2010年02月08日

●「記者クラブ廃止の公約と民主党」(EJ第2749号)

 現代のテレビには、政治をテーマとしたバラエテイ番組が多く
あって、その視聴率はかなり高いといいます。テレビ朝日の「タ
ケシのTVタックル」や日本テレビの「太田総理」などがそうで
すが、小沢はこの手の政治バラエテイ番組にはいっさい出演しな
いことに決めているようです。
 もし、小沢がこの手の番組にときどきでも出演していれば、そ
の人となりが知られ、好感度もアップしたと思われますが、小沢
はそうしないのです。その理由について、小沢は次のように語っ
ているのです。
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 政治には国民の命が懸かっている。不真面目、いい加減な気持
 ちで茶化すものではない。バラエティには人々を楽しませる重
 要な意義があるが、それと政治は違う。政治を真正面から議論
 するならどこにでも出る。そうでなければ政界を引退してから
 考える。                 ──渡辺乾介著
         『小沢一郎/嫌われる伝説』より/小学館刊
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 ここから小沢とメディアの関係について書いていきますが、そ
の前に「メディア」の定義を明らかにしておく必要があります。
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          1.組 織メディア
          2.フリーメディア
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 「組織メディア」とは、新聞社とテレビ局を指しているのです
が、その実体は「記者クラブ」なのです。これについては、後で
詳しく述べます。
 「フリーメディア」とは、出版社系雑誌、外国報道機関、個人
のフリーランスメディアを指しています。メルマガやブログやツ
イッターなどのメディアも一応この中に入りますが、「ネットメ
ディア」という分類も考えられます。
 ところで、「記者クラブ」とは何でしょうか。一般的な定義を
上げておきます。
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 記者クラブとは、首相官邸、各省庁、地方自治体、地方公共団
 体、警察、業界団体などの組織に設置された記者室を取材拠点
 にしている、特定の報道機関の記者が構成する組織のこと。記
 者室を設置している各団体から独占的に情報提供を受けること
 で知られる。記者室の空間及び運営費用は原則として各団体が
 負担・提供し、記者クラブが排他的に運営を行う。同種の組織
 は日本国外では一般的でないため、たとえば、英語ではkisha
  clubないしはkisha kurabu と表記する。日本における報道
 の寡占・閉鎖性の象徴として内外から批判されている。
                    ――ウィキペディア
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 テレビでたびたび見かける鳩山総理大臣の記者会見は、内閣記
者会がすべてを取り仕切っています。かねがね民主党は野党のと
きから、記者クラブは廃止するといっていたのですが、政権交代
が実現したとたん、平野官房長官はこの公約に消極的姿勢を示し
2009年9月16日に行われた鳩山首相の就任記者会見は、今
までの記者クラブのメンバーに外国特派員記者など一部の記者が
新たに会見に参加できたものの、ネットメディアは完全に締め出
されたのです。
 これは、明らかに公約破りなのですが、こういうことは記者ク
ラブを擁する組織メディアは絶対に書かないのです。つまり、組
織メディアは自分たちにとって都合の悪い情報はいっさい流さな
いということです。
 ところで、記者クラブには、内閣記者会のほかに次の2つのク
ラブがあります。
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           1.平河クラブ
           2.野党クラブ
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 自民党政権時代は、平河クラブは与党(自民)担当の記者クラ
ブです。平河町にある自民党本部の平河クラブは「党本部平河」
といい、衆議院内にある平河クラブは「院内平河」として区別し
ているのです。所属する記者は、国会開会中は院内平河に、国会
閉会中は党本部平河に詰める場合が多いのです。
 これとは別に野党を担当する野党クラブがあります。政党の党
首、幹事長の会見は、今までは自民党と公明党は平河クラブ、野
党は野党クラブがやっていたのですが、政権交代でこれが逆転し
たことになります。つまり、平河クラブが野党クラブになり、野
党クラブが与党を担当することになるのです。
 記者クラブを廃止する――といってもこれは簡単なことではな
いのです。記者クラブは、新聞・テレビの政治部記者にとって、
取材と情報収集の最前線基地であるだけでなく、政治報道の生命
線的存在なのです。
 したがって、もし、記者クラブがなくなってしまうと、組織メ
ディアは政治報道が立ち行かなくなることは目に見えているので
絶対に反対なのです。
 しかし、メディアが一番警戒し、恐れているのは小沢幹事長な
のです。なぜなら、小沢は最初から、この記者クラブ制に反対で
あるからです。
 小沢は自民党幹事長に就任した当初は記者クラブの慣習にした
がって行動したのですが、しばらくすると、オフレコ懇談の記者
懇談会をやらなくなったのです。小沢の言い分はこうなのです。
「私は記者会見でもその他の場で言うことは同じだ。公式・非公
式も、建前と本音の別もない。だから、記者懇をしても意味がな
い」と。今回、検察と記者クラブ所属の組織メディアが共闘して
いるように見えるのは、案外こういうところにも原因がありそう
です。               ―[小沢一郎論/25]


≪画像および関連情報≫
 ●記者会見をオープン化した岡田外相
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  小沢、鳩山の歴代代表の公約を反古にして官邸記者会見から
  インターネットメディアなどを締め出した民主党にも良心が
  残っていた。民主党幹事長時に党本部の記者会見をオープン
  にしてきた岡田克也外相は、9月29日から外務省の大臣記
  者会見を記者クラブ加盟社以外のジャーナリストにも開放し
  た。外務大臣記者会見開放をめぐる経緯はこうだ――。岡田
  氏は外相に就任すると間もなく記者会見を記者クラブ加盟社
  以外にも開放すると発表した。この方針に待ったをかけたの
  が記者クラブだ。理由を示してほしいと岡田大臣側が記者ク
  ラブに申し入れていたが、今日に至るも記者クラブ側から明
  確な見解は示されなかった。
   http://www.news.janjan.jp/media/0909/0909290965/1.php
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オープンの記者会見/岡田外相.jpg
オープンの記者会見/岡田外相
posted by 平野 浩 at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする