2016年05月27日

●「ベンガジ米領事館攻防の13時間」(EJ第4285号)

 リビア・ベンガジ事件、疑問がたくさんあります。スティーブ
ンス駐リビア米大使らは一体どのようなグループに襲われたので
しょうか。
 オバマ政権は、一貫して「反イスラム映画に激昂したデモ隊に
よる襲撃である」と主張しています。確かに米国が攻撃を受けた
「911」のこの日、この映画に抗議するためエジプトやリビア
などアラブ諸国のアメリカの在外公館が次々に襲撃されているこ
とは確かです。
 リビア・ベンガジへの襲撃がどのような状況だったのかについ
て、ウィキペディアは次のように伝えています。
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 2012年9月11日、リビアの東部ベンガジにあるアメリカ
領事館にイスラム厳格派「サラフィスト(英語版)」などを中心
とした2000人が押し寄せ、反米スローガンを展開。午後10
時頃、武装した集団が領事館への攻撃を開始し、ロケット弾や自
動小銃を乱射しながら大使館を囲むコンクリート壁によじ登り、
空に向け発砲した後に敷地内に侵入。放火や略奪を行い、対戦車
砲を領事館に撃ちこんだ。また領事館の近くにある農場からも携
行式ロケット弾が発射された。地元の治安当局が領事館の警備を
行なっていたが、わずか15分で突破され、建物内への侵入を許
した。      ──ウィキペディア http://bit.ly/1WkQ9DI
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 この記述によると、明らかにデモのレベルを超えています。こ
れは訓練された軍隊による攻撃そのものです。ロケット弾、対戦
車砲まで使われているのですからこれは戦争です。米国がリビア
反政府勢力に渡している兵器も使われているようです。
 それに最大の疑問は、なぜ、トリポリの大使館ではなく、ベン
ガジの領事館が襲われたのかということです。大使館の方が警備
が厳重で、ベンガジの領事館の警備が手薄であることを知ってい
たからなのでしょうか。それにスティーブンス大使がベンガジの
領事館にいることを知っていたということになります。
 もっと不可解なことがあります。テロ攻撃は13時間に及んだ
とされていますが、救援に駆けつける部隊はなかったという事実
です。これについて、ベンガジ事件ではオバマ政権が隠蔽してい
ると批判する、アーロン・クライン著『ベンガジ事件の真相』と
いう本に関するサイトでは次の事実が指摘されています。
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 デンプシー統合参謀本部議長は議会の公聴会で衝撃的な事実を
告白した。事件が起きた夜、ベンガジからわずか数時間の距離に
ある場所で演習をしていた特殊部隊は、「ベンガジに行く必要無
し」と命令された、というのである。この告白はメディアでは報
道されていない。
 ベンガジ事件のような時のために訓練を重ねてきたドイツ駐留
の特殊部隊C110は、その時わずか1488キロ離れたクロア
チアで演習をしていた。事件発生後に急行しておれば3時間半で
現場に到着できる距離であった。彼らが急行しておれば事件の成
り行きは全く違うものになっていた可能性は高い。この部隊は事
件の翌日、何事もなかったかのようにドイツへ戻っていった。
 また、派出所から2キロと離れていない場所に陣取っていたC
IAの要員達は事件のことを知るや即座にいつでも助けに向かえ
る体制に入っていた。しかし彼らが上司から受けた指令はなぜか
「待て」というものであった。彼らのうち数名はあえてその命令
を無視して現場に向かい、スチーブンス大使らを守ろうとして命
を落とした。             http://bit.ly/1OVUyuJ
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 このサイトの記述によると、領事館の襲撃に備えていた特殊部
隊や、2キロ離れたCIAの詰所にはそれぞれ「動くな」という
命令が出ており、大使らは見殺しにされたことがわかります。現
場の様子は無人偵察機で把握していたという説もあり、深刻な事
態を知りながら、放置したことになります。一体どういう事情が
そこにあったのでしょうか。
 もうひとつわかったことがあります。ベンガジの領事館のこと
ですが、警備は手薄であるとはいえ、領事館らしいそれなりの広
さと大きさの建物であったと考えられます。そのため、攻撃には
13時間を要したのです。このベンガジ領事館への攻撃について
は、次の映画が2016年2月に公開されています。
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    『13時間:ベンガジの知られざる兵士たち』
         予告編/  http://bit.ly/1MMEGXV
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 これは映画ですが、予告編のなかにベンガジの米領事館の全景
を見ることができます。これによると、かなり大きな建物であり
だからこそ攻略に13時間を要したのです。これだけの時間があ
れば、クロアチアで演習していた米特殊部隊が十分駆けつけるこ
とが可能だったのですが、なぜかベンガジの領事館の救援をせず
見殺しにしたのです。なぜ、救援できなかったのでしょうか。な
ぜ、大使を見殺しにしたのでしょうか。
 ベンガジ事件の調査特別委員会の委員長である共和党のトレイ
・ガウディ下院議員は、調査委員会において、次のような厳しい
質問を行っています。
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 「救助作戦を行なってはいけない命令」があったか無かったか
はともかく、攻撃された大使館へのセキュリティー強化が国務省
によって拒否され、却って人員削減がなされていた事、また事件
発生後何時間か経った後も大使館への救助作戦が行なわれなかっ
た事は事実です。事件が明らかになった後も、国務省は現地の生
存者の帰国の為に一機の飛行機を遣わすこともしませんでした。
    ──トレイ・ガウディ下院議員 http://bit.ly/20ApUrs
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            ──[現代は陰謀論の時代/098]

≪画像および関連情報≫
 ●「ベンガジ事件」描いた映画公開/2016年1月
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   アメリカで2016年1月15日にアクション映画「13
  時間:ベンガジの秘密部隊」が公開されます。監督は「トラ
  ンスフォーマー」や「アルマゲドン」といったヒット作を手
  掛けてきたマイケル・ベイで、リビアのベンガジで2012
  年9月に発生したアメリカ領事館への襲撃事件をテーマにし
  ており、作品では領事館を襲撃するリビア人武装勢力とアメ
  リカ人の民間警備会社スタッフらとの間で繰り広げられた激
  しい戦闘の様子が描かれています。地中海のマルタ島にベン
  ガジそっくりのセットを作り、撮影されたこの作品は、戦闘
  シーンの激しさなどからアメリカではR指定がかけられてい
  ます。
   実際の戦争やテロをベースにした映画はハリウッドでもこ
  れまでに何本も作られてきましたし、ベイ監督は2001年
  にもベン・アフレックを主演に起用して「パールハーバー」
  を制作しています。しかし、彼の最新作「13時間」の公開
  日が、大統領選挙の最初の大きなイベントとされるアイオワ
  州大統領候補指名党員集会の2週間前となる今月15日に設
  定されたため、候補者選びに少なからず影響を与えると指摘
  する声が上がっています。     http://bit.ly/247m8qm
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リビア・ベンガジ米領事館.jpg
リビア・ベンガジ米領事館
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする