2010年02月09日

●「記者クラブ制はどこが問題か」(EJ第2750号)

 自民党が与党の時代は、記者クラブに属さないフリーメディア
の雑誌などの記者は、記者会見にも参加できないので直接取材し
ようとすると、幹事長、役員、派閥領袖から一議員にいたるまで
次の言葉で追い返されていたのです。
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          記者クラブを通してこい
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 それに加えて「番記者制度」というのものがあります。これも
記者クラブ記者の特権なのです。組織メディア各社の政治部は、
これまで与党自民党の三役、派閥領袖、実力者をはじめとして、
野党党首、野党幹事長までの政治家の「番」をする記者を担当者
――「番記者」として配置しています。
 そして、政治家の自宅に夜討ち、朝駆けして政治家との間に人
間関係を築き、そのうえで基本的には報道しないことを前提とす
るオフレコ懇談――「記者懇」を開き、重要情報を探る取材方法
を駆使してきたのです。もちろん、こうした記者クラブの取材活
動には外部から参入することは不可能だったのです。
 この記者クラブ制――何が問題なのかというと、情報が制限さ
れることです。政権与党にとって都合の悪い情報は何らかのサイ
ンを出せば書かないし、逆に書いて欲しいことは積極的に情報を
リークして書かせるというコントロールが可能な点です。
 これは与党側にとっても、組織メディアにとってもきわめて都
合のよいことですが、このやり方では本来国民に知らせるべき重
要な報道が制限されることになります。
 ところが、記者会見に素姓のわからない多くのメディアが参加
すると、クラブ記者は書くのを控えようと思っても、どこかのメ
ディアが報道するかもしれないので、結局は報道してしまうこと
になる――本来これでなければいけないのです。
 小沢はどうかというと、これは自民党の幹事長時代から一貫し
ていることですが、本来記者会見というものはテレビで報道され
新聞にも記事が載るものであり、公開が当然という考え方に立っ
ています。これについて渡辺乾介氏は、小沢は「公開」というよ
りも「開放」を目指したとして、次のように書いています。
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 それまでの記者会見は記者クラブの、記者クラブによる、記者
 クラブ記者のためのものであり、質問は記者クラブ記者しか許
 されず、フリーメディアの参加など論外だった。小沢は自民党
 幹事長在任中の後期あたりから、記者クラブとは関係なく自分
 の記者会見には来る者拒まずの姿勢を鮮明にし、外国人記者や
 フリーランスの参加を認めた。小沢の公開記者会見は経世会分
 裂で旗揚げした「改革フォーラム21」、新生党の会見、細川
 政権の代表者会議、代表幹事記者会見へと間口を広げながら引
 き継がれた。新進党の幹事長――党首期にほぼ定着した。
 ──渡辺乾介著、『小沢一郎/嫌われる伝説』より/小学館刊
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 小沢の記者会見をテレビで見ると、よく小沢が記者を叱りつけ
る映像が報道されます。そういう部分だけを切り取って見せられ
ると、何と傲慢な・・という印象を受けてしまいます。
 これに対して、在日50年の米国人ジャーナリストであるサム
・ジェームソン氏は、「小沢さんは理屈に合う質問にはきちんと
答える人です」といって次のように述べています。
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 小沢さんとは、細川政権の時、外国人記者のグループで毎月懇
 談していました。非常に論理的で、どんな質問にも答え尽くそ
 うとしていたのが印象的でした。日本のプレスは「いつ説明責
 任を果たすのか」と、表面的なことばかり何度も何度も繰り返
 し質問するので、我慢強くない小沢さんが怒るシーンが(記者
 会見などで)撮影されていますが、本来、理屈に合う質問をす
 る人には理屈に合う返事をする人です。
  ――2010.1.29(28日発行)/日刊ゲンダイより
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 ジェームソン氏は、小沢はマリナーズのイチローと同じタイプ
であるとして、日本人記者によるイチローへの愚にもつかない次
の質問を紹介しています。もちろんイチローは無視しています。
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         けさ、何を食べましたか
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 日本人記者がまともな質問もできないほどレベルが低いのは、
記者クラブのせいであると思います。なぜなら、クラブ記者は重
要な情報――正しいかどうかは不明であるが――ラクに手に入る
環境にいるからです。
 最近知った記者クラブの弊害をひとつ紹介します。小沢が政治
資金で土地を購入していることを鬼の首でも取ったように非難し
ている自民党の町村信孝議員が、やはり政治資金で土地を購入し
ていたことが、日刊ゲンダイ/1月28日(27日発行)に出て
いるのです。
 町村氏が代表を務める資金管理団体「信友会」は、2001年
に北海道江別市の不動産(建物)を1000万円で取得。登記簿
によると、建物の所有者は町村氏自身なのです。
 信友会は2007年にこの建物を約600万円で町村氏本人に
売却しているのですが、建物は2001年12月の「新築」なの
に信友会の政治資金収支報告書では、取得の日付が建築前の7月
と11月になっていることです。
 金額は違いますが、町村も小沢と同じようなことをやっている
のです。政治資金で不動産を購入するなんて今までに例がないと
テレビのコメンテーターはいっていますが、調べるとこういうケ
ースが続々と出てくるのです。
 しかし、何よりも卑劣なことは、記者クラブ所属の組織メディ
アはこのことを報道していないのです。「悪いのは小沢だけ」と
いえなくなるからです。       ―[小沢一郎論/26]


≪画像および関連情報≫
 ●江田憲司議員も政治資金で建物を購入している
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  ネットによると、江田憲司議員も政治資金で不動産を購入し
  ています。当時は別に法的には問題はないのですが、「やっ
  ているのは小沢だけ」という組織メディアの報道は事実が明
  確だけに公平ではないと思います。購入した建物は、横浜市
  青葉区の106平方メートル、840万円であり、平成15
  年4月1日と収支報告書には記載されています。
      http://blogs.yahoo.co.jp/voteshop/1935210.html
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町村信孝議員と江田憲司議員.jpg
町村信孝議員と江田憲司議員

posted by 平野 浩 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする