2015年11月05日

●「ソ連の崩壊で出てきた秘密報告書」(EJ第4152号)

 大韓航空機撃墜事件には多くの謎があります。MH370便や
MH17便と違って、KAL007便の撃墜については多くの情
報があります。ネット上にも多くの情報が出ています。
 しかし、世界中の人たちが認識していることとは違う情報は、
いわゆるトンデモ情報、陰謀論、ネス湖のネッシー的扱いを受け
てまともにとらえられていないのです。そのなかで、やはり陰謀
論的な扱いを受けているものの、事実に基づく主張を展開してい
る貴重な本があります。今回のテーマのうち、大韓航空機撃墜事
件に関する記述は、この本を主として参考にして書いています。
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                   高橋五郎著
     『早すぎた死亡宣告』/ジーオー企画出版
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 KAL007便がソ連の領空に侵入してきたとき、ソ連側は米
国側の意図を察知し、事の性格上米国はこの事件に関し本当のこ
とは沈黙すると読んで、あとでこの事件の真相が明るみに出ると
きのために備えて、いくつかアリバイ工作をやっています。
 そのことを如実に示す格好の資料があります。それは1983
年12月に、ソ連のウスチノフ国防相とチェブリコフKGB議長
が、ブラックボックスの解析に基づいて、アンドロポフ書記長に
提出した報告書です。書記長がこの問題を処理するさいのアドバ
イスをまとめたものです。
 この報告書は、長らくクレムリンの奥深く秘匿されてきたので
すが、1992年10月14日に当時のエリツィン大統領率いる
ロシア政府から、韓国政府に引き渡された事件関係資料のなかに
あったものです。上記の高橋五郎氏の著書には報告書の全文が掲
載されていますが、長いので、重要部分を3つに分けてご紹介し
解説することにします。
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 ◎その1/(KAL007便が)国際指定航路から大きく離脱
したということを立証するすべての資料を持っているにもかかわ
らず、同旅客機の乗務員は5時間以上そのまま飛行して、その航
路を修正して、ソ連領空から離れようとするいかなる措置もとら
なかった。                 ──高橋五郎著
          『早すぎた死亡宣告』/ジーオー企画出版
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 「その1」の記述は、KAL007便の乗務員が国際指定航路
を大きく外れて飛行していることを知りながら、ソ連領空内に故
意に侵入したことを訴えています。
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 ◎その2/飛行機の録音機の資料と飛行機が撃墜されてからの
米国行政府の行動を分析したところによると、われわれは米情報
機関が2重の目的を追求した大規模な政治挑発行為を具体的に計
画したことを確認することができる。
 第1に、同旅客機の領空侵害で、ベレート・スパイ衛星などか
ら、極東でのわれわれの防空システムについての資料を得ようと
した。もし、同機が何の指示もなく、わが国の上空を通過できた
場合、米国人は極東でのわれわれの防空システムのお粗末さにつ
いて宣伝をする意図を持っていた。
 第2に、彼らはわれわれが飛行を阻止する場合、ソ連に対する
大規模な反ソキャンペーンを展開する目的でその事実を利用する
考えであった。同機の挑発的で諜報的な性格と、そして米情報部
が追求しようとしたところをわれわれが暴露して、その挑発行為
を通じて米国人が目的とするところを完全に阻止した。
                ──高橋五郎著の前掲書より
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 「その2」の記述は、この事件の米国の狙いを明らかにしてい
ます。狙いはズバリ極東におけるソ連の防空システムの能力を探
るのが目的であると分析しています。もし、うまく行かなかった
ときは、旅客機を撃墜する非道な国家としてソ連をおとしめ、反
ソキャンペーンを展開するという計画であるというのです。
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◎その3/したがって、飛行経路および対話に関する客観的な資
料を西側国家に伝達する場合、南韓の飛行機の目的について、ソ
連と同じく西側諸国もまた、自分たちの立場を裏付けるために同
資料を利用することができる。そして、反ソ宣伝の新たなキャン
ペーンも同じく排除することができない。
 ICAO(国際民間航空機関)や録音を解読する意図がある国
に(ブラックボックスの)録音資料を伝達しないのが良いと思わ
れる。そして、同録音がソ連にあることも、やはり秘密にしなけ
ればならない。また米国・日本は、先に指摘された物体(ブラッ
クボックス)がわが国にあることを裏付ける証拠を持っているは
ずがない。
 今後、その秘密を保全するために必要な措置をわれわれは探っ
た。同事件と関連した問題が派生する場合、9月6日付けのソ連
政府声明で発表された立場を引き続き維持し、損害補償をいっさ
い拒否しなければならず、また挑発行為を計画した米政府に犠牲
者に対する責任をすべて転嫁させなければならない。
 同意を望む。         ──高橋五郎著の前掲書より
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 「その3」の記述は、ウスチノフ国防相とチェブリコフKGB
議長が、ブラックボックスをソ連が持っていることを徹底的に隠
すようアンドロポフ書記長に求める内容になっています。つまり
ブラックボックスを徹底的に隠せと勧めているのです。
 ソ連としては、「KAL007便の領空侵犯→ミサイル発射→
撃墜→乗客乗員全員死亡」を訴えることで、あたかも米国と共同
歩調を取ったのです。これによって、世界中がKAL007便撃
墜事件の情報を信ずるしかなくなり、結果としての「米ソ共謀/
共犯」を演出することになったのです。
           ──[航空機事故の謎を探る/027]

≪画像および関連情報≫
 ●大韓航空機撃墜事件/事件のあらまし
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   大韓航空機事件と呼ばれる事件は1978年にもあった。
  パリ発ソウル行きの大韓航空機が、ソ連領空内を600キロ
  メートル近く2時間半も侵犯して逃げ回り、軍事要衝ムルマ
  ンスク近くで強制着陸させられた事件である。
   その5年後の、1983年8月31日、今度はニューヨー
  ク発、アンカレッジ経由ソウル行きの大韓航空007便が、
  同じように、ソ連領空を侵犯した。アンカレッジ離陸後、カ
  ムチャッカ半島を横断、さらにサハリンをも横断し、正規の
  航空路(R20)をソ連寄りの北に500キロメートル、5
  時間半にわたって逸脱した結果、モネロン島付近でソ連軍機
  により撃墜されてしまったのである。乗客・乗員269名が
  犠牲となり、乗客の中には、私の妻と長男も含まれていた。
   この007便の侵犯したコースは、ソ連側の対米最前線重
  要基地上空であり、米側が諜報戦で、絶えずスパイ機による
  挑発行為を繰り返していたということも、後に明らかになっ
  た。ソ連軍によれば、カムチャツカにおいては、007便と
  米軍スパイ機RC─135がソ連側レーダー上で重なってい
  たといわれ、いわゆるランデブー飛行ではないかとの疑惑を
  招いた。米政府は、当初、RC─135の介在を否定してい
  たが、米国会議員の情報リークの結果、その事実を認めた。
  あの1978年のムルマンスク事件が、やはり、ソ連の対米
  最前線で起きた領空侵犯事件であったことからも、撃墜され
  た大韓航空機は意図的にソ連領空を侵犯したのではないかと
  いう疑惑がはじめからつきまとった。
                   http://bit.ly/1ub2OMq
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ユーリ・アンドロポフ.jpg
ユーリ・アンドロポフ
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 航空機事故の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする