2011年07月15日

●「民主党潰れたって構わない」(EJ第3099号)

 7月12日の産経新聞の「単刀直言」において、鳩山由紀夫前
首相が「民主党潰れたって構わない」というタイトルで自省の念
をこめて激白しています。このタイトルは、菅首相が仮に解散を
仕掛けるることによって民主党が割れ、消滅してしまったとして
も構わないという決意を述べています。前と大きく違います。
 今のままでは、国民の利益を大きく損なう状況になることは間
違いないので、そんな民主党なら潰れたって構わないと考えてい
るわけです。そして、菅氏のやり方について次のことを明かして
います。
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 菅直人さんは、私が首相のときに副総理として、何度も「厳し
 い局面に立たされたら、別の大きなテーマを示せばそちらに国
 民の目が向いて局面を打開できるんだ」と進言してきました。
 (米軍)普天間飛行場移設問題で危機に陥ってるときにも「消
 費税増税を言え」と働きかけました。私は「言えない」と答え
 ました。      ──2011年7月12日付、産経新聞
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 菅氏はまさに確信犯なのです。国民にとっては実に失礼な話で
あります。鳩山政権のときからそのようなことを考えていたので
すから。そして首相になってから実際に自分の思うところを実践
し、参院選に敗北したのです。それでも懲りず、現在は自政権の
延命のため、そういうパフォーマンスを続けているのです。鳩山
氏は菅氏の政権運営について次のように批判をしています。
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 小泉純一郎元首相の流儀をまねて、党内に抵抗勢力を作って戦
 っている姿を示して支持率を上げようともしました。憎悪の塊
 みたいに小沢一郎元代表を敵に祭り上げ、政権運営してきまし
 た。「小沢さんが党内にいると、うまくいかない」と言ってい
 ましたね。菅さんには、鳩山政権と違う色を出せば政権浮揚す
 るという気持ちがあるんですね。私が打ち出したものを否定し
 たことで、民主党の理念が見えなくなった。
           ──2011年7月12日付、産経新聞
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 それでは、民主党はどうしたらよいのでしょうか。鳩山氏は次
期首相について次のように意見を述べています。
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 次の首相は、党内をきちんとまとめ、好き嫌いではなく、政策
 の議論を行い、他党にも協力を得られるような包容力のある人
 が必要です。小沢さんのような官僚システムを熟知している人
 の協力を求めながら、党としても政府としても経験と能力を生
 かし切れる態勢にすべきです。
           ──2011年7月12日付、産経新聞
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 この鳩山氏の言葉では「小沢さんのような官僚システムを熟知
している人の協力を求めながら」と述べていますが、小沢氏と協
調しながら、他党にも協力を得られる人材など、今の民主党に果
たしているでしょうか。この難局を乗り越えて、民主党政権を安
定させるためには、小沢氏が総理になるしかないという思いがそ
こに込められているのです。
 既に述べたように、野党のときの民主党は、自分たちの力では
政権は取れないと考えて、日本の政治家で唯一政権交代を成し遂
げている剛腕小沢一郎自由党党首に頼ったのです。そしてその願
いは6年後に結実します。
 しかし、そうなった瞬間から彼らは小沢氏が邪魔になったので
す。そして党の政策決定になるべく小沢氏が介入しないよう予防
線を張りはじめたのです。こんな勝手な話があるでしょうか。
 鳩山氏自身は、自分たちが政権交代を実現するために招聘した
小沢氏にはそれなりのポストを用意するつもりでいたのですが、
党内には強い反対が多く、鳩山氏はそういう動きをうまくまとめ
切ることができなかったのです。
 こんな動きがあったのをご存知でしょうか。
 2009年8月30日──それは歴史に残る衆議院選挙の投票
日です。既にその時点で世論調査の結果を受けて、民主党勝利は
間違いなしの予測が出ていたのです。これに有頂天になった民主
党の一部の議員(主流G)人たちは、岡田克也氏が代表時代にま
とめた「岡田政権500日プラン」に基づいた政権移行チームを
8月31日にも立ち上げるべく動き出したのです。
 彼らとしては、小沢氏が動き出す前に手を打たないと小沢氏に
思うようにやられるという不安感があったのです。しかし、この
政権移行チームについては、何も聞かされていなかった輿石東氏
が潰したので、外に大きく漏れることはなかったのです。しかし
このことを知った小沢氏は激怒したといいます。30日の選挙の
大勝利にもかかわらず、小沢氏の表情が非常に険しかったのはそ
のためなのです。
 鳩山政権のとき、さかんに「小沢幹事長による二重支配」とい
うことがいわれましたが、細川政権時代に武村正義氏や田中秀征
氏がそのように批判したことから、マスコミがそう書いたもので
あると、平野貞夫氏は反論しています。細川首相の主席秘書官で
現在駿河台大学総長の成田憲彦氏は、2009年9月10日の産
経新聞に掲載されたコメントでそれを否定しています。
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 細川内閣時代には、当時、新生党代表幹事だった民主党の小沢
 一郎代表代行による「二重支配」が指摘され、今も同様な構図
 と指摘する報道があるが、事実ではない。小沢氏は細川元首相
 の言うことに従っていた。         ──平野貞夫著
       『日本一新/私たちの国が危ない!』/鹿砦社刊
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 日本中の多くの人が小沢一郎という政治家を間違ってとらえて
います。          ── [日本の政治の現況/25]


≪画像および関連情報≫
 ●「岡田政権500日プラン」の夢物語
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  民主様の能書きは、壮大ですね。(棒読み)
  第1週内に首相官邸の首相補佐官、首相秘書官ら前政権を支
  えたスタッフは全員入れ替える。あのさぁ、亜米利加のホワ
  イトハウスじゃないんだからさ、総取っ替えしたら、仕事が
  回らんのではないんかい?ホワイトハウスは、総取っ替えし
  ますよ、たしかに。でも、それって、2大政党制政治が熟し
  ているからであって、能力も人材も無い政党がそれをマネし
  ても、上手くいくわけないと思うんだけどねぇ。
  普通だったら「お手並み拝見」で済むかもしれないけれど、
  このご時世・・・日本の政治が空転したら、世界的にも影響
  があるわけで、今までのノウハウを全部捨て去ることの影響
  まで考えてないんだろうなぁ・・・
     http://myjulia.btblog.jp/cm/kulSc03mH454672A1/1/
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鳩山前首相.jpg
鳩山前首相
posted by 平野 浩 at 04:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする