2016年03月15日

●「米国は日本にとってよい国なのか」(EJ第4237号)

 先週の金曜日の3月11日は、東日本大震災からちょうど5年
目に当たり、12日と13日の2日間のメディアは、一日中大震
災の復興の状況を伝える報道一色となったのです。
 復興の状況は、ゴミこそ片づいたものの、復興はまだ緒につい
たばかりの印象です。そのなかにあって、建設途中の高い防潮堤
が異様な高さでそびえ立っているのには、いささか違和感を感じ
たものです。いずれにせよ、この大震災が日本に与えたダメージ
は計り知れないものがあります。
 とくに東日本大震災では、福島原発が津波の深刻な被害を受け
ているので、単なる地震被害の比ではないのです。何しろ立ち入
ることができないので、復興が遅れるのは当然です。
 もし、この地震がどこかの国、いやこの世界を支配しようと企
む何らかの寡頭勢力がHAARPのようなものを使って、意図的
に起こしたものであったとすれば、それは到底許されるものでは
ありません。
 しかし、HAARPのような施設は、少なくとも世界には20
ぐらいはあるといわれています。そうであるとすると、どこかの
国または寡頭勢力がこれらの施設を利用して、意図的に地震を起
こすことはけっして不可能なことではないのです。それにしても
最近地震が多過ぎるとは思いませんか。
 もし意図的にそれをやるとしたら、そういう施設を持っている
米国に疑いが行きます。もちろん何度もいうように、米国そのも
のではなく、米国を支配している寡頭勢力という表現になります
が、そのようなことを少しでもいおうものなら、「米国が同盟国
の日本にそんなことをするはずがない」と反論され、たちまち陰
謀論者のレッテルを貼られてしまいます。
 しかし、目下展開されている米国の大統領選挙の予備選を見て
いると、米国の本性がよく見えてきます。昔から日本にとっては
共和党政権の方がよいといわれ、共和党が政権を取り返すのは、
今年の大統領選が最大のチャンスといわれてきたのです。なかで
も日本にとってベストなのは、共和党候補のマルコ・ルビオ氏が
大統領になることであるといわれます。安倍首相とも会っていま
すし、日米関係の重要性をよく認識している政治家だからです。
しかし、ルビオ氏は目下大苦戦しており、もし、地元のフロリダ
州の予備選で敗れると、撤退は必至といわれています。
 予想は大きく外れ、共和党候補者は泡沫候補といわれてきたト
ランプ氏がここまで予備選で勝利を重ねており、このままでは共
和党の候補者になりかねない情勢です。
 一方、民主党の方は絶対有利といわれていたクリントン氏が、
異色の候補といわれるバーニー・サンダース氏に追い上げられ、
苦戦しています。といっても民主党の代表候補にはなると思いま
すが、これほど苦戦するとは本人も思わなかったことでしょう。
それは、共和党、民主党両党とも「非政治家に政権を任せよう」
とする動きがあり、既成の政治家は、いずれも苦戦しているとい
われます。
 これに対して、知日家といわれるアーミテージ元国務副長官は
次のようにいっています。
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 トランプ氏が大統領になる可能性はあるが、明らかなのは共和
党員の60%以上、今では3分の2がトランプ氏を支持すること
はできない。多くの共和党員は少なくとも外交政策で、トランプ
氏ではなく、クリントン氏に投票するだろう。
         ──2016年3月11日付、日本経済新聞
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 何と共和党員の多くが民主党のクリントン氏に投票するといっ
ているのです。日本人の多くもトランプ氏が共和党の候補になっ
ても、クリントン氏が勝つだろうと楽観しています。しかし、果
してクリントン氏は勝てるでしょうか。
 確かにクリントン氏の方がトランプ氏よりはマシなのは確かで
すが、クリントン氏は、本当に日本にとってプラスの存在なので
しょうか。これについて、外交評論家の孫崎享氏は次のように述
べて、楽観すべきではないと警告しています。
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 トランプは安全保障について、CNN主催の討論会で「我々は
これ以上このような全ての国を防御できない」と、日本、ドイツ
韓国を挙げていた。別の集会では「日本が攻撃されたら米国は直
ちに駆けつけなければならないのに、米国が攻撃を受けても日本
が何もしなくていいのはおかしい」と発言している。経済面でも
「日本は輸出を増やすために円相場を意図的に安値に誘導してい
る」と批判していた。
 ヒラリーはどうだろうか。ヒラリーは国務長官の時代はTPP
を推進していたが、今は「TPPは不完全だ。為替の不当操作に
対する条項がない」と指摘し、日本についても「円安誘導をして
いる」と言っている。ヒラリーが大統領になれば、日本はTPP
の再交渉を余儀なくされ、円安誘導を禁じる条項を入れるよう迫
られるかもしれない。つまり、日本は円高圧力を受けるわけだ。
  ──孫崎享氏/2016年3月11日付、日刊ゲンダイより
─────────────────────────────
 クリントン氏で気になるのは、日本か中国かといえば、中国で
あるということです。ヒラリー氏は夫のクリントン元大統領とと
もに「親中国、対日蔑視」の姿勢です。ヒラリー氏も国務長官の
ときと違い、大統領になるとその姿勢が強く出ると思われます。
 驚くべきことは、演説で日本と中国をボロクソにいうトランプ
氏も実は中国との結び付きが強いということです。少なくともビ
ジネスの相手としては、日本よりも中国なのです。
 大統領にヒラリー氏がなっても、トランプ氏がなっても日米関
係は厳しいということです。したがって、日本はあまり米国べっ
たりにならないことです。いくら同盟国であっても一歩引いて、
自国の体制を固めることが必要です。まして外交で米国に遠慮す
る必要はないのです。  ──[現代は陰謀論の時代/050]

≪画像および関連情報≫
 ●「トランプ大統領」は日本の敵か味方か
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   2016年11月の米大統領選に向けた共和党の指名争い
  で支持率トップを維持する不動産王、ドナルド・トランプ氏
  の言動に安倍晋三政権が熱視線を送っている。オバマ政権が
  海洋進出や威圧的外交を進める中国に融和的なのとは対照的
  に、トランプ氏は「強い米国」の復活を提唱。「中国は米国
  民が飢え死にすることを望んでいる」と対中強硬姿勢を鮮明
  にしているからだ。数々の暴言には批判も多いトランプ氏だ
  が、大統領選に勝利して世界最強の米軍最高司令官に就けば
  アジアの安全保障環境にも影響をもたらすのは必至。さらに
  トランプ氏は日本に対しても、厳しい人物として知られてい
  る。トランプ大統領は日本の救世主となるのか、それとも破
  壊者となるのか。
   「私ならば夕食会は開かず、ハンバーガーを出す」。トラ
  ンプ氏は、中国の習近平国家主席の訪米を「国賓」として厚
  遇するオバマ大統領をこう批判し、超大国となった中国に対
  しても、一歩も引かない「強いリーダー」の姿をアピールし
  た。オバマ大統領は9月下旬に訪米した習氏との米中首脳会
  談で、中国が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島
  に造成した人工島建設に関し「強い懸念」を伝えた。一方、
  習氏は「南シナ海は中国の領土だ」などとゼロ回答を繰り返
  し、議論は平行線のままだ。トランプ氏は、大統領選で対中
  政策が争点になっていることを踏まえ、覇権を拡大する中国
  に融和的なオバマ政権への対抗軸を打ち出すことに成功した
  といえる。            http://bit.ly/1QQ7lNO
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アーミテージ元国務副長官.jpg
アーミテージ元国務副長官
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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