2015年06月01日

●「STAP細胞はいつ実現できたか」(EJ第4045号)

 小保方晴子氏がグローバルCOEプログラムを利用して渡米し
たのは、2008年9月のことです。短期語学留学というかたち
だったのですが、大和雅之氏の手配によって、小保方氏は、ハー
バード大学関連病院のチャールズ・バカンティ医師の下で働くこ
とになるのです。大和氏とバカンティ医師は、かなり親密な関係
にあったからです。この留学は、バカンティ医師の希望によって
延長され、1年6ヶ月に及んだのです。
 このとき、小保方氏は、バカンティ医師より、次のヒントをも
らったのです。
─────────────────────────────
 分化した細胞でも、ストレスで初期化され、万能細胞になる
 可能性がある。     ──チャールズ・バカンティ医師
─────────────────────────────
 小保方氏は、このバカンティ仮説に基づいて同僚の小島宏司医
師と一緒に検証を行い、STAP細胞の原型を作り出すことに成
功したといわれています。
 刺激によって細胞の初期化が起きるのではないかということは
昔からよくいわれていたのです。ニンジンや大根などの植物では
細胞をバラバラにし、特殊な培養液を使って培養すると、初期化
に似た現象が起こり、根や茎、葉など植物の全体の構造を作るカ
ルスと呼ばれる細胞に変化することが知られています。
 動物では、イモリは傷つくなど外部からの刺激(ストレス)を
きっかけに細胞が万能細胞化して再生現象が起きるのです。した
がって、ヒトでもそれができるのではないかということがよくい
われていたのです。バカンティ医師は、成体内には小型の細胞が
極少数存在し、それが休眠状態の万能細胞ではないかという仮説
を唱えていたのです。
 小保方氏らは、さまざまな方法で、細胞に刺激を加える実験を
繰り返し、本当に幹細胞が出現するかどうかを探ったのです。こ
の実験について、ウィキペディアには次の記述があります。
─────────────────────────────
 小保方は(バカンティ医師の)研究室で、組織細胞をガラスの
細管に通して小型細胞を選別する実験を行った。この実験で小型
の幹細胞は取り出せるが、元の組織には幹細胞が観察されないこ
と、繰り返し細管に通すと少しずつ小型の幹細胞が出現すること
などを知った。
 小保方は「小さい細胞を取り出す操作をすると幹細胞が現れる
のに、操作しないと見られない。幹細胞を『取り出している』の
ではなく、操作によってそれが『できている』という考えに至っ
た」と話している。          http://bit.ly/1QeHlrz
─────────────────────────────
 2010年、小保方氏はバカンティ氏の研究室で、今までにな
い方法で、新しい万能細胞を発見できる確信を掴んで帰国したの
です。そして、大和雅之氏による働きかけにより、当時理研のC
DBのチームリーダーとして研究室を有していた若山照彦氏に実
験の協力を求め、同年4月から小保方氏は、若山研究室で実験を
することになります。もちろんこのとき小保方氏は、無給の研究
者として実験を行ったのです。
 ここで若山照彦氏という研究者について知っておく必要があり
ます。若山照彦氏といえば、世界ではじめてクローンマウスを実
現した人物として有名です。
 ドイツの発生学者のデヴォア・ソルター氏は、1984年に理
論的考察により、マウスのクローニングは不可能であるという論
文を書いたのです。しかし、若山氏は、ドリーの羊の誕生から考
えてもマウスでできないはずはないと考えて実験を行い、クロー
ンマウスの実現に成功したのです。これについて、既出の黒木登
志夫氏は、次のように書いています。
─────────────────────────────
 若山は、勤務時間外を利用してクローン・マウスに成功した。
核移植には、精巣のセルトリ細胞、神経細胞、卵丘細胞の3種の
細胞の核を用いたが、成功したのは卵丘細胞だけであった。卵丘
細胞とは、卵子の周りを囲み、卵子を保護し、糖代謝のできない
卵子に代わってエネルギーを補給している細胞である。卵丘細胞
から核を取って、核を抜いた卵子に注入したところ、2〜3%で
仔マウスが生まれ育った。クローン・マウスは、2年6ヶ月生存
した。ドリーの時のように、早死にしたり、テロメアが短縮する
ことはなかった。             ──黒木登志夫著
 『iPS細胞/不可能を可能にした細胞』/中公新書2314
─────────────────────────────
 若山氏について特筆すべきことは、マイクロマニピュレータの
名手であるということです。マイクロマニピュレータというのは
微生物や動植物細胞などに直接接触して処理(核の取り出しや移
植など)を行う装置のことで、若山氏はそれを操る魔法の手の持
ち主という評価があるのです。
 それでは、小保方氏が後にSTAP細胞と呼ばれることになる
新しい万能細胞の実現に成功したのはいつかというと、2011
年11月頃ではないかと思われます。そして、2012年4月に
小保方、若山、バカンティの連名で、ネイチャー誌に論文を投稿
したのですが、この論文は却下されています。
 そして、2012年12月に、竹市CDBセンター長は、小保
方氏をはじめて笹井芳樹氏に会わせるのです。この面接によって
小保方氏はCDBに正式に採用され、2013年に研究ユニット
リーダーに就任するのです。笹井氏によると、ユニットリーダー
は、最も小さい単位の研究リーダーであるということです。この
ときから、笹井芳樹氏は小保方氏のSTAP細胞論文の指導者に
なるのです。
 笹井氏ほどの人であれば、もしSTAP細胞が本当にインチキ
であるとしたら、当然そんなことは見抜いていたでしょうし、論
文の共著者などにはならなかったと思います。
           ――── [STAP細胞事件/018]

≪画像および関連情報≫
 ●クローン技術でマンモスも蘇る?!/若山照彦氏
  ───────────────────────────
  ──先生は、世界的に注目を集める実験をいくつも成功され
  特に「体細胞クローン」の研究では、最先端をいく研究者だ
  と伺っています。クローンというと、96年にイギリスで生
  れた羊の「ドリー」が有名ですが、クローンをつくる技術に
  ついては意外に知られていませんね。
  若山:そうかもしれません。動物のクローンとは、同じ遺伝
  子を持った個体を人工的につくることですが、その方法は2
  種類あります。一つは「受精卵」からつくり出す方法。分裂
  を始めた受精卵の細胞の核を取り出し、あらかじめ核を取り
  除いた別の卵子にその核を移植します。それを仮親の子宮に
  戻して、子どもを生せるのです。
  ──一つの受精卵から同じ遺伝子を持ったクローンをつくれ
  ますから、一卵性の子どもがたくさんできるということです
  ね。畜産の分野では、昔から使われている手法だと聞いてい
  ます。
  若山:その通りです。もう一つは、皮膚や筋肉など成体の体
  細胞を使う方法で、これを「体細胞クローン」と呼びます。
  核を取り除いた卵子に、それらの細胞から取り出した核を移
  植するものです。この方法で誕生したのが「ドリー」です。
                   http://bit.ly/1cn4BGm
  ───────────────────────────

若山照彦氏.jpg
若山 照彦氏
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2015年06月02日

●「STAP論文は本当に捏造なのか」(EJ第4046号)

 現在、おそらく世間一般の小保方晴子氏のイメージは、日本の
ベートーヴェンとして話題になった「佐村河内守風」になってい
ると思います。「上げて落す」マスコミの異様な「小保方バッシ
ング」は、かつての小沢バッシングに通ずるものがあります。そ
こに、何が何でも「潰してやる」という強い意思を感じます。
 しかし、小保方氏は本当にそういう研究者なのでしょうか。
 小保方氏が佐村河内守風のエセ研究者であるならば、そんな小
保方氏に「特別研究員DC1」を与えた日本学術振興会の高名な
先生方も騙されたということになります。それにSTAP細胞論
文がもし捏造であるならば、この論文が世に出るまでに小保方氏
を取り巻いていた錚々たるノーベル賞級の学者や研究者たちは、
そんなことも見抜けないレベルの学者ということになると思うの
です。STAP細胞事件に関する本を何冊も読んでみた結果、私
は小保方氏が捏造をするような人には思えないのです。
 そこで、STAP細胞事件の推移をていねいに伝えている毎日
新聞の須田桃子記者の著作から、バッシングが始まる前の小保方
氏の研究者としての資質の評価や論文(STAP細胞論文だけで
なく、卒論や博士論文を含む)内容の評価などにつき、いくつか
ピックアップしてみることにします。
 早稲田大学大学院で小保方氏を指導した常田聡早稲田大学先進
理工学部教授は次のように述べています。
─────────────────────────────
 卒論のテーマは、バクテリアを分離して培養する手法の開発。
当時の小保方氏は「考え方も行動も非常にユニークで、積極性の
ある学生」で、学会などでは著名な研究者とも臆せず交流する姿
が印象的だったという。
 小保方氏の博士論文で主査を務めたと言い、「非常に優れた博
士論文だった。彼女がまとめたのは研究の一部。もっと他にもい
ろいろな研究成果を残していたので、半ば冗談で、もう一つ博士
論文が書けるんじゃないか、そうしたら医学博士も同時にとれる
のでは、という話をしたことも覚えている」と振り返った。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 常田教授は研究者としての小保方氏を高く評価しています。も
ちろんお祝いの言葉ですから、多少は褒め言葉は入っていると思
いますが、それを割り引いても高い評価であると思います。「彼
女の研究実績からすれば、もう1本博士論文が書ける」という表
現は、研究者としての実績を認めたコメントといえます。
 iPS細胞を使って移植用の血液や臓器の作製に挑む中内啓光
・東京大学教授は、発表前の小保方氏の論文を読んで、次の感想
を述べています。これは専門家の論文評価です。
─────────────────────────────
 「大発見ですよね。早速追試しようと思っているが、追試でき
るとしたら画期的だ。実用面と生物学的な面と、両方の意義があ
る。実用面では今回はマウスの成果だが、ヒトで同じことができ
れば面白い。再生医療で応用できる可能性もある。iPS細胞以
上に初期化され、全能性に近い性質を持つようになったわけだか
ら。生物学的には、ストレスを与えるだけで、こんなに簡単に全
能性に近い性質を得られるとすると、メカニズムはもちろん知り
たいし、なぜこの程度のストレスで?という疑問もわく。塩酸を
手にかけるのと同じことですからね」。「驚きの成果ですか」。
「そうですね。iPS細胞と同じくらい、いや、それ以上のショ
ックだ」。 ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 確かに小保方氏以外の第3者がSTAP細胞の再現に成功して
いないというのは大きなネックです。しかし、この手の実験の再
現成功率は低いのです。発見者自身も何度も失敗を繰り返して、
少しずつ成功率を高めているのです。
 しかし、唯一STAP細胞の再現に成功した人がいるのです。
それは共同研究者の若山照彦氏です。STAP細胞に疑惑が出た
直後に須田記者は、甲府の山梨大学に若山教授を訪ねて、インタ
ビューしています。そのとき、STAP細胞の再現についても聞
いています。
─────────────────────────────
 ネイチャーの記事にあった通り、CDBを去る前の2013年
春、小保方氏から直接、作製方法を習ったときはSTAP細胞が
できたが、山梨大学では成功していないという。「酸性処理が難
しい。全滅するか、ほとんど死なないかのどちらかになってしま
う」。国内外で追試の成功例がなく、STAP細胞の存在そのも
のを疑う声もあることに触れると、若山氏の表情は意外にも少し
明るくなった。「今のような状況は予想していたし、それが研究
の世界の楽しいところというか、後になれば楽しい記憶になると
思う。(中略)iPS細胞は例外だが、すべての新しい発見は、
その後1年くらい誰も再現できなくて騒がれるのが当たり前。理
研も簡単だと言い過ぎたが、今できないと騒いでいるのは、技術
力というものを甘くみている連中だと思う。小保方さんが5年か
けてたどりついた成果に2〜3週間で追いつけるわけがない」。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 この時点で若山氏は、その先行きのことを何も心配していない
ようです。そういうことはよくあることであり、時間が解決する
といっているのです。しかし、今回はそうなっていないのです。
それに、論文撤回を最初にいい出したのはこの若山氏なのです。
 もっとも「小保方氏本人も再現実験に成功していないじゃない
か」という人も多いです。しかし、再現実験は非常にデリケート
な作業なのです。まして、指導者として尊敬していた笹井芳樹氏
が自殺し、小保方バッシングが強まるなか、わずか数ヶ月で再現
に成功しないからといって、それが論文内容の全面否定にはなら
ないと思うのです。  ――── [STAP細胞事件/019]

≪画像および関連情報≫
 ●「若山照彦問題を忘れるな」/山崎行太郎氏ブログより
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  筆者にはどうしても、笹井芳樹氏が自身の生命を断ち、小保
  方晴子氏が自身の研究生命を失いかねないような、余りにも
  明白な捏造行為を意図的に行ったのだとはとても考えられな
  いのだ。即ち、STAP細胞とES細胞をスリ替えて意図的
  な捏造を行ったのは、断じて小保方晴子氏本人ではなく、故
  笹井芳樹氏にも恐らく責任など無い。2人共にそんな馬鹿げ
  た捏造を行う理由など何処にも無かったからである。つまり
  この悪意のスリ替えと意図的な捏造を行った張本人は別に居
  て、2人はその悪意の罠に嵌められたものとも考えられるの
  だ。実はSTAP細胞研究者中に唯一人だけ、極めて積極的
  にSTAP実験検証情報をNHK等マスコミに提供し、故笹
  井芳樹・小保方晴子両氏を徹底して追い詰めることに協力し
  てきた人物が居る。山梨大学の若山照彦教授である。彼こそ
  が、自身の功を焦ってSTAP細胞とES細胞を自分の研究
  室内で秘かにスリ替え、STAP幹細胞の作成とキメラマウ
  スの発生に成功した、と馬鹿なウソをついたか、或いは、何
  らかの意図か嫉妬心で小保方氏らを罠に嵌め、STAP研究
  の一切を台無しにしてしまったその張本人なのではないか?
  (彼の研究室でなら、それが可能な条件全部が揃ってた事を
  誰もが完全に見落としてないか?)。これは若山氏に対する
  単なる誹謗中傷ではなく、氏の小保方氏に対するマスコミを
  使った攻撃が余りにも執拗に、一方的に繰り返されている事
  への、妥当な反論として為されるべき議論である。
                   http://bit.ly/1FfF0Xi
  ───────────────────────────

常田聡早稲田大学先進理工学部教授.jpg
常田 聡早稲田大学先進理工学部教授
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2015年06月03日

●「小保方晴子は優秀な研究者である」(EJ第4047号)

 iPS細胞については、ノーベル賞を受賞したこともあって、
多くの書籍が出版されており、iPS細胞がどのようにして生ま
れたかについて知ることは容易です。
 しかし、STAP細胞については、何しろ発表後1ヶ月も経た
ないうちに疑惑が出てきたので、STAP細胞についてその発見
経緯を詳細を伝える書籍は出版されるはずもなく、むしろSTA
P細胞に対する疑惑や、その実験にかかわった人物の批判本ばか
りが出版されている始末です。
 それにしても、なぜ発表から1ヶ月も経たないうちに論文の内
容の疑惑が出てきたのでしょうか。それは、発表と同時に論文の
ミスを徹底的にチェックした人物、いや組織があったとしか考え
られないのです。それはSTAP細胞論文だけでなく、小保方氏
の博士論文にまで及び、その結果、画像のミスや他の文献からの
コピペにいたるまで、細かく指摘されているのです。
 学術論文にはこうしたミスはつきもので、それがあったとして
も何ら不思議ではないのですが、STAP細胞論文の場合、まる
であら探しをするようにそれをやった人物ないし組織があるので
す。あたかも、STAP細胞が世の中に認知されると困る組織が
あり、最初から「潰し」にかかっているとしか思えないのです。
これについては、改めて取り上げます。
 「STAP細胞はどのようにして生まれたのか」──これに応
えてくれるのが、須田桃子氏の著作の次の章です。
─────────────────────────────
   須田桃子著『捏造の科学者/STAP細胞事件』
    第4章 STAP研究の原点 P98〜118
                    文藝春秋刊
─────────────────────────────
 ここには、STAP細胞が生まれるまでの経緯がわかりやすく
かつ要領よくまとめられています。これを読むと、小保方氏がど
のようにしてSTAP細胞にたどりついたかがわかります。知ら
れざる話がたくさん載っているのです。
 須田桃子氏の本のこの部分の記述で分かったことがあります。
それは、小保方氏の留学の延長を強く希望したのは指導教授であ
るのチャールズ・バカンティ氏であり、留学延長に伴う全費用を
ハーバード大学側が負担したという事実です。
 そのきっかけは、小保方氏が教授から指示された仕事のプレゼ
ンを見事に果たしたことです。その仕事とは、骨髄を使う再生医
学などの最新の論文をまとめ、研究室内のミーティングで発表す
るというものでしたが、小保方氏は「1週間で200本以上」の
論文を読み込み、見事なプレゼンを行ったのです。
 バカンティ氏は小保方氏の仕事ぶりに惚れ込み、彼が2001
年に弟のマーティンと一緒に発表した「胞子様細胞」の論文の研
究に小保方氏を使うようになったのです。須田氏の本には、これ
について次の記述があります。
─────────────────────────────
 「ぜひ彼女の滞在を延長してほしい。彼女は素晴らしい研究者
になりつつあるので、共同研究を続けたい」。論文発表直後に記
者会見した常田聡教授によると、バカンティ氏から電話で打診さ
れたのは、小保方氏が渡米して数ヶ月経った頃だった。当初半年
の予定だった留学は2009年8月末まで延長された。それも後
半の5ヶ月分の費用はすべてハーバード大学側が提供するという
「破格の待遇」(常田氏)だった。小島氏によると、バカンティ
氏は自らブリガム病院の事務に電話で交渉し、小保方氏の雇用や
ビザを手配。博士号もない学生を雇用するのは無理だと説明する
事務のスタッフに、バカンティ氏はただ「分かっている。だが私
は彼女が必要なんだ」と言って電話を切ったという。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 これからの小保方氏の仕事ぶりはすさまじいものがあったので
す。彼女は休日も含めほとんどの時間を研究室で実験に取り組み
空いた時間には、再生医学の授業や一流研究者のセミナーに参加
するなどの充実した日々を過ごしていたといいます。
 細胞にいかにして刺激を与えるか──小保方氏は、極細のガラ
ス管にマウスのさまざまな組織の破片を通して小さな細胞を分離
する実験に取り組んでいたのです。そこで小保方氏は、ある興味
ある現象を発見したのです。須田氏はこれについて次のように書
いています。
─────────────────────────────
 面白いことに、(ガラス管を通す)操作を行うとその細胞は出
てくるのに、操作しないとみられませんでした。操作をすればす
るほど細胞は増えてきたので、アイソレーション(分離)ではな
く、(新たに)できてきているのではないかと考えました。しか
も、脳や皮膚、筋肉、軟骨、骨髄など、マウスのあらゆる体細胞
を試しても、似たような細胞が採取できたのだという。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 極細のガラス管にマウスの組織の破片を通すと、小さな細胞に
分離するのですが、それらの細胞を培養すると、培養中に塊がで
きるものがあることに小保方氏は気が付いたのです。その塊を調
べると、万能細胞に特有の遺伝子の一つであるOct4が活発に
働いている塊があることがわかったのです。
 Oct4は、幹細胞で作られるので、これが出るいうことは、
幹細胞ができたことを意味するのです。それができたことがわか
るように、緑色に見えるよう緑色の蛍光たんぱく質を組み込んで
おくのです。このようにして、小保方氏はSTAP細胞に一歩一
歩近づいて行ったのです。バカンティ氏のいう胞子様細胞はバカ
ンティ氏のいうように、体内にあるのではなく、刺激によって作
られるものであることを小保方氏は発見したのです。これがST
AP細胞の原型です。 ――── [STAP細胞事件/020]

≪画像および関連情報≫
 ●バカンティによる「胞子様細胞」の論文
  ───────────────────────────
  論文では、既知の胞子様細胞には、ヒトを含む成体の特定の
  種類の幹細胞があり、これらは非常に小さく、非常に多能で
  その他の生物の細胞が分裂、成長、死亡するのに対して休眠
  した「胞子様」状態のままで留まっていると主張。更に休眠
  状態にも関わらず、この細胞は成長、分裂、そして他の細胞
  種に分化する能力を維持していると考えていた。2001年
  の論文は説明や証明が不十分で、研究は懐疑的に見られてお
  り、2011年に発表された多能性を検証した論文について
  も撤回すべき程の画像の修正や科学的な疑義が生じている。
  胞子様細胞は2001年にバカンティらによって初めて記述
  された。これらの大きさは極めて小さく(5マイクロメート
  ル未満)、休眠しているように見え、実質的に全ての体組織
  の柔組織全体にわたって分散している。休眠しているため、
  極めて低酸素の環境や極端な温度といったその他の厳しい環
  境でも生き残ると期待されている。(バカンティは、胞子様
  細胞が−86度Cで凍結させた後に解凍したり、85度Cで
  30分以上加熱しても生き抜くとしている。これらの独特な
  細胞が傷害や病気によって活性化されるまで休眠しており、
  病気あるいは損傷で失われた組織を再生する能力を有するこ
  とを、バカンティは信じていると論文に書いた。
           ウィキペディア http://bit.ly/1Fgw3gd
  ───────────────────────────

須田桃子氏の本.jpg
須田 桃子氏の本
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2015年06月04日

●「若山研究室に協力を依頼した理由」(EJ第4048号)

 ここで、STAP細胞はどのようにして作るかについて述べる
必要があります。STAP細胞のどこが捏造なのかを知るために
必要だからです。須田桃子氏の本を参照にして、なるべくわかり
やすく述べることにします。
 使うのは、生後一週間の赤ちゃんマウスです。このマウスに、
Oct4が働くと緑色の蛍光を発するように遺伝子操作をするの
です。Oct4は山中ファクターの一つでもあります。
 そのマウスの脾臓のリンパ球を取り出します。ここで「リンパ
球」が白血球の一種であることを覚えておいてください。それが
後で重要な意味を持ってくるからです。
 このリンパ球を30分ほど弱酸性の溶液に浸して刺激を与える
のです。小保方氏は、最初は極細のガラス管に何度も細胞を通し
たり、細胞膜に穴を開けるという物理的刺激を細胞に与えていた
のですが、試行錯誤のすえに弱酸性の溶液に浸すという比較的簡
単な方法を発見したのです。その方が成功の確率が高いのです。
 そして培養を続けると、多くの細胞は酸の刺激で死んでしまう
のですが、2日後から生き残った細胞のなかに緑色に光る細胞が
現れ始めるのです。その細胞は元のリンパ球の半分程度に小さく
なり、お互いにくっつきながら、7日ぐらい経過すると、数10
個から数1000個の塊をつくるようになります。
 弱酸性の刺激に耐えて生き残る細胞は約25%、そのうち、緑
色に光るのは約30%、つまり、最初の細胞全体の7〜9%の細
胞でOct4が働くようになるというのです。
 ここからの作業は、緑色に光る細胞が果して万能性を獲得する
かの確認です。試験管のなかで環境を整えて培養すると、神経や
筋肉、腸管上皮などさまざまな組織の細胞に分化するのが確認で
きたといいます。
 これを生きたマウスに移植すると、さまざまな組織の細胞の混
ざった良性の腫瘍ができることを確認しています。この腫瘍のこ
とを「テラトーマ」といいます。注目すべきことは、テラトーマ
を作る実験では50例中、がん化するものは1例もなく、がん化
が心配されるiPS細胞との違いを強調しています。
 さらに決定的な証拠にするため、細胞をマウスの受精卵に注入
し、それを仮親マウスの子宮に戻すと、STAP細胞由来の細胞
が全身に散らばったマウスが生まれるのです。これを「キメラマ
ウス」と呼びます。これができたということは、STAP細胞に
多能性があることの決定的な証明になります。
 このキメラマウスを作る実験で注目されたことは、胎児に栄養
を送る胎盤や卵黄膜といった組織にも、STAP細胞由来の細胞
が混じっていることが確認できたことです。ES細胞やiPS細
胞は胎盤には変化しないからです。
 以上の一連の実験プロセスは、添付ファイルを参照してくださ
い。須田桃子氏の本に掲載されている図です。
 STAP細胞事件のかぎを握るのは、若山照彦山梨大学生命環
境学部教授であるといえます。STAP細胞論文の主要なデータ
は小保方氏がCDB内の若山研究室にいた間に出揃っており、キ
メラマウスができたのも若山研究室であったからです。つまり、
STAP細胞が実現し、その存在が確認でき、証明されたのが若
山研究室であるといっても過言ではないからです。
 不可解なのはその中心人物である若山教授がSTAP細胞論文
の撤回を最初に呼び掛けたのです。2014年3月のことです。
中心人物が論文に疑惑を持ったのですから、小保方氏は、非常に
不利な立場に追い込まれたのです。
 それでは、小保方氏はどのようにして若山教授と会い、一緒に
STAP細胞の実験をするようになったのでしょうか。
 小保方氏が若山教授に会ったのは、大和雅之東京女子医大教授
と小保方氏の指導者である常田聡早稲田大学教授、それとバカン
ティ研究室の同僚である小島宏司医師の4人で、神戸市のCDB
で若山教授に会ったのです。2010年7月のことです。
 「STAP細胞由来のキメラマウスを作ってほしい」──これ
が小保方氏の願いだったのです。自分では、実験でOct4の働
きが出たり、出なかったりの繰り返しで、確信が持てなかったの
です。そこで、この分野では世界一の若山教授に実験してもらえ
れば、もしできなくてもあきらめがつくと考えたのです。
 若山教授は快諾してくれたのです。実験について、いろいろ打
ち合わせたときの小保方の印象を次のように述べています。
─────────────────────────────
  博士課程3年にしては、知識があり、相当勉強している
                   ──若山照彦教授
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 それからというもの、小保方氏は、東京の東京女子医大の大和
研究室でSTAP細胞を作ると、新幹線に乗ってそれを神戸市の
CDB内の若山研究室に運び、若山氏がその細胞でキメラマウス
づくりに挑戦するという日々が続いたのです。しかし、なかなか
キメラマウスは成功しなかったのです。
 結局、東京と神戸間を往復する実験は無理があるとして、小保
方氏が若山研究室に客員研究員として参加することになったので
す。ところが2011年春に博士号を取得した小保方氏は、4月
からはバカンティ氏の要請により、ハードード大学にポスドクと
して籍を置きながら、ボストンと神戸を往復しながら実験を続け
たのです。このさいの渡航費や神戸で滞在するホテル代などの費
用は、全額ハーバード大学のブリガム病院から支出されていたと
いいます。バカンティ氏の執念をそこに感じます。
 若山教授もキメラマウスを作るのにいろいろ努力したのです。
受精卵に細胞を入れるさいも若山氏しかできない高等テクニック
を使ったり、いろいろ工夫を重ねたのです。2011年11月に
は今までとは違う方法で挑戦してみたところ、それは見事に成功
したのです。     ――── [STAP細胞事件/021]

≪画像および関連情報≫
 ●後味の悪い幕引き/STAP細胞事件
  ───────────────────────────
  @「理研はなんと、小保方氏がES細胞を盗んだと言い始め
  た!」。2015年2月10日、理研は小保方氏がES細胞
  を盗んだ疑いがあると発表しました。そして、小保方氏の弁
  護士は反論していません。非常に後味の悪い記者会見です。
  小保方氏の上司・笹井氏の自殺(?)の後の、理研の対応は
  小保方氏一人にすべての罪をなすりつけて、自分たちは責任
  を逃れようという卑怯なものです、到底、許されません!理
  研がこのような発表をすると、STAP細胞というのはウソ
  で、小保方氏がつくったとされるSTAP細胞試料に彼女が
  密かにES細胞を混入させて、それをSTAP細胞とごまか
  したとわれら国民は理解します。一方、理研も国民がそのよ
  うに受け取ることを期待しているように感じられます。それ
  に対して、小保方氏が反論しないと、理研の言い分を小保方
  氏が認めたことになります。ちょっと信じられません。この
  ような流れは・・・。理研はどこまで国民をなめているので
  しょうか。
  AES細胞研究の世界的権威であった笹井氏が、小保方氏の
  つくったSTAP細胞がES細胞だったと間違えるはずがな
  い!」。上記、理研のシナリオに従えば、小保方氏のつくっ
  STAP細胞は実は盗んだES細胞であり、それをES細胞
  研究の世界的権威である笹井氏がウソを見抜けず、小保方氏
  にだまされたということになります。
                   http://bit.ly/1PYfAIP
  ───────────────────────────
 ●図の出典/毎日新聞科学環境部/須田桃子著前掲書より

STAP細胞の作製と実験.jpg
STAP細胞の作製と実験
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2015年06月05日

●「STAP細胞は3つに分けられる」(EJ第4049号)

 CDB時代の若山照彦グループリーダーは、STAP細胞には
相当強い関心を持っていて、小保方氏に協力し、いろいろな実験
をやっています。あるとき、若山氏は、STAP細胞を受精卵に
入れるやり方を変更し、なるべく細胞に負担をかけないように入
れて、仮親マウスの子宮に移植してみたのです。
 それから20日後に仮親マウスの子宮を帝王切開してみると、
全身が緑の蛍光を発する複数の胎児ができていたのです。緑に光
るのは、それが注入したSTAP細胞由来のものであることを示
しており、STAP細胞が万能性を持つものであることを示す証
明になります。
 横で涙を浮かべて喜ぶ小保方氏に「おめでとう」と祝福しなが
らも、それまでの自分のやった工程を振りかえり、何か間違えた
のではないかとていねいにチェックしたのです。そのうえで、同
じ実験をもう一度繰り返したのです。彼は2回連続で成功しない
限り成功だとは思わないのです。ところが、次の実験も成功だっ
たのです。これで少なくとも工程にミスはなく、成功は間違いな
いものになったのです。
 続いて、若山研究室はSTAP細胞の幹細胞化に取り組んでい
ます。それはSTAP細胞には万能性はあるのですが、ES細胞
やiPS細胞のように自己増殖能がないのです。これは小保方氏
が若山研究室に来たときからてから取り組んでいたのですが、ど
うしてもできなかったのです。
 若山氏によると、キメラ実験をやるときに残った細胞でやって
みたところ、簡単にできたというのです。具体的にいうと、ES
細胞の培養に適した培地を使ってSTAP細胞を培養したところ
STAP細胞幹細胞ができたのです。さらにこの細胞を使ったキ
メラマウスも生まれ、これでSTAP細胞はES細胞やiPS細
胞と同等の万能性を持つことが確かめられたのです。
 さらにES細胞やiPS細胞ではできないこともSTAP細胞
ではできることを若山研究室では確かめています。それは、ST
AP細胞が胎児だけでなく、胎盤にも分化するという発見です。
これは大変なことなのです。若山研究室の関係者は、そのときの
ことを次のように述べています。
─────────────────────────────
 小保方さんが持ってきた試料を見ると、確かに胎盤が光ってい
るので皆「おおっ」と驚きました。でも、胎児の血液が流れ込ん
で光っている可能性もあるので、ちゃんと胎盤の切片を作って分
析すべきだ、と数人が指摘しました。そうしたら彼女が後から、
「Oct4─GFPがポジティブ(陽性)でした」と報告してき
たのです。       ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 現在では「STAP細胞はなく、その正体はES細胞である」
ということになっていますが、もし上記の若山研究室の関係者の
話が本当であるとすると、ES細胞やiPS細胞では胎盤には分
化しないので、STAP細胞はES細胞ではなく、やはりSTA
P細胞は存在したということになるのです。
 この若山研究室の実験でもわかるように、STAP細胞には次
の3種類があります。
─────────────────────────────
  1. STAP細胞
     ・万能細胞であるが、自己増殖能はない
  2.STAP幹細胞
     ・万能細胞であり、かつ自己増殖性あり
  3.  FI幹細胞
     ・2に加え胎児と胎盤の両方に分化する
─────────────────────────────
 若山研究室は、ES細胞やiPS細胞以外の3つの万能細胞の
存在を確かめています。
 「1」は、動物の分化した細胞に弱酸性溶液に浸すなどの外的
刺激(ストレス)を与えて、再び分化する能力を獲得させたとさ
れる細胞がSTAP細胞です。この細胞をもたらす現象のことを
STAP現象といいます。
 「2」はSTAP細胞に増殖能を持たせたもので、これでES
細胞やiPS細胞と肩を並べたことになります。これをSTAP
幹細胞といいます。
 問題なのは「3」の「FI幹細胞」です。もし、STAP細胞
が胎児だけでなく、胎盤にもなれるとすれば、いわゆるES細胞
やiPS細胞などの多能性細胞を超える「全能性細胞」であるか
もしれないからです。
 もし、それが人間でも作成でき、それが全能性を持つとすると
それを子宮に移植することにより、人間そのものができてしまう
ことになるからです。これは、当然倫理上の問題が出てくること
になります。
 このFI細胞のことはあまり表面には出てきていないのですが
須田桃子氏の本には次の記述があるのです。
─────────────────────────────
 2O12年5月ごろ、若山氏は、STAP細胞とは別種の幹細
胞を樹立することにも成功した。胎児と胎盤の両方に分化する能
力を残したまま自己増殖能を併せ持つ「FI幹細胞」だ。若山氏
によれば、研究室内で小保方氏らと議論している中で、「胎盤に
も分化する幹細胞を作ったらより研究の価値が高まるのではない
か」という意見が出たことが樹立のきっかけとなったという。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 小保方氏は若山研究室でここまでの実験を行い、成功している
のです。論文に必要なデータは、若山研究室でほぼすべて揃った
ことになるのです。小保方氏にとって、そのグループリーダーの
若山照彦氏がSTAP細胞の否定に最初に立ち上がるとは思って
もみなかったと思います。―── [STAP細胞事件/022]

≪画像および関連情報≫
 ●STAP問題を考える/STAP/FI/TS???
  ───────────────────────────
  2014年6月3日、登録されたFI幹細胞のデータを理化
  学研究所の遠藤高帆氏が解析した結果、論文で用いられたマ
  ウスの系統(FI)ではない系統(B6、CD1)の混入が
  認められ、それらは多能性幹細胞であるES細胞と栄養膜幹
  細胞であるTS細胞が混ざり合ったものである可能性が高い
  との報道がなされた。FI幹細胞はSTAP細胞を特殊培養
  液下で培養して得られたものであり、そのデータを取る実験
  には複数の者が関わっている。従って、仮に実験試料の混入
  があったとしても、どの段階で混入が起こったかというのは
  明確でない。また、ES細胞とTS細胞が均質に混ざり合っ
  た一つの塊をつくるのは、経験上困難ということを、共著者
  の丹羽氏が4月7日の会見にて証言している。加えて、FI
  幹細胞を用いてキメラマウスの作製が行われているが、FI
  系統マウス由来の細胞を用いた場合のマウス毛の色と、B6
  系統由来のES細胞と、CD1系統由来のTS細胞が混ざり
  合ったものから出来るマウスの毛の色は異なることから、万
  が一、FI幹細胞の全てがそのような混ざりものだとしたな
  らば、生まれてきたキメラマウスの毛の色を見た段階で若山
  氏が気づくはずである。      http://bit.ly/1GToO3e
  ───────────────────────────
 ●図の出典/STAP問題を考える http://bit.ly/1GToO3e

STAP細胞関連実験の流れ.jpg
STAP細胞関連実験の流れ
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2015年06月08日

●「STAP論文はどう構築されたか」(EJ第4050号)

 2012年4月下旬のことですが、若山研究室は倫理委員会に
「ヒトSTAP細胞作製の実験計画」を提出したのです。若山照
彦氏は、同年3月末をもって山梨大学生命環境学部教授に転出し
たのですが、若山研究室は残っており、研究室自体が転出したの
は、その1年後のことです。
 そのとき、小保方氏も一緒に委員会に出席し、それまでのマウ
スでの成果について発表したのです。CDBの幹部がSTAP細
胞のことを知ったのは、このときがはじめてです。
 この委員会に出席していた竹市雅俊CDBセンター長と、西川
伸一副センター長はそのときの印象を次のように述べています。
─────────────────────────────
 ◎竹市雅俊CDBセンター長
  すごく衝撃的な発見だと思ったことは事実だが、キメラマウ
  スを作ったという決定的な証拠があり、一瞬で信用した。疑
  わなかった。
 ◎西川伸一CDB副センター長
  疑ったことは一度もない。データを見れば明らかだ。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 2012年10月、CDBはPI(研究室主宰者)の公募をは
じめたのです。そのとき、公募人事に関する非公式の幹部会議で
小保方氏の名前が上がり、西川副センター長を介して小保方氏に
応募の打診があったといいます。理研として異例のことです。
 同年12月21日、人事委員会によって小保方氏の面接が行わ
れ、小保方氏はこれまでの研究成果をふまえて今後の実験計画を
発表しています。このとき、笹井芳樹氏は竹市センター長の命を
受けて小保方氏の面接に立ち会っています。笹井氏はこのとき小
保方氏とはじめて会ったのです。
 面接の結果、竹市センター長は野依良治理事長に対し、小保方
晴子氏を研究ユニットリーダーとして推薦し承認されるのです。
このとき、応募者47人中、小保方氏を含む5人が採用されてい
ます。2012年12月21日のことです。
 正式にCDBに採用された小保方氏は、彼女の実験棟が完成す
るまで、笹井研究室に所属し、小保方氏の論文作成の助言役とし
て、笹井氏と丹羽仁史プロジェクトリーダーがサポートすること
になったのです。そして2013年3月、笹井氏は、CDB副セ
ンター長に就任するのです。
 小保方氏にとって、2012年は3回も論文のリジェクトを受
けており、論文作成に自信を失いつつあったのです。そこに強力
な2人の助っ人がついたのです。この時点で、STAP細胞プロ
ジェクトは、山中教授のiPS細胞に対抗するCDBの重要なプ
ロジェクトになり、国際特許出願を2013年4月に控えていた
ので、論文作成の時間はきわめて限られていたのです。
 小保方氏の論文をはじめて読んだ笹井氏は、そのあまりの稚拙
さに言葉を失ったといいます。「まるで火星人の論文だ」と笹井
氏は関係者に伝えたそうです。つまり、小保方氏は自分の実験結
果を論文としてまとめる力が弱かったのです。日本語ならともか
く、英語でまとめるのですから、なおさらのことです。
 このことは私も体験しています。私はあるIT企業の新人教育
を担当していますが、いまどきの大学生の日本語文章力にはやは
り稚拙さを感じます。彼らは誰からも文章力の指導を受けていな
いからです。企業に入社としても多くの場合、その上司自体の文
章力にも難があり、とても指導できるレベルではないのです。
 自分の母国語でコンセプトをきちんとまとめられないものを英
語でまとめることは困難です。しかし、笹井氏といえば、科学論
文づくりの達人としてその名を知られており、STAP論文を全
面的に書き直すつもりで取り組んだのです。
 このときの笹井氏のことを須田桃子氏は、自著で次のように書
いています。
─────────────────────────────
 ネイチャーに再投稿する主論文(アーティクル)のたたき台は
わずか一週間後の12月28日に完成。さらにレターと呼ばれる
2本目の論文の執筆も着々と進められた。ある関係者は、「論文
執筆過程で、笹井氏の思い入れは増幅していった」と指摘する。
 2013年2月1日、笹井氏は関係者へのメールで、小保方氏
が弱酸性溶液に浸して刺激を与えたリンパ球の変化を顕微鏡下で
録画する「ライブイメージング」を実施したことを報告。万能性
に特有の遺伝子が活性化し、細胞が緑に光り始め、やがて塊を作
っていく様を動画で目の当たりにした笹井氏はメールに「驚くほ
ど高頻度に(変化する細胞が)出現し、感動的でした」と記した
という。「彼がメールで『感動的』なんて言ったのは初めてだ」
(関係者)。──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 論文の分担は次のように決められ、それぞれ毎日遅くまで論文
作りに没頭したのです。
─────────────────────────────
   1.主論文/アーティクル
     ・小保方晴子、チャールズ・バカンティ
     ・共著者/小島宏司、大和雅之、丹羽仁史
   2.2本目の論文/レター
     ・小保方晴子、若山照彦、笹井芳樹
     ・共著者/丹羽仁史
─────────────────────────────
 論文は、2013年3月10日にネイチャー誌に再投稿された
のです。「STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)」という
言葉は、このときはじめて使われています。そして同年4月24
日に国際特許を出願しています。
 論文が晴れてネイチャー誌に掲載されたのは、2014年1月
30日のことです。   ―── [STAP細胞事件/023]

≪画像および関連情報≫
 ●STAP論文に山中教授/「なぜあのような論文が・・」
  ───────────────────────────
  山中教授がSTAP細胞問題に言及したのは理研の検証実験
  の終了後、初めて。STAP細胞問題について「原因は当事
  者でないと分からない。なぜ、あのような論文が発表されて
  しまったのか不思議で、本当に理解できない」と語った。山
  中教授は平成18年にiPS細胞の作製を発表した際、自身
  の実験結果を「疑ってかかった」と話す。実験担当者に何度
  も確認し、別の研究者に再現してもらったという。「それで
  ようやく、再現性は間違いないだろうと発表した」と述べ、
  常識を覆すような研究は特に慎重な確認が求められるとの認
  識を示した。またSTAP細胞問題などを受け、所長を務め
  る京大iPS細胞研究所で研究不正を防ぐ新たな取り組みを
  始めたことを明らかにした。実験ノートを提出しない場合は
  研究不正と見なすほか論文が科学誌に受理された段階で、図
  表の生データを知財部で管理・点検するようにしたという。
  山中教授は「(指導する)個人に任せるのではなく、組織と
  して(不正を)未然に防ぐ体制を敷いていくしかない。理想
  論では無理だ」と話した。(黒田悠希)
                   http://bit.ly/1FYOsSa
  ───────────────────────────

2人のSTAP論文作成の助っ人.jpg
2人のSTAP論文作成の助っ人
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2015年06月09日

●「掲載承認まで9ヶ月を要した論文」(EJ第4051号)

 STAP論文は、2013年3月10日にネイチャー誌に送付
されましたが、ネイチャー誌から「採択する」という返事がきた
のは、2013年12月のことです。それまで、厳しいコメント
や追加データの要求があり、それをクリアするための膨大な実験
を積み重ね、何回もの論文の改定をしているのです。
 そのもう2つ分の論文が書けるほどの実験を小保方氏は、笹井
氏や丹羽氏と相談しながらこなしているのです。それらの実験は
小保方氏の実験室だけでなく、笹井研究室も使って行われていま
す。それにはCDBならではの研究環境が大いに役立ったと笹井
氏は述懐しています。
 実験で一番大変だったのは、次の2つのポイントをクリアする
ことです。この2つは、丹羽仁史プロジェクトリーダーから、小
保方氏に出された指示だったのです。
─────────────────────────────
 1.既に体内に存在していた幹細胞ではなく、新しく初期化
   された幹細胞であることを証明する。
 2.STAP現象が実験の手違いや他の現象の見間違えでな
   いというだめ押し的証明を行うこと。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 この実験について、笹井芳樹氏は、須田桃子氏に対して次のよ
うなメールを送っています。あくまでもメインは小保方氏のアイ
デアなのですが、この時点でSTAP論文は、小保方氏の論文と
いうよりも、笹井研究室の論文になっていたといえます。
─────────────────────────────
 これ(上記1と2)を、若山研以外の研究環境も最大限生かし
ながら、後半は私のラボでも実験しながら、2013年3月に全
く新たに生まれ変わった論文に仕上げた訳です。これは、1年前
の論文の書き換えではなく、全く一から書き直しました。しかも
前回と違い、今回は二報分(二本分)のネイチャーの論文として
です。これでも不採択から一年弱ですから、これまた小保方さん
の研究集中力の凄まじさが判ると思います。もちろん、これは、
CDBならではの研究環境が助けになったとは思います。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 この記述を見ると、STAP論文ができるまでにはネイチャー
誌からの追加データの要求やそれに基づく論文の改訂作業が何回
もあったのです。
 追加データを提供するには、そのための実験を行わなければな
らず、それらの実験は小保方氏の実験室だけではなく、笹井研究
室でも行われています。STAP細胞の研究は、小保方、笹井、
丹羽の3氏による共同研究のようになっていたのです。
 もし、理化学研究所の結論である「STAP細胞の正体はES
細胞である」が正しいとすると、小保方氏はES細胞の権威であ
る笹井氏や幹細胞の権威である丹羽氏の目を盗んで、ES細胞を
盗み出し、2人の専門家の目を欺いたことになります。
 しかも、ES細胞はどの研究者でも自由に使えるようになって
いたのではなく、責任者によって厳重に管理されていたのです。
そんなものをCDBの研究ユニットリーダーになったとはいえ、
新参者の小保方氏が簡単に盗み出せるはずがないのです。
 百歩譲って、ES細胞のコンタミ(混入)があったとしても、
ES細胞に詳しい笹井氏が気が付かないはずがないのです。なに
しろ、彼は実験に基づいてネイチャー誌に提供する追加データを
検証していたのですから、コンタミに気が付かないはずがないし
笹井氏自身も「コンタミはない」と明言しているのです。それに
丹羽氏も「STAP細胞=ES細胞」説を否定しています。
 ところで、小保方氏が早稲田大学から博士号を取得したのは、
2011年の春のことです。それ以来、ハーバード大学にポスド
クとして籍を置きながら、CDBの若山研究室の客員研究員とし
て、神戸とボストンを往復しながら、ひたすら後にSTAP細胞
と呼ばれる細胞の研究に取り組み、2012年には3本の論文を
有名科学雑誌に投稿しているのです。したがって、博士論文を含
め、論文の内容は一貫して同じ研究なのです。
 小保方氏が2012年に投稿した科学誌は次の通りです。なお
共著者は、チャールズ・バカンティ医師と弟のマーティン・バカ
ンティ医師、若山照彦教授、大和雅之教授、バカンティ研究室の
小島宏司医師などです。
─────────────────────────────
    2012年4月 ・・・ ネイチャー誌/却下
    2012年6月 ・・・    セル誌/却下
    2012年7月 ・・・ サイエンス誌/却下
─────────────────────────────
 科学誌が論文を掲載するかしないかの判断は、雑誌社が指定す
る査読者のコメントによって影響を受けます。論文の投稿者は査
読者を自分では選べませんが、査読して欲しくない人を編集部に
伝えることはできるのです。面白い決まりであると思います。小
保方氏が外してほしい査読者として上げたのは、次の2人です。
─────────────────────────────
    ◎小保方晴子氏が指定した外してほしい査読者
     1.        山中伸弥京都大学教授
     2.ルドルフ・イェーニッシュ米MIT教授
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 これを見ると、小保方氏が山中伸弥教授のiPS細胞にいかに
対抗心を持っていたかがわかります。査読者のコメントは、論文
作りの稚拙さを指摘しているもののほか、最初からその種の細胞
の存在に懐疑的な立場に立ってのコメントが多く、論文に対する
否定的な意見が多かったのです。これでは却下されるのは当然の
ことです。       ―── [STAP細胞事件/024]

≪画像および関連情報≫
 ●STAP論文の査読コメントについて
  ───────────────────────────
  なぜ研究不正が起きたのか、その範囲はどこまでに及ぶのか
  が焦点になっていますが、別の段階の問題として、なぜその
  ような論文がネイチャー誌に掲載されたのか、ということも
  あります。このことについて、ある2通のメールがリークさ
  れました。2012年にサイエンス誌が、STAP論文をリ
  ジェクト(掲載拒否)したときの査読コメント、そして20
  13年にネイチャー誌がリバイズ(修正)を要求したときの
  査読コメントです。そもそもネイチャー誌やサイエンス誌に
  限らず、学術雑誌に論文が掲載されるときには、近い分野を
  専門にする第三者の研究者が論文を精読し、論旨に不備がな
  いかなどをチェックすることがほとんどです。これを「ピア
  ・レビュー(査読)」と呼び、査読する研究者はレビュアー
  またはレフリーと呼ばれています。雑誌の編集部は査読を参
  考にして論文を掲載するか、リジェクトするか、あるいは論
  文著者に修正を依頼するかを判断します。このような過程が
  あることで、掲載される論文の品質を一定以上に保つことが
  できると言われています。あらかじめ断っておきますが、修
  正の要求やリジェクトは一般的に行われていることで、修正
  要求やリジェクトされたものはすべて捏造である、というわ
  けではありません(漫画家や小説家が編集部からいろいろ要
  求されるようなものに近い)。問題なのは、指摘された部分
  のほとんどが修正されず(しかも研究不正を指摘したものも
  あるにも関わらず)、最終的にネイチャー誌に掲載されてし
  まったことです。         http://bit.ly/1Gsn2Ym
  ───────────────────────────

ネイチャー誌掲載のSTAP論文の一部.jpg
ネイチャー誌掲載のSTAP論文の一部
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2015年06月10日

●「iPSを意識した最初の記者会見」(EJ第4052号)

 小保方晴子、笹井芳樹、丹羽仁史の3氏の手になるSTAP論
文が再構築され、ネイチャー誌に投稿、実際に同誌に掲載される
までの流れを示しておきます。
─────────────────────────────
 ◎2013年3月10日
  ・STAP論文をネイチャー誌に対し投稿
 ◎2013年3月13日
  ・米国特許庁へSTAP細胞の仮出願
 ◎2013年4月24日
  ・米国特許庁へ国際出願
 ◎2013年4月〜11月
  ・ネイチャー誌からの追加データ要請などによる論文改訂
 ◎2013年12月
  ・ネイチャー誌より「論文アクセプト」の連絡
 ◎2014年1月28日
  ・小保方、笹井、若山3氏によるSTAP細胞の記者会見
 ◎2014年1月30日
  ・STAP論文ネイチャー誌に掲載される
─────────────────────────────
 論文などを掲載する科学誌は、投稿された論文をその内容に詳
しい専門家を査読者として選定し、その査読コメントを参考に、
論文の掲載に関して次の3つのいずれかの決定を行います。
─────────────────────────────
          1.掲載を決定する
          2.掲載を拒否する
          3.修正を要求する
─────────────────────────────
 STAP論文は「3」の決定がなされ、追加データの要求やそ
れに伴う論文の改訂を何回も積み重ねて掲載決定にいたっていま
す。それだけに理研としては論文内容に自信を持っており、その
証拠に直ちに米国特許庁へ国際出願を行っているのです。国際出
願をするには、単にその手続きをするだけでなく、発明項目への
いくつかの追加項目の記載が必要になるのです。須田桃子氏の本
には、次の記述があります。
─────────────────────────────
 特許業務法人津国の小合宗一弁理士によると、国際出願の際に
は、STAP幹細胞を作製する方法や、STAP細胞が胎盤にも
分化する性質などが、発明項目の中に追加された。また、細胞に
与える刺激の具体的な内容は、機械的刺激や超音波刺激、化学的
暴露、酸素欠乏、放射線、極端な温度、粉砕、浸透圧低下・・・
など多岐にわたった。  ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 この記述で注目されるのは、細胞に刺激を与える方法は弱酸性
の溶液につけるだけでなく、他のさまざまな方法が加えられてい
ることです。STAP細胞再現の可能性を高めるための要請であ
ると思われます。
 1月28日の理研CDBの記者会見は、華やかなものであり、
その発表内容は、世界中を驚愕させたといっても過言ではないと
思います。まして発表者の中心人物が小保方晴子氏という妙齢の
女性研究者であったことや、脇を固める2人の研究者がES細胞
の権威である笹井芳樹氏、クローンマウスの作成者として名高い
若山照彦氏というベストメンバーであったからです。
 しかし、その発表内容は、多分にノーベル賞を受賞した山中伸
弥教授のiPS細胞を強く意識するものになったといってよいと
思います。そこで強調されたことは次の3つです。
─────────────────────────────
   1.iPS細胞よりも簡単に作成可能であること
   2.リンパ球に刺激を加えて作るので簡単である
   3.iPS細胞のようにがん化の恐れがないこと
─────────────────────────────
 これらはいずれもiPS細胞との違いが意識されたものである
ことは確かです。しかし、この会見で「簡単に」が強調されるこ
とで、CDBはさらに追い込まれることになります。疑惑解明の
ための再現実験をせざるを得なくなり、それがなかなか成功しな
かったからです。
 2014年1月30日付の毎日新聞のトップ記事は、次の見出
しになっており、iPS細胞を意識したものになったのです。
─────────────────────────────
 ◎万能細胞 初の作製
   簡単 がん化せず/マウスで「STAP細胞」命名
         ──2014年1月30日付の毎日新聞より
─────────────────────────────
 さらに記者会見では、添付ファイルの資料が配付され、笹井氏
より説明があったのです。ここでは、はっきりとiPS細胞とS
TAP細胞が比較さされています。
 左端の鎖でがんじがらめに縛られた人間は、分化した体細胞を
表しています。STAP細胞の場合はその鎖が細胞外刺激によっ
て簡単に解かれ、後は走って(簡単に)赤ちゃんに戻るさまが描
かれています。
 これに対しiPS細胞では、人間は鎖がついたまま牛によって
引きずられ、強制的なリプログラミングによって、赤ちゃんに戻
されるイラストが描かれています。
 iPS細胞の部分の「2w─3w」は、作製にかかる時間のこ
とで、2週間から3週間かかり、作製効率は0・1%であること
を示しています。それがSTAP細胞の場合は「2d─3d」で
2〜3日で作製され、作製効率も生き残った細胞の30%と非常
に高いということを訴える図になっています。どうみても露骨に
STAP細胞の優位性を強調しているペーパーです。
            ―── [STAP細胞事件/025]

≪画像および関連情報≫
 ●小保方晴子が愛するSTAP細胞/エッセイ42
  ───────────────────────────
  私は、国内外の大学や研究所で基礎生物学関連の研究をやっ
  てきました。小保方晴子さんの研究分野と正確には重なりま
  せんが、同じような細胞を扱ってきました。このエッセイ評
  論で、小保方さんの研究を吟味します。研究者は聖人ではあ
  りません。普通の人間です。研究所内部のいろいろな人間模
  様が、研究に大きな影響を与えます。オボちゃんのファンの
  心理も解析します。部外者がSTAP細胞の真偽に迫りたけ
  れば、小保方ユニットで仕事をしていた研究者を、割り出す
  ことです。そうやって、小保方さんは一人で独善的に研究を
  進めていた、という理研(理化学研究所)幹部の弁明を崩す
  ことができます。さらに、かん口令が敷かれていると思われ
  る、研究者の口を開かせることができるならば、メディアで
  指摘された問題のほとんどが、解明されてしまいます。小保
  方さんは、STAP細胞の理論的背景を、イモリの尾の再生
  に求めています。私は、変化する環境に適応するための生物
  の進化能力を、理論的背景としたい。この理論的背景を適用
  すると、STAP細胞にはとても大きな可能性のあることが
  分かります。同時に、研究を進める場合、克服するのが困難
  な問題が潜んでいることを、予想できます。小保方さんは、
  このワナにはまった可能性があります。
                   http://bit.ly/1QDKZLT
  ───────────────────────────

iPS細胞とSTAP細胞の違い.jpg
iPS細胞とSTAP細胞の違い
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2015年06月11日

●「科学論文のミスを指摘するチーム」(EJ第4053号)

 STAP細胞を発表した記者会見が2014年1月28日、S
TAP論文がネイチャー誌に掲載されたのが1月30日のことで
す。それからわずか2週間後に、ネット上にはSTAP論文への
さまざまな批判が噴出したのです。
 STAP論文の発表者が妙齢の女性研究者だったことから、マ
スコミがそのままにしておくはずがないのです。報道番組からワ
イドショー、新聞各紙から週刊誌まで、開催中のソチオリンピッ
クの報道もそこそこに、約10日間ほどの異常な「小保方フィー
バー」が盛り上がったのです。
 STAP論文についての最初の批判は、胎盤写真に流用の疑い
があるというものです。何からの流用なのかというと、小保方氏
が早稲田大学に提出した博士論文の写真からの使い回しであると
いうのです。
 素朴な疑問ですが、その批判者はこの短い期間で小保方氏の博
士論文を手に入れ、STAP論文と比較して同じ画像と判断した
ことになります。それなら、その批判者は小保方氏の博士論文の
画像をどのようにして入手したのでしょうか。あまりにも手際が
良すぎるし、まるで論文のあら探しを専門にしている人たちのよ
うに思えます。
 なぜなら、彼らはSTAP論文が公表されるのを待っていたか
のように論文を批判し、それを潰すのが目的で、そういう調査を
やっているからです。彼らは自分の趣味でやっているのでしょう
か。それとも誰かに命令されてやっているのでしょうか。
 批判者はこういっているのです。博士論文に掲載した画像と同
じものをネイチャー誌にも掲載するのは「違う実験内容なのだか
ら捏造そのもの」であると。確かに小保方氏の博士論文のタイト
ルは「三胚葉由来組織に共通した万能性体細胞の探索」となって
いますが、小保方氏は博士論文提出以前から、一貫して後にST
AP細胞と呼ばれる細胞の探索を続けてきており、基本的には同
じ実験なのです。後に笹井芳樹氏は、2014年4月16日の記
者会見において、この問題について既出の小畑峰太郎氏と次のや
り取りをしています。
─────────────────────────────
著者:今回、不正と指摘された、全身と胎盤が光るマウスの写真
   は、STAP細胞の万能性を決定付ける重要な写真である
   にもかかわらず、その重要な写真は、小保方氏の博士論文
   と同じ写真だった。博士論文と同じ写真が使われているこ
   とが発覚したときに、「些細な間違い」と石井調査委員長
   に報告したのはなぜか?
笹井:私は、「些細な間違い」という表現はしていない。写真の
   問題については、2月18日、まず電話で小保方さんから
   聞いた。博士論文に載せたものを、「ネイチャー」論文に
   投稿することが不正であるか、もしくは写真のデータ自体
   が間違っているかの2点の問題がある。確認したところ、
   博士論文は早稲田大学の内部的なもので、雑誌の投稿に使
   うことは問題ないとなり、不正流用ではないことが確認で
   きたので、2月20日に石井(俊輔)委員長に報告した。
   若山研究室時代の写真もあった。   ──小畑峰太郎著
      『STAP細胞に群がった悪いヤツら』/新潮社刊
─────────────────────────────
 実は、研究者の論文でのデータや画像の使い回しは日常茶飯事
なのです。上記の笹井氏の回答のなかにある理研の石井委員長が
過去に発表した論文にも不正の事実が確認されたのです。
 石井俊輔・理研上席研究員が2008年に責任著者として発表
した論文において、画像データの順番を入れ替える誤りがあり、
2004年に発表された別の論文でも、画像の切り張りや使い回
しがあったとネットで暴露されたのです。
 さらに石井委員長以外の調査委員3人についても過去の論文に
不正があるということがネットで指摘されています。これらの不
正は調査の結果、取るに足らないものであり、シロは実証された
ものの、石井委員長は疑念を抱かせた責任を取って、調査委員長
を辞任しています。
 論文は本来自由なものです。何を書いてもいいのです。しかし
科学の世界で認められるには、ネイチャー誌やサイエンス誌やセ
ル誌などの欧米の名門雑誌に掲載されることが条件になっていま
す。一体どこの誰が、どのような組織が、そのようなルールを決
めたのでしょうか。
 それらの名門科学誌は、論文を審査するための査読者のグルー
プを持っています。聞くところによると、それは100人ぐらい
の委員から成るといわれています。このグループは世間からは隠
され、完全なブラックボックスになっているといわれています。
なぜ隠されているのかというと、信頼性を担保するためです。そ
してそれは、きっとノーベル賞を決める組織にもつながっている
ものと思われます。
 仮にそういう組織を支配下に収めている組織があったとすると
そこには世界中の「夢の未来技術」になるかもしれない科学論文
が集まってきます。そのなかには彼らにとって都合の悪い発明や
発見もあるはずです。そういうときは、その論文は容赦なく潰し
てしまうのです。このテーマの冒頭で取り上げた「常温核融合」
の技術もSTAP論文と同じようにして潰されています。
 STAP論文の場合、2014年1月30日に採択されるまで
小保方氏を中心とする関係者は、何回もネイチャー誌をはじめと
する有名科学誌に論文を投稿し、却下されています。
 したがってSTAP論文の全データはそれらの科学誌の査読グ
ループの手元にあります。しかもSTAP論文の場合、彼らは追
加データを要求し、種々の実験をさせ、その結果を論文に反映さ
せています。したがって、論文内容やデータや画像のミスなどを
チェックをすることなど簡単なことです。このようにして、彼ら
に都合の悪い論文はいつでも抹殺することができるのです。
            ―── [STAP細胞事件/026]

≪画像および関連情報≫
 ●「査読」とは何か/ウィキペディア
  ───────────────────────────
   査読の厳しさは、雑誌によって大きく異なる。サイエンス
  やネイチャーのような一流雑誌は、発表に対して非常に厳し
  い基準を設けており、科学的に高い質を持っていても、該当
  分野で「画期的な進歩」を感じさせないような仕事では掲載
  拒否されてしまう。一方、アストロフィジカルジャーナルな
  どでは、査読は明白な間違いや、不十分なところを除外する
  ためにだけ使用される。このような審査基準の違いは投稿の
  発表される割合に反映されており、ネイチャーが受け取った
  論文の5〜10%程度しか掲載しないのに対して、アストロ
  フィジカルジャーナルは実に70%を発表する。この発表割
  合の違いは、雑誌の厚さにもまた反映されている。また、審
  査は、学問分野によっても多少厳しさが異なる。例えば物理
  学者などには、論文の価値は市場原理に委ねられるべきだと
  考える人も多く、実際に後述するプレプリントサーバーなど
  そのようなシステムが確立している。そのような文化の中で
  も査読は出版されるのに十分な高い基準をもたらしている。
  完全な間違いは見つけられ、著者は訂正や提案を受け入れて
  いる。同じ学会が発行する雑誌同士であっても、審査の厳し
  さが異なる場合がある。例えば同じ日本物理学会の日本語会
  誌(日本物理学会誌)では査読が保証されないが、英文誌の
  JPSJでは査読が保証される。  http://bit.ly/1S0m1sq
  ───────────────────────────

調査委員長を辞任した石井委員長.jpg
調査委員長を辞任した石井委員長
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2015年06月12日

●「一番身近な人による大きな裏切り」(EJ第4054号)

 STAP細胞の実験の途中の画像を撮ることはけっして簡単な
ことではないのです。研究者は実験そのものには熟達しているも
のの写真家ではないので、撮影には何回も失敗します。しかし、
それらの失敗画像も破棄しないで、PCのフォルダに保存してお
くことになります。貴重なデータだからです。
 しかも、同じ実験を何回も繰り返すので、そのつど同じような
画像がフォルダに増えていくことになります。そのなかには綺麗
に撮れたものと、そうでないものもたくさん出てきます。その場
合、研究者としては論文などに載せる画像はどうしても綺麗に撮
れた画像を選んでしまうものです。
 多数の似たような画像が多いので、論文などに添付するさいに
画像を取り違えることはよくあることです。STAP細胞関連の
書籍などを見ると、小保方氏はあまり管理が得意な人ではないと
思われるので、画像を間違って論文に添付してしまうことは十分
考えられることです。しかし、そうした画像の取り違えが、論文
の内容に大きく影響するものではないといえます。現に小保方氏
は指摘後正しい画像をネイチャー誌に送付しているのです。
 それにしても、なぜこのように最初から疑ってかかるのでしょ
うか。STAP細胞の場合、もしそれが本当に実現できれば、人
類に大きな利益をもたらす発見であるだけに、もう少し寛容的に
対応すべきではなかったかと考えます。
 これに関して、STAP細胞の推進者の一人であり、大和雅之
氏を通じて小保方氏の研究を支えた岡野光夫氏は、次のように述
べています。このコメントは、3月上旬に毎日新聞の須田桃子記
者が、日本再生医療学会で岡野氏を取材したときのものです。
─────────────────────────────
 論文のお作法″が多少悪かったとしても、皆でよってたかっ
て非難するのはどうかと思う。STAP細胞を小保方さんが作っ
たというところとか、研究の意義とか本質的なところに目がいっ
ていない。STAP細胞がヒトでできたら、どれだけの患者を救
えるか。今、小俣方さんは実験も満足にできない状況。画像問題
ばかりつついてそういう状況にした人たちこそ、あとで非難され
るかもしれないですよ。           ──岡野光夫氏
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 STAP論文に対する疑惑が、画像の切り張りや、小保方氏の
博士論文のコピペ問題などにとどまっているうちは、理研として
は大して心配していなかったのです。こういうことは論文発表の
さいによくあることだからです。
 2013年3月までCDB副センター長を務めており、現在は
JT生命研究館の顧問の西川伸一氏は、そのときのCDBの状況
について、次のようにコメントをしています。須田記者がメール
で問い合わせたときのメールでの返信です。
─────────────────────────────
 ちょうど論文を読んでいたところです。画像の方はよく分かり
ませんが、共著者の丹羽仁史CDBプロジェクトリーダー、若山
照彦山梨大学教授がついているので心配ないでしょう。
                      ──西川伸一氏
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 後で述べるように、丹羽仁史CDBプロジェクトリーダーは小
保方氏をそれなりにサポートしているのですが、STAP細胞の
実験に最初の段階から密接にかかわり、小保方氏の後盾であり、
西川伸一元CDB副センター長が「彼がついていれば」といわし
めた若山照彦山梨大学教授が突然叛旗を翻したのです。
 2014年3月10日、若山照彦教授は「STAP論文撤回」
を呼び掛けたのです。そのニュースはNHKのトップニュースで
伝えられたのです。須田記者の所属する毎日新聞をはじめ、各社
はこのニュースに騒然となったのです。突然のことであり、何も
情報が入っていなかったからです。
 ところで、なぜNHKのスクープなのでしょうか。
 それは若山氏がNHKに最初に「論文撤回」の呼びかけをした
ことを話したからです。若山氏は、論文取り下げの提案をチャー
ルズ・バカンティ米ハーバード大学教授らをのぞく国内の日本人
共著者全員にメールで送っているのです。おそらく、NHKから
そのニュースが伝わることで、日本中がそのことを早く知り、大
きな効果があると考えたものと思われます。
 以後NHKは、STAP細胞事件のニュースの核心部分を握り
続けるのです。STAP細胞実験の核心部分の詳細は、ほぼ共同
研究者といえる若山照彦氏がついているので、どこよりも詳細な
情報を伝えられるからです。NHKは以後「ニュース7」を中心
にSTAP細胞事件をきわめて熱心に流し続けるとともに、次の
特別番組も放送しているのです。
─────────────────────────────
 ◎2014年3月16日/30分
  「サイエンスZERO/
  緊急スペシャル!STAP細胞徹底解説」
 ◎2014年4月10日/26分
  「STAP細胞はあるのか/検証/小保方会見」
 ◎2014年7月27日/50分
  「NHKスペシャル/調査報告/STAP細胞不正の深層」
─────────────────────────────
 効果は絶大だったのです。NHKは上記の番組を次々と放送し
理研CDBおよび笹井芳樹氏と小保方氏を徹底的に追い詰めたの
です。とくにNHKの記者は上記「NHKスペシャル」の取材で
小保方氏を執拗に追い回し、転倒させ、全治2週間のケガまで負
わせています。ここまでくると「現代の魔女狩り」そのもの。本
来なら、放送中止となるべきなのにNHKは平然とそれを放送し
たのです。       ―── [STAP細胞事件/027]

≪画像および関連情報≫
 ●トイレまで追いかけたNHK記者/2014年8月1日
  ───────────────────────────
  ニュースとなった出来事で関係者に話を聞き、物事の真相に
  迫ろうとするのは取材の定石だ。しかし、STAP細胞問題
  に切り込んだ番組で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニッ
  トリーダー(30)に“突撃取材”を試みたNHKの取材は
  結果として小保方氏が負傷し、映像もお蔵入りとなる後味の
  悪い結果となった。小保方氏の代理人は、取材を避けるため
  に小保方氏が逃げ込んだ女子トイレまで取材班が追いかける
  などの行為があったとして「『まるで犯罪者扱いだ』と(小
  保方氏が)強い精神的ショックを受けている」と猛抗議。N
  HK側は即座に謝罪に追い込まれた。ただ、番組自体は放送
  された。この番組に対しても、代理人は「見るに堪えない偏
  向番組」と手厳しく、刑事告訴も辞さない姿勢だ。小保方氏
  の代理人を務める三木秀夫弁護士によると、小保方氏がNH
  Kから突然の取材を受けたのは7月23日の夜だった。神戸
  ・ポートアイランドにある理研発生・再生科学総合研究セン
  ターで進められている検証実験の準備を終え、小保方氏が退
  勤したのが午後8時ごろ。この日午後5時半ごろ、理研周辺
  にマスコミ関係者が手配したとみられる複数台のバイクが止
  まっていることが確認されたため、タクシーで理研を出た小
  保方氏は、いったん神戸市中心部にほど近いホテルに立ち寄
  った。取材を避けようと小保方氏はこのホテルの女子トイレ
  に午後9時ごろまで身を隠したという。ところが、トイレか
  ら出た小保方氏に、ロビーで声をかけてきたのが「NHK」
  を名乗る記者とカメラマンら5人だった。小保方氏は再び女
  子トイレに逃げ込んだが、取材班の中にいた女性がトイレの
  出入り口まで追いかけ、小保方氏の様子を電話で誰かに報告
  していたという。         http://bit.ly/1JDqPCR
  ───────────────────────────

記者に追いかけられる小保方氏.jpg
記者に追いかけられる小保方氏 
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2015年06月15日

●「いち早く逃げ出した若山照彦教授」(EJ第4055号)

 論文撤回を呼び掛けた若山照彦山梨大学教授は、事前に誰にも
相談せず、いきなり論文の主著者の小保方氏と共著者全員にメー
ルを送り付け、論文撤回を呼び掛けたのです。
 既にそのときにはSTAP論文に関してさまざまが疑惑が出て
いたのですが、そういうことは科学論文の世界ではよくあること
であり、STAP細胞の存在そのものが、否定されたわけではな
かったのです。しかし、STAP細胞研究の最も中心的な共同研
究者の1人である若山教授による論文撤回の呼びかけとなると、
事態はきわめて深刻であり、関係者に衝撃が走ったのです。
 しかも、若山教授はメールを発信した2014年3月10日の
NHKの「ニュース7」において、インタビュ−に応じているの
です。自分でNHKにその情報をリークしたからです。
 論文を取り下げるということは、その研究を根こそぎゼロにす
るという重大事態です。普通こういう重要な呼びかけは、事前に
主著者である小保方氏に話すのはもちろんのこと、理研CDBの
幹部とも相談するのがスジというものです。しかし、若山教授は
それを一切行わず、いきなり公開に踏み切ったのです。まるで、
クーデターのようです。
 マスメディアに論文撤回の呼びかけを事前にリークしていると
いう行為は、この事態を隠蔽させないようにするための強い決意
をそこに感じます。NHKの「ニュース7」で、若山教授は次の
ように話しています。
─────────────────────────────
 全体的にわからないことが多くなっている。論文の正当性を調
べるため、一度論文を取り下げ、正しいデータと写真を用意し、
もう一度論文は正しいんだと堂々と証明すべきである。そのため
には、外部の機関で調べてもらうことが大事である。
 実験ノートもデータもオープンにして、明確な結果を出してい
こうと思う。もし間違えだったら、なぜ、こんなことが起こった
のかを明らかにしないといけない。     ──若山照彦教授
      2014年3月10日/NHK「ニュース7」より
─────────────────────────────
 若山教授は、なぜ論文撤回を関係者に誰にも相談せずに決めた
のでしょうか。おそらく若山氏は、この時点でSTAP細胞は存
在しないことを確信していたものと思われます。若山教授がその
ように結論づけた要因としては次の3つがあります。
─────────────────────────────
 1.論文掲載の画像に多くの疑惑がある
  ・STAP論文には多くの画像に取り違いや改ざんがある
 2.実験用マウスについての疑惑がある
  ・実験に使ったマウスがすり替えられた疑惑が生じている
 3.STAP細胞の存在には疑惑がある
  ・STAP細胞の正体はES細胞である疑惑が濃厚である
─────────────────────────────
 論文作成時に画像や図表や写真などの取り違いがあることは、
どうやらに日常茶飯事のようです。しかし、とくに科学論文では
こうしたことはあってはならないのです。小保方氏の場合、博士
論文に使った画像などの流用が指摘されています。
 この場合、メディアでは、「違う実験の画像を使い回ししてい
る」と報道されていますが、基本的には違う実験ではなく、同じ
実験なのです。前にも述べているように、小保方氏は博士論文を
作成する以前から、一貫して後にSTAP細胞と呼ばれることに
なる細胞の研究をしていたからです。
 さらに「博士論文の画像をそのまま流用」とメディアは報道し
ていますが、実験画像などはPCの画像フォルダかUSBメモリ
に格納しており、その整理がよくないため、博士論文に使った画
像であることを忘れて、そのまま貼り付けてしまったのです。小
保方氏はそのことが指摘されたあと、正しい画像をネイチャー誌
に送っているのです。画像の取り違いのミスを厳しく指摘した若
山教授自身も以前は次のようにいっていたのです。
─────────────────────────────
 STAP細胞を使って作成した複数のマウスの胎仔(たいじ)
の写真を何百枚も撮影したため、小保方さんがおなじマウスの写
真を使ってしまった。       ──若山照彦山梨大学教授
   船瀬俊介著『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
             復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
 2012年末から笹井芳樹氏が論文作成の指導者になって、小
保方氏は「超」の字がいくつも付く多忙になったと思われます。
国際特許申請のこともあり、論文は3月には出さなければならず
笹井氏と小保方氏は、約2ヵ月間は毎日夜遅くまでCDBに残っ
て、論文作りに取り組んだといわれています。画像の取り違えな
どのミスはそういうなかで発生したものと思われます。
 しかし、よくわからないのは、STAP論文をネイチャー誌に
提出後、「修正を要求する」扱いになり、その後「アクセプト」
まで、約9ヶ月間もあったのですから、なぜ、画像のミスに関係
者が気が付かなかったのかは理解に苦しみます。その間に再提出
し、差し替えるチャンスはいくらでもあった思えるからです。
 しかし、疑惑が画像レベルの「1」にとどまっているうちはよ
かったのです。科学者といえども間違いはありますし、それに気
が付いたら修正すればよいだけのことです。STAP細胞の存在
が再現実験で証明できれば、すべての疑惑は吹き飛ぶのです。
 しかし、若山教授の抱いた「2」と「3」の疑惑は、STAP
細胞が存在するか否かの問題にかかわる大問題です。しかし、こ
れについて論評するには、相当技術的な説明が必要になりますが
明日のEJから出来る限りわかりやすく検証していきます。
 それからもうひとつ、突然論文撤回を呼びかけた若山教授には
大きな疑惑があります。論文の正式発表以前の言動と以後のそれ
には大きな落差があるからです。これについても明日から丁寧に
事実を追及します。   ―── [STAP細胞事件/028]

≪画像および関連情報≫
 ●若山照彦教授「確信なくなった」/2014.3.11
  ───────────────────────────
  新型万能細胞「STAP細胞」/刺激惹起性多能性獲得細胞
  を巡って、論文の共著者の1人である若山照彦・山梨大学教
  授が、「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞
  が存在するのか確信がなくなった」(NHK)と述べ、他の
  著者らに論文取り下げを検討するよう求める一方、同じく共
  著者の1人であるチャールズ・バカンティ・米ハーバード大
  教授は、「私自身が持っている情報に基づけば、論文を撤回
  する理由は見当たらない」(米ウォール・ストリート・ジャ
  ーナル紙)と述べている。報道によると、STAP細胞の実
  験を担当した小保方晴子・研究ユニットリーダーが所属する
  理化学研究所は、論文の共著者らが取り下げも含めて対応を
  検討していることを10日夜に明らかにした。論文の著者は
  計14人。小保方氏が論文の代表執筆者として筆頭著者とな
  っており、小保方氏、若山教授、バカンティ教授の3人が責
  任著者となっている。STAP細胞の万能性を調べる重要な
  実験を担当したという若山教授は、NHKとのインタビュー
  の中で、「自分が担当した実験については正しいと信じてい
  るが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった。
  一体、何が起こったのか科学的に検証することが論文の著者
  としての責任だと考えている。何より私自身、真実が知りた
  い」などと話した。        http://bit.ly/1cR2B9C
  ───────────────────────────

論文撤回を呼び掛ける若山山梨大教授.jpg
論文撤回を呼び掛ける若山山梨大教授
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2015年06月16日

●「マウスが異なると若山教授が公表」(EJ第4056号)

 STAP論文に対する疑惑は、まず論文中の画像のすり替えの
指摘に始まっています。仮にそれが些細な単純ミスであったとし
ても論文のイメージを大きく損なうことになります。
 しかし、EJでは、画像の疑惑よりも「STAP細胞は果して
存在するのか」に重点を絞ることにします。STAP細胞は存在
しないとする理研の最終判断を素直には受け入れることができな
いからです。この事件が原因で、世界的な日本の研究者が一人亡
くなっているのです。
 若山照彦山梨大学教授は、論文撤回を決意した理由として、ネ
イチャー誌の論文掲載の画像が小保方氏の博士論文と一致したこ
とであると毎日新聞の須田記者へのメールで明かしています。
─────────────────────────────
 須田さん
 昨日の博士論文とネイチャー誌の写真が一致したことが、あま
りにも悲しく、どうしていいのかわからず、著者たちに撤回を呼
びかけました。信じてもらっていたし、僕も信じようとコメント
していて、大変申し訳ありません。僕はまだ信じたい気持がある
ので、すべてを明らかにして、誰もが信じる論文として新しく発
表するのを希望しているのです。よろしくお願いします。
                         若山照彦
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 しかし、単なる画像の取り違えだけであれば、関係者に論文撤
回を呼びかけるのは是としても、NHKにリークし、公表するこ
とはなかったと思います。若山教授はすでにこのとき、STAP
論文のもっと重大な疑惑を掴んでいたと考えられます。それは、
次の疑惑です。昨日のEJから再現します。
─────────────────────────────
 2.実験用マウスについての疑惑がある
  ・実験に使ったマウスがすり替えられた疑惑が生じている
─────────────────────────────
 論文撤回の呼びかけで若山教授は、「外部機関での解析」の必
要性を強調していましたが、その時点で若山研究室は外部機関に
簡易的な遺伝子の解析を依頼をしていたのです。これは若山教授
がSTAP細胞の存在に深く疑問を持っていた証拠です。
 その解析結果は、3月25日夜のNHKがスクープして報道を
したのです。またしてもNHKです。こうして若山教授は、ST
AP論文に大きなダメージを与えたのです。このときもSTAP
論文の関係者や理研CDBには何の相談もなく、一方的に公開さ
れてしまったのです。         http://bit.ly/1QuJd51
 その解析結果とは簡単にいうとこうです。小保方氏は若山研究
室からマウスを受け取り、それからSTAP細胞を作製していた
のです。しかし、解析の結果、STAP細胞から樹立したSTA
P幹細胞8株中2株について、STAP細胞作製に使ったマウス
とは異なる系統の遺伝子型が検出されたというのです。つまり、
若山研究室のマウスではないということになります。
 この報道にメディアは騒然です。さまざまなメディアによって
このことは繰り返し報道され、STAP細胞の発見は完全な捏造
であるという印象が強くなったのです。現在これに関する報道は
ネット上からほとんど削除されているので、2014年6月13
日付、JCASTテレビウオッチの記事をご紹介します。
─────────────────────────────
 理化学研究所の小保方晴子リーダーが成功したと主張するST
AP細胞は、すでに20年前から研究されている万能細胞の一種
ES細胞の可能性が濃厚になってきた。
 論文共著者の若山照彦・山梨大学教授が16日に会見を行い、
小保方氏が作成したとされるSTAP細胞は、若山研究室が提供
したのとは違うマウスから作られていたことを明らかにした。第
三者機関に解析を依頼して判明したという。若山教授はSTAP
細胞があるという証拠はなかった。予想していた中で最悪の結果
と思っています。世界3大不正と思われてもしょうがないと語っ
た。その経緯はこうだ。
 若山研究室から提供を受けたマウスを使ってできたとされる小
保方氏のSTAP細胞を使って若山教授が培養しSTAP幹細胞
を作成し、さらにそれをもとに万能性のあるキメラマウスを作っ
た。今回、保管していたSTAP幹細胞を第三者機関に解析を依
頼した結果、若山教授の研究室のマウス由来とはまったく異なる
遺伝子情報が出てきた。        http://bit.ly/1FQUi67
─────────────────────────────
 これだけでは何のことかわからないと思うので、須田桃子氏の
本に出ている図(添付ファイル)を使って説明します。実験に使
うマウスには多くの系統がありますが、それは細胞の遺伝子型を
調べればどの系統か特定できます。
 若山研究室では「129」というタイプの遺伝子型のマウスを
実験に使っていたのですが、研究室が外部機関が解析した2株の
STAP幹細胞は、1株からは「B6」、もう1株からは「12
9」と「B6」の二つの系統のマウスを勾配させて生まれたマウ
スの遺伝子が検出されたというのです。つまり、若山研究室で飼
育されている遺伝子型とは異なり、若山研究室のマウスではない
ということが判明したのです。
 このニュースは繰り返し報道されており、7月27日のNHK
スペシャル「調査報告『STAP細胞不正の深層』」でも報道さ
れたので、多くの人の印象に残っているはずです。この報道で、
やっぱりSTAP細胞はインチキだったんだなと考えた人も多い
と思います。
 しかし、若山研究室によるこの解析結果は間違いであり、2株
は若山研究室のマウスであったことがすぐ明らかになったのです
が、そのことを知っている人はきわめて少ないのです。名誉回復
をメディアがしないからです。─ [STAP細胞事件/029]

≪画像および関連情報≫
 ●マウスをめぐる疑惑に反論コメント/小保方晴子氏
  ───────────────────────────
  STAP細胞の論文不正をめぐる問題で、理化学研究所の小
  保方晴子研究ユニットリーダーが作ったとされる「STAP
  細胞」のもとになったマウスの由来に疑義が生じている。こ
  の点について、論文の共著者の一人である若山照彦・山梨大
  学教授は「僕の研究室のマウス由来ではない」と発表したが
  小保方晴子リーダーは6月18日、それに反論するコメント
  を発表した。小保方リーダーは、弁護団を通じて公表したコ
  メントのなかで、「マウスに関しても細胞に関しても、所属
  させていただいていた研究室以外からの入手はありません」
  と説明。そのうえで、「今後の理化学研究所の調査にできる
  限り協力し事実関係を明らかにできるよう努めて参りたい」
  と述べている。また、小保方リーダーの弁護団もコメントを
  発表。「小保方氏が若山研でお世話になっていた時期(20
  13年3月まで)は、小保方氏は、マウスや細胞を独立して
  入手できる立場にありませんでした。したがって、すべて若
  山研ルートで入手したものです」などと、小保方リーダーの
  言葉を補足する説明をおこなった。 http://bit.ly/1MxMn1e
  ───────────────────────────
 ●図の出典/毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より

若山研究室の解析結果.jpg
若山研究室の解析結果
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2015年06月17日

●「全ての責任を小保方氏にかぶせる」(EJ第4057号)

 若山照彦山梨大学教授が、第三者機関にSTAP細胞から作製
したSTAP幹細胞の解析を依頼して得た結論は、そのまま「S
TAP細胞は存在しない」という疑惑を決定的なものにするのに
十分なものです。
 若山教授が小保方氏に渡した生後6ヶ月以内のマウスは、いう
までもなく若山研究室のマウス(129)です。小保方氏はその
マウスからSTAP細胞を作製し、それを若山教授に渡していま
す。若山教授はそのSTAP細胞からキメラマウスやSTAP幹
細胞を作製したのです。したがって、そのSTAP幹細胞の遺伝
子は元のマウスの遺伝子と一致するはずです。
 しかし、若山教授がそのSTAP幹細胞を第三者機関で解析し
てもらったところ、遺伝子が一致しなかったのです。つまり、若
山教授が自ら作製したSTAP幹細胞は、若山教授が小保方氏に
渡したマウス由来のものではなく、若山研究室には存在しない種
類のマウスだったのです。
 この意味することは大きいのです。そうだとすると、小保方氏
は若山氏から渡されたマウスではない別なマウスからSTAP細
胞を作製したことになるのです。これによって「STAP細胞=
ES細胞」説が現実味を帯びてくるというか、裏づけられること
になります。
 自身が小保方氏からSTAP細胞であるとして渡された細胞か
らキメラマウスの作製に成功した若山教授は、STAP論文に疑
惑の出てきた時点で、記者の「もし、STAP細胞が捏造だった
ら、若山教授が作製したキメラマウスの全身はなぜ緑色に光った
のか」という質問に次のように答えています。
─────────────────────────────
 そこは想像するしかないのですが、もし僕が渡されたのがES
細胞だったら、キメラマウスはできるわけです。胎盤にも分化す
るのがSTAP細胞の非常に重要なデータだったわけですが、胎
児のキメリズムがものすごく高ければ、胎児から(ES細胞由来
の)血液がたくさん胎盤に行くので、それが光った可能性はあり
ます。         ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 要するにかなり早い時点で若山教授は、「STAP細胞はES
細胞ではないか」と疑っていたことになります。若山教授は、小
保方氏との実験期間が一番長かったため、このままだと何もかも
自分のせいにされるという恐怖感を持っていたといわれます。そ
のため、論文撤回を呼びかけた2014年3月10日の約1週間
後の3月18日に第三者機関へ細胞の解析を依頼したのです。
 しかし、その解析結果は簡易解析と断りながらも、3月25日
夜のNHKニュースでいきなり報道されたのです。その内容は若
山研究室に残されていたSTAP幹細胞は若山研究室のマウスと
遺伝子が一致しないというものです。それを受けて26日の新聞
各紙は、その事実を大々的に報道したのです。
 その結果、多くの人は「STAP細胞はやっぱり捏造だったの
か」と考えるようになったのです。それほど25日のNHKニュ
ースと26日の各紙の報道は、「STAP細胞は存在する」と考
えていた人に否定的なイメージを与えたのです。
 これに対して笹井芳樹CDB副センター長は、いきなり公共放
送(NHK)での扱いに強い不快感を抱いたのです。須田桃子氏
の本に笹井氏の次のコメントがあります。
─────────────────────────────
 断定的に若山の理解=正しい(正義)、小保方=間違い(悪)
という構図を言うのは、あまりにもナンセンスではないでしょう
か?逆も十分あり得ますし、次に必ずやるはずの「キメラ作製」
のときに毛色が違うことが明らかになるマウス系統をわざわざ意
図的に小保方さんが取り違える意味が全くわかりません。その2
人の間の意思疎通の悪さ、ミスコミュニケーションを含め、ラボ
のディスカッションテーブルで話すべきことで、公共放送でこの
扱いは全くおかしな話だと思いました。かなり作為的な決めつけ
や断定が、若山さんなのか、その周囲なのか、メディアなのかわ
かりませんが、本来の検証の枠を越えた場外乱闘で、ヒールを仕
立てているような不気味さを否めません。   ──笹井芳樹氏
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 このコメントからは「このような問題はNHKにリークする前
にラボでディスカッションすべきことじゃないか」との笹井氏の
怒りを感じることができます。確かに若山教授はSTAP細胞否
定説を主導しているといっても過言ではないのです。
 ここで3月〜5月のSTAP細胞に対する動きを時系列に並べ
てみます。
─────────────────────────────
 3月10日:若山教授がSTAP論文の取り下げを呼びかけ
   18日:若山教授、第三者機関へ細胞の解析を依頼する
   25日:NHKの夜のニュースで、解析結果の概要報道
   26日:新聞各紙が解析結果についての後追い一斉報道
 4月01日:理研の調査委員会はSTAP論文の不正を認定
   09日:小保方晴子・研究ユニットリーダーの記者会見
   16日:笹井芳樹・CDB副センター長による記者会見
 5月08日:理研論文不正を確定。このための再調査はせず
─────────────────────────────
 これを見ると、まるでドラマの進行のようにSTAP論文の捏
造の証拠が固められ、論文の不正が確定しています。そして、そ
れを主導しているのは若山教授とNHKのスクープ報道であるこ
とがわかります。細胞の解析結果でマウスのすり替えがあったこ
とがSTAP細胞を存在を信ずる人の期待を打ち砕いています。
 しかし、この若山教授のマウスすり替えの解析結果は間違えで
あったことがはっきりしているのですが、あなたはそのことをご
存知でしたか。       ─ [STAP細胞事件/030]

≪画像および関連情報≫
 ●「解析結果こそ捏造だった」/若山教授事実を認める
  ───────────────────────────
  若山照彦・山梨大学教授が「第三者機関」に、小保方さんが
  STAP細胞作製に使ったマウスの細胞の遺伝子解析を依頼
  した結果、若山教授が小保方さんに渡したマウスとは違うマ
  ウスの遺伝子が検出された、と言う報道がなされ、小保方さ
  んが、STAP細胞を「捏造」したかの様な印象が作り上げ
  られた事は、皆さん御記憶の通りです。私は、この話はおか
  しいと思って居ました。mRNAを使ってDNAのSNPを
  解析、比較した、と言う方法が変だからです。そして、昨日
  インターネット上で、若山教授が細胞の遺伝子解析を依頼し
  た「第三者機関」が、若山教授に近い放医研であった事を知
  り、「これでは第三者機関とは言えないのではないか」とツ
  イッターで疑問を投げかけたばかりです。そうしたら、今朝
  の朝日新聞を読んで驚きました。若山教授が、自らその「遺
  伝子解析」は間違いだったかも知れない、と認めた(!)と
  言う記事が載っていたからです。こんないい加減な話がある
  でしょうか?小保方さんが「捏造」を行なったかの様な印象
  報道を決定的に後押しした若山教授発表の「遺伝子解析」は
  間違いだったかも知れないと、今になって、若山照彦は認め
  たのです。STAP細胞の論文が撤回され、小保方さんが再
  現実験に加わった今になって「あの遺伝子解析は間違いだっ
  たかも知れない」と、若山教授自身が認めたのです。そして
  マスコミも、こんな「訂正」をベタ記事でしか取り上げない
  のです。             http://bit.ly/1GDnNfj
  ───────────────────────────

若山教授と小保方研究ユニットリーダー.jpg
若山教授と小保方研究ユニットリーダー 
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2015年06月18日

●「第三者機関の解析結果リークする」(EJ第4058号)

 2014年6月4日のことです。当日付の毎日新聞夕刊に次の
記事が掲載されたのです。この記事は『捏造の科学者/STAP
細胞事件』(文藝春秋刊)の著者、須田桃子氏の署名入りの記事
です。同主旨の記事は同年3月26日の新聞各紙でも簡易解析の
結果として伝えられていますが、さらに踏み込んだ記事になって
います。少し長いですが、引用します。
─────────────────────────────
 <STAP論文>幹細胞に不自然な遺伝子/第三者機関が解析
 「STAP細胞」の論文不正問題で、STAP細胞から作った
「STAP幹細胞」を第三者機関で遺伝子解析した結果、すべて
の株で、実験に使ったはずのマウスと異なる不自然な特徴が確認
されたことが3日、関係者への取材で分かった。結果は、多くの
著者が所属する理化学研究所に伝えられたという。STAP幹細
胞は不正認定されていない論文で詳細な分析結果が掲載されてお
り、論文全体の調査の必要性が一層高まりそうだ。
 STAP細胞には自ら増殖する能力がない。ES細胞(胚性幹
細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)のように増え続ける性
質を持たせるためSTAP細胞を変化させたものが「STAP幹
細胞」だ。著者の一人、若山照彦・山梨大教授が、保存していた
STAP幹細胞の解析を第三者機関に依頼していた。
 複数の関係者によると、STAP細胞の作製に使ったはずのマ
ウスとは違う遺伝子タイプが検出されるなど、論文に記載された
STAP幹細胞を含むすべての試料にさまざまな食い違いが指摘
される結果が出た。
 これらのSTAP幹細胞は、当時理研にいた若山氏の研究室の
客員研究員だった小保方晴子・理研研究ユニットリーダーがマウ
スから作ったSTAP細胞を、若山氏が受け取って樹立した。元
のマウスは若山氏が提供した。山梨大の簡易解析でも、若山氏が
準備したマウスと異なる系統の遺伝子タイプが検出された。これ
らの系統はES細胞の作製によく使われるため、ES細胞が混入
した可能性が指摘されていた。若山氏は取材に「今は話せないが
詳しい解析結果は近く、記者会見をして公表する」と話した。
     ──【須田桃子】/2014年6月4日毎日新聞夕刊
                   http://bit.ly/1BfdopV
─────────────────────────────
 この記事は須田桃子記者が山梨大学に若山教授を訪ねて、取材
したものです。この記事が出るや、翌5日に若山教授は埼玉県和
光市の理研本部から呼び出され、野依良治理事長が本部長を務め
る改革推進本部の席で、詳細な解析結果の報告を求められていま
す。当日の会合には全理事をはじめ約30人が出席したといわれ
ます。神戸のCDBもテレビ会議で参加しています。
 この時点で若山教授は、理研に何の相談もせずNHKを通じて
簡易解析の結果を報道させたり、第三者機関の解析結果も今は話
せないがと断りながらも、須田記者にはほとんど話しています。
何となくこの問題で意図的に既成事実を作ろうとしているように
感じます。推測ですが、理研としては若山氏のこの振る舞いに対
して相当アタマにきており、そのため緊急に呼び出したものと思
われます。
 若山教授はこの会合で、「第三機関の解析結果をすぐにでも発
表したいと」と主張したのですが、多くの出席者から強く反対さ
れたといいます。意見は対立しましたが、結局、CDBに保管さ
れているSTAP幹細胞についても同様の解析を行い、その結果
に基づいて山梨大学主催での若山教授による記者会見を認めると
いうことで決着したのです。
 その結果行われた山梨大学主催の若山教授による記者会見は、
2014年6月16日に行われたのです。この記者会見の動画は
次の通りです。
─────────────────────────────
 2014年6月16日/若山照彦教授記者会見/山梨大学
                 http://bit.ly/1QuJd51
─────────────────────────────
 記者会見の動画は約30分間収録されています。若山教授の説
明は素人にはかなり難解です。細かな分析は、明日のEJで説明
しますが、要するに次のことを主張しているのです。
─────────────────────────────
 1.若山教授は生後1週間の赤ちゃんマウスを小保方氏に渡し
   小保方氏はそのマウスからSTAP細胞を作製している。
 2.若山教授は小保方氏からSTAP細胞であるとして渡され
   た細胞からキメラマウスやSTAP幹細胞を作っている。
 3.そのSTAP幹細胞を第三者機関で解析したところ、若山
   研究室にいないマウスから作製された疑いが濃厚である。
─────────────────────────────
 これは何をいっているのかというと、小保方氏は若山教授から
渡された生後一週間以内のマウスからSTAP細胞を作製したの
ではなく、第三者機関での解析の結果では、他のマウスから作製
されたことを示しているというのです。
 つまり、若山教授が小保方氏から渡されたSTAP細胞は、E
S細胞だったのではないかと若山教授は疑っているのです。ES
細胞であれば、キメラマウスも幹細胞も作製できるからです。
 具体的にいうとこうです。小保方氏は、若山教授から渡された
生後一週間の赤ちゃんマウスを使わず、若山研究室が冷凍庫に保
管しているES細胞を盗み出し、それをSTAP細胞として若山
教授に渡したのではないかというわけです。
 しかし、そんなことをして何になるのでしょうか。理研CDB
には、笹井芳樹氏をはじめとして、ES細胞のプロがたくさんい
るのです。そんなことをしてもすぐバレるし、全く無意味なこと
です。しかし、若山教授は、論文に疑惑が出始めた頃から、ST
AP細胞はES細胞ではないかと疑い、自ら主導して、それをメ
ディアを使って告発しています。若山教授の記者会見については
明日のEJで分析します。  ─ [STAP細胞事件/031]

≪画像および関連情報≫
 ●「ある神話の背景を追及するブログ」
  ───────────────────────────
  余談だが、松山英樹が米ゴルフのなんとかメモリアルという
  トーナメントで、米ツアー初優勝した。このメモリアルは4
  大タイトルに次ぐビッグタイトルだそうあり、J・ニクラウ
  スが松山を絶賛しているそうである。しかし、その快挙の割
  には、日本のマスコミは松山を讃えるような報道をしていな
  い。もし、石川遼がこれをやったら、マスコミは松山の何倍
  も大きく報道しただろう。だが、インチキ英語教材などの広
  告塔となって、大金を稼いでいる石川には到底出来ることで
  はないだろう。信義も正義も公正も無い日本の「天然ファシ
  ズム」の一現象である。理研の実験室で、スタップ細胞の作
  製に成果を上げた研究学者は、言うまでもなく小保方晴子博
  士と当時の理研研究員であった若山照彦・現山梨大教授の二
  人である。小保方氏は第一段階のスタップ細胞を作製し、若
  山氏は小保方氏の作ったその未分化のスタップ細胞を提供さ
  れ、マウスの成体に移植して、試行錯誤の末に増殖能力ある
  スタップ幹細胞の作製に成功したというものだった。失敗を
  山ほど築いた後、ある日、マウスに移植されたスタップ細胞
  が増殖した事を示す、緑色に発光したのを見て、小保方氏は
  喜びの涙を見せたと若山氏は語った。しかし、若山氏は何か
  の間違いで、成功したように見えているに過ぎないのではな
  いのか、彼女をヌカ喜びさせてはいけないと、直ちには喜ば
  なかった。それでも、続けて同じような手順で実験を繰り返
  してみたら、同様に緑色に光ったので、スタップ幹細胞樹立
  の成功を確信したと喜びの口調で梶原しげるに話している。
                   http://bit.ly/1LcMbaK
  ───────────────────────────

記者会見をする若山照彦教授.jpg
記者会見をする若山 照彦教授
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2015年06月19日

●「第三者機関についての疑惑が浮上」(EJ第4059号)

 若山山梨大学教授は2014年6月16日の会見で、小保方氏
からSTAP細胞として戻された細胞──この細胞を使って若山
教授はSTAP幹細胞とキメラマウスの作製に成功している──
その細胞は、若山教授がSTAP細胞を作るために小保方氏に渡
した生後1週間の赤ちゃんマウスとは系統が異なり、若山研究室
では飼育していないマウスであると強調しています。
 これは、若山教授が、若山研究室が保管していたSTAP幹細
胞を第三者機関に解析を依頼し、その結果、判明したもので、C
DBでも同じ解析を行い、同じ結果が得られたと聞いていると、
若山教授は述べています。
 このことは、大々的にマスメディアで報道され、「小保方=ク
ロ説」は一段と真実味を深めたのです。この段階で小保方氏を信
じていた多くの人が一斉に彼女から離れたと思います。それは、
4月9日の小保方氏の反論記者会見、同18日の笹井氏の会見で
STAP細胞の存在を信じようという気持になった人たちまで、
「小保方=クロ説」に傾いたと思われます。
 若山教授の主張を裏打ちしていたのは、その結論が第三者機関
から出されたものであるからです。16日の会見で若山教授は動
画の17分06秒のところで、次の趣旨の発言を行っています。
─────────────────────────────
 第三者機関は完全に中立の立場で解析を行いました。経費につ
いてもその第三者機関は、私および理研から一円も受け取ってい
ません。                   ──若山教授
─────────────────────────────
 動画の22分から女性記者が、「第三者機関はどこか具体的に
教えてほしい」と質問したのですが、若山教授はこれに対して次
のように拒否しています。
─────────────────────────────
 第三者機関でこの解析を担当した技術者は直前まで私と一緒に
会見しようとしてくれたのですが、もしそれをやると、その第三
者機関が僕の味方じゃないかと疑われるので中止したのです。し
たがって私の方から第三者機関の名前を明かすことは差し控えさ
せていただきたいと思います。         ──若山教授
─────────────────────────────
 NHKは、7月27日放送の「NHKスペシャル/調査報告/
STAP細胞/不正の深層」で、第三者機関は「放医研」である
ことを明かしています。放医研とは「放射線医学総合研究所」の
ことです。
 しかし、強引取材で小保方氏を突き飛ばし、怪我までさせてい
るNHKが、放医研に問い合わせていないはずはないのです。そ
のうえでその結果わかった事実を隠し、平然とNスペを放送して
います。それは、問い合わせれば、放医研が真の意味の第三者機
関になり得ないことがわかるからです。
 そこで、実際に放医研に実際に問い合わせたやりとりを再現し
てみます。放医研広報部への問い合わせの結果です。
─────────────────────────────
──若山博士のSTAP幹細胞を解析したのは放医研ですか。
放医研:そのような契約は存在しておりません。所内調査の結果
    若山教授の研究者ネットワークのなかでやり取りされた
    ものだとわかりました。
──研究者のお名前を教えてください。
放医研:できません。研究の発展のために所外の研究者が共同で
    研究したり、遺伝子情報を解析したりすることはよくあ
    ります。
──若山博士がSTAP細胞の存在が信用できないという理由で
  幹細胞の解析を依頼したのですから、「研究の発展のため」
  という理由で解析依頼してないと思いますが。
放医研:それは若山博士に直接聞いてください。
──情報公開請求しても研究者の名前は教えていただけない?
放医研:そうです。          http://bit.ly/1CtVvzR
─────────────────────────────
 つまり、若山教授は、放医研の自分の知り合いの研究者に解析
を依頼したのです。だから、経費も支払っていないのです。若山
教授ご自身も「一緒に会見すれば、僕の味方だと思われてしまう
から」といっているではありませんか。
 これで第三者機関といえるでしょうか。第三者機関とは利害関
係のない第三者が介入してはじめて第三者機関といえるのてす。
放医研に解析を依頼するなら、正式に契約を結んで料金を支払っ
てやるべきであって、知り合いに頼んでおいて第三者機関とは世
間を欺く行為です。
 NHKは間違いなく取材して、この事実を掴んだうえで、「放
医研」という名称を公開し、第三者機関の権威づけに使っていま
す。公共放送機関としてはやってはならない行為です。やらせ報
道といわれても仕方がないでしょう。このSTAP細胞事件につ
いてのNHKの報道は、明らかに若山教授側に立っており、小保
方氏への批判の急先鋒的存在になっています。
 それでも細胞の解析結果が正しいのであれば、事実は事実とし
て受け止める必要があります。若山教授もいうように「CDBで
も同様の結果が得られている」のであれば、小保方氏側に重大な
説明責任が生じます。
 しかし、結論からいえば、解析結果にはミスがあり、若山研究
室のマウスが使われた可能性が高くなったのです。詳細は来週の
EJで述べますが、細胞の解析にはミスがあり、若山教授の主張
の根拠は既に崩れています。若山教授もCDBもミスを認めてお
り、メディアもそのことを一応報道していますが、扱いはベタ記
事なみであり、ほとんどの人は知らないと思います。
 これについて若山教授は、ホームページを修正しただけで、記
者会見はしていません。あれほど派手に疑惑を煽っておいて、間
違っていたときは、ホームページを訂正するだけでは済まないの
ではないでしょうか。    ─ [STAP細胞事件/032]

≪画像および関連情報≫
 ●第三者機関の解析にはミスがあった/産経新聞
  ───────────────────────────
  理化学研究所は2014年7月22日、小保方晴子・研究ユ
  ニットリーダー(30)が作製したSTAP(スタップ)細
  胞から培養された幹細胞の解析結果を訂正した。共著者の若
  山照彦山梨大教授が提供したマウスから作製されたものでは
  ないとした6月の発表は誤りで、若山研究室のマウス由来だ
  った可能性も否定できないとしている。若山氏が目印となる
  遺伝子を18番染色体に挿入したマウスを作製し、これを受
  け取った小保方氏がSTAP細胞を作り、若山氏が培養して
  幹細胞を作った。この幹細胞について理研は当初、遺伝子は
  15番染色体に挿入されており、若山氏が提供したマウス由
  来ではないと発表。だが詳しい調査の結果、この細胞には別
  の遺伝子も挿入されており、染色体の挿入場所は分からなく
  なったという。同じ遺伝子の特徴を持つマウスは大阪大が作
  製し、若山研究室で飼育されていた。また若山氏は同日、英
  科学誌ネイチャーに掲載されたSTAP論文の撤回理由書が
  共著者の合意がないまま書き換えられた問題について、締め
  切り間際に他の共著者と自分の文章の差し替えが交錯したこ
  とが原因とするコメントを発表した。
           ──2014年7月22日付、産経新聞
  ───────────────────────────

放射線医学総合研究所.jpg
放射線医学総合研究所
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2015年06月22日

●「誤りだった第三者機関の解析結果」(EJ第4060号)

 話が複雑になってきたので、少し整理します。若山照彦山梨大
学教授といえば、小保方晴子氏と後にSTAP細胞と呼ばれるよ
うになる万能細胞の実現のための実験を一緒に行い、その実現に
協力したパートナーの一人です。2014年1月28日のSTA
P細胞の発表のときも、小保方晴子氏、笹井芳樹氏と3人で発表
会に参加しています。つまり、小保方氏にとって若山教授は、一
番身近な存在であったはずです。
 ところが、その若山教授はSTAP論文の写真や画像に疑いが
出てくるや、一転してSTAP細胞の存在に強く疑いを抱き、論
文撤回を呼びかけると同時に、第三者機関に細胞の解析を依頼し
ています。小保方氏からSTAP細胞として渡された細胞がES
細胞ではないかと疑ったからです。
 そして、その解析結果に基づいて、2014年6月16日に記
者会見を開き、STAP細胞は存在しないことを訴えています。
さらに若山教授は、NHKに詳細な情報の提供や自ら出演するな
ど協力して、7月27日にNHKスペシャル『調査報告/STA
P細胞/不正の深層』は放送されています。
 その結果、小保方氏を取り巻く疑惑は一段と深まり、小保方氏
のその印象は本当に真っ黒になったといえます。さらに若山教授
は、その解析結果を使ってネイチャー誌にSTAP論文の撤回理
由のレポートを投稿し、掲載されています。これによって、ST
AP論文の不正が間違いないものであることを世界に知らせよう
としています。なぜそんなことをしたのかというと、自分はST
AP論文のメインの著者の一人であるが、重要な事実を知らされ
ておらず、むしろ被害者であることを訴えようとしたのです。
 ところがです。これに対して若山教授にとって想定外のことが
2つ起こったのです。それは次の2つです。
─────────────────────────────
    1.第三者機関の正体がバレてしまったこと
    2.第三者機関の細胞解析が誤りだったこと
─────────────────────────────
 「1」は、細胞の解析を依頼したという第三者機関なるものが
第三者機関に値しないことが判明したことです。NHKでは、N
スペで第三者機関は放射線医学総合研究所であると明かしたので
すが、正式な契約ではなく、正確にいえば放医研に務める若山氏
の知人の研究者に細胞の解析を依頼したのです。これでは、利害
関係のない第三者とはいえないのです。
 しかし、このことはネット上では知れ渡っている事実であるに
も関わらず、関係者もNHKも知らん顔を決め込んでいます。と
くにNHKは強引取材で小保方氏に怪我まで負わせているのに平
然と放送したのです。こういう場合、普通は放送を中止するか、
番組中に小保方氏に謝罪すべきですが、どちらもしないで、結果
として本人を貶める番組を報道しています。これはメディアとし
て許されることではないはずです。まして公共放送なのです。
 このように第三者機関が利害関係者であったとしても解析結果
が正しいなら真実が明らかになったのだから、いいじゃないかと
いう意見は成り立つでしょう。
 しかし、解析結果は誤りだったのです。これが「2」です。こ
れについては、若山教授はもちろん、理研も認めています。新聞
各紙は一応その事実を報道はしましたが、ベタ記事扱いで、ほと
んどの人は気が付いていないはずです。
 かつて小沢氏を貶めるときの報道と同じで、疑惑を発表すると
きは大々的に報道し、後で間違いだとわかると、それを小さく伝
える──日本のメディアの最も汚いやり方です。理研は次のよう
に解析の誤りをコメントしています。
─────────────────────────────
 STAP細胞問題で理化学研究所は7月22日、発生・再生科
学総合研究センター(神戸市)の 小保方晴子 研究ユニットリー
ダーの研究室に保管されていた細胞について、遺伝子解析結果と
して6月に発表した内容の一部に誤りがあったと訂正した。
 これまで「 若山照彦 山梨大教授の研究室のマウスから作られ
ておらず由来は不明だ」としていたが、細胞の遺伝子の特徴が若
山研で飼育していた特定のマウスと一致する可能性のあることが
判明した。理研は詳細な調査を続けるが、若山研のマウス由来だ
ったとしても、直ちにSTAP細胞の存在につながることを意味
しないという。
 理研は「この細胞が、若山氏から小保方氏に渡されたマウスと
は異なるとする結論に間違いはない」と説明した。小保方氏はこ
れまで若山氏に渡されたマウスでSTAP細胞を作ったと主張し
ている。若山氏も、若山研に残された細胞を解析し6月に理研と
同様の結果を発表していたが22日訂正した。理研は6月、小保
方氏に渡したマウスは目印となる人工的な遺伝子が18番染色体
にあったのに、小保方研究室のSTAP幹細胞では15番染色体
に挿入されていたと発表した。その後、解析の間違いと分かった
という。       ──2014年7月23日付、共同通信
─────────────────────────────
 理解できないのは若山教授です。「マウスはすり替えられてい
る」とあれほど大々的に記者会見をしておいて、それがミスとわ
かると、関係者へのメールとホームページの訂正で済ましている
のです。これが学者の正義でしょうか。今やネット上は若山教授
の疑惑で溢れています。会見を開いて謝罪すべきです。
 もうひとつ納得のいかないのはNHKの対応です。例のNスペ
は、解析ミスが判明した後の7月27日に放送されています。し
かもその間違っていた内容を修正せずにそのまま流していること
です。これでは、天下の公共放送のNHKが疑惑の一方に加担し
て小保方氏を糾弾することになってしまいます。ましてその取材
に対して小保方氏本人に怪我まで負わせているのです。
 小保方氏側の三木弁護士によると、若山教授とNHKを名誉棄
損で告発することを検討しているそうです。それは当然のことで
あると思います。      ─ [STAP細胞事件/033]

≪画像および関連情報≫
 ●NHKのパパラッチ取材と偏向報道
  ───────────────────────────
  2014年7月23日夜、理化学研究所の発生・再生科学総
  合研究センター(CDB)でSTAP現象の再現実験に参加
  している小保方晴子研究ユニットリーダーが帰る途中、NH
  Kの記者やカメラマンに追い回され、軽いけがを負う事件が
  発生した。小保方氏の代理人、三木秀夫弁護士はNHKに強
  く抗議。24日午後、NHKの記者ら3人が三木弁護士を訪
  れ「取材方法に行きすぎがあった」と認め謝罪したという。
  この事件は主要各紙も取り上げたもののその扱いは小さかっ
  た。NHK自身は全く報じていなかった。NHKはこれまで
  も自身の不祥事をNHKニュースで取り上げてきたことはあ
  ったが、今回のことは不祥事と認識していないのだろうか。
  三木弁護士は日本報道検証機構の取材に応じ、事件の全容を
  メールで回答した。小保方氏本人と付き人、当日取材したN
  HK記者に聞いた内容をまとめたものだ。そこから浮かび上
  がったのは、パパラッチのような度を超えた執拗な追跡行為
  であり、恐怖感を与える取材方法であった。三木弁護士によ
  ると、NHKの取材は27日放送のNHKスペシャル「調査
  報告STAP細胞/不正の深層」に関して、小保方氏本人に
  コメントを求めることが目的だったようだ。NHKは事前に
  三木弁護士にインタビューと質問状を送っていたが、番組構
  成からして明らかに偏向した内容で、質問内容も敵意を感じ
  たため、再現実験に集中したいとの理由で回答を拒否してい
  たという。            http://bit.ly/1J95cui
  ───────────────────────────

NHKスペシャル「不正の深層」より.jpg
NHKスペシャル「不正の深層」より
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2015年06月23日

●「STAP細胞不存在は本当なのか」(EJ第4061号)

 若山教授が「STAP細胞は存在しない」と考えた3つ目の要
因は次の通りです。6月15日のEJから再現します。
─────────────────────────────
 3.STAP細胞の存在には疑惑がある
  ・STAP細胞の正体はES細胞である疑惑が濃厚である
─────────────────────────────
 2014年末をもって世間の雰囲気は、STAP細胞は存在し
ないことになっています。なぜなら、理研による調査の最終結論
が「STAP細胞の正体はES細胞である」となっていることと
小保方氏自身によるSTAP細胞の再現実験が期日内に成功しな
かったことをもってそうなっています。
 理研の調査結果についても、小保方氏の再現実験の失敗につい
ても改めて検証しますが、STAP細胞の正体がES細胞である
ことについてはEJとしては疑問を持っています。
 STAP細胞がES細胞ではないかと早くから疑っていたのは
若山照彦山梨大学教授です。あるとき、小保方氏からSTAP細
胞であるとして渡された細胞からキメラマウスやSTAP幹細胞
ができたとき、若山氏はそんなことがあり得るだろうか、自分が
何か間違いを冒したのではないかと疑心暗鬼になったといわれま
す。若山氏はそういう性格の持ち主のようです。
 そして若山氏がたどりついた結論は、小保方氏からSTAP細
胞であるとして渡された細胞は、若山氏がその細胞を作るために
渡した生後一週間の赤ちゃんマウスではなく、当時若山研究室に
存在したES細胞だったというものです。これを確かめるには、
小保方氏から渡されたSTAP細胞から作られたSTAP幹細胞
から遺伝子情報を解析するしかないと考えたのです。
 そこでSTAP幹細胞を第三者機関で解析した結果、マウスの
すり替えが判明したのです。若山氏は一致するはずの遺伝子が一
致しなかったことをもって、そのような系統のマウスは若山研究
室にかつて存在したことはないことを会見で強調したのです。
 しかし、解析には誤りがあり、STAP幹細胞の元のマウスは
若山研究室に存在したことが判明したのです。しかし、研究室の
外から持ち込まれたマウスではないからといって、それをもって
STAP細胞が存在することにはならないと理研は説明している
のです。これについては昨日のEJで、理研の訂正会見を報道し
た共同通信の記事の一部を再現します。
─────────────────────────────
 これまで「若山照彦山梨大教授の研究室のマウスから作られて
おらず、由来は不明だ」としていたが、細胞の遺伝子の特徴が若
山研で飼育していた特定のマウスと一致する可能性のあることが
判明した。理研は詳細な調査を続けるが、若山研のマウス由来だ
ったとしても、直ちにSTAP細胞の存在につながることを意味
しないという。    ──2014年7月23日付、共同通信
─────────────────────────────
 なぜ、このようなコメントになるのかについては、改めて説明
するとして、根本的な疑問について考えます。それは、若山教授
が一度STAP細胞の作製に成功しているという事実です。これ
については、若山教授自身も認めているのです。毎日新聞の須田
記者の本には若山氏について次の記述があります。
─────────────────────────────
 ネイチャーの記事にあった通り、CDBを去る前の2013年
春、小保方氏から直接、作製方法を習ったときはSTAP細胞が
できたが、山梨大学では成功していないという。「酸性処理が難
しい。全滅するか、ほとんど死なないかのどちらかになってしま
う」。         ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 この記述によると、若山教授は小保方氏の指導は受けたものの
STAP細胞の作製に成功しているのです。これは事実です。本
人も認めています。ここからは推測ですが、若山教授といえば、
こういう実験については小保方氏よりもはるかに熟達している学
者です。また、若山氏の性格から考えても、実験に使う弱酸性の
液や培養に使う培地などは、小保方氏の指導を受けて自分で作製
しているはずです。
 そこで自分で生後一週間の赤ちゃんマウスの脾臓からリンパ球
を取り出し、弱酸性の液に浸して、それを培養する──ここまで
は自分主導でやって、STAP細胞づくりに成功しているはずで
す。おそらく若山氏のことですから、そのSTAP細胞を使って
キメラマウスの作製やSTAP細胞幹細胞まで作製しています。
です。そこまでやらないと納得しない学者だからです。
 ところが若山氏は、「山梨大では成功していない」というので
す。しかし、そういうことはよくあることであり、山梨大で成功
できなかったからといって、「STAP細胞は存在しない」とい
う証拠にはならないはずです。
 その自分が成功した実験において、仮にES細胞が混入してい
たとして、若山教授がそれに気が付かないはずがないのです。な
ぜなら、若山教授はいつもES細胞を使って実験をしているから
です。若山教授は、米国の幹細胞生物学者のポール・ノフラー博
士とのインタビューで、ES細胞の混入の疑いについて、次のよ
うに発言しているのです。
─────────────────────────────
 私STAPからSTAP─SC(STAP幹細胞)を複数回樹
立しました。(ESの)混入がその度に起こるなんてことは考え
づらいです。さらに私はSTAP─SCを129B6GPFマウ
スから樹立しました。その当時、我々は、その系統のES細胞を
持っていませんでした。        http://bit.ly/1huUfTu
─────────────────────────────
 このインタビューは、2014年2月27日に行われたもので
すが、その約10日後に若山教授は、STAP論文の撤回を呼び
かけているのです。     ─ [STAP細胞事件/034]

≪画像および関連情報≫
 ●「STAP細胞への逆風」/福岡伸一氏
  ───────────────────────────
  優れた可能性をもった多分化能幹細胞をごく簡単な方法で作
  り得た──全世界が瞠目したSTAP細胞の発見をめぐる状
  況がにわかに揺らぎ始めた。そもそも日本のメディアが連日
  報道したのは、発見者の小保方晴子博士が若い理系女子だっ
  たからだが、なんといっても最も権威ある科学専門誌ネイチ
  ャーに2つの関連論文が同時に掲載されたこと──つまり、
  厳しい審査を経ているはずだということ、そして共同著者に
  理化学研究所の──日本を代表する再生医療研究のメッカ、
  錚々たるメンバー、およびハーバード大学医学部の──いわ
  ずと知れた世界最高峰の研究機関、有名教授陣が名前を連ね
  ていたという事実も、発見の信頼性に多大な後光効果をもた
  らしていたことは確かだった。これまで再生医療の切り札と
  して研究が先行していたES細胞やiPS細胞(いわゆる万
  能細胞)の作製よりもずっと簡便(弱酸性溶液につける)な
  のにもかかわらず、より受精卵に近い状態に初期化できてい
  る(STAP細胞は、胎盤にもなりうるというデータが示さ
  れていた。胎盤となる細胞は受精卵が分裂してまもなく作ら
  れる。ES細胞やiPS細胞はもっとあとのステージの状態
  なので逆戻りして胎盤になることはできない)。ES細胞の
  ように初期胚を破壊する必要もなく、iPS細胞のように外
  来遺伝子を導入する操作も必要ない。ただストレスを与える
  だけで、細胞が本来的に持っていた潜在的な多分化能を惹起
  させうるという、これまでの常識を覆す、意外すぎる実験結
  果だった。私の周囲の幹細胞研究者にも聞いてみたが、皆一
  様に大きなショックを受けていた。それは正直なところ嫉妬
  に近い感情だったかもしれない。  http://bit.ly/1LmbpTX
  ───────────────────────────

ポール・ノフラー博士.jpg
ポール・ノフラー博士
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2015年06月24日

●「100%自分の手でSTAP発現」(EJ第4062号)

 昨日のEJで、ポール・ノフラー博士と若山山梨大教授の対談
をご紹介しましたが、これは極めて重要な内容を含んでいます。
ノフラー博士は、普通なら聞きにくい重要なポイントを若山教授
に相当突っ込んで聞いているからです。
 この対談は、ノフラー博士のブログに英語で掲載されたもので
あり、若山教授としては、日本では関係者しか読まないだろうと
思っていたかもしれません。しかし、研究者を目指す博士課程の
某学生が、この対談を翻訳してくれたのです。
 ノフラー博士は、STAP細胞の再現の可能性について若山教
授に聞いています。「KF」はノフラー博士、WTは若山教授を
あらわします。期日は2014年2月27日です。
─────────────────────────────
KF:現時点でSTAP細胞に対するあなたの自信はどの程度の
   ものですか。より心配になっていますか。
WT:私が理研を去る前、私は脾臓からSTAP幹細胞を作るこ
   とに成功しました。でも一度だけです。その時は小保方博
   士がよく指導してくれました。今は数人の知人(日本では
   ない)が部分的な成功(Octの発現のみ)をメールで、
   知らせてくれています。だから、私は一年以内に誰かが、
   STAP細胞の作製を発表するだろうと信じています。
                   http://bit.ly/1GdAh9R
─────────────────────────────
 ここで問題なのは、STAP細胞の再現の成功とは、どこまで
をいうのかということです。上記で若山教授が「Octの発現の
み」といっているのは、生後一週間の赤ちゃんマウスの脾臓のリ
ンパ球を培養し、緑色に光らせることを意味します。ここまでは
若山教授の外国の知人の研究者は成功したといっています。
 しかし、若山教授は(昨日のEJでご紹介したように)自分は
小保方氏の指導を受けて、STAP細胞からSTAP幹細胞を樹
立したといっているのです。これはSTAP細胞が多能性を持つ
ことの証明になるのです。
 続いて、ノフラー博士は、STAP幹細胞の再現についてもっ
と突っ込んで聞いています。
─────────────────────────────
KF:あなたはSTAP幹細胞をあなたの研究室では作れないと
   仰っていました。実験方法の観点から、なぜそのようなこ
   とが起こると思いますか?現在と過去との違いは何でしょ
   う?また、あなたは理研にいた時にSTAP細胞の作製に
   成功したとも言いました。より細かく教えていただけます
   か?あなたは、STAP誘導の作業を100%自分の手で
   行ったのですか?繰り返しになりますが、iPS細胞やE
   S細胞が何らかの理由で混入した可能性はありますか?
WT:私はたった一度だけ小保方博士から指導を受け、そして理
   研を去りました。我々が過去に研究室を移動した時、自分
   自身の技術でさえ再現することがどれだけ困難だったか分
   かりますか?ハワイからロックフェラーに移った時、私は
   マウスのクローン作製を再現するのに、半年を費やしまし
   た。これは私の技術です。自分の技術でさえ多くの時間を
   要したんです。しかし、STAP細胞の作製法は私の技術
   ではなく、別の研究室で自分ではない人が見つけた技術で
   す。だから、これを再現するのはさらに難しいことだとい
   うのは当然です。私は、それぞれのステップを小保方博士
   に監督してもらった上で、100%自分の手で再現しまし
   た。ほぼ同様に、私の博士課程の学生もSTAP─SCの
   樹立に成功しています。これらの実験の初期段階では、我
   々はES細胞やiPS細胞を同時に培養していません。後
   になって、対照群として時にES細胞を同時に培養してい
   ました。            http://bit.ly/1GdAh9R
─────────────────────────────
 若山教授はここで重要なことをいっています。彼はハワイ大学
に研究室を持っていたのですが、それをロックフェラーに移した
とき、自分が発現したクローンマウスを再現するのに、約半年か
かったといっているのです。
 そうであれば、小保方氏があれほどのバッシングを受けた後の
数ヶ月で再現実験に成功できなかったからといって、「STAP
細胞はない」となぜ断定できるでしょうか。
 もうひとつ、自分はSTAP幹細胞を100%自分の手で再現
していると明言し、「自分の博士課程の学生も、STAP─SC
(STAP幹細胞)の樹立に成功している」と話しているという
点です。STAP細胞は再現できているではないですか。
 最後に、ノフラー博士は若山教授に次のように聞いています。
─────────────────────────────
KF:最後に、私が聞かなかったことで最後に付け加えておきた
   いことや質問はありますか?もしあるならどうぞ。
WT:私は逃げない。何故なら私の実験結果においては、すべて
   のことは真実だから。しかし、新しい技術を再現するのは
   時間が掛かるんです。例えば最初のクローン動物、ドリー
   は論文が出るまで一年半もの間再現されませんでした。ヒ
   トのクローンES細胞の論文は、未だに再現されていませ
   ん。だから、少なくとも1年は待って下さい。私はその期
   間の間に、誰かもしくは私自身が再現に成功すると信じて
   います。            http://bit.ly/1GdAh9R
─────────────────────────────
 2014年2月27日に「1年間の時間をください」といって
いた若山教授が、翌月の10日に論文の取り下げを訴え、さらに
「STAP細胞は世界中で小保方氏以外再現できていない」と発
言しているのです。どうしてこのような前言を翻すような言辞を
弄するのでしょうか。理研もこの対談のことは知っているはずで
すが、なぜ若山教授にそのことを正さないのでしょうか。
              ─ [STAP細胞事件/035]

≪画像および関連情報≫
 ●「まだ消えぬ若山への疑念」
  ───────────────────────────
  6月16日にはあれだけ大々的に、3時間近くも会見を行っ
  たのに、それを取り消すとは、何ともお粗末な事ではないの
  か?この訂正は小保方が不正を行ったのではない、という可
  能性をもたらすのかといえばそうではないのだ。7月27日
  の「NHKスペシャル」には、早い時期から個人的にSTA
  P細胞論文を解析して、その正当性に疑義を唱えていた同じ
  理研の遠藤高帆研究員が登場して、小保方のSTAP細胞に
  はアクロシンGFPという遺伝子が組み込まれていると証言
  している。それは精子に発現するGFPであり、STAPの
  実験には関係ない要素だという。これを聞いた若山はアクロ
  シンGFPに心当たりがあるとする。理研にいたとき、若山
  研の学生(留学生)がES細胞を作製しており、それにはアク
  ロシンGFPを組み込んだと聞いていたと若山は言う。番組
  は、そのES細胞が小保方が使っていた理研の研究室の冷凍
  庫から見つかったとの映像を流している。NHKの記者は、
  電話でその留学生に問い合わせているのだが、「何でそれが
  小保方氏の研究室に在るのか?考えられない。」という証言
  をさせている。ここでNHKは、小保方が若山研にあるES
  細胞を盗み取って、それを若山にSTAP細胞だと言って渡
  したのだという事を暗に言っている。だが、若山は6月16
  日の会見のときには、学生さんからES細胞を小保方にあげ
  たという事を聞いていると言っていたのだ。また若山はこの
  時、自分が理研を去る直前、2013年の3月に、小保方の
  指導を受けて、STAP細胞の作製に成功したともいってい
  た。この経緯についても納得させる説明はない。
                   http://bit.ly/1QJW2Zc
  ───────────────────────────

ノフラー博士のブログ.jpg
ノフラー博士のブログ
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2015年06月25日

●「STAP細胞存在派の主張を探る」(EJ第4063号)

 テレビ、新聞、雑誌、書籍、そしてインターネットでも「ST
AP細胞はない」という情報が満載です。その根拠は「STAP
細胞はES細胞である」というものです。しかし、その根拠は極
めて技術的で素人には難解です。
 これに対して、「STAP細胞は存在する」という情報は、小
保方晴子氏の会見での「STAP細胞はあります!」というあの
言葉だけです。否定する情報は山ほどあり、肯定する情報がほと
んどない。これでは多勢に無勢で、世間一般では「STAP細胞
は存在しない」というムードになる──現在の状況はそんなとこ
ろといってよいでしょう。しかし、現在でも何となく腑に落ちな
いというか、すっきりしない状況が残っています。
 2014年1月28日のSTAP細胞の発表時点で、その存在
を信じ、推進しようとしていた人は次の4人です。
─────────────────────────────
    1.小保方晴子CDB研究ユニットリーダー
    2.若山照彦山梨大学教授
    3.笹井芳樹CDB副センター長
    4.丹羽仁史プロジェクトリーダー
─────────────────────────────
 2014年3月10日の時点で、「2」の若山教授が論文撤回
を呼びかけ、STAP細胞否定派に鞍替えしています。つまり、
逃げ出したのです。若山教授は、小保方氏にとって最も頼りにし
ていた存在であるだけに、小保方氏のショックは、計り知れない
ものがあると思います。
 若山氏が否定派に回ると、小保方氏にとって頼れるのは「3」
の笹井氏と「4」の丹羽氏だけになります。なかでも笹井氏は論
文作成の最大の協力者であり、この分野の国内では最大の権威で
あったので、小保方氏にとって心強い味方だったといえます。
 その笹井氏は、小保方氏が会見を開いたあとの4月16日に自
らも会見を開き、論文には画像などのミスはあったが、STAP
細胞が存在することを強調しています。しかし、その笹井氏は8
月5日にCDB内で自殺をしてしまうのです。
 そうすると、小保方氏にとって残る味方は丹羽氏だけになって
しまいます。しかし、小保方氏にとって丹羽氏は、論文作成のメ
ンターの一人であり、3人のなかでは最も遠い存在ということに
なります。しかし、丹羽氏はSTAP細胞細胞の存在を最後まで
訴え、小保方氏自身による再現実験を実現させたのです。ちなみ
に丹羽氏は、幹細胞生物学の権威です。
 丹羽氏は、現時点ではどのように考えてするかは知りませんが
STAP細胞の存在を信じていた学者の一人です。その丹羽氏に
毎日新聞の須田記者がメールで、「STAP細胞の存在を今も信
じる根拠は何か」と質問し、次の返信を得ています。
─────────────────────────────
 小保方氏が弱酸の刺激を与えた細胞を顕微鏡下にセットし、そ
の後は小保方氏以外の研究者が観察するという状況で、高い割合
の細胞で万能性遺伝子(Oct4)が働き、「これまでに見たこ
ともない動きをしながら」塊を作っていくことを確認した。
 若山氏は、小保方氏から渡されたのがSTAP細胞だったかは
確信が持てなくなっているようだが、その細胞の塊を自分の手で
切って受精卵に注入し、それが高い確率でキメラマウスの胎児と
胎盤に寄与した事実には、今も確証を持っている。若山氏が作製
したキメラマウスの胎盤組織の切片は、丹羽氏自身が顕微鏡下で
観察したが、「TS細胞」と呼ばれる胎盤に分化する既存の細胞
とは「全く異なるパターン」で、かつ「きちんと」STAP細胞
由来の細胞があることが確認できた。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 丹羽氏にしても笹井氏にしても、小保方氏の実験を間近かで見
ているのです。そういう複数の専門家の前で、ES細胞にすり替
えることは不可能であるし、そんなことをしても何にもならない
ことは小保方氏自身が一番わかっていると思います。
 須田記者の本には、笹井氏と丹羽氏が研究者としての小保方氏
をどのように見ていたかについての記述があります。
─────────────────────────────
◎笹井芳樹氏
 小保方さんは、たしかに実験面での天才性と、それに不釣り合
いな非実験面の未熟さ・不注意が混在したと思いますが、特にC
DBに来る以前には、そのギャップを埋めるトレーニングを受け
る機会を逸していたのは残念なことです。かといって、研究を良
心的に進めていたことことを否定するのは、アンフェアであると
思います。
◎丹羽仁史氏
 私は小保方さんのデータ管理能力はもはや疑問を持ちますが、
研究能力の高さはこの目で確認しています。その彼女がデータは
取り違えても、若山さんに独立の実験ごとに再現性よく「変な」
細胞を渡すとは思えません。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 笹井氏も丹羽氏も、若山教授の突然の論文撤回の呼びかけには
相当不快感を持っていたようです。それは、須田記者による若山
教授の論文取り下げについての感想を求めたメールの返信によく
あらわれています。
─────────────────────────────
 若山さんの発言も、変な形で吹き込まれた誤解に基づき発信し
てしまったものだと確認され、その誤解を正す情報が、彼にも伝
わっていないのだろうと思います。      ──笹井芳樹氏
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
              ─ [STAP細胞事件/036]

≪画像および関連情報≫
 ●理研の野望は水の泡/笹井芳樹氏と小保方晴子氏
  ───────────────────────────
  最後まで小保方氏をかばう笹井氏はES細胞の権威として知
  られ、30代で京都大学医学部教授になった優秀な科学者で
  ある。「一時は、ノーベル賞候補とさえ言われていました。
  しかし、ES細胞は生成に卵子が必要なのです。人間に応用
  する場合、女性の子宮から卵子を取り出さなくてはならず、
  倫理的な問題で人への応用研究は実質的にできない状態で、
  その最中に現れたのが、ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏でし
  た。山中氏が発見したiPS細胞が、今や万能細胞研究の主
  流となり、ES細胞は非主流となってしまったのです」(科
  学部記者)。そのため、笹井氏も同席したSTAP細胞の研
  究結果発表の際に、小保方氏がiPS細胞の「300倍の効
  率」と主張したのは笹井氏の山中氏への対抗意識が背景にあ
  ったと言われる。「昨年1月、文科省が山中氏に年間110
  億円の研究費を10年間供給することを約束しました。ST
  AP細胞にもこの規模の予算が投下されることが予想されて
  いました。文科省などが支払う科学研究費の30%は『間接
  経費』で自由裁量が利く経費となります。笹井氏らは数億円
  規模の研究費を自由に使える立場となるはずだったのですが
  ・・・」(文科省関係者)。どんなに小保方氏が「200回
  以上、作成している」、第三者が「作成に成功している」と
  主張しても、特許使用料どころか、莫大な研究費も得られる
  見込みはない。もはや、小保方氏と笹井氏の「O─S結合」
  も切れかかっているのだ。     http://bit.ly/1I8EJeQ
  ───────────────────────────

丹羽仁史氏.jpg
丹羽 仁史氏
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2015年06月26日

●「若山研究室では何を解析したのか」(EJ第4064号)

 そもそもSTAP細胞などは、はじめから存在せず、その正体
はES細胞だったとするSTAP細胞不存在説は実は論文発表直
後から出ているのです。もちろん正式にではなく、匿名のブログ
上で、一貫してその不存在を訴えている研究者と思われる人物が
複数います。
 さて、STAP細胞の発現に最も近い位置にいたはずの若山照
彦山梨大学教授が、なぜ「STAP細胞はES細胞である」と判
断するに至ったのかについて、もう少し詳しく知る必要があると
思います。しかし、このSTAP細胞不存在説について詳細に述
べると、極めて専門的な話になってしまうので、相当簡略化して
述べることにします。
 若山研究室では、小保方氏が客員研究員として共同研究してい
た2012年1月〜2013年3月までに樹立したSTAP幹細
胞を山梨大に運び、冷凍保存していたのです。全部で25株あり
それぞれ次のように名前が付けられていたのです。
─────────────────────────────
       1.  FLS ・・・  8株
       2.AC129 ・・・  2株
       3.FLS─T ・・・  2株
       4.  GLS ・・・ 13株
─────────────────────────────
 予備知識ですが、既に述べているように、STAP細胞は生後
一週間の赤ちゃんマウスの脾臓から採取したリンパ球から作られ
ています。それらのマウスには、「GFP」という細胞を光らせ
る遺伝子が人工的に挿入されています。
 その遺伝子をどこに挿入するかは、マウスの作製者によって染
色体上の挿入位置は異なるのですが、若山研究室では、18番染
色体にGFPを挿入していたのです。
 マウスのすべての染色体は、ヒトと同じように2つがセットに
なっています。その両方にGFP遺伝子が挿入される場合と、片
方だけに挿入される場合があります。これを次のように呼称して
います。
─────────────────────────────
   両方に同じ遺伝子が挿入される場合 ・・  ホモ
   片方に遺伝子が1本挿入される場合 ・・ ヘテロ
─────────────────────────────
 つまり、若山研究室では、GFP遺伝子は18番染色体の両方
に挿入される「ホモ」であったのです。こういう細工を施したマ
ウスを使ってSTAP幹細胞を作製し、それを解析すると、GF
P遺伝子は18番染色体のホモ──すなわち、2本挿入されてい
なければならないのです。この確認によって、そのSTAP幹細
胞はSTAP細胞由来のものであることが証明されるのです。
 若山教授は、研究室が管理していたSTAP幹細胞25株中の
14株(FLS+AC129+FLS─T+GLS中の2株)を
第三者機関(放医研の知人研究者)に解析依頼をしたところ次の
結果が返ってきたのです。
─────────────────────────────
       マウスの系統  GFP挿入場所  性別
    FLS     ○        ×  オス
  AC129     ×        ○  オス
  FLS─T     ○        ○  オス
    GLS     ○        ○  メス
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 一番重要なのはFLSの8株ですが、マウスの系統は論文と同
じであったものの、GFP遺伝子の挿入位置が18番ではなく、
15番の染色体のヘテロ、すなわち片方にのみ挿入されていたの
です。これは、若山研究室が小保方氏に提供したマウス由来の細
胞ではないことを意味します。
 しかし、遺伝子の挿入位置については、解析の誤りであったこ
とがわかり、訂正されたものの、元のマウスと矛盾していること
の謎は残ったままです。
 AC129の遺伝子の挿入位置ついては、18番染色体のホモ
であったのですが、マウスの系統が異なっています。唯一、FL
S─Tについては、マウスの系統も遺伝子の挿入位置も正しいの
です。このFLS─Tは、FLSの樹立の一年後に同じ系統のマ
ウスを使って、若山教授が小保方氏に教わりながら樹立したもの
ですが、これは論文には記載されていません。
 GLSについては、マウスの系統や遺伝子の挿入位置に矛盾は
なかったものの、性別はメスだったのです。これについても解析
結果が違っていて、GLSの13株すべてがオスであることがわ
かったのです。
 このように、解析結果には多くの間違いが発生します。絶対と
いうことはあり得ないのです。したがって、いくつか解析に矛盾
があっても、笹井芳樹氏がいうように、それは研究者によるラボ
でのディスカッションによって解決すべきテーマであり、少なく
とも公共放送にリークしたり、記者会見を開いて疑惑を煽る性格
のものではないはずです。
 もうひとつ若山教授は会見で、AC129、FLS─T、GL
Sのいずれも同様のES細胞が研究室に存在したことを強調して
います。このあたりに、あたかも小保方氏がそれらのES細胞と
すり替える余地があったことを匂わしており、その最初から疑っ
てかかる姿勢には疑問を感じます。
 そのなかで注目すべきは、FLS─Tの2株がマウスの系統も
遺伝子の挿入位置も矛盾がないことです。しかもその1株は若山
教授自身が自ら小保方氏の監督の下に作製に成功したものであり
若山教授自身もノフラー博士に100%自分の手で作製したこと
を告げています。これは、STAP細胞があることの証明ではな
いでしょうか。       ─ [STAP細胞事件/037]

≪画像および関連情報≫
 ●「ネット廃人嘘日誌」ブログ記事より
  ───────────────────────────
  小保方さんのSTAP細胞論文の疑惑の第一発見者は、ブロ
  ガーの kaho 氏のようだ。最近、小保方さんが新聞・雑誌な
  どでめちゃくちゃに叩かれている。もちろん、論文にいろい
  ろ問題があったことは確かだが、当初は、各報道機関はノー
  ベル賞級の論文とか、絶賛していたのが不思議だ。論文の問
  題点の最初の指摘は、有名研究者でも大手報道機関ではなく
  匿名のブロガ― kaho 氏の指摘からだ。生物学に非常に精通
  したブロガーによるブログ 「kahoの日記」 である。そのブ
  ログでは、論文の実験資料を分析し、STAP細胞の存在を
  最初から疑問視していた。この指摘が、インターネット上で
  広がり、関係研修者や、大手報道機関の目にもとまり、今回
  の論文疑惑報道へとなったようだ。その kaho 氏は、最近の
  疑惑論文の犯人探し、小保方さん叩きに等について、ブログ
  に下記のように書いている。「STAPの話題は#5で最後
  にと述べましたが,少しだけ追加する必要ができましたので
  補足を。聞く所によると犯人探しのようなことが起きている
  ようでとても残念です。今回私が投稿した内容は,神戸でN
  GS解析を担当した研究者を批判するものでは全くありませ
  ん.アップロードされたデータや解析内容から伺えることは
  彼らは言われたデータをただとって,言われたように解析し
  たのだろうということです。外部に対してはプロジェクトの
  一員としてある程度の責任はあると思いますが,内部的には
  被害者という側面もあると思っています.恐らくサンプルの
  細胞名すら聞かされていなかったのではないでしょうか。
                   http://bit.ly/1Ji5sak
  ───────────────────────────

GFP(蛍光タンパク質).jpg
GFP(蛍光タンパク質)
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2015年06月29日

●「なぜ不存在の証拠ばかり探すのか」(EJ第4065号)

 STAP細胞をめぐる議論には次の2つがあり、これら2つを
巧みに使い分け、STAP細胞が存在しないという結論に導こう
としている操作があるように思います。
─────────────────────────────
     1.STAP細胞は存在するのかしないのか
     2.STAP細胞論文には多くの疑惑がある
─────────────────────────────
 上記「2」に関しては、多くの画像の取り違えや改ざんなどが
あることは事実ですが、論文自体の論旨や主張などが間違ってい
るという指摘はないように思います。画像が博士論文からの流用
であるとか、電気泳動のデータ画像の切り貼りであるとかが指摘
されていますが、直ちにそれをもって「1」の「STAP細胞は
存在しない」とはいい切れないと思います。そういう論文画像の
改ざんは学者の世界では日常茶飯事だからです。
 理研は「2」については、厳しく断罪していますが、「1」に
ついては断定していないし、国際特許の申請はいまだに取り下げ
られていないようです。もし、STAP細胞が他の研究者によっ
て開発に成功した場合、この国際特許の申請がものをいうからで
す。だから、理研の方から特許申請を取り下げるつもりはないと
笹井氏の会見のさい、理研幹部が発言しています。
 しかし、メディア──とくにNHKは小保方晴子氏が「2」を
行ったことによって、「1」のSTAP細胞の不存在を大々的に
喧伝し、論文を取り下げたにもかかわらず、その後に「NHKス
ペシャル」で偏向的な報道を行い、これまで再生医療の分野で優
れた業績を上げてきた笹井芳樹博士を自殺に追い込み、小保方氏
の名誉を必要以上に毀損させ、学者として再起不能の状況に追い
やっています。こんなことは許されるのでしょうか。
 それにしてもどうしてメディアは最初からSTAP細胞はない
と決めてかかるのでしょうか。それはあまりにもヒステリックで
すらあります。
 若山教授をはじめとするSTAP細胞否定派は、不透明な解析
結果をもって、マウスが異なるということを強弁しています。具
体的にいうと、現在残存しているSTAP幹細胞(万能性が確認
されている細胞)は、若山教授が小保方氏に渡した生後1週間の
赤ちゃんマウスから作製されたものではないことをさかんに強調
しているのです。
 それなら、小保方氏は、どのようにしてSTAP幹細胞を作製
したのでしょうか。
 STAP細胞不存在派は口にこそ出しませんが、マウスがすり
替えられている事実を強調することによって、小保方氏が次のよ
うなことをしたと多くの人に推測させようとしています。
 小保方氏は提供された赤ちゃんマウスを使わず、若山研究室が
保存していたES細胞をひそかに盗み出し、それを培養シャーレ
に混入させ、STAP細胞と偽って若山氏に戻したということに
なります。
 小保方氏がそんなことがたできる状況にあったとは思えないし
そんなことをして、何のメリットがあるのでしょうか。バレるに
決まっているからです。何しろ渡した相手はES細胞のことを知
り尽くしている若山教授だからです。
 しかし、そんな荒唐無稽なことを信じて、理研の元上席研究員
が、ES細胞の窃盗容疑で小保方氏を告発しているのです。なお
この告発の結果については不明です。
─────────────────────────────
 理化学研究所のOBが「ES細胞を盗まれた」として小保方晴
子元研究員を告発した。告発した石川智久氏は、昨年(2014
年3月)まで理研に在籍していた。告発状では「小保方元研究員
は名声や安定した収入を得るために、STAP論文共著者の若山
照彦教授=現・山梨大教授=の研究室からES細胞を盗み、ST
AP論文をねつ造改ざんした」。「不正をもとに理研での安定し
た地位や収入を騙し取った」としている。
 石川氏は「真面目にコツコツと研究している研究者の怒りを含
め、代表して刑事告発するに至った。私の告発の究極のゴールは
立件まで持っていくことです」と語っている。
    ──1015年1月27日/JCASTテレビウォッチ
                   http://bit.ly/1fLpiy7
─────────────────────────────
 若山教授が解析を依頼したSTAP幹細胞は14株です。その
うち「FLS」と名付けられた8株についてはGFPが挿入場所
が異なるとして、若山研究室にないマウスと断定し、若山教授は
記者会見で発表しましたが、これは解析ミスということになって
います。それならOKなのかというとそうではないとわかりにく
い結果になっています。「AC129」に関してもマウスの系統
は異なるとしています。これもわかりにくいです。
 ところが、「FLS─T」の2株と「GLS」の2株について
は矛盾はないのです。しかも「FLS─T」の幹細胞の作製には
若山教授が自らが行っているのです。自分がやっているのですか
ら、これほど確かなことはないはずですが、若山教授は会見でこ
のことは話していないのです。ということは、若山教授の渡した
生後1週間の赤ちゃんマウスからSTAP幹細胞が作製された可
能性は否定できないことになります。
 しかし、彼らは「渡されたSTAP細胞と称するものが、ES
細胞だったかもしれない」と疑うのです。それでは、若山教授が
小保方氏の監督の下で、100%最後まで自分の手で作製した幹
細胞もES細胞だったというのでしようか。
 彼らは、なぜ「STAP細胞はない」ということにこだわり、
その証拠ばかり探すのでしょうか。なぜ「STAP細胞はある」
という視点に立って検討しないのでしょうか。なぜ、メディアは
血眼になって、それがないとする動かぬ証拠(?)を探し、無責
任な報道を繰り返すのでしょうか。もし、STAP細胞があれば
人類は救われるのです。   ─ [STAP細胞事件/038]

≪画像および関連情報≫
 ●STAP細胞は本当に存在しないのか
  ───────────────────────────
  昨日(12月18日)理研からSTAP細胞は存在しないと
  いうコメントが報道された。19日の今日報告会が開かれる
  そうだが、小保方氏は体調悪く欠席するという。理研の報告
  では、小保方氏も再現できなかったことになっている。再現
  できなかったことが、そのまま存在しないという結論になっ
  ている不自然さに違和感を持った。彼女は、幻を見ていたの
  か。バカンティー教授は彼女の実験結果の再現を見ていると
  いっていたがそれは嘘だったのか。彼女は今回の理研の結論
  に果たして満足しているのだろうか。今回の結果を彼女が認
  めているとしたら、この結末は、必ず再現してください、と
  言って他界した笹井氏があまりにも哀れである。もしその存
  在を今でも信じているのならば、小保方氏は今回の理研の発
  表に関わらず、アンダーグラウンドでも構わないので、生涯
  をかけてSTAP細胞の実現に努力すべきである。理研から
  存在しないと結論づけられた研究に対してその対立仮説を努
  力しても無意味、という意見があると思うが、本件は熱力学
  の永久機関と異なる状況だと感じている。それは彼女が存在
  すると結論付けたことに対して明確な否定論理が公開されて
  いないからである。また、植物の細胞でSTAP現象が現れ
  なぜ動物の細胞でそれが観察されないのか、科学的に完璧な
  証明が今でも為されていないという。ただ、実験を行い、そ
  れが確認できないから、100%できない、という結論は、
  科学的方法論から間違いである。  http://bit.ly/1LBAIl5
  ───────────────────────────

小保方氏訴えられる.jpg
小保方氏訴えられる
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2015年06月30日

●「到底納得できない理研の調査報告」(EJ第4066号)

 2014年11月に理研は、調査報告を行い、「STAP細胞
論文は、ES細胞の混入が示され、論文の主たる主張は否定され
ている」として、事実上この問題の幕を引いています。
 調査委員会長を務める桂勲・国立遺伝学研究所長は、約150
人の報道陣を前に、結論として次のように述べています。
─────────────────────────────
 結論を申しますと、STAP幹細胞は残存試料を調べた限りで
は、すべて既存のES細胞に由来していた。それから、STAP
細胞からつくったキメラマウス、テラトーマ(腫瘍(しゅよう)
組織)もその可能性が非常に高い。故意か過失か、だれが行った
かは決定できない。          ──朝日新聞デジタル
                   http://bit.ly/1GDgyzE
─────────────────────────────
 現在でもネット上では、STAP細胞をめぐるさまざまな議論
が行われていますが、その内容は極めてテクニカルであり、素人
には理解しにくいレベルの技術論争が展開されています。
 EJがこのテーマを取り上げたのは、連休明けの5月7日のこ
とであり、そろそろ2ヶ月になろうとしています。以来ブログに
は、一日平均7000回のページビュー(PV)があります。記
事を発信しない土曜、日曜のPVでも平均6000回を超えるア
クセスてがあり、STAP細胞事件の関心の高さに驚いておりま
す。ご愛読を改めて感謝する次第です。
 EJでは、技術論争を展開するサイトは参考にさせていただき
ますが、そうした細かな技術論争に加わるつもりはなく、あくま
で常識的な観点からこの事件の問題点を整理し、論評を加えるつ
もりでおります。EJでは、これまでこういうスタンスで、数多
くのテーマに分析を加えてきているからです。
 さて、理研の最終報告では、要するに「STAP細胞といわれ
るものはES細胞が混入した疑いが濃厚であり、故意か過失か不
明であるが、STAP細胞は最初から存在しなかった」というこ
とになると思います。
 この結論は技術的にはともかく、常識的に考えてもとても納得
できるものではありません。やっと理研CDBの若山研究室(当
時)の客員研究員になったばかりの小保方氏が、そんな捏造をし
て何のメリットがあるのでしょうか。バレるに決まっていること
をあえてやるとは到底思えないのです。
 小保方氏を窃盗容疑で告発した理研の元上級研究員の石川智久
氏がいうように、名声や安定した収入を得るためにそんな捏造を
したのでしょうか。EJでは、小保方氏のこれまでやってきたこ
とを調べてご紹介しましたが、そういう経緯から考えても、小保
方氏が、そんなメリットのないことをするはずがない──これが
ごく常識的な考え方ではないでしょうか。
 仮にSTAP細胞がES細胞であったとした場合、小保方氏の
置かれた環境が、果してそういう細工をすることが可能であった
のでしょうか。
 小保方氏は、自身の会見のとき、ES細胞の混入の可能性につ
いて記者から質問され、次のように答えています。
─────────────────────────────
 STAP細胞の培養を行っていたとき、研究室内では、ES細
胞の培養を一切行っていない状況で、STAP細胞の研究は行わ
れていました。   ──小保方晴子元CDBユニットリーダー
─────────────────────────────
 これに対して若山山梨大学教授は、幹細胞生物学者のポール・
ノフラー博士の質問に次のように答えています。6月23日付の
EJから再現します。「KF」はノフラー博士、WTは若山教授
をあらわします。
─────────────────────────────
KF:STAP細胞がES細胞やiPS細胞の混入の結果である
   可能性はありますか。
WT:私STAPからSTAP─SC(STAP幹細胞)を複数
   回樹立しました。(ESの)混入がその度に起こるなんて
   ことは考えづらいです。さらに私はSTAP─SCを12
   9B6GPFマウスから樹立しました。その当時、我々は
   その系統のES細胞を持っていませんでした。これら実験
   の初期段階では、我々はES細胞やiPS細胞を同時に培
   養していません。        http://bit.ly/1huUfTu
─────────────────────────────
 これを見る限り、ES細胞に関して、小保方氏と若山教授の発
言は一致しています。つまり、ES細胞のコンタミは起こり得な
い状況にあったと2人とも認めているのです。
 しかし、若山教授はその後小保方氏がいつでもES細胞を使え
る環境にあったと発言を変えていますが、これについては改めて
述べることにします。
 CDB内の若山研究室(当時)のなかで小保方氏は、研究室の
メンバーとは離れたデスクで研究を行っていたことをNHKスペ
シャルは明かしています。それは、次のような事情によるもので
あったのです。
─────────────────────────────
 一つには、若山研の主な実験は顕微鏡下で受精卵などを扱うマ
イクロマニピュレータ−という特殊な装置を使うということだ。
マニピュレーターが一人一台用意されたメーンの実験室には若山
氏の席もあり、メンバーから口頭で生データの報告を受けながら
実験を進める。一方、マニピュレーターを使わない小保方氏は、
その部屋とは別の、細胞培養装置などが置かれた実験スペースで
STAP細胞の作製をしていた。できた細胞や組織の解析のため
若山研以外の研究室や、共有の実験装置が置かれた部屋に行って
いることも多かった。  ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
              ─ [STAP細胞事件/039]

≪画像および関連情報≫
 ●理研OBが小保方氏を刑事告発
  ───────────────────────────
  理化学研究所OB石川智久氏が1月26日、「小保方晴子氏
  が若山研究室のES細胞を盗んだ」として、STAP細胞論
  文の筆頭著者であった小保方氏を兵庫県警に刑事告発した。
  告発が受理されれば捜査が始まるが、県警は受理するかどう
  かを検討中だ(27日21時現在)。石川氏は告発前に発売さ
  れたフライデー2月6日号でインタビューに応じている。石
  川氏は、昨年3月まで理研に勤務しており、過去、野依良治
  ・理研理事長と共同研究をしていたこともある。フライデー
  の記事によれば、石川氏は昨年末、理研の調査委員会が「S
  TAP細胞はES細胞が混入したもの」と発表した一方、E
  S細胞が混入した経緯が不明なままであることを不審に思い
  関係者を通じて独自に調査したという。石川氏が証拠として
  挙げるのは、小保方氏が以前所属していた若山照彦氏の研究
  室(現在は山梨大学に転出)からES細胞サンプル入りの箱が
  なくなっていたが、それが小保方氏の研究室で見つかったこ
  と。「若山研究室が理研から山梨大に引っ越す時に、小保方
  氏が盗んだとしか考えられない」という関係者の声も紹介し
  た。当時、STAP細胞のプロジェクトは、小保方氏や元上
  司の故・笹井芳樹氏など、限られた人しか知らなかった。石
  川氏は、この状況の中でES細胞を盗む動機があった人は、
  小保方氏しか考えられないと言うのだ。
                   http://bit.ly/1LuA5Ja
  ───────────────────────────

若山研究室での小保方氏の実験デスクのイメージ.jpg
若山研究室での小保方氏の実験デスクのイメージ
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする