2015年08月03日

●「笹井氏の自殺には多くの謎がある」(EJ第4089号)

 ネット上では、笹井芳樹氏の死は他殺ではないかという記事が
多くあります。いずれも憶測に過ぎないものですが、その可能性
についても考えてみます。
 『自殺の9割は他殺である』(カンゼン刊)という本がありま
す。まさか!と思いますが、著者は2万体の「死体」を検視した
元監察医・上野正彦氏ですから、事実であると思われます。
 上野氏によると、首つり自殺の場合、絞首刑のように足が届か
ない高い所にロープを張ってぶら下がる場合は別として、便所の
ドアにロープをかけるとか、ホテルの浴槽の金具や水道管などに
ロープを渡すとか、階段の手すりにロープを張るとか、こういう
足が地に着くかたちの場合は、他殺の可能性が高いのです。笹井
氏の場合は、亡くなっていた状況に諸説があるので明確ではあり
ませんが、階段の手すりにロープをかけていたという点で、本来
であれば司法解剖をすべき事案であったと思われます。ところが
司法解剖は行われていないのです。
 笹井氏の自殺と状況が似ているのは、第1次安倍政権のときの
松岡利勝農水相の首つり自殺です。これなどは完全に他殺を疑っ
てもよい事案であると思います。これについては、立花隆氏が次
のように書いています。
─────────────────────────────
 ◎立花隆:「謎の自殺」を遂げた松岡農水相/安倍政権の抱
  える「闇の正体」
 毎日新聞の世論調査と日本経済新聞の世論調査で、「安倍内閣
の支持率が急落」(──日経新聞では41%に、毎日新聞では実
に32%にと劇的な急落)という記事を読んでいるところに「松
岡農水相が首吊り自殺」という衝撃的なニュースが入ってきた。
 松岡農水相を巡る黒いウワサ/ニュースの速報的特別番組では
例の光熱水道費問題(ウソ報告とボトル1本5000円のナント
カ還元水の問題)などをとりあげていたが、もちろん松岡農水相
はそんなことで自殺するようなタマではない。そんなことで自殺
するくらい気弱な男なら、とっくの昔に農水大臣を辞職するなり
なんなりして、最近急激に風圧を増していた世論の批判をやりす
ごしていただろう。          http://bit.ly/1I0T9Mg
─────────────────────────────
 しかし、笹井氏の場合、ワープロ書きとはいえ、封筒に入った
6通の遺書が残されていたのです。そのうち研究室の自分のテー
ブルの上に2通、秘書のデスクの上に1通、自殺の現場に置いて
あったカバンの中に3通入っていたようです。
 つまり、笹井氏はそれだけの準備をして自殺をしているので、
衝動的な自殺ではなく、覚悟の自殺と思われます。自殺をした8
月5日の朝、笹井氏はいつものようにCDBに出社して、遺書を
置き、そのうえで自殺をしています。
 しかし、笹井氏の自殺については、おかしなこともたくさんあ
るのです。以下、それらを4つにまとめて説明します。
─────────────────────────────
 1.笹井氏の亡くなったときの状況には諸説があって、どれが
   本当か明確ではないことである。
 2.6通あるといわれる遺書のうち、小保方氏宛の遺書だけが
   内容が公開されてしまっている。
 3.NHKスペシャルで、笹井氏と小保方氏とのメールのやり
   取りが公開されてしまっている。
 4.笹井氏の死は、STAP細胞の存在を否定し、潰すきわめ
   て効果的な効果を発揮すること。
─────────────────────────────
 「1」は笹井氏が亡くなったときの状況です。メディアは「セ
ンター(CDB)に隣接する施設との間にある階段の踊り場で、
首をつった状態で発見」となっていますが、研究室内に倒れてい
たという説もあるのです。
 メディアの報道では、午前10時20分に「死亡した状況で発
見」となっていますが、10時27分に産経が「生きている?延
命処置」という報道も流れ、助かるのかなと思ったものです。
 こういう場合は、現場で亡くなっていても病院に搬送し、病院
で死亡の確認を取ることになります。このケースは司法解剖され
ることはないのです。しかし、CDBの隣の施設である先端医療
センターには医師がおり、それらの医師が死亡を確認すれば、わ
ざわざ病院に搬送する必要はないはずです。
 「2」は6通ある遺書──メディアの表現では「遺書のような
もの」になっている──のうち、小保方氏宛の内容だけが、14
時15分に明らかにされたのです。「あなたのせいではない。S
TAP細胞は必ず再現してください」がその内容です。
 しかし、この時点では遺書はまだ小保方氏には届いていないと
三木弁護士はいっています。ということは、遺書を管理している
兵庫県警が小保方氏の遺書だけマスコミに流したことになるので
す。遺書は「親書」であり、警察といえども正当な理由なく開封
してはならないものなのです。ましてやマスコミに公表するなど
はもってのほかです。
 同じことが「3」のNHKスペシャル「不正の深層」において
NHKは笹井氏と小保方氏とのプライベートなメールのやり取り
を公表していますが、これもやってはならないことです。
 おそらくこのメールは、CDB内部で笹井氏と小保方氏に反感
を持つ人物がNHKに提供したものと思われます。取材で得たも
のとはいえ、NHKの電波に乗せて公表すれば、笹井・小保方両
氏のプライバシーの侵害になるのではないでしょうか。
 笹井氏は、このようなかたちで死にのぞんでもSTAP細胞の
存在を信じています。「STAP細胞は必ず再現してください」
がそれを意味しています。しかし、STAP細胞が存在すると困
る側から見ると、笹井氏の死はSTAP細胞を完全に潰すのにき
わめて都合のよい状況になったといえます。これが「4」であり
その後の理研の対応を見ると、「死人に口なし」を利用してST
AP細胞を葬っています。 ── [STAP細胞事件/062]

≪画像および関連情報≫
 ●笹井芳樹氏の遺書公表は「行き過ぎ」と弁護士が解説
  ───────────────────────────
   2014年8月7日放送の「デイ・キャッチ」/TBSラ
  ジオで、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(C
  DB)の副センター長・笹井芳樹氏の遺書をめぐって、遺書
  の内容が報道されていることについて弁護士が解説した。
   番組では笹井氏の自殺に関して研究員への聞き取り調査が
  始まったことを取り上げた。その中で、小保方晴子氏の代理
  人を務める三木秀夫弁護士が笹井氏が小保方氏に宛てた遺書
  がまだ小保方氏の手に渡ってないと公表したことも伝えた。
  笹井氏の遺書は小保方氏宛てだけではなく、竹市雅俊センタ
  ー長や理研の川合真紀理事宛の3通があり、笹井氏のデスク
  の上に理研の課長2人にあてた遺書も見つかっており「疲れ
  た」「残念だ」といった趣旨の内容だったという。
   このニュースに対しメインパーソナリティの荒川強啓氏は
  小保方氏の手に渡っていないが、遺書の内容が6日から報じ
  られていることを指摘。番組では、元東京地検検事で弁護士
  の若狭勝氏に電話を繋ぎ、今回の遺書の件の解説を求めた。
   荒川氏は、なぜ小保方氏に遺書が届いていないのか?とい
  う質問をすると若狭氏は、警察は笹井氏が自殺かどうかをき
  ちんと調べるために遺書を預かっている節はあると説明。そ
  のうえで、自殺であることが明白であれば、速やかに小保方
  氏に渡すべきと若狭氏が答えると、木曜日のデイキャッチャ
  ーを担当する山田五郎氏は「警察が事件性がないと発表して
  いるようですが、それはつまり自殺と断定したということで
  はないんですか?」と訊ねると、若狭氏は「そうですね」と
  し、遺書は速やかに小保方氏側に渡さなければいけないと指
  摘した。             http://bit.ly/1IqelIW
  ───────────────────────────

元観察医/上野正彦氏.jpg
元観察医/上野 正彦氏
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2015年08月04日

●「なぜ自殺の場所が階段の踊り場か」(EJ第4090号)

 笹井芳樹氏は、STAP論文に対する理研の調査委員会が立ち
上がった3月の時点で、副センター長を辞任したいと竹市CDB
センター長に申し出ていたのです。しかし、それは許されなかっ
たのです。なぜなら、この時点では理研が、この問題を何とか乗
り切れると考えていたからです。
 さらに笹井氏は、6月頃から笹井研究室の閉鎖を前提に、研究
室のメンバーに再就職先を探すよう呼び掛け、自らも再就職先を
メンバーに斡旋したりしていたのです。また、メンバーが他の研
究室に移れるよう現在取り組んでいる研究を論文にまとめさせた
り、学会発表の準備もさせたりしていたのです。
 その時点では、笹井氏は自分の研究者としての前途について絶
望的な思いを抱いていたようです。その過労とストレスで体調も
悪化し、4月初旬には入院をしていた時期もあったようです。
 笹井氏の自殺は、家族をはじめ多くの理研関係者に宛てた複数
の遺書から見ても、けっして衝動的なものではなく、十分に考え
抜かれたすえの決断であったと思います。それは、自殺の場所か
ら推察できるのです。
 自分の前途を悲観しての自殺であれば、普通は自宅で自殺する
と思います。ところが笹井氏は自宅で遺書を作成し、それをかば
んに入れて、当日CDBに出社しています。自宅を自殺の場所と
してあえて選ばなかったのは、自殺の動機が個人的なものだけで
はないという何らかのメッセージを理研の経営幹部に伝えたかっ
たものと思われます。
 しかし、そうかといって、CDBの自分の研究室で自殺すれば
自身の勤務先である理化学研究所への何らかの恨みとしてとらえ
られる可能性が大です。「それはしたくない」──笹井氏は考え
たのでしょう。そこで選んだ場所は、CDBと先端医療センター
をつなぐ階段の踊り場なのです。
 笹井氏の死に場所について、臨床心理士の矢幡洋氏は、次のよ
うに分析しています。
─────────────────────────────
 笹井氏は、理研との一体感が強かったのかもしれません。アイ
デンティティーの中で、「理研の幹部」と言う事が占める割合が
大きかったかもしれません。(中略)
 笹井氏が選んだ死に場所は微妙です。理研の中の1室ではなく
「通路でつながった研究棟の踊り場」です。もしかすると「理研
の中で首をつったら理研への恨みととられたりとして、迷惑をか
けるかもしれない。理研の幹部であっても理研の中を死に場所に
選べる権利はない」と言う迷いのもとで、「通路でつながった研
究棟の踊り場」と言う微妙な場所を選んだのかもしれません。
            ──矢幡洋氏 http://bit.ly/1It4s1s
─────────────────────────────
 問題は笹井氏が小保方氏に宛てた遺書の内容です。これについ
ては、須田桃子記者の本から引用します。
─────────────────────────────
 小保方氏宛ての遺書は一枚。「限界を超えた。精神的に疲れま
した」と断り、「小保方さんをおいてすべてを投げ出すことを許
してください」と謝罪の言葉で始まっていた。
 更に、小保方氏と共にSTAP細胞研究に費やした期間にも言
及し、「こんな形になって本当に残念。小保方さんのせいではな
い」と小保方氏を擁護する記述もあった。末尾には「絶対にST
AP細胞を再現してください」と検証実験への期待を込め、「実
験を成功させ、新しい人生を歩んでください」と激励する言葉で
締めくくられていたという。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 小保方氏への遺書の最後にある「絶対にSTAP細胞を再現し
てください」については、いろいろなとらえ方ができると思いま
す。この時点──NHKスペシャル「不正の深層」が報道されて
から10日目──では、「STAP細胞は存在する」と考える人
はかなり少なくなっていた時期です。しかし、少なくとも笹井氏
と丹羽仁史氏は、科学者としてSTAP細胞の存在を確信してい
た小保方氏の有力な味方だったのです。
 文章通りに素直にとれば、笹井氏がこの時点でもSTAP細胞
の存在を確信していたと考えるのが自然です。もし、少しでもそ
れの存在を疑っていたら、遺書ですから、こういう文面にはなら
なかったと思います。
 毎日新聞の須田記者は、生前笹井氏とメールでSTAP細胞問
題についてさまざまなやり取りをしています。今になって考える
と、これは笹井氏がSTAP細胞をどのように考えていたかを知
るうえで貴重な資料になります。
 4月時点で笹井氏は、STAP幹細胞として残されている過去
の試料の解析をすべきであるとする周囲の声や須田氏の意見に対
して、反対の立場をとっており、論文の詳細を遡及的に断片的な
解析をしてもSTAP細胞の立証にはならないと主張して、次の
ように述べています。
─────────────────────────────
 私が判らないのは、どうしてもっと「一定期間の間に小保方さ
ん本人に再現してもらうこと、さらにプロトコール化や講習を実
施」をしてもらうことの声が、マスコミから大きくならないのか
ということです。
 結局、一番再現に近い、また再現に責任がある人、が、ラボか
ら遠ざかった状態でいることが、この問題を複雑にしていると思
うのです。欧米では当然そういった論調になると思うのですが、
日本では、ブログベースの無責任な「枯れすすき論」のような推
理小説だけが盛んで、非常に違和感を持っています。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
             ── [STAP細胞事件/063]

≪画像および関連情報≫
 ●「元気でないが生きている」/ライブトア・ニュース
  ───────────────────────────
   本誌の取材で謎に包まれた笹井氏の自殺前の行動がわかっ
  てきた。死の数日前に行方不明になり、家族が捜し回ってい
  たというのだ。大阪府内に住む笹井氏の母親の知人女性が明
  かす。「芳樹君が亡くなる3日前、お母様と電話でお話しし
  ました。その時、『芳樹がどこにいるか居場所がわからなく
  なっていて家族で捜し回っていた』と困惑されていました。
  大丈夫ですかと尋ねると、お母様は『(医師の)兄さんが、
  “無事か”と出したメールに、芳樹から“元気ではないけど
  生きています”という返事が、とりあえず来たので、安心し
  た』と。私があまりクヨクヨしたらあかんよと言うと、『S
  TAP細胞の問題に早くケリをつけて、やり直してほしい』
  とおっしゃっていた。その矢先に、報道で自殺を知り、本当
  に驚きました」
   この知人によれば、笹井氏は母親に、STAP細胞騒動に
  ついての本音をこう吐露していたという。「あの子は、週刊
  誌などに書かれた小保方晴子さんとの仲などについて、『あ
  んなことは絶対ないから信じてほしい』と言っていた。理研
  について、『クビにするならしてくれればいいのに。アメリ
  カで研究したいのに、なかなか切ってくれない』と愚痴をこ
  ぼしていた。お父さんも何でも人の責任をみんな負う人だっ
  たから。芳樹はああ見えて要領が悪いから、お父さんに似な
  ければいいけど・・」。5年前、息子に「ノーベル賞を期待
  する」と誇らしげに語っていた母が感じた不安は、不幸にも
  的中してしまった。        http://bit.ly/1ox25ly
  ───────────────────────────

臨床心理士/矢幡洋氏.jpg
臨床心理士/矢幡 洋氏
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2015年08月05日

●「論理飛躍と矛盾のある調査報告書」(EJ第4091号)

 5月7日から書き始めた今回のテーマ「STAP細胞事件」は
本日で64回を数えます。既に約3ヵ月が経過しています。今回
からは交響曲に例えると、最終楽章に入ります。どうしてこんな
結果になったのか、何かが間違っていないかをていねいに探って
いくことにします。
 昨年12月25日に発表された理研の桂勲委員長による論文調
査委員会の結論は、次のようになっています。
─────────────────────────────
 本調査により、STAP細胞が多能性を持つというこの論文の
主な結論が否定された問題である。その証拠となるべきSTAP
幹細胞、FI幹細胞、キメラ、テラトーマはすべてES細胞の混
入に由来する、あるいはそれで説明できることが科学的な証拠で
明らかになった。
 STAP細胞論文は、ほぼすべて否定されたと考えて良い。こ
れだけ多くのES細胞の混入があると、過失というより誰かが故
意に混入した疑いを拭えないが、残念ながら、本調査では十分な
証拠をもって不正行為があったという結論を出すまでには至らな
かった。これは、本調査委員会の能力と権限の限界でもあると考
える。         ──研究論文に関する調査報告書より
─────────────────────────────
 この結論は何をいっているのかというと、STAP論文に記述
されている内容は虚偽であり、STAP細胞といわれているもの
の正体は、すべてES細胞であったというのです。
 誰かがES細胞を故意に混入させた結果であると考えられます
が、その誰かを調査委員会は特定不能としています。しかし、少
なくとも、「STAP細胞は最初から存在しなかった」というこ
とはいえるというのが最終結論です。
 調査委員会がいう科学的証拠とは、若山研究室に残存していた
STAP細胞由来のSTAP幹細胞の試料すべてについて遺伝子
解析を施したところ、そのすべてが同研究室に存在していた複数
のES細胞のいずれかの遺伝解析の結果と非常によく似ていると
いう事実のことです。したがって、STAP細胞はES細胞と断
定できるとしています。
 はっきりいって、この結論には論理の飛躍があり、あまりにも
乱暴な結論であるといえます。生前の笹井氏は、4月頃に残存試
料の遺伝子解析をやるべしという声が多く出たとき、そんなこと
をしてもSTAP現象の立証には役立たないとして、次のように
述べていたのです。
─────────────────────────────
 論文の詳細を遡及的に断片的な解析をしても、STAP現象の
立証にはならない。一旦、撤回して、予断なき検証を行うことが
一番建設的であるという思いです。そうした再現実験が成功し、
第三者も再現できる環境が整ったところで、いろいろな科学的議
論を深め、転換なのか、それとも生体内に元々あった細胞の選別
に過ぎないのかなども研究コミュニティとして真面目に議論を闘
わせるのが健全だと思います。そうでないと、皆が、まるで「推
理小説」のような議論で終始してしまうのです。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 実は桂調査委員会はSTAP現象の立証などまるでやるつもり
はないのです。最初からSTAP現象などは存在しないという仮
説に立って、彼らが得意とする遺伝子解析の技術を使って、その
仮説が成立する証拠探しをやったのです。
 犯罪捜査での犯人探しと一緒で、捜査本部が犯人と推定した人
物の証拠探しをするのと同じ発想です。それは、日本の科学の総
本山ともいうべき理化学研究所がいかに官僚的な機構であるかを
物語っています。警察組織と同様の減点主義なのです。他殺の疑
いのある事件を自殺として処理するのと同じであり、事なかれ主
義の典型です。「STAP細胞はないことにして、さっさと幕を
引いてしまえ!」という命令が上から出たのでしょう。論文の調
査委員会はそれを実行しただけのことです。こういう官僚機構か
らは新しいものは何も生まれることはないのです。
 これに対して、笹井氏の立場はまったく異なります。STAP
細胞が実在すれば、日本の再生医療は驚異的な発展が期待され、
多くの人類を救うことができます。したがって、論文のあらを探
すよりも、論文が強く示唆しているSTAP細胞が本当に存在す
るかどうかを小保方氏による実証実験を公開で行うことによって
明らかにすべきではないかと主張しています。前向きであり、き
わめて建設的な考え方です。
 「STAP細胞は本当に存在するのか」──これを検証するに
は、若山教授が1回だけSTAP細胞作製に成功している事実を
思い出すべきです。このときは、小保方氏の指導は受けたものの
若山教授は最初から最後まで自分で実験を行い、少なくとも幹細
胞化は成功しているのです。これは、桂調査委員長も記者会見で
認めています。
 わからないのは、若山教授が一から自分でSTAP細胞作製の
すべての工程に成功している体験を持ちながら、その後再現でき
ていないという理由だけで、STAP細胞の存在に疑問を持ち、
真っ先にSTAP論文撤回の旗を振ったことです。
 そういう若山氏と比較して対照的なのは、笹井芳樹氏と丹羽仁
史氏です。両氏は自らSTAP細胞こそ作製していないものの、
小保方氏が弱酸性の刺激を与えた細胞を顕微鏡下にセットし、そ
の後は小保方氏以外の研究者が観察するという状況において、高
い割合の細胞で、万能性遺伝子(Oct4)が働き、これまで見
たことのない動きをしながら塊を作っているさまを自分の目で確
認しただけで、STAP細胞の存在を認めているのです。あまり
にも差があり過ぎます。本来なら「STAP細胞はある」と主張
するのは、最も長い間にわたって小保方氏と一緒に実験した若山
氏ではないでしょうか。  ── [STAP細胞事件/064]

≪画像および関連情報≫
 ●『ある神話の背景』を追及するブログ
  ───────────────────────────
   なぜ、理化学的な重大発見の可能性がある段階で、既成の
  「分子生物学会」などの日本の学術会は、論文発表間もない
  時期に末梢的な論文の瑕疵を突いてSTAP細胞を否定しよ
  うとしたのか?
   どんな疑問点があるにしても、実際に論文通りにSTAP
  細胞が再現できなければ、それは数年で消えていく運命にあ
  るはずだ。あるいはその段階で、捏造の明らかな証拠が出る
  かもしれない。いずれにしても、2〜3年でSTAP細胞の
  真贋は明らかになったに違いないのだ。もし再現が達成され
  て、STAPの実在が真実ならば小保方氏らはノーベル賞候
  補になっただろう。逆に、錯覚或いは捏造の産物であり、小
  保方氏にさえ再現が出来ないのなら、彼女は学者生命を失う
  ことなる。そしたら、彼女は割烹着を着て仲居などをやって
  人生を送る事になっただろう。
   何で、論文発表から1月程度でSTAP否定の言説が噴出
  したのだろうか?それについて、私は素人の直感でも、何か
  おかしいと感じたからこの問題に関心を抱いたのである。山
  崎行太郎氏のブログで、氏も同様な感覚を持っていると知っ
  た。決して、可愛い子ちゃんが苛められているのを不憫に思
  って、肩を持っているのではない事は言うまでもない。小保
  方晴子氏に何かが有るのを見出しているだけである。
                   http://bit.ly/1VQGeE8
  ───────────────────────────

理研/桂調査委員会記者会見.jpg
理研/桂調査委員会記者会見
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2015年08月06日

●「若山氏には重大な説明責任がある」(EJ第4092号)

 若山研究室に残されているSTAP幹細胞は、全部で25株で
す。小保方氏が若山教授と共同研究をしていた2012年1月〜
2013年3月までに樹立したSTAP幹細胞のすべてです。既
に取り上げていますが、再現します。
─────────────────────────────
       1.  FLS ・・・  8株
       2.AC129 ・・・  2株
       3.FLS─T ・・・  2株 ←
       4.  GLS ・・・ 13株
─────────────────────────────
 このうち「3」の「FLS─T1/2」は、若山教授が小保方
氏の指導を受けて作製したものです。自らマウスを交配して生後
1週間の赤ちゃんマウスをつくり、その脾臓からリンパ球を取り
出し、弱酸性の液に浸して刺激を与えた後、培養して複数のST
AP細胞の作製に成功したのです。
 若山教授は、それらの複数のSTAP細胞の幹細胞化を試み、
2株のSTAP幹細胞の作製に成功しています。それが「FLS
─T1/2」の2株です。探究心の強い若山教授のことですから
そのさいキメラマウスも作っているはずですが、そのあたりは若
山教授は明言していません。しかし、キメラは作っているはずで
それは成功していると思います。
 桂調査委員長の記者会見のさい、この「FLS─T1/2」を
取り上げて質問した記者がいます。そのときの桂委員長と記者の
やり取りを再現します。
─────────────────────────────
記者:以前、若山氏がただ一度だけ小保方氏の指導で一からST
   AP細胞を作り、STAP幹細胞を作ったとのことですが
   これはマウスから作ったわけではなく、何らかの処理され
   た細胞から作ったという理解でよいか。
桂氏:マウスから作った。最初から最後まで。山梨大に出る前に
   若山さんでもできるかやってみようと思って、若山研の人
   たちが試したができなかったので、自分でやってみたいと
   いうことで教えてもらったらできた。これは若山研に保存
   されていたので、それをいただいて調べた。
記者:なぜ一回再現できたか。不思議ですが・・・。
桂氏:不思議です。STAP細胞ができたというのは、小保方氏
   以外で操作してできたというのは、我々の確認している限
   りでは、この若山氏の1回だけです。
          ──桂研究論文調査委員会の記者会見より
─────────────────────────────
 質問した記者としては、記者会見の前に桂委員長が調査委員会
の結論として、「STAP細胞はES細胞が混入したもの」とい
う報告が行われたので、まさかマウスからではなく、「何らかの
処理が行われた細胞」(そこにES細胞が混入)が小保方氏から
渡されて、それから作製されたものと思ったのです。
 ところが、若山教授は赤ちゃんマウスづくりの最初から、最後
まで(おそらくキメラ作製まで)、一人で操作して成功していま
す。それでは小保方氏はES細胞をどこで混入させるのでしょう
か。だから記者は「不思議ですが・・」といったのです。そうし
たら、桂委員長も「不思議です」と返しています。答えになって
いません。まさに語るに落ちるとはこのことです。桂委員長も説
明できないのです。この事実は、「STAP細胞は最初から存在
せず、その正体はES細胞である」と完全に矛盾します。
 これこそ「STAP細胞はある」という証明ではないでしょう
か。ES細胞の分野ではプロである若山教授自身が自分でやって
成功しているからです。それとも、何かの間違いでSTAP細胞
ができたというのでしょうか。そうでなければ、小保方氏が何ら
かの魔術でも使ったというのでしょうか。
 その若山教授が誰よりも先駆けて「STAP細胞はない」と主
張したのです。理解に苦しみます。若山教授はこの点について納
得のできる説明をすべきです。このことに関連して人が1人亡く
なっているからです。説明責任があるはずです。そしてもっと不
可解なのは、NHKをはじめとする各種メディアや、日経サイエ
ンスなどの有力科学雑誌のすべてが、この矛盾点を何も問題にし
ないでスルーしていることです。
 さらにもっと不思議なことがあるのです。桂調査委員会は、若
山教授が自ら作製した「FLS─T1/2」の遺伝子解析をして
いますが、それが大田浩研究員が作製したES細胞と遺伝子がよ
く似ていたことです。
 この大田研究員の作製したES細胞の一部がチューブに入れら
れ、「ES」というラベルが貼られた状態で小保方研の冷凍庫か
ら発見されています。この大田ES細胞は少なくとも2014年
6月以前にはCDB内にはなかったものです。なぜなら、大田氏
は2009年にCDBの若山研を転出するさい、それらをすべて
持ち出しているからです。
 それならば、なぜその大田ES細胞の一部がチューブに入れら
れ、小保方研究室の冷凍庫にあったのでしょうか。誰かが悪意で
入れたとしか考えられないのです。小保方氏がCDBに出入りす
る前の話であり、物理的に小保方氏自身が、小保方研の冷凍庫に
入れることはできないからです。
 それではなぜ、2014年6月以降に大田ES細胞は都合よく
出現したのでしょうか。それは、山梨大学の若山研が遺伝子解析
をするため、大田氏に依頼して、若山研に冷凍状態で送付しても
らったからです。したがって、2014年6月(日は不明)以後
はそのES細胞は山梨大学の若山研にあったことになります。な
お、この事実はメディアでは報道されていないのです。
 「FLS─T1/2」もES細胞──それも若山研に存在しな
いはずのES細胞由来のものということになります。若山教授は
これに対して、どういう説明をするのでしょうか。
             ── [STAP細胞事件/065]

≪画像および関連情報≫
 ●週刊定年マガジン/STAP細胞事件/第3回
  ───────────────────────────
  ◎みんなが「嘘」をついている!?
   理化学研究所が委託したSTAP細胞に関する調査委員会
  (桂勲委員長)の「調査報告書」を読み返すと誰かが「嘘」
  をついているとしか思えないが、それは、ES細胞の“混入
  犯”一人でもないような気がする。『オリエント急行殺人事
  件』ではないけれど、関係する全員が程度の差はあれ、何ら
  かの理由で、「嘘」をついていたとも思えてくる。いや、理
  研という組織に立ち戻ってみると「うすうすは捏造だったと
  気がついていた」のだが、それは胸にしまっておいて「(俸
  給をいただいている)理研のために黙っていようよ」という
  組織的な「嘘」だったような気もするのだ。
  ◎クリスマス明けの会見
   「調査報告書」が発表されたのは、2014年のクリスマ
  スの日だった。サンタのプレゼントにしては皮肉だが、その
  翌日、理研調査委の記者会見が行われた。記者たちとの問答
  には、「調査報告書」を自ら執筆した桂委員長が応対した。
  「STAP細胞:理研調査委員会の会見一問一答」毎日新聞
  デジタル2014/12/26より抜粋)
  ――(STAP細胞研究論文を)指導する立場とは、誰のこ
  とを言うのか。
  桂 2011年4月から約2年間なので、若山さん、笹井さ
  ん。亡くなられた方の名前を出すのは心苦しいが(研究の)
  将来を思うと、論文をまとめる人も注意を払う必要があった
  と。上層部の人は心に傷を負っていると思う。
                   http://bit.ly/1SQNhbq
  ───────────────────────────

説明責任がある若山教授.jpg
説明責任がある若山教授
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2015年08月07日

●「なぜ、捏造の証拠ばかり探すのか」(EJ第4093号)

 若山教授自身が小保方氏の指導を受けて作製した「FLS─T
1/2」の遺伝子解析の結果は、かつてCDB時代の若山研究室
に在籍した大田浩研究員が作製したES細胞由来のものである可
能性が高いことが判明したのです。これについてもう少し詳しく
述べる必要があります。
 『日経サイエンス』/2015年3月号「幻想の細胞/判明し
た正体」に次の記述があります。
─────────────────────────────
 若山氏は、2013年3月までCDBに研究室を持ち、全身で
光る蛍光たんぱく質と精子で光る蛍光たんぱく質の遺伝子をセッ
トで持つ黒マウスを飼育していた。大阪大学の岡部勝・元教授が
遺伝子導入技術で作ったマウスだ。
 STAP細胞は、このマウスに由来する可能性がある。遠藤氏
はその日のうちにCDBと若山氏に解析の結果を連絡した。理研
はそれまで一貫して「論文は撤回するので新たな調査はしない」
と明言し、残された細胞やマウスの調査にも消極的だったが、5
日後の6月30日、一転して論文の予備調査に入ると発表した。
         ──『日経サイエンス』/2015年3月号
─────────────────────────────
 ここでいう「精子で光る蛍光たんぱく質の遺伝子」とは、理研
の遠藤高帆上席研究員がいう「アクロシンGFP」のことです。
NHKスペシャル「不正の深層」についてご紹介した7月15日
付のEJ第4077号で書いています。
 理研と若山研は、STAP細胞「FLS」の8株と「FLS─
T1/2」の2株も含めて、ゲノム解析を行ったのです。さらに
東大グループも「FLS」の解析を行っています。意外なのは東
大グル―プに解析を委託したのはNHKであったことです。
 つまり、「FLS」の解析は、若山研と遠藤高帆氏をはじめと
する理研のグループ、それに東大グループの3つで行われたこと
になります。何のことはない。STAP細胞の存在を疑問視する
3グループが、STAP細胞が存在しないことの証拠を探すため
に行ったことになります。それにしてもなぜNHKが入っている
のか不思議です。3つのグループの解析結果について、『日経サ
イエンス』は次のように書いています。
─────────────────────────────
 曲折はあったが、3グループとも12月末までに、同じ結論に
たどり着いた。FLSは、かつて若山研に所属していた大田浩研
究員が2005年に、岡部氏の黒マウスと市販の白マウスを交配
して受精卵を取り、そこから作った胚性幹細胞(ES細胞)だっ
た。ES細胞は発生の研究室ではよく作られ、その手法は確立し
ている。
 9月に発足した調査委員会(桂勲委員長)は、CDBの解析に
基づいて詳細な調査を行い、今回の論文で「STAP細胞から作
った」とされていたものは、FLSのほかマウス、マウスに注射
して作ったテラトーマ(奇形腫)、別種の多能性細胞であるFI
幹細胞のすべてが、10年前に大田研究員が作製し、その後何の
研究にも使われていなかったES細胞からできていたことを明ら
かにした。STAP細胞は、最初から存在しなかったのだ。
         ──『日経サイエンス』/2015年3月号
─────────────────────────────
 STAP細胞はもしあるとすれば、今後の研究のしかたによっ
ては、人類を救うかもしれない貴重な発見です。STAP論文は
若い科学者がその手掛かりの一端を示したに過ぎないものです。
そこに多少のミスがあったとしても、そのこと自体は大きな問題
ではないと考えます。問題はそれが存在するかしないかです。
 ところがその論文が発表されるや、1ヶ月も経たないうちに重
箱の隅をつつくような論文のあら探しをする科学者が多く現れ、
それに公共放送であるNHKをはじめとする全マスコミが加わっ
て、不正を追及する大キャンペーンを繰り広げる──何かおかし
いと思いませんか。
 なぜ、その仮説が正しいと信じて、それが存在する方向で科学
者は動こうとしないのでしょうか。はじめから疑ってかかってい
ます。その結果、再生医療の分野で大きな実績のある有能な科学
者を自殺に追いやり、将来のある若き科学者を国全体が寄ってた
かって、葬り去ろうとしています。
 ところで、ここに根本的な疑問があります。若山教授が自ら作
製に成功したSTAP幹細胞「FLS─T1/2」に絞って考え
ることにします。この遺伝子の解析結果が、大田浩研究員の作製
したES細胞であったことが、どうして「STAP細胞は最初か
ら存在しなかった」という結論になるのでしょうか。
 「FLS─T1/2」は、若山教授自らがマウスを選んで交配
し、赤ちゃんマウスをつくっているのです。常識的に考えれば、
若山教授がマウスを間違えるはずはないはずです。しかし、若山
教授も人間です。間違える可能性はゼロではないはずです。
 仮にマウスを間違えていないとすると、STAP細胞は存在す
ることになります。小保方氏の言葉の指導は受けたものの、実験
の全プロセスを若山教授自身がやっているのですから、小保方氏
がES細胞を混入させる機会はゼロということになります。
 しかし、理研も桂調査委員会も「FLS─T1/2」の解析は
行ったものの、この細胞については議論したくないようです。そ
れでいて、若山教授本人も桂委員長も「FLS─T1/2」とい
う幹細胞のことは認めているのです。
 『日経サイエンス』によると、「全身で光る蛍光たんぱく質と
精子で光る蛍光たんぱく質の遺伝子をセットで持つ黒マウスを飼
育していた」とあります。仮に若山教授が「FLS─T1/2」
を作製するとき、その黒マウスと白マウスを交配させてSTAP
細胞を作ったとすると、その幹細胞の遺伝子は「アクロシンGF
P」を持つES細胞と一致するのではないでしょうか。これにつ
いては、来週さらに詳しく追及することにします。
             ── [STAP細胞事件/066]

≪画像および関連情報≫
 ●重箱の隅をつつくような事をしていると社会は停滞する
  ───────────────────────────
   安倍内閣は、研究者に高給を認めるなど、理化学研究所を
  優遇する法案の今国会成立を断念する方向で調整に入ったそ
  うだ。法案は、理研を世界最高水準の研究機関にしようと、
  「特定国立研究開発法人」に指定する趣旨。この法案を巡っ
  て【何か指令が下った】のだろうか?
   ハーバード大学バカンティ教授は、STAP細胞の論文は
  取り下げるべきではないと主張している。香港中央大学では
  STAP細胞生成を再現できたと発表している。
   理研側は写真の切り貼りを問題視しているが、商業写真で
  はよくある「トリミング」作業である。論文では許されない
  のかも知れないが、ネイチャーの限られた紙面で分かりやす
  いように加工した、という小保方さんの主張はあくまで善意
  の事であり、咎め立てするような性質ではない。
   もう一点の写真は問題が発覚する前に間違いの申告は行わ
  れていた。ホテルを定宿にしていたのは、ハーバード大学の
  研究員であった時期でハーバード側が費用負担を行っていた
  そうだ。日米間で研究者の待遇差があるのも実情のようだ。
  推測だが、小保方さんでないと出来ない「属人的」な作業内
  容があったのではないかと思われる。
   バカンティ教授は「細い管を通す」事がSTAP細胞を作
  る上での秘決だとしている。この細かい作業を効率よく行え
  る人物が小保方さんだったのではなかろうか?と、私は考え
  ている。青色LEDを開発した中村修二氏は、試験に使うガ
  ラス管の加工を毎日繰り返す事により、高度な職人芸を身に
  つけた事を自著で述べている。私がいらいらするのは、この
  程度の瑣末なミスを針小棒大に天地がヒックリ返らんかのよ
  うに報道し、それらを鵜呑みにする連中である。
                  http://amba.to/1IAkW7Q
  ───────────────────────────

実験をする小保方晴子氏.jpg
実験をする小保方 晴子氏
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2015年08月10日

●「マウス手交ミスは考えられないか」(EJ第4094号)

 若山照彦山梨大学教授自身が自らマウスを交配させ、その子マ
ウス(生後1週間)から、小保方氏のプロトコルにしたがって作
製に成功したSTAP幹細胞(「FLS─T1/2」)の遺伝子
解析の結果が、アクロシンGFPを持つES細胞(FES1)の
遺伝子と一致したということは何を意味するのでしょうか。
 「FLS─T1/2」の作製は、すべてのプロセスを若山教授
自身が操作しているので、小保方氏がES細胞を混入させること
は不可能です。それでもSTAP幹細胞が作製できているという
ことは、「STAP細胞はある」ということになります。
 それでもその解析結果が、ES細胞の遺伝子と一致したという
ことは、若山教授のマウスの手交ミスしか考えられないことにな
ります。かつてCDB時代の若山研では、アクロシンGFPが組
み込まれたマウスを飼育していたのです。このマウスは、大阪大
学の岡部勝元教授が遺伝子導入技術で作製した黒マウスで、岡部
研から提供されたものです。
 若山教授が岡部研提供の黒マウスと市販の白マウスを交配して
赤ちゃんマウスをつくり、それからSTAP幹細胞を作製したと
すると、その遺伝子は同様の方法で作製したES細胞(FES1
/大田浩研究員作製)と遺伝子はほとんど一致するはずです。そ
れは当たり前のことです。
 調査委員会は、「FLS─T1/2」については遺伝子解析を
しているにもかかわらず、本音では議論したくないのです。した
がって、「FLS─T1/2」は論文に関係がないとしてスルー
しています。都合が悪くなると、論文とは違う、関係ないとして
逃げるのです。調査委員会の記者会見でも、ある記者がこの点を
鋭く衝いた迫真のやり取りがあるので、その部分を再現します。
─────────────────────────────
記者:たとえば、FES1(大田浩研究員作製のES細胞)から
   キメラマウスを作って、そこからSTAP細胞を作れば、
   ここまで一致するということはないのか。
桂 :ええと、ES細胞からキメラマウスを作り、そこからST
   AP細胞を作れば、かなり似たものができると思う。
記者:ということは、ここまで極めて遺伝子的特徴が一致するこ
   とは、ありえなくはないということか。
桂 :(困惑して笑いつつ)米川先生(※1)どうですか。マウ
   スの専門家としてのご意見は?
米川:遺伝学の立場からすれば、そういった可能性はあまりない
   と思う。完全にないとはいえない。これは科学の世界では
   何点何%という限られた事実でしか判定できないので、一
   般の方がいわれるように、たとえば、99・9%、0コン
   マ01%あるから、違うんじゃないかといわれても、そう
   いったことは、普通科学の常識としてありません。
記者:まったく違う場合に極めて同じになることは確率的にはあ
   り得ないが、今のようなやり方でやれば、極めて似てしま
   うことはありうるということでいいか。
桂 :ES細胞とESを作ったといわれるマウスとがかなり違っ
   た点がいっぱいあることはわかっている。
記者:ということは、そういった方法で作れば、似ているかもし
   れないが、そうした可能性はほぼありえないということで
   いいのか。
桂 :(戸惑いつつ)伊藤先生(※2)、いかがですか。
伊藤:それはSTAP細胞が存在しても話として成り立つのでは
   ないかということか。もし仮にそうだったとしても、そん
   な面倒くさいことをしなくても、そのままやれば個体を発
   生させることはできるわけだが、それはできないことでは
   ないが、論文記載の方法とは全く違うということはいえる
   と思う。
            ──研究論文調査委員会記者会見より
    ※1/米川博通氏/東京都医学総合研究所シニア研究員
    ※2/伊藤武彦/国立大学法人東北大学教授
─────────────────────────────
 記者は、ES細胞からキメラマウスを作り、そのキメラマウス
と他のマウスを交配させて子マウスをつくり、その子マウスから
STAP細胞を作った場合、元のES細胞の遺伝子とほぼ一致す
るのではないかと質問したのです。
 桂委員長は思わず「かなり似たものができる」と答えてしまい
「しまった」と思ったのではないでしょうか。桂委員長は若山氏
と小保方氏を聴取しているので、ある程度の事情はわかっており
岡部研由来のマウスのことも知っているはずです。
 しかし、これに明確に答えると、調査委員会の結論が覆される
ので、米川、伊藤両氏に意見を求め、論点をぼかして逃げたので
す。伊藤氏も論文のやり方とは違うとはいうものの、それがあり
うることを認めています。
 当時CDB時代の若山研究室には、岡部研の黒マウスや、ST
AP細胞から作製したキメラマウスなどが多く飼育されていたの
です。もちろんマウスの管理はきちんとやっていたのでしょうが
マウスを交配するとき、人間のやることですから、間違ってしま
う可能性は十分あると思います。
 しかし、STAP細胞に疑惑が生じたとき、疑惑の矛先はすべ
て小保方氏に向けられ、若山教授サイドのマウスの手交ミスを疑
う人は誰もいなかったのです。メディアも若山教授を情報源にし
ていたせいか、一貫して若山教授サイドの情報は正しいとして、
すべて小保方氏サイドを疑っています。小保方氏サイドに立って
いたのは、笹井芳樹氏と丹羽仁史氏の2人だけです。それはあま
りにも異常な現象であり、そのプレッシャーからか、日本にとっ
て貴重な再生医療の権威である笹井芳樹氏を自殺に追いやってし
まったのです。本当に痛ましい話です。
 果して小保方氏に桂調査委員会の結論が強く示唆するES細胞
の混入が本当に可能だったのでしょうか。明日のEJで引き続き
検証していくつもりです。 ── [STAP細胞事件/067]

≪画像および関連情報≫
 ●STAP細胞は何だったのか/粥川準二氏
  ───────────────────────────
   STAP細胞問題とはいったい何だったのか?
  「事件」ともいえるこの問題にはあまりにも多くの側面があ
  り、一言で表現するのは不可能である。しかしながら、現時
  点で一つはっきりしていることは、小保方晴子氏だけでなく
  理化学研究所(以下、理研)幹部を含む当事者たちは、科学
  という営みの前提であるはずの「信頼」を内部から崩壊させ
  たということであろう。
   この問題のおかげで2014年は、最初から最後までST
  AP細胞に振り回された年だった。その余波は2015年の
  いまも続いている。昨年1月末、このSTAP細胞という新
  しい「万能細胞」の作成成功が報じられたとき、筆者がまず
  気になったのは、胎盤にも分化できることなど、iPS細胞
  とは性質が異なるといわれているこの細胞を研究したり、臨
  床応用したりすることには、何からの生命倫理的な問題──
  より適切にはELSI(倫理・法律・社会的問題。「エルシ
  ー」と発音)──はないのか、ということであった。それを
  考えるために原著論文を手に入れ、解説記事なども参照しつ
  つ、辞書を引きながら少しずつ読み始めていたところ、ネッ
  ト上で研究不正の疑惑が流れ始め、それらと原著論文を照ら
  し合わせるのがやっとという状態になってしまい、ELSI
  どころではなくなってしまった。 http://huff.to/1IpsASK
  ───────────────────────────

研究論文調査委員会の結論.jpg
研究論文調査委員会の結論
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2015年08月11日

●「ES細胞の混入は事実上できない」(EJ第4095号)

 「STAP細胞の正体はES細胞である」──これは桂調査委
員会の結論ですが、これは次の2つの可能性があることを意味し
ています。
─────────────────────────────
 1.ES細胞をSTAP細胞であるとし、それから幹細胞や
   キメラマウスを作製する。
 2.STAP細胞にES細胞を混入させ、それから幹細胞や
   キメラマウスを作製する。
─────────────────────────────
 仮に小保方氏が犯人であるとして、上記のことが実際に可能か
について考えることにします。
 最初に「1」について考えます。
 小保方氏は、若山教授から生後1週間の赤ちゃんマウスを受け
取り、一連の処理──刺激と培養により、緑色の細胞の塊を作る
──を施しますが、STAP細胞であるとして若山教授に渡すの
は、緑色の細胞の塊ではなく、ES細胞である場合です。
 これは「ありえない」ことです。若山教授といえば、常日頃か
らES細胞の扱いに慣れている人であり、小保方氏から「STA
P細胞である」として渡された細胞がES細胞そのものであれば
目視でそれを見抜けないはずがないからです。
 故笹井博士も強調していたように、STAP細胞はES細胞と
は細胞のサイズや形状が異なるからです。「日経サイエンス」が
行ったインタビューで当の若山教授は、「STAP幹細胞はES
細胞と似ているが、STAP細胞はES細胞とは違う」と、次の
ように話しています。
─────────────────────────────
――STAP細胞はどんな細胞だったか
若山:細胞が塊を作っていて,全体のサイズも細胞のサイズも桑
   実胚に似ていた。増殖して塊になったのではなく,バラバ
   ラだったものが集まってできたもの。そのままでは弱く,
   桑実胚と違ってすぐに死んでしまう。
──詳しく教えてほしい。
若山:STAP細胞からSTAP幹細胞への樹立は、3〜5日で
   できる。一方、(桑実胚よりも発生が進んだ)胚盤胞から
   ES細胞を作るのでさえ1〜2週間必要だ。
──STAP細胞からSTAP幹細胞に変わるのはそんなに速い
  のか。
若山:STAP細胞は増殖の速さからみて,1日目で増殖を始め
   ている。樹立成績も,胚盤胞からES細胞を作るのは50
   %程度だが、STAP細胞からSTAP幹細胞は、80〜
   100%と非常に高い。実験当時もこのことは頭にあった
   が、STAP細胞というのは本当にすごい細胞だと思って
   いた。
──STAP幹細胞はどういう細胞か
若山:外見も,増えるところもES細胞によく似ている。キメラ
   マウス作りもSTAP細胞は独自の工夫が必要だが、ST
   AP幹細胞ならES細胞と同じ通常の手順でできる。胎児
   にしかならず、胎盤にはならない点もES細胞と同じだ。
       ──「日経サイエンス」 http://bit.ly/1NgXb4J
─────────────────────────────
 ここで「桑実胚」というのは、ごく初期の胚の名前です。胚と
いう名をもらう最初の段階です。既にご紹介しているように、受
精卵からの分裂は次のようになります。
─────────────────────────────
 受精卵→2細胞期→4細胞期→8細胞期→16細胞期→32
 細胞期→桑実胚期→胚盤胞期     http://bit.ly/1EuEEMU
─────────────────────────────
 最初の分化は、この「桑実胚期」と「胚盤胞期」の間で起こり
2つの分化が起きるのですが、その一つ「内部細胞塊」を体外で
培養できるようにしたものがES細胞なのです。
 若山教授は、STAP細胞とES細胞ではサイズが違うことに
加えて、幹細胞を作る日数も異なるといっているのです。そんな
若山教授がSTAP細胞としてES細胞を渡されて、騙されると
はとうてい思えないのです。
 続いて「2」について考えます。
 この場合は、赤ちゃんマウスの脾臓からリンパ球を取り出し、
弱酸性の液に浸して刺激を与え、それを培養するのですが、その
さい、培養液にES細胞を混入させることが考えられます。この
可能性についても「日経サイエンス」の記者は、若山氏に確かめ
ています。
─────────────────────────────
──もし、STAP細胞にES細胞が混入していたとしたら、説
  明がつくのでは
若山:ES細胞が浮遊培養によってSTAP細胞のような塊を形
   成するのであれば説明はつくかもしれないが、確認しない
   限りわからない。       ──「日経サイエンス」
─────────────────────────────
 この若山教授の応答に関して、「理研STAP細胞論文調査委
員会報告、改革委提言等への根本的疑問」のブログでは、次のよ
うに論評しています。
─────────────────────────────
 ES細胞が浮遊培養によってSTAP細胞のような塊を形成す
るのであれば説明はつくかもしれない」というが、遠藤高帆氏は
「ES細胞は通常シャーレに接着し浮遊細胞塊とはなりませんの
でやはり見た目で区別がつきます」と指摘しており、浮遊培養が
できず、細胞塊にならない以上、ES細胞ではあり得ないはず。
「確認しない限りわからない」との発言は、専門家ならすぐわか
るはずの点を曖昧にしている感がある。 http://bit.ly/1NgXb4J
─────────────────────────────
             ── [STAP細胞事件/068]

≪画像および関連情報≫
 ●ES細胞混入仮説は科学的真実なのか
  ───────────────────────────
   それにしても、STAP細胞をめぐる科学的論議が深まら
  ないのは不思議な限りです。「遺伝子の特徴の99.〜〜〜
  %の一致により、ES細胞だ」と「権威ある不正調査委員会
  の調査」により断定されたら、それで多くは思考停止状態に
  見えます。(中略)
   どうもよくわからないのは、「ES細胞混入仮説」は「S
  TAP細胞仮説」とは別途の仮説であり、主張であるとの認
  識が共有されないために、議論が混迷してしまっているよう
  に感じます。笹井氏が述べたように「ES細胞混入」という
  のは、「STAP細胞仮説」への反証仮説なのですから、仮
  説を補強するために、矛盾する材料を説明しなければなりま
  せん。ところが、「ES細胞混入仮説」を批判すると「じゃ
  あ、STAP細胞があると証明してみよ」とか、「理研や調
  査委に言うのが筋だろう」とか、あげくは、「権威ある委員
  会が出した公式の結論を(根拠なく?)批判するのは名誉毀
  損だ」とか、あるいは「小保方氏が異議申立てをしなかった
  のだから、ES細胞であることは小保方氏も認めたというこ
  とだから、他人がとやかく言う必要はないんだ」とか、なん
  でそういう話になってしまうのかよくわかりません。「ES
  細胞混入仮説に疑問を呈する議論は外野はするな!」といっ
  ているように聞こえます。     http://bit.ly/1eZKJua
  ───────────────────────────

桑実胚と胚胞.jpg
桑実胚と胚胞
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2015年08月12日

●「遺伝子解析だけで結論できるのか」(EJ第4096号)

 2014年12月25日に発表された桂勲氏を委員長とする理
研の「研究論文に関する調査委員会」による報告書と、26日に
開催された調査委員会メンバーによる記者会見をめぐっては、表
のメディアは報告書の内容をそのまま受け入れ、一切の批判をし
ていないものの、ネット上ではさまざまの疑問が噴出し、批判記
事が多く出ています。
 EJではそれらの記事のほとんどを読んで、今回のテーマの記
事を書いていますが、次の記事は報告書と記者会見でのやり取り
について鋭い分析を加え、問題点を浮き彫りにしています。とく
に今回のテーマの結論部分に使えるので、この後も参照させてい
ただくつもりです。
─────────────────────────────
 桂STAP調査委報告書への疑問──ES細胞混入があり得
 ない材料と、マウスの手交・交配ミスの可能性無視
       ──2014年12月31日/投稿者/南青山
                  http://bit.ly/1go5Ya6
─────────────────────────────
 昨日のEJ第4095号で述べたように、どのように考えても
小保方氏がSTAP細胞をこっそりES細胞とすり替えたり、S
TAP細胞にES細胞を混入させることは不可能なのです。仮に
それをやったとしてもすぐばれてしまうはずです。このことは、
故笹井芳樹氏も、丹羽仁史氏も、そして誰よりも若山照彦教授ご
自身が一番よくわかっているはずです。これについて、上記の南
青山氏は、「疑問4」として次のように述べています。
─────────────────────────────
 「疑問4」ES細胞が混入すれば、大きさ、増殖速度の差異な
どで、直ちに峻別できるのではないのか?
 調査委員会は、「インキュベーターでシャーレで培養中に何者
かがES細胞を混入した」との見立てに立ち、わざわざ、研究室
の見取り図まで示して、アクセスできる者、時間、管理状況につ
いて説明しています。小保方氏とは断定はできないものの、ほと
んど小保方氏であると、いわんばかりのニュアンスを出していま
す。しかし、ES細胞が混入したならば、大きさや形状が異なる
ことから、すぐに見てわかることは、研究者の常識ではないので
しょうか?それに、ES細胞だったら増殖能が強いですから、数
日の培養期間中にどんどん増えてしまうことでしょう。
        ──2014年12月31日/投稿者/南青山
─────────────────────────────
 もし、小保方氏がES細胞を混入したのではないとすれば、南
青山氏のいうように、若山教授側のマウスの手交ミス、交配ミス
が考えられますが、桂調査委員長はそれについては調査の対象外
としてスルーしています。
 どうしてかというと、その議論をするとSTAP細胞が存在す
ることを認めざるを得なくなるからです。どういうわけかはわか
りませんが、この調査の目的は、「STAP細胞の正体はES細
胞であり、最初から存在しない」という結論に導いて、STAP
細胞事件の幕引きをすることにあるとしか思えないのです。それ
が理研の目的だったのではないでしょうか。
 この桂調査委員会の結論をいかにも本当らしく見せているのは
次の3つの事実です。
─────────────────────────────
 1.遺伝子解析の話なので、素人にとっては難解であり、多
   少の矛盾があっても本当らしく思えること。
 2.小保方氏が混入したとされているES細胞が小保方研の
   冷凍室で発見されたと演出されていること。
 3.小保方氏自身の手になる再現実験においてSTAP細胞
   の存在を証明することはできなかったこと。
─────────────────────────────
 ひとつずつ検証していきます。
 「1」に関しては、素人は、エライ先生が集まって遺伝子を解
析したのであるから、間違っていないと思ってしまいますが、実
はこれは必ずしも正しくないのです。その証拠に最近DNA鑑定
の結果、殺人罪で死刑判決を受けた人が間違いとわかって無罪に
なったことがいくつか起こっているではありませんか。
 遺伝子解析に詳しいと思われる方のブログで、次の記事を見つ
けたので、ご紹介します。テーマは「小保方さんのSTAP細胞
の真相」です。
─────────────────────────────
 2002年、アメリカワシントン州の女性が2人の子供の生活
保護を受けるためにDNA鑑定を行いました。結果は2回とも自
分の子として認められず、生活保護が受けられないばかりでなく
社会福祉局から他人の子を身代りに申請したとして告訴されてし
まった。彼女は3人目を身ごもっていたので、出産の時、弁護士
・医者たちあいのもとで、3人目の子のDNA鑑定を受けたが、
それでも他人という結果がでてしまった。
 これはおかしいというので、彼女の身体中の細胞をDNA鑑定
をした結果、子宮の細胞から3人の子供と一致したDNAが見つ
かった。彼女は2種類の異なったDNAを持っていたのです。こ
のような2種類のDNAを持っている人間を「キメラ」というが
キメラが世界にどれくらいいるかは分かっていません。少なくと
も科学者はこの事件が起こるまではキメラがいることは分かって
いなかった。        ──「武藤のニュース日記」より
                   http://bit.ly/1TdJPNx
─────────────────────────────
 遺伝子解析というのは絶対ではないのです。STAP幹細胞の
遺伝子解析の場合、「よく似ている」という表現が使われており
100%正しいとは断定できないのです。小保方氏の場合、仮に
正しいとしても、その事実から「STAP細胞の正体はES細胞
である」という断定は、あまりにも論理が飛躍しています。結論
ありきです。       ── [STAP細胞事件/069]

≪画像および関連情報≫
 ●「小保方さんのSTAP細胞の真」/武藤のニュース日記
  ───────────────────────────
   では、小保方さんの事件はどうか?
  理研の調査委員会は、STAP細胞は存在せず「ほぼ」誰か
  がES細胞を混入させた不正・・・と結論づけました。それ
  に対し、小保方さんも周りのスタッフも否定しています。
  ES細胞というのは、これから子供になる受精卵のことで、
  既に万能細胞だということは科学者なら分かっていることで
  す。小保方さんが故意にES細胞をSTAP細胞だとでっち
  上げる動機はありません。
   理由の一つは、同じことを再現できませんから、すぐばれ
  ます。二つ目は、STAP細胞の研究の最終目的は「人間」
  の難病を治療することにあるはずです。もしSTAP細胞が
  ES細胞のでっち上げであった場合、治療に必要な「人間」
  のES細胞をどこからか盗んでこなければなりません。マウ
  スのES細胞なら盗めるかもしれませんが、「人間」のこれ
  から子供になる受精卵(ES細胞)を盗んで殺して、治療に
  使うことは できますか?人殺しになってしまいますよ。
   小保方さんも、自殺した上司の笹井さんも、最高級の経歴
  ですし、理研の待遇は大学教授以上といわれています。(理
  研は役人が天下りし放題の独立行政法人)。つまり、小保方
  さんも笹井さんも、ES細胞をSTAP細胞だとでっち上げ
  る動機が全くないのです。     http://bit.ly/1TdJPNx
  ───────────────────────────

DNA鑑定.jpg
DNA鑑定
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2015年08月13日

●「真犯人は理研の内部に確実にいる」(EJ第4097号)

 STAP細胞に関する桂調査委員会の結論──「STAP細胞
の正体はES細胞であり、最初から存在しない」を本当らしく見
せている3つの事実を再現します。
─────────────────────────────
 1.遺伝子解析の話なので、素人にとっては難解であり、多
   少の矛盾があっても本当らしく思えること。
 2.小保方氏が混入したとされているES細胞が小保方研の
   冷凍室で発見されたと演出されていること。←
 3.小保方氏自身の手になる再現実験においてSTAP細胞
   の存在を証明することはできなかったこと。
─────────────────────────────
 「2」について考えます。STAP細胞が存在しては困る一派
は、小保方氏をES細胞の捏造の犯人にするための罠を二重にも
三重にも仕掛けているように見えます。
 小保方氏は、STAP細胞の実験用に若山研からES細胞──
GOF─ESを譲渡してもらっています。若山研の元留学生李氏
の作製したES細胞です。これについては、若山教授も李氏自身
も認めている事実です。
 ところがNHKスペシャル「STAP細胞/不正の深層」では
いかにも小保方氏がこのES細胞を若山研の引越しのどさくさ紛
れに盗んだともとれるような報道をしてしますが、事実は大きく
異なります。
 それにNHKスペシャルでは、小保方研の冷凍庫から発見され
たES細胞は、遠藤高帆上席研究員の指摘する「全身と精子で光
る」アクロシンGFPが組み込まれている特殊なES細胞(FS
1/2)であることを匂わせる編集が行われていることは既に述
べた通りです。かつてCDB時代の若山研に2009年まで在籍
していた大田浩氏作製のES細胞です。
 大田氏はこのES細胞を2009年の転出時に全て持ち出して
おり、小保方氏が若山研の客員研究員になった2011年4月に
は、若山研には存在しなかったのです。ところが、その大田ES
細胞が「ES」と書かれた3本のチューブに入れられ、小保方研
の冷凍庫のなかから発見されているのです。2014年6月のこ
とです。(添付ファイル参照)
 つまり、小保方研の冷凍庫には李ES細胞と大田ES細胞の両
方が発見されたことになります。犯罪捜査でいえば、まさに動か
ぬ証拠というわけです。ちなみに3本のチューブに、手書きで書
かれている「ES」の文字は大田氏の筆跡ではないことはわかっ
ています。
 2014年2月18日にSTAP論文の不正を調査するための
調査委員会を理研が設置した時点以降、小保方氏は自分の研究室
の出入りを禁じられています。そのため、小保方氏は研究室のな
かのものを持ち出したり、廃棄したりできなくなったのです。そ
うすると、この時点で次の2つの疑問が生じます。
─────────────────────────────
 1.大田ES細胞のチューブを小保方氏はどのようにして入
   手し、冷凍庫に入れることができたか。
 2.研究論文に関する調査委員会は、大田ES細胞の遺伝子
   解析をどのようにして実施できたのか。
─────────────────────────────
 大田ES細胞は、2009年の大田氏の転出以降、CDBには
存在していないのです。存在していない大田ES細胞を小保方氏
が入手できるはずがないし、入手する必要もないのです。
 ちなみに、桂委員長は、「ES」のラベルの付いている3本の
チューブを小保方氏と若山教授に見せて確認を求めたところ、2
人とも見たことはないと答えています。2人のいっていることが
本当だとすると、封印してあるはずの小保方研に出入りできる何
者かが冷凍庫に入れたことになります。
 もうひとつの疑問は、調査委員会は大田ES細胞の遺伝子解析
をしていますが、そのES細胞をどのようにして、入手したので
しょうか。存在していないものは解析できないからです。
 これについては、既に述べているように、若山研が大田氏に依
頼して、山梨大学の若山研に冷凍詰めにして送ってもらっている
のです。2014年6月のことです。そうすると、大田ES細胞
は2014年6月上旬には若山研にあったことになります。
 このことはメディアではなぜか報道されていませんが、知らな
いはずがないと思います。ネットにも出ているからです。それと
も明らかにすると、この大田ES細胞に関する限り、小保方氏は
関係ないことになり、STAP細胞事件の構図はガラリと変わっ
てしまうからでしょうか。
 STAP細胞事件について書いている「DORAのブログ」と
いうのがあります。そのブログでは、理研内部の笹井/小保方氏
への強い反発について次のように書いています。
─────────────────────────────
 彼(あるいは彼ら)は、どうして小保方さんに対してこれほど
の敵意を抱くのだろうか。その第1は、STAP細胞研究が華々
しく成功すれば、最近の「選択と集中」「成果主義」によって、
笹井氏と小保方さんに予算と報酬が集中し、自分たちが片隅に追
いやられてしまうからである。また、さほど有能にも見えない若
い女が笹井氏の寵愛を一身に受けているのも気に入らなかっただ
ろう。で、STAP論文にほころびが出たのをきっかけに、彼ら
は一気に攻勢に出たわけだ。マスコミによる激しい内部リーク攻
勢にあって、笹井氏は耐えきれずに自殺した。笹井氏はCDB内
部で首を吊った。そして小保方さんに「あなたのせいではない」
と書き残した。死にゆく人は、自分の生命と引きかえにするので
あるから、真実を言い残すだろう。その意味するところは「小保
方さんは悪くない。真犯人はCDB内部にいる・・・」である。
                   http://bit.ly/1PhYwtl
─────────────────────────────
             ── [STAP細胞事件/070]

≪画像および関連情報≫
 ●STAP細胞の真実。笹井氏は他殺。狙われる小保方。
  ───────────────────────────
   マスゴミによる異常な小保方叩きや、話題を「STAP細
  胞細胞の存在」から「論文盗作」へと切り替えようと必死に
  なっている様を見ていると、「これは絶対裏がある」と思っ
  た方は私だけじゃないはず。そう、STAP細胞は本当にあ
  るんです。これを必死にもみ消そうとしている団体、あるは
  組織があるのです。STAP細胞騒動の真相へと迫りたいと
  思います。
   STAP細胞が完成した場合を考えてみてください。ST
  AP細胞とは何か?STAP細胞とは何にでも生まれ変わる
  ことが出来る万能細胞です。文字通り、「何にでも」です。
  STAP細胞があれば、人間の内蔵を再生することが可能に
  なるのです。綺麗な内蔵を作り出すことが出来れば、医療治
  療に大きな革命を起こすことが出来ます。例えば、胃ガンや
  肺ガンなどになった時に、通常であればガンに侵されている
  部分の切除をする治療が行われますが、STAP細胞があれ
  ば切り取った内蔵をまるごと再生することが出来るのです。
  この根本となる細胞についての世界特許を持った人、もしく
  は団体があれば、数百兆円規模の巨額の利権を手に入れるこ
  とが出来ます。このSTAP細胞は、ものすごく大きな経済
  的利益をもたらす細胞なのです。理化学研究所は、STAP
  完成は小保方さんの技術によるものが大きいので、その方法
  を知らなければ利権にありつけることが出来ません。お金を
  手にすることが出来ないのです。理研や、その他多くの企業
  や団体、組織は、小保方さんが持つSTAP細胞のレシピを
  手にすることで必死なのです。   http://bit.ly/1IVt9iL
  ───────────────────────────

小保方研で発見されたES細胞.jpg
小保方研で発見されたES細胞
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2015年08月14日

●「なぜ再現実験は成功しなかったか」(EJ第4098号)

 昨日に続いて、「STAP細胞の正体はES細胞であり、最初
から存在しない」という桂調査委員会の結論を本当らしく見せて
いる3つの事実を再現します。
─────────────────────────────
 1.遺伝子解析の話なので、素人にとっては難解であり、多
   少の矛盾があっても本当らしく思えること。
 2.小保方氏が混入したとされているES細胞が小保方研の
   冷凍室で発見されたと演出されていること。
 3.小保方氏自身の手になる再現実験においてSTAP細胞
   の存在を証明することはできなかったこと。←
─────────────────────────────
 「3」について考えます。何度もいうように、「STAP細胞
の正体はES細胞であり、最初から存在しない」という調査委員
会の結論は論理の飛躍があり、乱暴きわまる結論です。しかし、
それを本当らしく見せているのは、何といっても小保方氏による
再現実験がうまくいかなかったことにあります。
 2014年という年は、1月28日のSTAP細胞論文の発表
にはじまり、多くの学者や研究者が寄ってたかって論文の不正を
次々と指摘し、メディアまで論文を批判する側に回り、その心労
で、遂に論文の主要な共著者の一人である笹井芳樹氏が自殺する
など、様々な異様なことがあって、12月25日と26日の桂調
査委員会の報告と記者会見で終わった1年であったといっても過
言ではないと思います。
 そのとき多くの人は、この事態の進行に、何か割り切れないも
のを感じながらも、「きっと小保方氏が再現実験で、STAP細
胞のあることを証明してくれる」と期待していたと思います。か
くいう私もそう期待していた一人です。
 しかし、小保方氏によるSTAP細胞の再現実験は不成功に終
わっています。こういう結果になると、「本人がやって再現でき
ないのであれば仕方がない」と多くの人は考えて、やっぱりST
AP細胞は虚構だったのかなと思ってしまうものです。実際にそ
う思っている人はたくさんいます。
 それにしても小保方氏は、なぜ再現実験に失敗したのでしょう
か。小保方氏としては、成功させる自信があったのでしょうが、
再現できなかったのです。その原因を考えてみると、次の3つが
上げられます。
─────────────────────────────
 1.STAP論文批判の異常なバッシング、笹井氏の自殺な
   どストレスのかかる状況での実験であること。
 2.実験は監視付きの研究室で行われ、論文に書かれている
   プロトコル以外の方法は全て封印されたこと。
 3.STAP細胞実験のパートナーである若山教授が、多忙
   を理由にして再現実験に協力しなかったこと。
─────────────────────────────
 「“なまもの”は特別の学問である」──細胞や生物を扱う生
命科学を、他分野の研究者たちはこう表現するのです。生命科学
は、細かな実験環境条件の変化や動物の個体差などでデータにば
らつきが起き、全論文の70%は再現できないといわれているの
です。したがって、再現できないからといって、それは虚構と決
め付けるのは間違っています。
 まして小保方氏の場合、メディアを総動員してあれだけのバッ
シングを受け、とくにNHKの記者にはパパラッチ並みの取材を
され、怪我まで負わされているのです。さらに、前途ある男性の
研究者が自殺するほどの異常きわまるプレッシャーの下での実験
であり、最初からその成功が危ぶまれていたのです。
 STAP細胞の再現実験は、2014年4月1日は相澤慎一特
任顧問の下で、丹羽仁史チームリーダーが中心となってはじめら
れています。丹羽仁史氏は、故笹井氏とともに小保方氏が処理を
した細胞が塊を作って緑色に光るのを目視していることもあって
STAP細胞の存在を確認している数少ない科学者であり、小保
方氏の味方だったといえます。
 7月1日から小保方氏が参加し、11月末日を期限に、あらか
じめ研究不正再発防止改革推進本部が指名した者の立ち会いの下
で再現実験が行われたのです。
 しかも、再現実験は論文に書かれているプロトコル以外の方法
は原則として認められず、厳しい制約の下で行われたのです。問
題はマウスの脾臓のリンパ球に刺激を与える弱酸性処理です。
 論文では、HCI(塩酸)による弱酸性化処理だけですが、特
許出願には記載されているアデノシン3リン酸(ATP)処理や
細胞を細いガラス管に通してストレスを与える処理もやっている
のです。小保方氏はとくにガラス管の処理に強くこだわったので
すが、この方法と認められず、HCI処理とATI処理だけが認
められたのです。
 そもそも発明や発見は、試行錯誤の連続のなかから生まれるも
のです。マウスのリンパ球に刺激を与える方法も小保方氏はいろ
いろな方法を試しており、その方法は多岐に及ぶのです。
 しかし、論文は、とくにネイチャー誌の場合はページ数が限ら
れていることもあり、そのすべてを載せるわけにはいかないので
す。しかし、それでもあくまで再現実験は「論文に記載されてい
る方法でやれ」というのです。何とか再現させようとする再現実
験ではなく、あくまで論文記載の方法でできるかどうかを検証す
るというのです。
 再現実験の成功とは、マウスの脾臓のリンパ球からSTAP細
胞を作り、それからSTAP幹細胞とキメラマウスを作製するこ
とにあります。再現実験の詳しい結果は来週のEJで述べますが
前半のSTAP細胞作りには成功しているものの、STAP幹細
胞とキメラマウスではうまくいっていないのです。それは、小保
方氏とSTAP細胞の共同研究者であった若山照彦山梨大学教授
が多忙を理由に再現実験には参加しなかったことにあるといって
も過言ではないと思います。── [STAP細胞事件/071]

≪画像および関連情報≫
 ●小保方氏の再現実験に反対してきた人たちへ
  ───────────────────────────
   文科省の「研究不正に関するガイドライン」には以下の記
  述があった。
   「被告発者が調査委員会から再実験などにより再現性を示
  すことを求められた場合、あるいは自らの意思によりそれを
  申し出た場合は、それに要する期間及び機会(機器、経費等
  を含む)が調査機関により保障されなければならない。ただ
  し、被告発者により同じ内容の申し出が繰り返して行われた
  場合において、それが当該事案の引き延ばしを主な目的とす
  ると、調査委員会が判断するときは、当該申し出を認めない
  ことができる」。
   つまり、文科省のガイドラインは、「不正の疑惑を持たれ
  た人に対して、実験記録等からその疑惑を自ら晴らす義務を
  負わせると共に、その一方で、疑惑を晴らすための再現実験
  の権利も認める」という極めてバランスの取れたものだった
  ということだ。
   上記の記述を基にし「小保方氏の実験参画は『権利』とし
  て認められている」とある人から指摘された大隅氏(分子生
  物学会理事長)は、「したがって、本人参加の実験には正当
  性があり、11月末までそれを見守るしかないということの
  ようです」と結論している。まるで他人事のようなコメント
  だ。大隅氏が学会理事長として主張してきたことは、「小保
  方氏の権利の剥奪」であったことを自ら認めているのだ。そ
  れなのになぜ謝罪の言葉はないのか?もし分子生物学会の主
  張が通って小保方氏の実験参加が不許可となり、それによっ
  て彼女が悲観して精神的にメルトダウンしてしまっていたら
  どう責任を取るつもりだったのか? http://bit.ly/1J3APE4
  ───────────────────────────

最初から期待していない小保方氏による再現実験.jpg
最初から期待していない小保方氏による再現実験
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2015年08月17日

●「緑色に光る細胞塊は出現している」(EJ第4099号)

 STAP細胞の再現実験での焦点は、簡単にいうと次の2つと
いうことになります。
─────────────────────────────
 1.マウスのリンパ球に刺激を与えて、緑色に光る組織の塊
   (STAP細胞)ができるかどうか。
 2.その緑色の蛍光を発する組織の塊(STAP細胞)が増
   殖性と多能性を獲得しうるかどうか。
─────────────────────────────
 「1」は小保方氏の担当であり、「2」に関しては清成寛研究
員(ライフサイエンス技術基礎研究センターユニットリーダー)
と丹羽仁史氏が行っています。
 その結果、「1」に関しては必ずしも失敗しておらず、理研に
よる「STAP現象の結晶結果」には次の記述があります。
─────────────────────────────
◎小保方氏による検証結果
 蛍光顕微鏡による緑色蛍光を検出した結果、酸処理を行わなか
った場合ではSTAP様細胞塊はまったく生じないが、弱塩酸処
理を行った場合では、その多くにSTAP様細胞塊が形成される
ことが確認された。
◎ 丹羽氏による検証結果
 酸処理を行った細胞を培養したとき、最も効率よく、高い再現
性で確認されたのは、肝臓由来の細胞をATP処理した時で、独
立に行った49回の実験のうち、37回でSTAP様細胞塊の出
現が確認された。    ──「STAP現象の結晶結果」より
─────────────────────────────
 理研の報告によると、緑色に光る組織のSTAP様の細胞の塊
はできたが、その出現頻度は低く、その増殖性と万能性を検証す
る「2」については失敗に終わったというのです。なお、STA
P細胞に増殖性を持たせるSTAP幹細胞の作製は複数成功して
いますが、6〜7日目には死滅しています。
 しかし、「1」に関しては細胞が死亡するときに発する自家蛍
光であることも考えられるので、その解析を行ったものの、ST
AP細胞か自家蛍光かの区別はできなかったとしています。しか
し、検証結果の発表で相澤特任顧問は「緑色に光る組織のSTA
P様の細胞の塊は、自家蛍光と思われる」とほぼ断定しているの
です。どうしてもSTAP細胞の存在は認めたくない姿勢がそこ
から読み取れます。
 再現実験の報告を見ると、「1」では基本的にそういう現象は
生じており、うまくいっていないのは「2」ということになりま
す。「2」に関しては最も成功率の低い部分であり、小保方氏の
担当する部分ではないのです。STAP幹細胞やキメラマウスの
作製は、世界的権威である若山教授が今回は参加していないので
成功の確率はきわめて低くなるといえます。
 したがって、あってはならないことですが、仮に理研が小保方
氏による再現実験を失敗に終わらせて、STAP細胞事件の幕引
きを図りたいと考えたとします。この場合、「2」の実験に若山
教授を参加させなければその目論見通りになります。なぜかとい
うと、「1」が成功しても「2」が失敗すれば、再現実験は失敗
に終わるからです。理研は「STAP細胞は存在しない」という
アリバイ作りのために再現実験をやったように思えるのです。実
際に「STAP現象の結晶結果」を読むと、事態はまさにその通
りになっています。
 もし、STAP細胞がES細胞の混入であるというなら、ES
細胞を弱酸性の刺激を加えて培養し、緑色に光る細胞の塊を作る
実験こそやってみるべきです。STAP細胞と違ってES細胞は
個々バラバラで、けっして細胞同士が集まって塊を作ることはな
いからです。
 それなら、なぜ、小保方氏は再現実験失敗の結果を受け入れた
のでしょうか。
 理研としては、一番やっかいなのは、小保方氏側がこの一件を
訴訟に持ち込むことであると思われます。しかし、簡単に決着の
つく事件ではなく、訴訟は長期に及ぶことになり、莫大な資金が
かかります。それにSTAP細胞が存在することを小保方氏側が
立証するのは非常に困難です。
 それに加えて訴訟になれば、理研としてはSTAP細胞の研究
費一切の費用を小保方氏側に請求することになります。そのため
推測ですが、STAP細胞の研究費は、論文投稿費用をのぞき、
請求しないという条件で理研の調査結果に異議を申し立てないと
いう和解が成立したのではないでしょうか。国家と個人で争って
も小保方氏側にとうてい勝ち目はないと思われます。
 それにしても理解できないのは、小保方氏の研究パートナーで
ある若山照彦山梨大学教授の「STAP細胞があるという証拠は
ない」という発言です。若山教授は、故笹井芳樹氏よりはるかに
STAP細胞研究に関わっている小保方氏の研究パートナーなの
です。若山教授には次の3つの事実があります。
─────────────────────────────
 1.小保方氏の指導を受けて、自分の力でSTAP幹細胞作
   製に成功している。
 2.小保方氏の作製したSTAP細胞からキメラマウスの作
   製に成功している。
 3.ノフラー博士との対談でES細胞のコンタミはあり得な
   いと発言している。
─────────────────────────────
 これら3つの事実にもかかわらず、若山教授は論文のミスが指
摘されるや、誰よりも早くSTAP論文の撤回を呼びかけ、関連
情報を主としてNHKにリークし、マウスの遺伝子解析結果を公
表して、STAP細胞が存在しないことを主張したのです。
 しかし、それなら自分の手でSTAP幹細胞やキメラマウスの
作製に成功した体験は一体何だったのでしょうか。ES細胞の混
入というのでしょうか。  ── [STAP細胞事件/072]

≪画像および関連情報≫
 ●真葛原雪のホームページ
  「STAP細胞は捏造?ATPと検証実験と再現性」
  ───────────────────────────
   主眼であった小保方博士と若山博士の作業分担の連続再現
  は今回見られませんでした。番外編の丹羽博士の実験により
  ES細胞を元にしても胎盤をともなったキメラマウスをつく
  れるというFI幹細胞は造れないことから、小保方博士にか
  けられていた遠藤高帆博士のES細胞を手渡した説は無効だ
  と思います。
   死細胞の自家蛍光でしかないという疑惑も晴れましたが、
  キメラ法で多能性は確認できなかったので、少なくとも当初
  のキメラをつくるような「全能性」があるSTAP細胞現象
  という仮説が成り立つ可能性は非常に少なくなったと思われ
  今後この特許記載のATPを使用する方法で肝臓から得られ
  たOct3/4陽性細胞がなんらかの方法で体細胞へ分化す
  るかどうかは確認するべきだと思いました。(完全に再現で
  きないわけではないので、再現性が落ちる原因となる見落と
  しているファクターが無いとは今も言えませんが)。再現性
  の問題なのか、不正なのかは、この実験では明確になりませ
  ん。個人手技がほとんど関係しないSTAP幹細胞作製と、
  FI幹細胞作製でも再現がとれず、優れた手腕を持つ清成博
  士でもキメラマウスを造れなかったことからも若山博士への
  疑惑が生じますが、それを晴らすには若山博士がこのOct
  3/4陽性細胞からキメラマウスを造るか、他の研究員の操
  作を疑うか、他の原因がありえると説明する以外に無いと思
  います。また、若山博士だとできる可能性もまたゼロとは言
  えません。            http://bit.ly/1MlAYns
  ───────────────────────────

STAP論文主要関係者.jpg
STAP論文主要関係者
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2015年08月18日

●「論文不正は日常になっていないか」(EJ第4100号)

 科学の世界では「論文が命」というぐらい研究者は論文には神
経を使うといわれます。最も恵まれた研究機関といわれる理化学
研究所でも、研究論文が評価されるかどうかで予算が決まるので
研究者は必死になります。また、それだけに研究者同士の競争や
嫉妬もすさまじいものがあるといわれます。
 STAP細胞が本当に存在し、ヒトにも活用できると、ノーベ
ル賞を獲得した山中伸弥教授のiPS細胞を上回ることは確実で
す。なぜなら、iPS細胞はがんになるリスクがあるのに対し、
STAP細胞にはそれがないからです。そういう意味でSTAP
細胞は、まさに「夢の細胞」といえます。
 そうなると、利害が対立する勢力同士は激しい暗闘を繰り広げ
ます。この場合、一番簡単にして確実なのは、論文を潰してしま
うことです。それも間髪を入れず、やる必要があります。
 同じ理研のなかでも、もしSTAP論文が認められ、正式な研
究対象になると莫大な予算がつき、その分他の研究チームの予算
が減らされたり、研究自体が中止されることもあるので、他の研
究者としては他人事ではないのです。
 再生医療の分野では、出身学部による次の争いがあるといわれ
ています。
─────────────────────────────
        「医学部系」VS「他学部系」
─────────────────────────────
 ここで他学部というのは、理学部、農学部、工学部などの出身
者です。小保方氏は早稲田大学理工学部出身であり、若山照彦氏
は、茨木大学農学部の出身です。今回、STAP細胞をボロクソ
に叩いたのは、医学部畑の研究者が多いといわれています。
 最近その医学部系の研究者は、とんでもないことをやっていま
す。あの「ノバルティスファーマ事件」です。世界有数の製薬会
社であるノバルティス・ファーマの日本法人は、同社の発売する
降圧剤「ディオバン」を複数の大学医学部の臨床研究論文をエビ
デンスとして、大量に売り上げを伸ばしてきたのです。それらの
論文では「脳卒中や狭心症にも効果がある」という統計データも
添えられていたからです。これにより降圧剤「ディオバン」は、
約1兆2000億円の驚異の売り上げを上げたのです。
 ところが、エビデンスになっているそれらの論文の多くは捏造
であり、統計データはノバルティスの社員が身分を明示せず、実
験に加わっていたという事実も明らかになり、データが改ざんさ
れていた疑いが濃厚になったのです。ちなみにそれらの研究結果
を捏造した大学医学部の研究室には、ノバルティス社から、累計
約11億円もの寄付が行われていたのです。
 これによって、医学部系の研究論文は色めがねで見られるよう
になったのです。しかも、このノバルティスファーマ事件で、論
文の取り下げや逮捕者が出た時期が、STAP細胞問題が過熱し
つつあった2014年2月〜6月なのです。これによって科学研
究論文の価値が大きく毀損したことは確かです。
 それにしても、小保方氏の論文についてのバッシングは明らか
に異常であり、度を越していたといえます。それは、STAP細
胞が存在するかどうかではなく、論文の画像や小保方氏の大学の
卒論まで調べ上げるという執拗さであり、そこには何が何でも論
文を潰してやるという強い意思を感じたものです。
 とくに、そのあまりのひどさゆえか、義憤を感じたネットユー
ザーからは、STAP論文の不正を調査する理研の石井俊輔調査
委員長や委員を務めた古関明彦副センター長、さらに直接関係の
ない山中伸弥教授の過去の論文のミスを暴き、遂に石井調査委員
長が辞任に追い込まれる騒ぎに発展したのです。
 とくに山中教授については、『週刊新潮』が次の見出しをつけ
て大きく報道されています。
─────────────────────────────
 「ノーベル賞『山中教授』が隠していた『小保方的』実験ノ
 ート」/論文の『データ捏造』疑惑!/本誌直撃で緊急記者
 会見!/単独インタビューで判明!/小保方博士は免責され
 るか?    ──『週刊新潮』/2014年5月15日号
─────────────────────────────
 問題の論文は、山中教授が奈良先端科学技術大学院大学の助教
授時代に、ドイツの学術誌に掲載された論文です。この論文は、
ES細胞の分化過程で、生物の発生初期段階に必要とされる「N
ATI」という遺伝子の働きを調べたものであり、山中教授の万
能細胞研究のスタート時点の論文です。よくそんな論文を探し出
したものですが、もちろん素人の指摘ではなく、同業の研究者に
よる指摘です。この論文には2つの疑惑があるというのです。
─────────────────────────────
 1.実験で使うES細胞の遺伝子を解析した電気泳動の画像
 2.実験の統計数値をグラフ化するさいのエラーバーの画像
─────────────────────────────
 これら2つの画像は添付ファイルに示してあります。「1」は
電気泳動の画像ですが、四角のなかの2つのバンドは類似性が高
く、同じ画像を2つ並べただけではないかという指摘です。確か
によく似ています。この電気泳動の画像の加工は、小保方氏も石
井俊輔調査委員長も同じことをしています。
 「2」は、各実験で得た数値を統計処理して平均値を棒グラフ
にするさいに示さなければならないことになっている標準誤差を
示すエラーバーですが、実験によって明白な誤差が生ずるはずな
のに、山中論文では不思議なほど長さが均一になっていて作為が
疑われるという指摘です。
 『週刊新潮』は山中教授にこの2点をメールで指摘し、元デー
タの開示を求めたところ、山中教授は突然記者会見を開き、その
データは自分のノートにないことを認め、謝罪したのです。この
ような不正は小保方氏だけではなく、ノーベル賞受賞の科学者も
やっていることなのです。経験の浅い小保方氏をエラソーに叱責
する資格などないのです。 ── [STAP細胞事件/073]

≪画像および関連情報≫
 ●若山教授への疑惑/ヤフー!への質問応答
  ───────────────────────────
   断言できないが、私もやはり、若山教授が怪しいではない
  か?と疑う・・・。更に、あくまで妄想だが、黒幕は意外に
  若山教授ではないか?と思っている。今回の事件では、異常
  ・異様とも言えるほど、若山教授は目立っている(目立ちす
  ぎ)ではないか?
   最初に熱心に小保方氏を擁護していたのも若山教授。途中
  に論文の取り下げを呼び掛けたのも若山教授。最後に僕のマ
  ウスじゃないと言い出したのも若山教授。また、笹井氏の会
  見によれば、論文に笹井にも連名するようと懇願していたの
  も若山教授。
   当初、まるで小保方氏のスポークスマンのようにマスコミ
  にぺらぺら喋り捲ったのは若山教授だったのではないか?一
  見、小保方氏を庇っていたようだが、しかし、若山教授が喋
  れば喋るほど、小保方氏が益々不利な立場に追い込まれたの
  も事実ではないか?諸悪は、小保方氏だと定番になっている
  が、しかし、STAP細胞の研究は、マウスがないと成り立
  たない、マウスの権威は若山教授しかいない。実はもう一つ
  の可能性としては、若山教授は最初から意図的に偽のマウス
  を小保方氏に提供したのではないか?と疑う。小保方氏が若
  山教授から受け取ったマウスは本物なのか偽物なのかは若山
  教授しか分からないので、小保方氏は信じるしかないのでは
  ないか?もし、最初から若山教授が、マウスに小細工をしち
  ゃったら、全ては狂ってしまうのではないか?そして、小保
  方氏をはじめ、理研の全員が騙されてしまうのではないか?
  この仮説は、むしろ全てが辻褄が合うのではないか?
                   http://bit.ly/1JgJrJw
  ───────────────────────────

山中論文の疑惑の画像.jpg
山中論文の疑惑の画像
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2015年08月19日

●「STAP騒動の陰で事件処理進行」(EJ第4101号)

 「ノバルティスファーマ事件」について、もう少し詳しく述べ
ることにします。STAP細胞事件に関連があるからです。それ
に製薬会社のやっていることを知る必要もあります。
 さらにこの事件は、悪質極まりない事件であるのに、ほとんど
のメディアはこの事件を大きく扱っていないことです。STAP
細胞事件の扱いとはあまりにも違い過ぎます。
 この事件が発覚したのは、2013年7月のことです。東京慈
恵医科大学が、「ディオバン」投与の患者の臨床データに関して
7月31日に次の発表を行ったからです。
─────────────────────────────
 Jikei Heart Study の血圧値のデータに人為的なデータ操作
 があった。            ──東京慈恵医科大学
─────────────────────────────
 この発表に先立って、京都府立医科大学でも脳卒中と狭心症の
発症数の臨床データの改ざんに気がついていたのです。同年11
月5日の参議院厚生労働委員会での川田隆平議員と当時の田村憲
久厚生労働大臣との間で次のやり取りが行われています。
─────────────────────────────
川田:今回の検討会の中間とりまとめをお読みになって、京都府
   立医科大学及び東京慈恵会医科大学における事案において
   誰かがデータを不正に操作したと思いますか。
田村:どこかで誰かが何かの意図を持ってこれを変えていなけれ
   ばこのようなことが起こらないわけでありまして、そこを
   何とかこの真相を究明をしてまいりたいというふうに思っ
   ております。           ──ウィキペディア
─────────────────────────────
 そして、2014年1月9日に厚生労働省は、ノバルティス・
ファーマに対して薬事法(誇大広告の禁止)違反の疑いで東京地
検に告発したのです。この同じ年の1月28日に理化学研究所は
STAP細胞の発表を行っています。ノバルティスファーマ事件
は、まるでSTAP細胞事件の疑惑の陰に隠れるようにして事件
処理が行われていたのです。
 ノバルティスファーマ事件の両大学の論文が発表された時期と
論文発表誌および論文の要点は次の通りです。いずれも3000
症例以上を3年間追跡したとされる大規模調査に基づき、論文が
執筆されているのです。
─────────────────────────────
 ◎東京慈恵医大 ・・・ 2002〜04年
  「ディオバン」を投与した患者たちは、それ以外の薬投与群
  に比べて、入院が必要な脳卒中や狭心症が39%減少
               ──英医学雑誌「ランセット」
 ◎京都府立医大 ・・・ 2004〜07年
  「ディオバン」投与群は、他の患者に比べて、脳卒中、狭心
  症が45%低下          ──欧州心臓病学会誌
─────────────────────────────
 どのようにしてデータが改ざんされたかですが、それは次の5
つのステップを踏んでいます。
─────────────────────────────
   1.「ディオバン」投与の患者のデータをカルテ記入
   2.そのカルテ記載データを病院の入力担当者が入力
   3.入力されたデータは外部のデータ管理会社が保管
   4.ノバルティス社の元社員がデータの一部解析実施
   5.これらデータをベースにして大学側が論文を作成
─────────────────────────────
 最大の問題は、この4ステップ目の臨床データの統計解析に、
ノバルティス社の元社員が参加していることです。もっとも本人
はデータ解析参加を否認していますが、もし事実であれば、利益
当事者の製薬会社の社員が自社の医薬品の効能を立証する学術論
文の作成に関与したことになります。STAP細胞事件どころで
はない大不祥事であるといっても過言ではないのです。
 なお、東京慈恵医科大学には1億8700万円、京都府立医科
大学には3億8100万円が「奨学寄付金」の名目でノバルティ
ス社から提供されています。さらにこの2大学だけではなく、滋
賀医科大学、千葉大学・医学部、名古屋大学・医学部も、ノバル
ティス社と同じようなことをしていたことが発覚し、いずれも論
文撤回に追い込まれています。
 この事件に詳しい医療ジャーナリストの船瀬俊介氏によると、
降圧剤「ディオバン」には、「皮膚粘膜眼症候群」(SJS/ス
ティーブンス・ジョンソン症候群)という恐ろしい副作用がある
ともいわれています。
 このように、STAP細胞事件とは比較にならないほどの悪質
性にもかかわらず、多くの人はそういう事件があったことは知っ
ているものの、その詳細について知らない人が圧倒的です。それ
は、なぜかメディアが積極的に取り上げなかったことや、検察の
捜査があまりにもズサンであったからです。
 前記の船瀬俊介氏は、この人の生命に関わる大事件に対する検
察の捜査に関して次のように述べています。
─────────────────────────────
 警察の“捜査”も実に手ぬるい。事件に関与したのはノバルテ
ィス社の元社員、白橋伸雄一人とされた。白橋某は、自らが同社
社員の身分を隠し、同剤の臨床研究に参加。様々な臨床データ操
作に関与した。彼は、“単独”で、京都府立医科大学の専任者に
“助言”し、論文資料を作成し、データの解析図表作成も個人の
パソコンで行った、という。警察は、この初老の元社員を逮捕。
それだけで、ノバルティス・スキャンダルは一件落着とされた。
昔ながらの「臭い物にフタ」「トカゲ尻尾切り」である。
 ──船瀬俊介著『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
             復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
             ── [STAP細胞事件/074]

≪画像および関連情報≫
 ●「ディオバン」は使い続けられるのか
  ───────────────────────────
   製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンをめぐる
  一連の論文不正事件で、京都府立医大に続き、東京慈恵会医
  大でもデータ操作などの不正が確認された。同大は2013
  年7月30日に会見し、臨床研究の論文でノバルティスの元
  社員によりデータが人為的に操作されたとする調査結果を発
  表した。ディオバンをめぐっては、ほかに滋賀医大、千葉大
  名古屋大を含め5大学が薬効を調べる臨床研究を行っており
  いずれも同じ元社員が関与していた。
   そもそもどんなデータを改ざんしたのか?正しいデータを
  使うとディオバンの効能は変わるのか。医療現場はただちに
  ディオバンの使用をやめるのか?
   朝日新聞デジタルが報道した慈恵医大の調査報告では、大
  学が保有していた671人分のデータと最終統計データを比
  べると血圧値に86件(12・8%)の食い違いがあった。
  統計解析の段階で操作されたと考えられるが、解析は「大学
  の研究者は関与せず、元社員がすべて行った」という。
   ディオバンは国内売り上げが年間1千億円を超えるノバル
  ティスの看板商品で、同社はこうした論文を医師向けの説明
  文などに引用して宣伝に使ってきた。論文に社員の名前が掲
  載されていたが社員とは明記せず、肩書も非常勤講師だった
  「大阪市立大」と記載していた。朝日新聞デジタルの記事は
  こうしたやり方を「利益相反の疑いがある」と指摘する。
                  http://huff.to/1JZrMou
  ───────────────────────────

東京慈恵医大の記者会見.jpg
東京慈恵医大の記者会見
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2015年08月20日

●「STAP論文は意図的に潰された」(EJ第4102号)

 人間の命に関わるノバルティスファーマ事件がなぜ人々の強い
象に残らなかったのでしょうか。
 それは、ノバルティスファーマ事件の処理がちょうどSTAP
細胞事件の陰に隠れて進行していたからです。だから、目立たな
かったのです。むしろメディアは、意識的にそういう報道をして
いたともいえます。
 もちろんニュース番組などで報道はされていたのですが、ST
AP細胞事件のように、ワイドショーで時間をとって取り上げる
とか、特番を組むとかそういうことはあまりやらずに、淡々と事
件の経過を伝えていただけなのです。だから事件について、強い
印象は残っていないのです。
 STAP論文の疑惑で騒然としていた5月から7月までの間の
ノバルティスファーマ事件の動きをまとめてあります。URLを
クリックすると、朝日新聞の医療サイト『アピタル』の記事を読
むことができます。
─────────────────────────────
 ◎2014年5月 1日       http://bit.ly/1fhRpnD
   医療研究、データ長期保存や監査義務化 不正防止指針案
 ◎2014年6月11日       http://bit.ly/1Jb5AqJ
   ノバルティス元社員を逮捕、論文不正、薬事法違反の疑い
 ◎2014年6月11日       http://bit.ly/1PfOGYe
      ノバルティス元社員、取材では関与否定、論文不正
 ◎2014年6月12日       http://bit.ly/1IV3cRB
    特許切れ目前、売上高減で改ざんか ノバルティス事件
 ◎2014年6月12日       http://bit.ly/1J8SW7c
    ノバルティス元社員、研究全体に関与 判定資料も作製
 ◎2014年6月13日       http://bit.ly/1Kp1oQS
   論文不正、ノバルティス側が執筆依頼、本来は医師が立案
 ◎2014年7月 2日       http://bit.ly/1LdoeOd
     ノバルティス社を起訴、東京地検、悪質性ありと判断
 ◎2014年7月16日       http://bit.ly/1PfOdFx
     千葉大元教授の虚偽説明を認定、ディオバン論文不正
─────────────────────────────
 ところで、STAP細胞はその経過から見て、それと利害関係
のある「勢力」──グループといってもよいし、団体と呼んでも
よい──によって、意識的に潰されたものと考えられます。世の
中には、STAP細胞のようなものは存在しては困ると考える勢
力が存在するのです。
 このようないい方をすると、それは「陰謀論」であるとか「陰
謀史観」であると非難する人がいます。世の中の常識に合わない
考え方や言説を伝えようとすると、そういわれるのです。これは
明らかに一種の「ラベル貼り」であると思います。
 実は「ラベル貼り」というのは恐ろしいものなのです。一度貼
られてしまうとそれを剥がすのは容易ではないからです。まして
現代は、そのラベルが多くの人の共感を集めると、SNSなどの
メディアを通してあっという間に広く拡散され、強い存在感を持
つようになってしまいます。
 現在参議院で審議中の安保関連法案を社民党の福島瑞穂議員は
衆議院で安倍首相に対する質問のさい、「安保関連法案は戦争法
案である」と発言しましたが、以来安保関連法案に反対する人々
の間では、「戦争法案」は十分な存在感を持つようになってきて
います。ラベルが威力を発揮しつつあるのです。
 「陰謀論」も「陰謀史観」もそうなのです。ある言説に一度そ
のラベルが貼られると、その言説はまともに読んではもらえなく
なり、真実が伝わりにくくなります。
 ごく最近起きた出来事ですが、孫崎亨氏の著書、『戦後史の正
体』に対する佐々木俊尚氏の朝日新聞掲載の書評を巡って、次の
ような論争があったのです。
─────────────────────────────
 2012年9月30日の朝日新聞の書評欄で、元外務省国際情
報局長、孫崎享の著『戦後史の正体』(創元社)が、評者の佐々
木俊尚から「ロッキード事件から郵政民営化、TPPまですべて
は米国の陰謀だったという本。米が気に入らなかった指導者はす
べて検察によって摘発され、失脚してきたのだという」と概括さ
れ、「本書は典型的な謀略史観でしかない」と断じられた。「謀
略史観」は「陰謀史観」の同義語である。
 このことに孫崎は激怒し、ツイッターでも本の内容の要約から
して間違っていると逐条的に誤りを指摘して、「目を疑う位低レ
ベルの書評だ」と抗議し、謝罪記事の掲載を要求した。結果、朝
日新聞はその書評の一部に事実誤認があったことを認め、書評の
冒頭10行を削除するとの訂正記事を掲載した。
     ──田中聡著『陰謀論の正体!』/幻冬舎親書347
─────────────────────────────
 この孫崎氏の怒りは理解できます。書評というものは、その本
を読んで自分としてはこう思い、こう考えたと素直に書きべきで
あって、「これは謀略史観でしかない」と切って捨てると、それ
はラベル貼りそのものです。それは「こんな本はまともに読むに
値しない」といっているのと同じであって、あまりにも著者に対
して失礼です。
 これまでEJでは、他の人から見ると陰謀論ととられるテーマ
も多く取り上げてきています。フリーメイソンからはじまって、
ロックフェラーもロスチャイルドも、史実を基にして正しいと思
う事実を伝えてきているつもりです。
 今回のテーマは既に75回を数えていますが、その終結部分に
おいては、一般に陰謀論やトンデモ論と捉えられる言説にも触れ
る必要があると考えています。STAP細胞はなぜ潰されたので
しょうか。その一方でiPS細胞は、なぜノーベル賞を獲得でき
たのでしょうか。謎はたくさんあります。明日のEJからは、そ
ういう話に入っていきます。まだまだ続きます。
             ── [STAP細胞事件/075]

≪画像および関連情報≫
 ●孫崎本の書評騒ぎ/やまもといちろうブログ
  ───────────────────────────
   メルマガでも一部書きましたが、佐々木俊尚さんの孫崎享
  書評で大事なところが一部削除されるという憂き目に遭って
  しまったようで、心中いかばかりかと勝手に思案に暮れてし
  まうのです。(中略)本書においてアメリカの意図によると
  考えられる政界捜査は、昭電疑獄とロッキード事件を取り上
  げておるわけですが、その方面について分かっている人は、
  「孫崎某は馬鹿か。いい加減にしろ」と突っ込みながら読み
  左翼は「やっぱり米帝はけしからん。中国共産党万歳」と思
  い、検察批判をしたい人はもちろんヨイショするだろうし、
  無知な人はへえぇと感じるという全方位に一定の満足度と躍
  動感を感じさせる素晴らしい構成に好感が持てます。アフィ
  貼って読んでもらいたいほどのクオリティではないんですけ
  ど、まあ売れてるようなのでいいんじゃないですか。
   恐らくは孫崎サイドから苦情かクレームかあったのでない
  よう吟味の上で佐々木さんの同意を得て問題部分を削除して
  手打ち、といった流れではないかと想像するわけであります
  が、孫崎さんが左のタモガミと揶揄される所以でもある理由
  なき陰謀史観というのはちょっと極端すぎて頭が痛いです。
  もちろん、佐々木さんも筆が滑ったのか事実誤認というかそ
  こまで本書では踏み込んでねえだろというところもあるので
  ツイッターで孫崎さんが批判した内容もわからんのではない
  のですが・・・。         http://bit.ly/1Lf7Mjq
  ───────────────────────────

田中聡著『陰謀論の正体』.jpg
田中聡著『陰謀論の正体』
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2015年08月21日

●「STAP細胞は誰に潰されたのか」(EJ第4103号)

 ベンジャミン・フルフォードという人がいます。カナダ出身の
ジャーナリストですが、陰謀論の大御所といわれ、その手のこと
を嫌う知識人からはそっぽを向かれています。フルフォード氏が
何をいおうと、聞く耳を持たないのです。
 しかし、それは「ラベル貼り」です。私はそういう人の本も抵
抗なく読みます。「陰謀論の大御所」というようなラベルを貼っ
てしまうと、どうしても先入観を持つので、正しいことをいって
いても色眼鏡で見てしまう傾向があります。
 もちろん、フルフォードの主張のなかには、ついていけないと
ころも多々ありますが、真実に近いこともたくさん主張している
のです。人にラベルを貼ることは、それによって多くの情報を失
い、貼らないことによって、多くの情報を入手できるのです。要
は、情報の真贋を見抜く能力を持っていればいいのです。そうす
れば、フルフォード氏に限らず、陰謀論者といわれる他の人の主
張からも多くの情報を発見できるのです。
 フルフォード氏は、1961年にカナダのオタワで生まれ、日
本には1980年に来日し、上智大学比較文化学科を経て、カナ
ダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業しています。その後
再来日し、ジャーナリストとして活躍します。
 「日本経済新聞」記者、「サウスチャイナ・モーニング・ポス
ト」記者、米経済誌「フォーブス」のアジア太平洋支局長をなど
を歴任するジャーナリストのベテランです。知日家であり、日本
語も堪能なので、日本に帰化し、現在、日本を中心にフリーラン
ス・ジャーナリストとして活躍しています。
 このベンジャミン・フルフォード氏がSTAP細胞に関して次
のように述べています。
─────────────────────────────
 生命科学の第一線で活躍する研究者たちはみな、ある「事実」
に気づいたはずなのだ。再生医療における画期的な発見をした、
2人の日本人研究者。一人は最高の栄誉をもって世界中から絶賛
され、もう一人は石もて追われ、研究者としての地位さえ剥奪さ
れた。露骨すぎるほど明暗くっきりのコントラスト。誰だってい
やが応にも気づくだろう。
 ああ、小保方晴子は「虎の尾」を踏んだのだろう、と。STA
P細胞はある勢力によって「封印」された。これに手を出すと、
生命科学の分野で生きていけなくなると。
 小保方晴子が踏んでしまった尾の正体ははっきりしている。
 ──ビッグファーマ、である。
   ──ベンジャミン・フルフォード著/イースト・プレス刊
   『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』【現代編】
─────────────────────────────
 「ビッグファーマ」とは何でしょうか。
 ビッグファーマとは、文字通り巨大な製薬会社です。2013
年の医薬品売上高ランキングによると、売上高世界5位までの製
薬会社を上げると次の通りです。
─────────────────────────────
 第1位:  ファイザー(米国)  47878(百万ドル)
 第2位:ノバルティス(スイス)  47467
 第3位:   ロシュ(スイス)  42681
 第4位: サノフィ(フランス)  38492
 第5位:    メルク(米国)  37437
                   http://bit.ly/1PAFj68
─────────────────────────────
 ベスト10のなかには、米国の製薬会社が6社入っており、圧
倒的です。統計データの改ざん問題を起こしたノバルティスは、
世界第2位のスイスの大製薬会社です。ちなみに、日本の武田製
薬は第16位、アステラス製薬が第18位、第一三共は20位、
大塚HDは21位です。
 ベンジャミン・フルフォード氏は、現代医療について「健康な
人を医療行為によって正真正銘の病人にして、死ぬまで医療費を
奪い取ることである」といい、その理由について、次のように述
べています。
─────────────────────────────
 いま現在、医療行為を受けている人の九割は、本来、治療など
受ける必要のない「健康な人」という事実をご存知じだろうか。
 九割のうち、七割がたんなる「老化現象」に病名をつけられ患
者にされている。残り二割は、健康診断などでメタボや成人病予
備軍やらと決めつけられて、通院や治療を余儀なくされている中
高年。治療を必要とする純粋な患者は、たった一割しかいないの
だ。そもそも病人とは、激しい痛みなどで日常生活が送れない状
況をいう。逆にいえば、多少あれこれ支障があろうとも、日常生
活が送れる状態は「健康」なのだ。
       ──ベンジャミン・フルフォード著の前掲書より
─────────────────────────────
 フルフォード氏のいっていることは、けっして誇張ではないの
です。現代の医療は心身ともに充実している20代や30代の時
期を基準に「健康」を判断しています。
 血圧はかつては、上は150以下であれば問題はないというこ
とだったのですが、それが140以下に下がり、現在では135
以下までさらに下がっています。そのように基準を下げるたびに
高血圧症と診断される患者の数は激増し、結局製薬会社が儲かる
仕組みになっています。
 病院について考えてみます。病院もビジネスである以上、「病
人」がいないと、潰れてしまいます。そういう医療業界が、本気
で病気を根絶しようと考えるでしょうか。そんなことをすれば、
自分たちの商売は上がったりになります。むしろ、できるだけ多
くの人を病人にし、薬を飲ませ、病気を出来る限り長引かせるこ
とを考えるはずです。STAP細胞なんかが、ヒトに適用可能に
なったら、医療業界は完全に儲からなくなってしまうでしょう。
             ── [STAP細胞事件/076]

≪画像および関連情報≫
 ●武田、ノバ社/製薬業界に広がる誇大広告、不正論文疑惑
  ───────────────────────────
   「週刊ダイヤモンド」/2014年3月29日号は『頼れ
  るクスリ』という特集を組んでいる。「自分や家族を守って
  くれる『頼れるクスリ』はどれなのか。そもそもどんなもの
  があるのか。医者から処方箋をもらう医療用医薬品の最新事
  情を病気別に徹底解剖した。併せて、不正論文への関与や誇
  大広告の疑惑が浮上し、信頼が揺らぐ製薬業界の裏事情に迫
  る。クスリの表と裏をすべてお見せする」という特集だ。
   『Part1 がんに挑む最新薬編』では、生活習慣病市場を食
  べ尽くした製薬業界は、日本人の死因1位であるがん市場で
  熾烈な新薬開発競争を繰り広げているという。現在の主流は
  分子標的薬だ。「分子標的薬は2000年代に本格化した新
  カテゴリーだ。がん細胞が増殖や転移をするのは、異常な遺
  伝子からできた物質が原因にある。分子標的薬はその原因と
  なる物質のみを攻撃するので、正常な細胞へのダメージが少
  なく、副作用の軽減が図られる」のだという。
   『PART2 病気別 注目の最新薬編』では「処方されるクス
  リの詳細な情報はなかなか患者まで届かない。自分や家族が
  悩む病気にどんな最新薬や新薬候補があるのか。どれが頼り
  になるのか──」という視点で、糖尿病や痛風など、病気別
  の最新情報をまとめている。    http://bit.ly/1TXEuVV
  ───────────────────────────

ベンジャミン・フルフォード氏.jpg
ベンジャミン・フルフォード氏
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2015年08月24日

●「健康者を病人にし売上げを上げる」(EJ第4104号)

 ビッグファーマの内幕について書いた本はあまり多くないので
す。先日、丸の内オアゾの丸善本店の3Fに行って探したところ
次の2冊があったのです。両方とも翻訳書ですが、この2冊が代
表的なものであると思います。2005年と2006年に相次い
で上梓されています。
─────────────────────────────
 1.マーシャル・エンジェル著/監訳/栗原千絵子・斉尾武郎
   『ビッグ・ファーマー製薬会社の真実』/篠原出版新社刊
 2.レイ・モイニハン/アラン・カッセルズ著/古川奈々子訳
   『怖くて飲めない!/薬を売るために病気はつくられる』
                   ヴィレッジブックス刊
─────────────────────────────
 この本に関して詳しく述べるつもりはないので、私なりに以下
に要約しておきます。
─────────────────────────────
 ◎『ビッグ・ファーマー製薬会社の真実』
 1.製薬会社の研究費は膨大であるが、本当にそんな研究費が
   必要なのかが疑問視されている。
 2.画期的な新薬はわずかしか開発されず、同一薬効であるが
   化学構造が異なる改良型が多い。
 3.臨床試験の結果データは多くの場合、製薬会社に都合のよ
   いように大きく歪められている。
 4.マーケティングに研究費を超える大金を注ぎ込み、薬を売
   るために病気を創り出している。
 ◎『怖くて飲めない!/薬を売るために病気はつくられる』
 1.世界的なビッグ・ファーマの販売促進戦略では、健康な人
   がターゲットに据えられている。
 2.新しい病気を創り出して健康な人を病人にし、病気の恐怖
   心を煽り患者の数を増加させる。
 3.米国では医師、研究者、患者団体、米食品医薬品局も製薬
   会社から資金援助を受けている。
─────────────────────────────
 『ビッグ・ファーマー製薬会社の真実』の著者のマーシャル・
エンジェル氏は、“New England Journal ofMedicine”の編集長
を勤め,内科医兼病理医である一方、医療政策・医療倫理の専門
家でもあります。
 『怖くて飲めない!/薬を売るために病気はつくられる』の著
者の一人であるモイニハン氏はオーストラリア出身のジャーナリ
ストで、英国医学雑誌(BMJ)、ランセット誌、ニューイングラ
ンド・ジャーナル・オブ・メディシン誌などに記事を書く健康ラ
イターであり、もう一人の著者であるカッセルズ氏は、カナダ出
身で、医薬品問題 に取り組む研究者兼ライターなのです。
 どうでしょうか。これら2冊の本の内容は、ベンジャミン・フ
ルフォード氏の指摘していることと同じであり、陰謀論の大御所
うんぬんは何も関係はないのです。
 臨床データを改ざんし、大学の医学研究者に書かせた論文をエ
ビデンスとして新薬を売るノバルティスの犯罪は、『ビッグ・フ
ァーマー製薬会社の真実』の「3」と「4」に該当し、『怖くて
飲めない!/薬を売るために病気はつくられる』でも、「1」と
「3」が該当します。
 要するに、両方の本に共通しているのは、新しい病気を創り出
して健康な人を病人にし、患者の数を増やして、一生薬を飲ませ
続けるということです。ビッグファーマでは、これが当たり前の
戦略になっているのです。恐ろしい話です。
 その典型的なものが「高血圧症」という病気です。これについ
てベンジャミン・フルフォード氏は次のように述べています。
─────────────────────────────
 年をとると血管が硬くなる。年をとると細胞の数が減るので、
硬化することで血管を守ろうとするのだ。硬くなった血管で全身
に血液をきちんと送るには、いままで以上の血圧が必要となる。
それが高血圧という現象なのである。
 確かに高血圧だと、血管が破裂する脳溢血のリスクが高まる。
だから医師は「患者さんのことを思って」降圧剤を処方する。こ
れがてきめんに効く。服用すれば確実に血圧が下がる。では、そ
れで「健康」になるかといえば、さにあらずだ。全身に血液をき
ちんと送るために血圧を上げていたのに、それを下げてしまえば
全身に血液がじゅうぶん行き渡らなくなる。
 その結果、何が起きるか。
 めまい程度ならいいが、すべての内蔵の調子が悪くなる。血の
めぐりが悪くなるのだから、当然だろう。とくに、酸素とエネル
ギーの二割を消費する脳へのダメージは深刻で、アルツハイマー
病や認知症のおもな原因が、この降圧剤と考えられているのだ。
   ──ベンジャミン・フルフォード著/イースト・プレス刊
   『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』【現代編】
─────────────────────────────
 病人にされるのは高齢者だけではないのです。若い人の「心の
病/ノイローゼ」も薬害によるものが多いとされています。世界
で最も売れているといわれる「精神安定剤」(ジアゼバム)の医
師向けの「添付文書」には次のように記述されています。
─────────────────────────────
 適応症:不安、疲労、うつ状態、激しい感情の動揺、震え、
     幻覚、骨格筋のけいれん
 副作用:不安、疲労、うつ状態、激しい興奮状態、震え、幻
     覚、骨格筋のけいれん
 ──船瀬俊介著『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
             復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
 驚くなかれ!適応症と副作用が同じなのです。不安に効くとい
う名目で使用させ、その副作用でさらに不安にさせ、依存性を高
めるのです。       ── [STAP細胞事件/077]

≪画像および関連情報≫
 ●高血圧の基準はウソだった。混乱を極める「健康の正常値」
  ───────────────────────────
   血圧の基準はかつて「年齢+90」だったものが、あると
  きに「年齢に関係なく160」になり、それが徐々に下げら
  れて、2014年の夏まで130、至適なのは120と異常
  に低い値になった。そして「血圧は低いほどよい。個人差、
  年齢差はない」という。完全に非科学的な概念が、長い間、
  血圧という健康の指標でもっとも大切なものに幅をきかせて
  いた。
   もともと20歳の健康な人でも、血圧が100ぐらいから
  140程度まで幅がある。100の人が正常で、140の人
  が高血圧病ということはなく、それは「個性」だ。背の高さ
  が160センチの人もいれば180センチの人もいるような
  もので、全員が同じ背の高さ、同じ血圧でないと「健康では
  ない」ということではない。
   また年齢が高くなると血圧が上がるが、これは「血管壁が
  硬くなる」からだ。若い頃は、血管の流れは柔軟でもっとも
  血液を送るのに都合が良いようになっているけれど、年齢を
  重ねると血管壁が硬くなり、血液の流れがスムースでは無く
  なる。いっぽう、血流は命の源だから、心臓は少し無理をし
  て血液を送る。それも無理矢理ではなく、「やや血圧を上げ
  よう。あまりあげると血管が破裂するし、あまり血圧を下げ
  ると血が行き渡らないから、このぐらいにしておこう」と考
  えて、(自動的に調整して)血圧を心臓が決めている。
                   http://bit.ly/1E7Iukx
  ───────────────────────────

ベンジャミン・フルフォード氏の本.jpg
ベンジャミン・フルフォード氏の本
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2015年08月25日

●「ロックフェラーの医療支配の歴史」(EJ第4105号)

 世間というものは不合理なものです。そういってはご本人に失
礼であることを承知でいえば、研究科学者としてはまだひよっこ
同然の小保方晴子氏のSTAP論文に対しては大勢の人が寄って
たかって容赦のない批判を浴びせたうえ、理研は研究不正と断定
して論文を抹殺し、小保方氏の研究者としての人生をほぼ奪って
おきなから、ノバルティス社の論文改ざん事件に関しては、ほと
んどの人が意外にも冷静です。どうしてでしょうか。
 ノバルティス社は、3000人以上に及ぶ患者の臨床データを
元社員が恣意的に改ざんし、そのデータを元にして書かれた大学
の学術論文を「ディオバン」の宣伝に使ったのです。これによっ
て論文を作成した5つの大学は、ノバルティス社から莫大な研究
資金を手にし、それを仕掛けたノバルティス社は、ディオバンを
年間1000億円以上、10年で1兆2000億円を超える売り
上げを上げているのです。
 同じ論文不正としては、ノバルティス社の方がはるかに悪質で
す。いうまでもなく、高血圧を下げる降圧剤は、中高年になれば
多くの人が日常的に服用しており、人の命にかかわるからです。
それなのに、なぜ世間はこのように冷静なのでしょうか。
 この差はマスコミの扱いの差なのです。どこから指示されてい
るかはわかりませんが、マスコミは明らかにノバルティス社の論
文不正の報道をできる限り抑制的に行い、世間の注目を引くのを
極力避けています。既に述べているようにマスコミは、たまたま
同時進行していたSTAP論文批判をセンセーショナルに取り扱
うことによって、これを隠れ蓑にしてノバルティス社の論文不正
をニュースレベルの報道に止めたのです。これは見事に成功し、
世間はSTAP論文ほどは騒がなかったのです。
 そしてこういう場合、誰かが、実はこういう勢力がマスコミに
圧力をかけたなどといおうものなら、たちまち「陰謀論」として
ラベルを貼られてしまいます。これもある勢力の仕業なのですが
このようにして「本当の真実」は葬られてしまうのです。
 「STAP論文はビッグファーマによって潰された」──これ
はベンジャミン・フルフォード氏の指摘です。STAP細胞にこ
れ以上手を出すと、生命科学の分野では生きていけなくなるぞと
いう脅しといえます。なぜなら、STAP細胞がビッグファーマ
の利益に反するからです。このことを理解するには、次の2つの
ことについて知る必要があります。
─────────────────────────────
  1.ビッグファーマはなぜどのようにして誕生したか。
  2.STAP細胞とiPS細胞の基本的な違いは何か。
─────────────────────────────
 今回は、「1」について考えます。
 「ビッグファーマ」は一般的には「製薬大手」と訳されますが
これに関して興味あるマンガがあります。「デーヴィッド・アイ
ク公式日本情報ブログ」というブログがあり、そこに出ていたも
のです。添付ファイルにしておきます。
 タイトルには「ビッグファーマの誕生」とあり、3人の男がそ
れぞれ話しています。人物を左からA、B、Cとすると、それぞ
れ次のように話しています。
─────────────────────────────
 A:いい案がある。人口の半分を麻薬漬けにしよう。
 B:もっといい案がある。一人残らず、それに金を支払わせ
   よう。
 C:最高にいい案は、それを医薬品と呼ぶことだ。
   ──「デーヴィッド・アイク公式日本情報ブログ」より
                  http://bit.ly/1Lola1I
─────────────────────────────
 このマンガは、初代のジョン・ロックフェラーの医療事業への
進出を暗に示しています。石油王として巨万の富をなしたジョン
・ロックフェラーは、その財力と政治力を利用して医療分野全般
を支配する大きな野心を抱いたのです。
 そして1901年にロッフェラーは、「ロックフェラー医学研
究所」を設立します。狙いは、石油を利用して薬剤を作り、医療
全般を支配することにあります。薬剤を押さえれば、医療全般を
押さえることができると考えたのです。
 同研究所では、石油合成薬剤を研究の対象とし、それを使う医
療を「最新の科学的な医学」と称して、それを世界の医療のデフ
ァクト・スタンダードにしようとしたのです。誠に恐るべき野心
です。そして1910年に職業としての医療全体を完全に支配し
たのです。
 ロックフェラーは、すべての医学校、あらゆる国の許認可部局
を買収し、医師免許までを支配したといわれています。このロッ
クフェラーによる医療支配について、「るいネット」から、中田
燿平氏の記事を引用します。
─────────────────────────────
 ロックフェラー製薬産業で製造されたロックフェラー薬剤やワ
クチンは、どんな病気に対しても「是とする」選択治療法であっ
て、仮に医者がロックフェラー薬剤やワクチンを第一の選択とし
て用いなかった場合は、その医師は免許証の範囲を外れた行為を
していることであり、ロックフェラーの医療標準を外れ、従って
ロックフェラー医療の医師免許を失う危険を冒すことになる。買
収された政府官僚や裁判官はこれらの原則を強制し、帰するとこ
ろは政府が強制する医学的集団虐殺、ということになる。
        ──るいネットより  http://bit.ly/1EaZ8Qt
─────────────────────────────
 ジョン・ロックフェラーは、1937年に亡くなっていますが
病名はがんだったといわれています。ロックフェラー自身は、医
薬品を一切信用せず、薬は絶対に飲まなかったといいます。そし
て、自ら提唱して育て上げた近代医学の医者たちをいっさい近づ
けなかったというのです。自分では、科学的医療など信用してい
なかったのです。     ── [STAP細胞事件/078]

≪画像および関連情報≫
 ●内海聡氏のフェイスブックより
  ───────────────────────────
   医療利権の源泉は、ロックフェラーやロスチャイルド財閥
  に代表される超巨大資本、特に石油にかかわる。ロックフェ
  ラー財閥は近代医学を根底から支配してきた。これは歴史を
  調べれば明らかなことで陰謀論でも何でもないが、世の人々
  は洗脳されているがゆえに、陰謀論という言葉を使ってしま
  う。大衆を不健康にし、病人を大量につくりだせば、医薬品
  も売れ、病院も莫大利益をあげることができる。
   「彼らの欲望は、単に金銭的な利益を増大させるだけでは
  満足しないが、それでも故意に人々の健康を悪化させて得た
  利益は、今や1兆ドルにもたっしている」と、ユースタスマ
  リンズは訴えるが、毒≠ナあるクスリをテレビCMなどで
  堂々と流し、洗脳≠オ、莫大な利益をあげている。病院は
  馬に食わせるくらいの大量の毒≠処方し、患者に「死ぬ
  まで飲め」と命じる。人々は、唯々諾々とその厳命に従う。
  まるで、家畜である。
   まさに彼ら≠フ究極目的は、人類の家畜化なのである。
  彼ら≠ノとって、もっとも重要なのは、悪質にも健康問題
  を利用して、国際政治上の野望、すなわち最終的に世界中の
  人々を冷酷な『新世界秩序』に服従させることである。世界
  化学トラストの製造した化学物質を使わない(伝統的な)医
  学的療法のすべてを、違法治療として断罪しようと企ててき
  た。               http://bit.ly/1NrWMQ1
  ───────────────────────────
 ●マンガ出典/ http://bit.ly/1Lola1I

「ビッグファーマの誕生」.jpg
「ビッグファーマの誕生」
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2015年08月26日

●「ロックフェラーと野口英世の関係」(EJ第4106号)

 ジョン・ロックフェラーの医療支配によるビッグファーマの誕
生についてもう少し述べることがあります。1910年に、ある
米国人の医学者がレポートを書いたのです。その医学者の名前は
エイブラハム・フレクスナー。論文のタイトルは次の通りです。
─────────────────────────────
       「アメリカとカナダの医学教育」
      ──エイブラハム・フレクスナー編
                 1910年
─────────────────────────────
 この100年以上前に書かれた論文は「フレクスナー・レポー
ト」と名付けられ、これが現代まで続く西洋医療を蝕む元凶とい
われているのです。実はこのレポートは、石油を利用して医療支
配を企んでいたジョン・ロックフェラーが依頼したレポートだっ
たのです。その内容を一言でいうと、「コールタール医療への提
言」ということになります。
 コールタールのようなものを薬として使えるのか疑問を持つ人
は多いと思いますが、欧米では非常に患者数が多い「乾癬(かん
せん)」という皮膚疾患の治療に使えるのです。
 コールタールはともかくとして、多くの薬は、石油の副産物で
あるといえます。農薬とか、化学肥料とか、食品添加物とかは、
すべて石油でできています。現代ではバイオテクノロジーによっ
て錠剤、カプセル、粉薬、塗り薬、注射などすべての化学薬品は
石油から作られています。そういう意味においてロックフェラー
は先見の明があったといえるのです。
 ところで、フレクスナーのコールタール医療に疑問を持った日
本人の医学者がいます。山極勝三郎です。彼はコールタールを長
期間にわたりウサギの耳に塗り付け、その経過を調べたのです。
その結果、コールタールが原因でがんが発生することを発見した
のです。1915年、今からちょうど100年前のことです。
 当時、がんの発生については、ヨハネス・フィビケルという医
学者の「寄生虫原因説」が主流だったのです。山極勝三郎は、そ
の寄生虫原因説を覆し、コールタールががんの原因になることを
自ら実証して見せたのです。
 これに腹を立てたのは、ジョン・ロックフェラーです。コール
タールが発がん物質とわかってしまうと、薬として使えなくなっ
てしまうからです。
 そこでロックフェラーは、政治力を使ってマスコミを押さえ込
み、山極勝三郎の研究を黙殺させ、ノーベル賞の推薦委員会の制
度を悪用して、「寄生虫原因説」のヨハネス・フィビケルにノー
ベル賞を受賞させたのです。1926年のことです。ロックフェ
ラーがその財力と政治力を使えば、このぐらいのことは簡単にで
きたのです。これによって、山極勝三郎の研究は、完全に抹殺さ
れ、しかも現在までこの山極の研究は日本では「医学界最大の汚
点」といわれていたのです。「世界3大不正の1つ」といわれて
いるSTAP細胞事件とよく似ていると思いませんか。
 このように山極勝三郎という日本の研究者を潰す一方で、ロッ
クフェラーは、日本人の医学会のスーパー・スターを誕生させて
います。それが野口英世です。当時ロックフェラー医学研究所の
所長であるサイモン・フレクスナーの推薦で、ロックフェラー医
学研究所で研究に従事することになるのです。なお、サイモンは
コールタール医療のフレクスナーの実兄です。
 野口英世といえば、1000円札にその肖像が載るほどの人物
であり、年配者であれば、子供の頃の読本や教科書で偉人、英雄
と認識している日本が世界に誇る医学者です。しかし、現在では
野口英世の業績には多くの疑問符がつくのです。生物学者の福岡
伸一氏も著書の中で、次のように述べています。
─────────────────────────────
 ロックフェラー大学における評価は、日本のそれとはかなり異
なる。(野口は)梅毒、ポリオ、狂犬病、黄熱病の研究は当時こ
そ賞賛を受けたが、多くの結果は矛盾と混乱に満ちたモノだ。む
しろヘビー・ドリンカー、プレーボーイとして評判だった。数々
の病原体を突き止めたと言うが、今は間違った業績として全く返
り見られていないというのだ。        ──福岡伸一著
         『生命と無生物のあいだ』/講談社現代新書
─────────────────────────────
 要するに、野口の研究のほとんどは捏造だったというのです。
野口英世は、1928年にアフリカのガーナで黄熱病のため客死
するまで、医学界のスーパースターとして、ロックフェラー財団
の進める医療支配のために、とことん利用されたのです。それに
しても野口英世まで論文捏造とは情けない限りです。
 ロックフェラーグループは、現在においても医療分野で大きな
力を持っています。研究論文の発表に使われることの多い『サイ
エンス』誌や『ネイチャー』誌といった欧米系の名門科学誌には
もちろん彼らは強い影響力を持っています。
 これらの科学誌には、「アカデミー」と呼ぶ100人たらずの
査読グループがあるのですが、世間からは隠された存在になって
います。さまざまな角度から論文を審査し、雑誌に載せるに相応
しい論文かどうかをチェックするのです。世間から隠しているの
は巨大企業や権力者からの影響力を排除し、信頼性を担保するた
めといわれていますが、ロックフェラーはこの査読グループを完
全に押さえているといわれます。
 この査読グループを押さえておくと、世界中の重要な研究はす
べてチェックできることになります。したがって、彼らのビジネ
スにとって都合の悪い研究は雑誌には掲載せず、潰してしまうの
です。STAP論文は何回も提出されているので、その内容は早
い段階からわかっていたと思われます。はっきりしていることは
STAP細胞は、彼らにとって都合の悪い存在であるということ
です。それなら、iPS細胞はなぜ許され、、ノーベル賞まで獲
得できたのでしょうか。これについては、明日のEJで考えるこ
とにします。       ── [STAP細胞事件/079]

≪画像および関連情報≫
 ●「STAP細胞疑惑の背景について考える」/近藤正高氏
  ───────────────────────────
   それは1919年の春頃、野口が米ロックフェラー研究所
  にあって黄熱病の病原体について論文を書いていたときのこ
  と。訪米した旧知の医師・畑嘉聞に対し、野口は「研究にお
  いて、自分がまだ出してはいけないと思っていることでも、
  ロックフェラー研究所では、急いで発表してしまうことがあ
  る。現に黄熱病などの発表でも、自分ではまだ満足いってい
  ないのだが、世間ではそれを確定したものとして賞賛してく
  れる。私の心中では忸怩たるところがあるものの、しかしそ
  の賞賛が刺激となって奮い立ち、自分の責任をますます感じ
  るようになる。そして大きな覚悟をもって突き進み、仕事を
  し遂げるということになるのだ」と打ち明けたという。
   研究所内でのプレッシャーをうかがわせる発言だが、それ
  でも自分の研究に責任をもってさらに先へと突き進むという
  のが野口のポリシーであったようだ。べつの本にはまた、野
  口が「正直は最良の策」ということわざを気に入っていたこ
  とが紹介されている(酒井邦嘉『科学者という仕事』)。ア
  メリカの政治家にして科学者でもあったベンジャミン・フラ
  ンクリンが残したものとされるこのことわざのキモは、「正
  直」を美徳ではなく、「策(ポリシー)」ととらえたところ
  にある。すなわち、《元来の性格が正直かどうかは関係なく
  一見、不利に見えそうな「正直」を、より良い戦術としてあ
  えて意図的に選ぶべしということなのだ》(酒井、前掲書)
  その真意を知るにつけ、これほどいま、理研や小保方ら研究
  者たちにふさわしい言葉はないように思うのだが。
                  http://amba.to/1MFF5ei
  ───────────────────────────

ロックフェラー医学研究所での野口英世博士.jpg
ロックフェラー医学研究所での野口英世博士
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2015年08月27日

●「iPS細胞がん化の可能性を探る」(EJ第4107号)

 「STAP論文はビッグファーマに潰された」という前提で話
を進めています。これについて理解すべきことは2つありますが
それを再現します。
─────────────────────────────
  1.ビッグファーマはなぜどのようにして誕生したか。
  2.STAP細胞とiPS細胞の基本的な違いは何か。←
─────────────────────────────
 「1」については説明が既に終わっています。再生医療が発達
すると、薬を売る業界は大きな影響を受けます。それなら、ST
AP細胞はだめで、iPS細胞はなぜいいのかという疑問が出て
きます。これについては、STAP細胞とiPS細胞の基本的な
違いについて、とくにiPS細胞について少し詳しく知る必要が
あります。「2」について考えます。
 iPS細胞とSTAP細胞と特徴と応用について、朝日新聞の
掲載の表からまとめます。
─────────────────────────────
 1. iPS細胞:網膜など再生医療の臨床研究が始まる。
          がん化など安全性に課題がある。患者の
          細胞を使った難病解明や創薬に向く。
 2.STAP細胞:細胞自身に手を加えないので、作製が簡
          単。しくみが解明できれば、究極の再生
          医療などへの道が開く可能性がある。
         ──2014年2月6日付、朝日新聞より
─────────────────────────────
 iPS細胞は、マウスの皮膚の細胞に山中ファクターと呼ぶ4
つの遺伝子を入れて培養し、作製します。山中ファクターとは次
の4つです。
─────────────────────────────
           1. Oct4
           2. Sox2
           3. KIf4
           4.c─Myc
─────────────────────────────
 このうち、4番目の「c─Myc」が発がん性遺伝子であるこ
とはよく知られています。実際に実験において、4つの遺伝子を
入れて作製したiPSを使って作ったキメラマウスのうち、半分
は正常だったものの、20〜40%ぐらいのマウスには甲状腺な
どにがんができていたのです。これは大問題です。
 しかし、この懸念は払拭されています。なぜなら、山中研究室
の研究員の一人が「c─Myc」を使わず、3ファクターだけで
iPS細胞の作成に成功したからです。これは、2007年12
月1日付の読売新聞で次のように報道されています。
─────────────────────────────
 山中教授らは、ウイルスを運び役にして4個の遺伝子を大人の
皮膚細胞に組み込んで、iPS細胞をつくった。しかし、遺伝子
の一つはがん遺伝子で、ウイルスも発がん性と関連しているなど
がん化の問題が最大の課題だった。
 そこで、マウスの皮膚細胞にがん遺伝子(c―Myc)を除い
た3個の遺伝子を組み込み、細胞を選別する時期を遅らせるなど
培養方法を工夫したところ、ごく少量だが、iPS細胞ができる
ことを確かめた。人間の皮膚細胞でも3個の遺伝子でiPS細胞
ができた。
 さらに、がん遺伝子を使わずにつくったマウスのiPS細胞を
普通のマウスの胚(はい)に入れ、細胞が混じり合ったキメラマ
ウスを作製。26匹すべてが生後100日たってもがんを起こさ
ずに生き残った。一方、がん遺伝子を組み込んだiPS細胞でつ
くったキメラマウスは、37匹中6匹が、がんで死んだ。
 山中教授のグループと同時期に人間のiPS細胞をつくった米
ウィスコンシン大のグループも、がん遺伝子を除いた4遺伝子で
成功しているが、使った皮膚細胞は、胎児と新生児のもので、大
人の皮膚細胞を使った山中教授らの方法の方がより臨床応用に近
い。山中教授は「まだウイルスの安全性の問題が残っており、長
期間の追跡実験が必要だ」と話している。
           ──2007年12月1日付、読売新聞
─────────────────────────────
 この実験成果は大きいのです。「c─Myc」のファクターを
使わないとiPS細胞を作製する効率は落ちるものの、3ファク
ターだけでもiPS細胞が作れることが証明されたからです。
 しかし、がん化のリスクは、これで完全になくなったわけでは
ないのです。
 医療ジャーナリストの舩瀬俊介氏は、iPS細胞のがん化のリ
スクは、3つあるというのです。
─────────────────────────────
     1.がん化の危険(1)  c─Myc
     2.がん化の危険(2)レトロウィルス
     3.がん化の危険(3)抑制酵素の破壊
─────────────────────────────
 まず、がん化の危険(1)は、「c─Myc」という遺伝子を
使わないことによってそのリスクはなくなったといえます。とこ
ろで、山中ファクターを細胞に導入するにはどのような操作をす
るのでしょうか。
 それには運び屋としてウイルスを使うのです。これを「ウイル
スベクタ−」といいます。ごく簡単にいうと、ウイルスに遺伝子
組み換えをしたいDNAを組み込んで、このウイルスを遺伝子組
み換えをしたい目的の細胞に感染させるのです。
 素人には少しわかりにくい話ですが、「バーク先生とウイルス
ベクター」(http://bit.ly/1MLiyyl) のサイトの説明がわかり
やすいので、参照してください。がん化の危険の(2)と(3)
は、明日のEJで取り上げることにします。
             ── [STAP細胞事件/080]

≪画像および関連情報≫
 ●もっと知るiPS細胞/Q&A/科学技術振興機構
  ───────────────────────────
  質問:iPS細胞は、なぜがん化する可能性があるのでしょ
  うか?どの程度の確率でがん化するのでしょうか?また、そ
  れを防ぐ方法はあるのでしょうか?
  解答:iPS細胞が腫瘍化するメカニズムは、大きく分けて
  2つの理由が考えられてきました。1つはiPS細胞から目
  的の細胞へ分化させる際に分化が不完全で、未分化なiPS
  細胞が混入することで、テラトーマと呼ばれる奇形腫(良性
  腫瘍)が形成されてしまうリスク。もう一つはiPS細胞を
  作製する過程や培養する過程でゲノムに傷がつくことでiP
  S細胞が腫瘍化してしまう、というリスクです。1つ目につ
  いては、初期化の質を高める研究、目的細胞への分化効率を
  高める研究、未分化細胞を除去する研究などが進んでおり、
  安全性の確保がなされています。2つ目については、作製し
  たiPS細胞ストックのゲノム配列を解析して、ガン化のリ
  スクとして知られている様なゲノム配列の変化が無いかどう
  かの確認を進めています。     http://bit.ly/1EbgoVJ
  ───────────────────────────
 ●図の出典/「バーク先生とウイルスベクター」
             http://bit.ly/1MLiyyl

ウイルスベクターのしくみ.jpg
ウイルスベクターのしくみ
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2015年08月28日

●「iPS細胞はがん抑制酵素を破壊」(EJ第4108号)

 「ウォディントンのスロープ」というものがあります。ここで
ウォディントンというのは、英国の発生学者であり、彼は細胞の
分化のプロセスを山のスロープを転げ落ちるボールに譬えたこと
で、その名前があります。
 2010年2月にスキーリゾートで開催されたキーストン・シ
ンポジュウム──参加された東京大学名誉教授の黒木登志夫氏に
よると、そこでは、ウォディントンのスロープをスキー場に見立
てた図「ウォディントン・リフトモデル」が用意されていたとい
うことです。
 山中ファクターと呼ばれる4つの遺伝子がどのような働きをす
るのか、いまひとつ素人にはわかりにくいと思いますが、スキー
ヤーでもある黒木教授がスキーに譬えて自著で述べておられるの
で、そのウォディントン・リフトモデル(添付ファイル)ご紹介
することにします。図には、山中ファクターが書き込まれている
ので、明らかにiPS細胞を意識して作ったものと思われます。
─────────────────────────────
 スキーヤーとしての経験から言うと、スキー場のスロープを下
から眺めたとき、自分が格好良く滑ってくる姿はイメージできて
も、頂上に向かって「滑り上がる」ことなど想像できない。
 登るためには、スキーの裏に滑り止めのシールを貼るか、ある
いは、リフトを利用するほかない。山中因子は、いわばスキーリ
フトであった。ふもとから、c─Myc、KIf4、Sox2、
Oct4などのリフトを乗り継いで頂上のES小屋にたどり着い
た細胞がiPS細胞なのだ。        ──黒木登志夫著
  『iPS細胞/不可能を可能にした細胞』/中央公論新社刊
─────────────────────────────
 さて、昨日の続きです。iPS細胞の「がん化の危険」を再現
して、話をさらに先に進めます。
─────────────────────────────
     1.がん化の危険(1)  c─Myc
     2.がん化の危険(2)レトロウィルス
     3.がん化の危険(3)抑制酵素の破壊
─────────────────────────────
 がん化の危険(2)について考えます。これについて、田中幹
人編『iPS細胞/ヒトはどこまで再生できるか』(日本実業出
版社)では、著者は次のように書いています。
─────────────────────────────
 ウィルスを利用して遺伝子を体細胞に組み込むとき、「どこに
入るかわからない」という欠点がある。これは遺伝子組み替えの
宿命ともいえる。遺伝子配列を本に例えるなら、狙った位置では
なく、別のページに因子遺伝子が貼り付けられる場合も起こりう
る。すると、「問題を引き起こすかもしれない。こういった仕組
みによって、ガンを抑制している遺伝子が読み取れなくなり、間
接的にガンを引き起こすケースも確認されているのだ」。
             ──田中幹人編/日本実業出版社刊
        『iPS細胞/ヒトはどこまで再生できるか』
 ──船瀬俊介著『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
             復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
 この第2のがん化の危険は、内容がきわめて専門的であり、ど
の程度リスクがあるかわかりませんが、これは遺伝子の組み替え
をやる以上、どうしても付いてくるリスクと考えられます。その
ため、素人にも朗報として受け取れるのは、発がん遺伝子である
c─Mycを使わなくても、iPS細胞を作製できるようになっ
たことです。メディアなども、ことさらそのことを強調している
ように思えます。
 しかし、本当のリスクはがん化の危険(3)にあるのですが、
このリスクに関しては、田中幹人編の前掲書には載っておらず、
他の本にもなぜか載っていないのです。がん化の危険(3)とは
どのようなリスクなのでしょうか。
 このリスクに最も警鐘を鳴らしているのは、高知市の土佐清水
病院院長、丹羽耕三医師です。丹羽氏のこの病院は一風変わって
いて、検査、薬、治療日数など、細部にわたって制限されている
現在の健康保険制度の枠にとらわれず、最善の治療を実現するた
め、すべて自由診療になっています。
 院長の丹羽耕三氏のプロフィールをネット上で探すと、次のよ
うにプロフィールが紹介されています。
─────────────────────────────
 活性酸素とSODの研究を臨床医として世界的にも最も早くか
ら(1970年代から)手掛け、この分野の世界的権威。SOD
などの研究論文を著名な英文国際医学雑誌に続けて発表。国際医
学誌の投稿論文の審査員でもある。また、世界に先駆け、遠赤外
線の効果を水、動物、人体などの全体の変化だけでなく、人体の
細胞レベルでの生理、生化学的変化の研究を行い、国内外の医学
専門誌で発表している。        http://bit.ly/1hC33fm
─────────────────────────────
 このように丹羽耕三医師は、自分が何でもものをいえる立場に
身を置いて警告を発しているのです。この丹羽医師の警告につい
て、既出の船瀬俊介氏は自著で次のように紹介しています。
─────────────────────────────
 人体には細胞増殖を抑制するブレーキ役として「PB」「P5
3」という2種類の酵素が備わっている。いっぽう、iPS細胞
によって再生医療を行うためには、iPS細胞を増殖させる必要
性がある。そのためには、2種の“ブレーキ”が邪魔になる。そ
こで、iPS細胞開発には、必ずこの2つのブレーキの破壊が必
須条件となる。そうすることで、ようやくiPS細胞は増殖し、
再生医療への活用が可能となるのだ。
                ──船瀬俊介著の前掲書より
─────────────────────────────
             ── [STAP細胞事件/081]

≪画像および関連情報≫
 ●iPS細胞、がん化に関わる遺伝子変異、移植手術延期
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   理化学研究所などによるiPS細胞を使った世界初の移植
  治療の臨床研究で、2例目の移植手術を見送っていたことが
  2015年6月16日、分かった。患者から作製したiPS
  細胞に複数の遺伝子変異が見つかるなどしたためだという。
  17日に開く文部科学省の専門家会合に、研究チームを率い
  る理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが出席し、説明す
  る見通しだ。
   この臨床研究は「加齢黄斑変性」と呼ぶ高齢者に多い目の
  難病患者が対象。患者自身の細胞からiPS細胞を作り、さ
  らにシート状の網膜色素上皮細胞に育てたうえで患者の目に
  移植する。事前に細胞の遺伝子を詳しく調べ、がん化などの
  恐れがないと判断し昨年9月に1例目を実施した。手術後は
  視力低下を抑えられ、がんもできていないという。当初の計
  画では6人に移植手術をすることになっていた。
   研究チームは2例目も同様の手法で移植する方針で、昨年
  のうちに患者の細胞からiPS細胞を作り、網膜細胞を育て
  ていた。ただ、iPS細胞の遺伝子を解析したところ、がん
  化に関わるとされる遺伝子変異が複数見つかった。加えて、
  父母からそれぞれ受け継ぐ遺伝情報のペアの片方が欠ける変
  化が一部でみられた。そこで、そのまま網膜細胞の移植手術
  に踏み切るのは問題だとの指摘を受け、実施の見送りを決め
  たという。            http://bit.ly/1EPYcM7
  ───────────────────────────

ウォディントンのリフトモデル.jpg
ウォディントンのリフトモデル
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月31日

●「がん抑制酵素を壊すことのリスク」(EJ第4109号)

 同じ再生医療でもiPS細胞はノーベル賞を取り、STAP細
胞はインチキ研究として葬り去られる──もし、STAP細胞を
潰した勢力をビッグファーマであると仮定した場合、iPS細胞
はなぜ許されるのかについて、追及しています。
 その理由は簡単なことです。iPS細胞を再生医療に使う場合
さまざまな局面で高価な薬を使うことが不可欠であるのに対して
STAP細胞ではそれらはほとんど不要になるからです。もし、
STAP細胞が開発されると、ビッグファーマは大打撃を被るこ
とになります。そうであれば、そういう研究はマウスの研究の段
階で潰しておくのが最も安全ということになります。
 山中ファクターと呼ばれる4つの遺伝子のうち「c─Myc」
(「シー・ミック」と呼称)は、がん遺伝子とされています。通
常は細胞の増殖を制御する働きをしますが、これが強く働くと細
胞をがん化させることになる可能性があります。
 なお、これについては既に述べているように、山中研究室では
c─Mycを使わないでも、iPS細胞を作製することに成功し
ています。メディアはこのことを「iPS細胞を使う再生医療に
おけるがん化のリスクは消滅」というように報道していますが、
それは事実と異なります。がん化のリスクはぜんぜんなくなって
いないからです。
 人体は約60兆個の体細胞から構成されています。これらの体
細胞にはそれぞれ寿命があり、あるレベルまで増殖すると増殖が
ストップし、「終始期」という終末サイクルに入ります。このと
き、さらに増殖しようとする細胞にブレーキをかける次の2種類
の酵素があります。
─────────────────────────────
            1. RB
            2.P53
─────────────────────────────
 これら2つの酵素により、古い細胞は新しい細胞に増殖を引き
継ぐのです。このサイクルを「セルサイクル」といいます。この
細胞の新旧交代を行わせるのが「RB」と「P53」という酵素
なのです。この2つがないと、セルサイクルは正常に回転しない
ことになります。
 これら「RB」と「P53」は、がん抑制酵素と呼ばれ、がん
化しようとする細胞にもブレーキをかけ、がん細胞の増殖を止め
る機能を持っているのです。
 しかし、iPS細胞を増殖させようとすると、「RB」と「P
53」のブレーキ機能が邪魔になります。iPS細胞の増殖を止
めてしまうからです。そのため、iPS細胞を再生医療に使うに
は、あらかじめ、「RB」と「P53」という2つの酵素を壊し
てしまうのです。
 これに関して警鐘を鳴らしているのが既出の丹羽耕三医師なの
ですが、研究者もメディアもこれを黙殺しています。これに関す
る丹羽耕三医師の考え方を舩瀬俊介氏の本から引用します。
─────────────────────────────
 「再生医療のiPS細胞では、ある細胞をどんどん増殖させよ
うとします。つまり(iPS細胞は)一番基本的な『細胞周期』
である『終始期』に入っては、いけないのです」(丹羽医師)
 つまり、iPS再生医療では、大量のiPS細胞組織を必要と
する。しかし、生命には「細胞周期」が備わっている。そのため
に、2つの増殖抑制酵素(ブレーキ)が存在する。したがって、
iPS細胞を作るときには、「RB」「P53」酵素が邪魔にな
る。そこで、iPS細胞を作成する時には、両酵素の働きを「叩
いて完全にストップさせている」と丹羽医師は指摘する。
 なぜなら、iPS細胞を再生医療に用いるためには、細胞増殖
させる必要がある。少なくとも組織レベルにまで成長させなけれ
ばならない。それには、セルサイクル「終始期」に入ったとき、
「RB」「P53」両ブレーキ酵素が邪魔になる。そこでブレー
キを破壊する。これがiPS細胞開発の基本テクニックなのだ。
 丹羽医師は、重大疑惑を投げかける。「このことにiPS細胞
の研究者たちは、一言も触れておりません。この異常増殖を抑え
るRB、P53を叩くと、ガン化になりかけていた細胞が、どん
どん大きくなってガン化します」。      ──船瀬俊介著
        『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
             復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
 ロックフェラーがそうであるように、権力者はメディアをまず
完全に支配します。メディアが沈黙すると、こういう素人にはわ
かりにくい情報は伝わりにくくなります。
 そこで、丹羽耕三医師は、「再生医療」研究グループに対して
2012年のはじめに次の公開質問状を送っています。
─────────────────────────────
 iPS細胞を作成するさい、P53の転写能力が不活性化され
ていない(P53の細胞増殖抑制作用が維持されている)ミトコ
ンドリアなどで、実際、どうやって、P53やRBたんぱくを抑
える操作をしてiPS細胞を増やしておられるか。──丹羽耕三
                ──船瀬俊介著の前掲書より
─────────────────────────────
 研究グループからの回答書は丹羽医師に届いたのですが、内容
は一般論に終始し、要するに何も答えていなかったそうです。丹
羽氏の指摘していることは事実であり、まともに答えることはで
きなかったのです。
 実は約20年前、RB、P53については多くの学者が研究し
ており、論文も多数あるのです。そこでは、これらRB、P53
が体内でいかに必要な酵素であるか、論じられているのです。
 しかるに、iPS細胞が世に出てからというもの、これらの酵
素に関しては、誰も触れようとはしないのです。がん抑制酵素を
壊せば、がんになるリスクは素人でもわかるからです。
             ── [STAP細胞事件/082]

≪画像および関連情報≫
 ●iPS細胞とがん抑制遺伝子との関係/2009年8月
  ───────────────────────────
   P53は,腫瘍の発生を抑える働きのある重要な癌抑制遺
  伝子で「ゲノムの守護神」との異名をもち、本遺伝子の異常
  は,癌細胞において高率に発見されている。2006年に山
  中伸弥教授(京都大学)らは,3〜4つの遺伝子によって、
  体細胞からiPS細胞という人工的な多能性幹細胞(万能細
  胞)を作り出すことに成功した。このiPS細胞の作成の過
  程は「再プログラミング(初期化)」と呼ばれるが、実際に体
  細胞が初期化されiPS細胞になる確率は非常に低い。
   今回の研究成果により、この「再プログラミング」をP5
  3が抑制していたことが明らかになった(図1)。P53の機
  能を低下させたヒトやマウスの細胞を用いると、高率でiP
  S細胞を作製することができた(図2)。さらにP53の機能
  が低下した細胞は,当初山中教授らがiPS細胞の作製に必
  要と発表した4因子のうち2つを加えるだけでiPS細胞に
  なることができた(図2)。初期化を促すことにより、体細胞
  のなかでは、癌抑制遺伝子P53が活性化され、iPS細胞
  形成が強力に抑えられていると考えられた(図1)。iPS細
  胞の作成と発癌との間に何らかの関わりがあることが推測さ
  れる。このように、本研究は未解明な「再プログラミング」
  の仕組みの一端を明らかにし、将来のiPS細胞の臨床応用
  に向けたより安全かつ簡便で効率的なiPS細胞作成法の確
  立に役立つものと考えられる。   http://bit.ly/1Vn3JDD
  ───────────────────────────

iPS細胞とがん抑制遺伝子との関係jpg.jpg
iPS細胞とがん抑制遺伝子との関係
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする