あります。これからの話はケータイの料金に関わることなので、
きちんと読んでいただく必要があります。
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1.通 話
2.Eメール
3.パケット
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まず、「通話」ですが、これは一般の固定電話と同じで、交換
機を経由しますので、話す時間に応じて料金がかかります。各社
によって料金は異なりますが、平均的には「30秒/20円(税
別)」程度かかります。この料金はかつての固定電話、「3分/
10円」と比べると、途方もなく高い料金であることをアタマに
入れておく必要があります。しかし、ケータイでも固定電話と同
じ感覚でかけてしまう人がとても多いのです。
仮にケータイで3分間話したとしましょう。そうすると、3分
は180秒ですから、120円かかってしまうのです。固定電話
なら、これが10円以下で済むのですから、12倍も高いという
ことになります。5分なら200円、10分なら400円です。
仕事の電話なら、そのくらい話しているのではありませんか。し
たがって、ケータイで長話をすることは命取りです。
このように考えると、もし、かける相手が同じキャリアなら、
何時間話しても無料(無料ではない時間帯もありますが)という
サービスがいかに有利であるかわかると思います。通話を無料に
することはキャリアにとっては大変なことなのです。
次は「Eメール」ですが、メールで重要なことは、送信にも受
信にも料金が課金されることです。最近では、メールの文字数で
表現されていますが、基本的には1パケット当たりいくらという
料金計算になります。ちなみに1パケットは128バイト(半角
文字=1バイト、全角文字=2バイト)です。
ごく常識的な理解では、送信時に料金がかかるのはわかるが、
受信時に料金がかかるのはわからんという人は多いと思います。
メールの受信についてはこんな話があります。
福田康夫さんが官房長官をしていたときの話です。当時ケータ
イに迷惑メールがうんざりするほど着信していたのです。福田官
房長官のケータイも同様であったそうです。あるとき官房長官は
受信メールにも料金がかかるのを知って首をひねったというので
す。そこで、官房長官はNTTドコモの幹部を官邸に呼びつけ、
次のように聞いたそうです。
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なぜ、受信メールに金がかかるのか。ましてこっちに何も関係
のないメールにまでなんで料金を払わなければならないのか。
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ドコモの幹部は恐縮して、受信メールにも料金がかかる理由を
説明したのですが、官房長官にどうしても納得してもらえなかっ
たというのです。しかし、そのとき「迷惑メール」については早
急に対策を立てるようにという強い指示を官房長官から受けてし
まったのです。
これを契機にケータイキャリア各社は、本気で迷惑メール対策
に乗り出し、現在ではほとんど解決しています。やればできるの
です。ところであなたは、ケータイメールではどうして受信にお
金がかかるかご存知でしょうか。
NTTドコモの3Gケータイ(FOMA)のケースを例にして
全角20文字から全角5000文字までの送信と受信の料金を比
較してみます。
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≪FOMA≫ 送信 受信
全角 20文字 1.9円 2.7円
全角 50文字 2.1円 2.9円
全角 100文字 2.5円 2.9円
全角 250文字 3.8円 3.6円
全角1000文字 9.9円 6.1円
全角3000文字 26.0円 13.0円
全角5000文字 42.0円 20.0円
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これを見ると、文字数が少ないときは送信料よりも受信料の方
が高く、文字数が多くなると、逆に送信料の方が受信料よりも高
くなっています。どうしてこのようなことになるのでしょう。
これについては、ケータイメールの送受信のメカニズムにかか
わることなので改めて述べますが、Jフォン(現在のソフトバン
クモバイル)は、ボーダフォン時代を通して一貫して受信料は無
料(一定文字まで)なのです。
ところがドコモの2Gケータイ≪mova≫については、FOMA
より送信料が高いのです。
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≪mova≫ 送信 受信
全角 20文字 1.0円 1.0円
全角 50文字 1.6円 1.0円
全角 100文字 2.3円 1.3円
全角 150文字 3.8円 1.6円
全角 250文字 4.5円 2.3円
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どうしてこのようなことが起こるのかというと、それは周波数
の帯域幅ということに関係があります。周波数はわかりにくい話
なのですが、ケータイを理解するには避けて通れないので、これ
についても、号を改めて説明します。
NTTドコモは、受信料無料でJフォンに攻められたときFO
MAだけはパケット料金を割り引いて、≪mova≫からFOMAへ
の移行を呼びかけたのです。この戦略は功を奏し、かなりの加入
者があったといいます。 ・・・・ [通信戦争/10]
≪画像および関連情報≫
・Jフォンについて
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1997年2月、東京デジタルホンがコミュニケーションネ
ーム「J-PHONE」を使用開始。 1998年3月、イメージ・
キャラクターに藤原紀香や優香やフェイ・ウォンを起用した
CMや広告が流れ、OLなど女性を中心にブームが起きる。
1999年8月、日産自動車の経営不振でそれまで保有して
いたデジタルホン3社を有する日本テレコム(現・ソフトバ
ンクテレコム)に譲渡。1999年10月、デジタルツーカ
ー各社が「ジェイフォン」(J-フォン)を冠した商号に変更
し、全国統一ブランドとなる。
・藤原紀香のCMを見たい人はどうぞ!!
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=65953
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