2016年08月19日

●「世の中は闇の権力が動かしている」(EJ第4343号)

 EJの前回テーマのときにも書いたことですが、この世の中は
表の権力者ではなく、闇の権力者が動かしています。米国の政治
の世界でもそういう力が強く働いており、現在展開されている米
国の大統領選もそういう勢力の影が色濃くみられるのです。
 副島隆彦氏が指摘する、トランプ氏にロックフェラー財閥の現
在の当主デイヴィッド・ロックフェラー氏がついたのではないか
という情報は、今後の大統領選の行方にどのような影響を与える
でしょうか。
 これについては、今後詳しく書いていきますが、今回は少し脱
線して、日本の政治事情について書きます。見逃せないことが平
然と行われているからです。
 日本の政治の世界でも、表の権力者は自民党ですが、実質的に
は日本の官僚機構が日本を動かしています。これを変えなければ
日本は何も変わらないのです。統治機構を変えなければならない
のです。しかし、かねてから、その必要性を説いていた政治家が
いたのです。それは他ならぬ小沢一郎氏です。
 小沢一郎氏は自由党を解党して当時の民主党に入り、選挙のた
びに少しずつ勝利を積み重ねて議員を増やし、遂に代表になって
2009年の衆院選に臨もうとした直前、いきなり何の前触れも
なく、東京地検特捜部に秘書2人が逮捕されたのです。
 そのため、小沢氏は代表を降りざるを得なくなり、選挙では民
主党が大勝して歴史的政権交代が実現したのです。この政権交代
は明らかに小沢氏の功績であるといえます。もし小沢氏が代表の
まま選挙で勝利していれば、小沢政権が誕生していたのです。そ
うすれば官僚機構にメスが入り、日本の統治機構の大改革が行わ
れていたはずです。「政治を官から民へ取り戻す」が小沢氏の政
治スローガンであったからです。
 これは官僚機構にとっては最悪の事態です。そのため、官僚機
構はありもしない疑惑をデッチ上げて小沢氏の秘書を逮捕し、小
沢氏を代表の座から降ろさせ、小沢政権を作ることを防いだので
す。選挙での自民党の敗北は必然だったからです。
 さらに官僚機構側は、ありとあらゆる汚い手を使って小沢氏を
検察審議会を使って強制起訴し、裁判をしたのですが、無罪の判
決が下っています。しかし、その間メディアは官僚機構側につき
小沢氏を完全に無視することによって、その政治生命を奪うこと
に加担したのです。それは現在も続いています。日本のメディア
は官僚機構に完全に屈服してしまっています。この詳細について
は、EJにおいて「小沢一郎論」(72回)、「自民党でいいの
か」(125回)に詳しく書いています。
 さて、2016年8月15日付の日本経済新聞の夕刊に検察庁
の人事が写真付きで発表されています。そのなかに次の人事が出
ていたのです。いずれも発令は9月5日付です。
─────────────────────────────
 ◎黒川弘務氏(法務次官)
  81年東大法卒、83年東京地検検事。松山地検事正、11
  年法務省官房長、東京都出身、59歳
─────────────────────────────
 この人事は、黒川弘務法務省官房長が出世して、法務省事務次
官になることを告げるものです。そして、この人事の出た翌日の
16日には、東京地検特捜部は甘利元大臣の秘書2人を再び不起
訴処分とすることを発表しています。つまり、この発表をもって
甘利元大臣をはじめ、秘書2人も無罪放免になったのです。
 しかし、これはとんでもないことです。これについて、18日
発行の日刊ゲンダイは次のように報道しています。
─────────────────────────────
 「甘利ワイロ事件」特捜部は「総合的に判断して(あっせん利
得処罰法)構成要件に当たらない」と説明しているが、元秘書2
人は約1300万円ものワイロを受け取り、甘利本人も大臣室で
50万円の現金をもらっている。これが犯罪でなくて何だという
のだ。「ワイロを渡した人が『渡した』と言って録音テープまで
残っている。もらった側も『もらった』と認めている。これで不
起訴になるなら、今後、国会議員や秘書はカネをもらって口利き
のやり放題。あり得ない話でしょう」(民進党の山井和則国対委
員長代理)   ──2016年8月18日発行/日刊ゲンダイ
─────────────────────────────
 この甘利事件について日本の全メディアは、事実のみ伝えて一
切論評しません。陸山会事件では、ありもしないウソ八百を針小
棒大に記事として取り上げ、小沢氏の政治生命を絶とうとしたに
も関わらず、甘利事件ではこの有様です。それは、官僚機構から
何らかの圧力を受けているからです。
 この黒川弘務なる人物は、2009年に小沢一郎代表が政治資
金規正法違反に問われた「陸山会事件」で暗躍したとして知られ
ています。黒川氏は相当のヤリ手として知られ、何か法務省とし
て困ったことがあると、呼び戻され、暗躍すると日刊ゲンダイは
伝えています。
 黒川弘務氏の陸山会事件の関わりについては、前参議院議員で
今回の参院選で当選した森ゆうこ氏が、陸山会事件を振り返った
次の書籍に、180ページから229までの約50ページにわた
り、詳しく書かれています。
─────────────────────────────
                       森ゆうこ著
    『検察の罠/小沢一郎抹殺計画の真相』/日本文芸社
             第5章「対決──真犯人は誰か」
─────────────────────────────
 この本を読むと、法務省も東京地検特捜部も検察審査会も何も
信じられなくなります。そういうことを勇気をもって伝え、国民
の知る権利を守るのがメディアの仕事であるのに、こともあろう
に現政権や法務省という権力機構の圧力に負けて本来の仕事をし
ないのは実にけしからんことであると思います。
            ──[孤立主義化する米国/028]

≪画像および関連情報≫
 ●【コヤツの名前を忘れまい】
  ───────────────────────────
   通常国会閉会に合わせたかのような6月1日の検察による
  「甘利明不起訴処分」。どうも不自然で裏がありそうだぞと
  思っていたが、案の定そうだったのだ。甘利収賄事件の検察
  捜査潰しは次期法務省事務次官(法務省トップ)を狙ってい
  るという黒川弘務同省官房長が黒幕だったというのだ。その
  裏事実に鋭く迫っているのが今回転載のリテラ記事である。
   いつもながらに、「リテラ」の既存大手マスコミのタブー
  などものともしない取材力を高く評価させていただく。同記
  事によると、黒川官房長は安倍官邸と深いつながりがあり、
  「法務省内でも『自民党の代理人』といわれているほど、政
  界とべったりの法務官僚」らしいのだ。ここにも学校で習う
  「三権分立」など全くの絵空事であり、実際は「三権癒着」
  である事が如実に示されているのである。ともあれ、法務省
  の“赤レンガ組”トップエリートが時の政権にズブズブでは
  今回の甘利明被疑者「不起訴」のケースのような不正処分が
  今後とも後を絶たないわけである。舛添都知事などのように
  さほど強大な権力をバックに持たない者は連日大バッシング
  にあい、本当の巨悪はマスコミも報道をスルーしてくれ、の
  うのうと議員歳費をくすねて遊び回っていればいいわけで、
  暗黒司法極まるまこと由々しき事態である。
                   http://bit.ly/2bpvRIo
  ───────────────────────────

大臣辞任会見での甘利明氏.jpg
大臣辞任会見での甘利明氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
RDF Site Summary