりはなく、北朝鮮の方から攻撃してきたり、北
朝鮮国内で何かが起きたときに、米韓両軍がどう対処するかとい
う作戦だったのです。
 しかし、「5015作戦計画」(OPLAN5012) は米韓両軍が先
手を打って北朝鮮に攻め込む作戦のことです。この作戦計画は、
2015年6月に署名されています。
 どうしてこのような作戦計画を立てたかというと、金正日体制
と違い、金正恩体制になってからは、国際社会からの強い制止に
もかかわらず、ミサイル発射や、核実験を次々と繰り返すように
なったからです。
 北朝鮮に対しては、これまでに何回も国連安保理制裁決議、各
国による経済制裁が課されていますが、誰も金生恩朝鮮労働党委
員長の暴走を止めることはできなくなっています。そこで、米国
では次のことを真剣に考えるようになったのです。
─────────────────────────────
 米国で議論になっていたのは、いかに、金生恩体制を崩壊させ
るか。ジョン・マケイン上院議員は「サージカル・ストライク」
(外科手術的な拠点攻撃)をして、トラブルの芽を摘むべきだと
主張しています。
     ──産経新聞ワシントン駐在客員特派員・古森義久氏
                『週刊文春』/10月6日号
─────────────────────────────
 サージカル・ストライクとは、具体的にいうと、「金正恩暗殺
計画」のことです。いわゆる「斬首作戦」です。既にこの作戦は
定例の米韓合同軍演習のなかで行われているようです。米韓合同
軍事演習は、2016年については、次のスケジュールで既に行
われています。
─────────────────────────────
  第1回米韓合同軍事演習/ 3月 7日〜 4月30日
  第2回米韓合同軍事演習/ 8月22日〜 9月02日
─────────────────────────────
 北朝鮮は、この「5015作戦計画」に基づく米韓合同軍事演
習に猛反発し、対抗するために「7日戦争作戦計画」なるものを
ちらつかせています。この知られざる戦争計画について、コリア
・レポート編集長の辺真一氏は、次のように明かしています。
─────────────────────────────
 「7日戦争作戦計画」に基づけば北朝鮮は序盤に気勢を制すた
め、初日にソウル、京畿道、義政府、水原に向け集中砲火し、核
ミサイルで韓国を圧倒し、ソウルを3日で制圧するとしている。
すでに軍総参謀部は米韓連合軍の上陸作戦が開始されたその日に
東部、中部、西部の第1次連合打撃部隊に「先制報復打撃作戦の
遂行に移行するよう」軍令を出している。
 ソウルはDMZ(非武装地帯)から50キロしか離れてない。
前方の砲兵部隊は発射命令を受けた時から30分の間、107ミ
リ、122ミリ、240ミリ放射砲と中長距離砲12万6千発と
「KN−01」や「KN−02」など地対地短距離ミサイル1千
発を雨あられと降り注ぐものとみられる。(中略)
 続いて、スカッドミサイル(B=300キロ、C=500キロ
D=700キロ)1千発で韓国の主要攻撃対象物を壊滅する作戦
だ。北朝鮮にはミサイル発射基地が25か所あり、3〜5分以内
に韓国内の標的に打撃を与えることができる。
                   http://bit.ly/2d99xFD
─────────────────────────────
 しかし、北朝鮮は確かに既に高度なミサイル技術を持ち、核兵
器の生産に成功しつつあるとはいえ、核の実戦配備まではできて
いないと米国は分析しています。しかし、そう遠くない日にそれ
はクリアされることは確実です。そうであるとすると、米韓両軍
にとって、残された時間はあまりないことになります。
            ──[孤立主義化する米国/056]

≪画像および関連情報≫
 ●米軍の作戦計画《5015》に基づく斬首作戦
  ───────────────────────────
  【野口裕之の軍事情勢】ビン・ラーディンやIS幹部を次々
  に仕留めた米軍特殊部隊が次に見据える「斬首作戦」のター
  ゲットとは・・・
   さぞ、やつれて、顔も青ざめているかと期待したら、大ハ
  ズレ。国内で毎年「ウン万人」規模の餓死者を出しているに
  もかかわらず、映像越しに観る北朝鮮の金正恩第1書記は肥
  え太り、顔は肉まんのように白かった。なぜ期待したのかは
  当然、3月7日に始まった米韓合同軍事演習が、32万人も
  の米韓将兵が参加する過去最大規模であること。
   しかも、北朝鮮の核・ミサイル基地に対する先制攻撃も視
  野に入れる米軍の作戦計画《5015》に基づいているため
  だ。何よりも、特殊作戦部隊や有人・無人機の精密誘導(ピ
  ンポイント)爆撃で、金氏ら首脳部を急襲し、排除する《斬
  首作戦》が作戦思想に貫かれている。
   しかし、期待はそれだけではない。金氏が3月25日に想
  像したであろう、自らの運命だ。この日、米国のアシュトン
  ・カーター国防長官は、米軍特殊作戦部隊が潜伏中の《イス
  ラム国=IS》のNO.2を殺害したと、発表したのだ。絵
  に描いたごとき、見事な斬首作戦といえる。金氏は他の無法
  者の、斬首作戦による惨めな最期も思い出しているかもしれ
  ぬ。例えば、《イスラム暴力集団を率いるテロリストのアブ
  ・ムサブ・ザルカウィ(1966〜2006年)。2006
  年、米空軍のF−16戦闘機に精密誘導爆撃され、特殊作戦
  部隊が身柄を確保した後死亡した》 http://bit.ly/2cDQ9yX
  ───────────────────────────

先制攻撃を仕掛けかねない金正恩委員長.jpg
先制攻撃を仕掛けかねない金正恩委員長
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする