2011年07月29日

●「菅氏にはこんな側近がついている」(EJ第3108号)

 7月26日の「BSフジプライムニュース」は、『「首相・菅
直人」研究、辞めない男の“原点”』というタイトルで報道され
たのです。この番組に「菅直人」のことをよく知る人物として次
の2氏が出演しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
            下村健一内閣審議官
        橘 民義第一総合研究所代表
―――――――――――――――――――――――――――――
 下村健一氏はTBSの元ジャーナリストで、現在菅氏の身近に
いてその考え方をよく知る人物であり、橘民義氏は江田五月氏の
元秘書で、岡山県議を経て菅首相と30年以上の付き合いのある
人物です。このほか、田中秀征・元経済企画庁長官、作家・大下
英治氏がゲストとして出演しています。
 この菅氏サイドの2氏の発言には唖然とすることがたくさんあ
ります。例えば、2011年6月2日の民主党代議士会での菅首
相の「退陣表明」について、われわれとはぜんぜん違う意見を述
べているからです。
 橘民義氏は6月2日の民主党代議士会における菅首相の発言は
退陣表明ではないといい、下村健一氏までが、菅首相は「退陣」
とか「辞任」という言葉は一切使っていないという始末です。本
人は退陣する気はないのに、「退陣」とメディアに書かれ、菅氏
は不本意に思っているそうです。
 これに対して、キャスターの反町理(おさむ)氏と田中秀征氏
が鋭く2人に切り込みます。その一部を再現します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 反町:菅さんはあの代議士会でどうしてあんな発言をしたんで
    すかね。
 橘 :いや、それは民主党の分裂を恐れたのですよ。
 反町:自分の不信任が通ることを恐れたのではないのですか。
 橘 :不信任なんて通らないですよ。鳩山さんだって自分のグ
    ループで賛成する議員が少なくて愕然としたというぐら
    いですからね。数が足りないのですよ。
 大下:そんなことないよ。最終段階で執行部が票読みしたら、
    80票をはるかに超えていて、鳩山さんの提案に乗らざ
    るを得なくなったのですよ。
 橘 :そんなことないですよ。6月2日のことで菅さんは辞任
    を口にしたじゃないかといわれ、報道も辞任表明という
    ように書かれましたね。ところが菅さんは、俺は辞任な
    んかいったおぼえはないというのです。
 反町:議員生活30年やってこられて、あの発言が退陣と受け
    取られないと思っているとしたら、それが側近の橘氏と
    してはつらいところじゃないのではないですか。あれを
    退陣といわない野党なんていませんよ。
 橘 :そうかもしれませんが、菅さんは少なくとも辞めるとい
    うつもりで発言したんじゃないといっているのですよ。
 田中:退陣表明というように、海外を含めて新聞がデカデカと
    出したわけだ。だったら、それを否定しなきゃ。そうで
    しょう。あれは退陣表明じゃないと菅さんはっきりいう
    べきでしょう。
 下村:菅さんは総理の椅子に長くとどまりたいので、いろいろ
    政策を出していると世間の人はいうけれども、まるで逆
    なのです。政策をやりたいので、総理に留まっているだ
    けなのです。そこが菅氏と世間のギャップなんです。
   ──7月26日放送/「BSフジプライムニュース」より
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d110726_0
―――――――――――――――――――――――――――――
 橘民義氏は「不信任なんか通らない」といっていますが、これ
は大下氏のいう通りで、大きな間違いです。執行部は最初のうち
は、小沢グループが数をまとめ切れないとみていたのです。
 しかし、小沢グループは、最初から鳩山グループはあてにでき
ないと見て、小沢氏自身がグループの結束に力を入れ、70名以
上を固めたのです。しかし、70名では不信任案は可決できない
ので、全員離党して新党を結成するつもりでいたのです。
 ところが小沢グループが70名以上まとめていることを知った
他の議員──その大半は様子見を極め込んでいた議員たちなので
すが、それらの議員が賛成にシフトしてきて、80名を大きく超
えてしまったのです。不信任案はほぼ可決が確実だったのです。
 菅氏は鳩山氏に辞任を明言しています。そのため、人の好い鳩
山氏は文書から辞任や退陣の言葉や辞任時期を外し、あえて曖昧
にしたのです。武士の情けです。しかし、サインはして欲しいと
迫ったのですが、菅氏はそれも「勘弁してくれ」と拒否していま
す。しかし、辞任の言葉を聞いている鳩山氏はそれでも受け入れ
たのです。菅氏は鳩山氏の甘さにつけ込んだのです。
 さらに代議士会で菅氏は、慎重に辞任や退陣という言葉を使う
ことを避け、言質を取られないようにしています。それ以降菅氏
は国会の答弁でも辞任や退陣という言葉を一切使っていないので
す。そして、側近には「俺は辞任する気でいったのではない」と
伝えているのです。最初から騙すつもりだったようです。
 下村氏も橘氏も菅氏とは30年来の付き合いであり、菅氏の良
い点も悪い点も知り尽くしているはずです。まして下村氏は、元
ジャーナリストであり、支持率が16%まで落ちて、不支持率が
70%を超えている菅氏の置かれた立場がどういうものかよくわ
かっているはずです。なぜ、その状況を説明し、退陣を勧めない
のでしょうか。ただ、菅氏を擁護しているだけで、世間一般とは
お二人ともズレていると思います。
 鳩山政権のときと違ってメディアは菅政権に好意的であったと
思います。それでも最近は批判色が濃くなりつつあります。それ
は菅氏が世間の常識を超えて総理の座に本気でしがみついている
からです。         ── [日本の政治の現況/34]


≪画像および関連情報≫
 ●BSフジプライムニュースとは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  単にニュースを伝えるのではなく、ニュースで浮き彫りにな
  った問題点を多面的な観点から解説し、ゲストと共に議論。
  その中で新たなニュースを番組から発信し、視聴者へ前向き
  かつ具体的な提言や提案をすることを目指す。キャスターに
  は、元フジテレビアナウンサーの八木亜希子と、フジテレビ
  入社以来報道一筋の反町理(フジテレビ政治部編集委員)が担
  当。金曜日は八木に代って島田彩夏(フジテレビアナウンサ
  ー)が担当する。また、解りづらい専門用語や問題の経緯な
  どを解説する解説キャスターに報道のエキスパートであるフ
  ジテレビ解説委員の面々が曜日別で登場する。
  ―――――――――――――――――――――――――――

BSフジプライムニュース/2011.7.26.jpg
BSフジプライムニュース/2011.7.26
posted by 平野 浩 at 04:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする