2016年09月07日

●「改めて知るトランプの盤石の強さ」(EJ第4356号)

 米大統領予備選は、2016年2月1日、アイオワ州から開始
されたのです。予備選が行われる洲の順序は共和党と民主党では
異なりますが、最初は両党ともアイオワ州から始まるのです。
 以下に、3月22日までの34洲における共和党の勝利者を示
しています。2行に分けていますが、順序は、アイオワ州〜ケン
タッキー洲、ルイジアナ州〜ユタ州の順になります。
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   ▲アイオワ          ◎ルイジアナ
   ◎ニューハンプシャー     ▲メイン
   ◎サウスカロライナ      ○プエルトリコ
   ◎ネバダ           ◎ハワイ
   ◎アラバマ          ▲アイダホ
   ▲アラスカ          ◎ミシガン
   ◎アーカンソー        ◎ミシシッピ
   ◎ジョージア         ○コロンビア特別区
   ◎マサチューセッツ      ◎フロリダ
   ▲ミネソタ          ◎イリノイ
   ▲オクラホマ         ◎ミズーリ
   ◎テネシー          ◎北マリアナ諸島
   ▲テキサス          ◎ノースカロライナ
   ◎バーモント         □オハイオ
   ◎バージニア         ○米領バージン諸島
   ▲カンザス          ◎アリゾナ
   ◎ケンタッキー        □ユタ
           勝利者:◎トランプ  ○ルビオ
               ▲クルーズ  □ケーシック
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 共和党のアイオワ州での支持率は、2015年8月の時点で、
CNNと調査機関ORCインターナショナルによる世論調査では
トランプ氏22%で首位、2位は14%でベン・カーソン氏だっ
たのですが、クルーズ氏が逆転し、この洲の勝利者になっていま
す。得票率は次の通りです。アイオワ洲は有権者登録の60%が
福音派といわれる地区であり、クルーズ氏が手堅く票をまとめて
勝利したのです。
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      首位:クルーズ ・・・・・ 28%
      2位:トランプ ・・・・・ 24%
      3位: ルビオ ・・・・・ 23%
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 このようにアイオワ州はなかなかの接戦だったのですが、2月
9日のニューハンプシャー州では、トランプ氏が34%以上の得
票率でその強さを見せつけたのです。
 予備選というのは、党内選挙ですから、基本的には党員登録を
している人が投票するのですが、ニューハンプシャー州では党員
でなくても投票できるオープン方式をとっています。それにこの
洲は選挙のたびに共和党と民主党の勝者が入れ替わるスウィング
洲になっています。したがって、ここでの勝敗は本選を占う重要
な情報になります。結果は、大方の予想を裏切ってトランプ氏が
勝ったことによって、驚きが全米に広がったのです。
 第3戦はサウスカロライナ洲です。ここはブッシュ父子の地盤
のひとつであり、当然のことながら、2015年6月まではジェ
フ・ブッシュ氏は支持率でトップに立っていたのです。ところが
トランプ氏が出馬を宣言するや、2〜3ヶ月でトランプ氏に支持
率を奪われ、兄のブッシュ前大統領も応援に入ったものの、形勢
を挽回できなかったのです。
 結果は、トランプ氏が2位のルビオ氏に10ポイント以上の差
をつけて勝利し、ジェフ・ブッシュ氏は4位に沈んだのです。開
票直後の状況を産経ニュースは次のように伝えています。ブッシ
ュ氏の惨敗です。この結果を受けて、ジェフ・ブッシュ氏は予備
選から撤退を表明したのです。
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 サウスカロライナ州では午後7時(日本時間21日午前9時)
に共和党予備選の投票が締め切られた。米メディアは7時半ごろ
から、相次いで「トランプ氏が勝利」と報じた。米CNNテレビ
によると、開票率6%段階の得票率は、トランプ氏が32・5%
マルコ・ルビオ上院議員が22・0%、テッド・クルーズ上院議
員が21・5%、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が9・9%
ジョン・ケーシック・オハイオ州知事が7・6%、元神経外科医
のベン・カーソン氏が6・3%。    http://bit.ly/2c1Zv5z
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 もう一度上記の表(米大統領選の予備選の2月〜3月までの勝
敗)を見てください。これを見ると、34洲のうち21の州にお
いてトランプ氏は勝利しています。その勝率は61・7%と圧勝
です。これでトランプ氏の強さがわかったと思います。
 このトランプ氏の意外なほどの強さを知った共和党本部は、3
月15日のフロリダ洲予備選で形勢を挽回すべく、テコ入れをし
たのです。フロリダ洲はジェブ・ブッシュ氏が知事を務めた洲で
あり、現在ではルビオ氏の地盤になっています。ここはスウィン
グ洲であり、29人の代議員は勝者総取りで、本選では絶対に落
とせない洲であったからです。
 そこで共和党本部は、フロリダ、ミシガン、イリノイの3洲に
300万ドルをかけて、アンチ・トランプのテレビCMを打った
のです。同じ共和党の候補者なのにアンチ・トランプのCMを打
つとはアンフェアなことですが、トランプ氏の勢いはそのような
ことでは止まらなかったのです。
 フロリダ州の結果は、トランプ氏の圧勝に終わっのです。これ
によって、ルビオ氏は撤退を表明します。共和党が本命としてい
たマルコ・ルビオ氏は、3月15日にはやばやと撤退せざるを得
なくなったのです。どうして、このような結果になったのでしょ
うか。         ──[孤立主義化する米国/041]

≪画像および関連情報≫
 ●「ブッシュ王朝」を拒否した米世論2つの感情
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   大統領選予備選の「第3ラウンド」は、3月1日の「スー
  パー・チューズデー」の行方を占う意味で、重要な位置づけ
  がある。先週20日、その「第3ラウンド」として、民主党
  はネバダ州党員集会、共和党はサウスカロライナ州予備選が
  実施された。
   民主党では、ヒラリー・クリントン候補が下馬評よりはや
  や優勢の「52・7%」対「47・2%」で、バーニー・サ
  ンダース候補を下し、サンダースの勢いはやや鈍った感があ
  る。一方の共和党では、依然としてドナルド・トランプ候補
  が大差で首位を取り、マルコ・ルビオ候補が2位へと浮上し
  た。この「第3ラウンド」の大きな動きは、何と言っても共
  和党内の力関係に変化が生じたことだ。1位になったトラン
  プは、ローマ法王との批判の応酬をしたり、FBIや裁判所
  の命令に反論中のアップル製品への「不買運動」を呼びかけ
  たりと、相変わらず話題に事欠かない中で、32・5%の支
  持を集め、2位グループに10ポイントの差をつけて勢いを
  保っている。その一方で、2位以下のグループでは大きな変
  化が見られた。まず2位に入ったルビオ(22・5%)だが
  これはオハイオでの善戦後に「テレビ討論で同じ決めセリフ
  を4回繰り返す」というミスを犯してニューハンプシャーで
  は大きく後退していたのが、完全に復活したという評価がさ
  れている。2位ではあったが、勝利宣言と言っても良い力強
  い演説には若々しいカリスマ性も感じられ、「共和党主流派
  のチャンピオン」という座を獲得したのは間違いない。
                   http://bit.ly/2186ChT
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大統領予備選から撤退を表明するジェフ・ブッシュ氏.jpg
大統領予備選から撤退を表明するジェフ・ブッシュ氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする