2021年12月03日

●「ブロックチェーンは進化している」(第5626号)

 今日は金曜日。金曜日のEJは、いつもと違うスタイルで書く
ことにしています。
 私の行きつけの書店は池袋のジュンク堂(丸善)と西武百貨店
の三省堂本店です。どちらも大書店ですが、技術系の書籍数は、
ジュンク堂の方が多いと思います。それにジュンク堂の場合、多
くの椅子が置いてあるので、そこにゆっくり座って本を吟味する
のに便利です。
 場所的には、三省堂は駅の改札口を出て目の前ですが、ジュン
ク堂は東口に出て、少し歩かなくてはなりません。そこで中継地
点として、ジュンク堂の近くの純喫茶『伯爵』(東口店)をよく
利用します。ジュンク堂に行く前か、帰りにそこで休むのです。
今どき珍しい昭和レトロな店で、ゆったりできる喫茶店です。コ
ーヒーもなかなかのものです。
 しかし、コロナ禍の場合、ジュンク堂ではすべての椅子が撤去
され、密にならないように配慮しています。そうなってしまうと
年寄りには長時間本を選ぶのはつらくなるので、緊急事態宣言期
間中はジュンク堂は敬遠していました。
 30日、用事があって池袋に行ったので、久しぶりにジュンク
堂に行ったのです。各フロワーに、ちゃんと椅子は置いてありま
した。6階のコンピュータ関連本のフロアーに行ってみると、添
付ファイルのように、NFTの本がズラリ。ノンファンジブルト
ークンの本で、しかも3冊、相当厚い本です。
 店員にブロックチェーンの本はどこにあるかと聞いてみると、
3段の棚にギッシリ。やはり、ブロックチェーンに大きな異変が
起きているようです。
 2021年12月1日付の日本経済新聞によると、米ツイッタ
ーの創業者、ジャック・ドーシー最高経営責任者/CEOは29
日付で引退を表明し、強い関心を寄せる暗号資産(仮想通貨)の
軸足を移すと表明しています。
 ジャック・ドーシー氏としては、21年1月、暴力を煽動する
投稿が規約に違反するとして、当時約8800万人のフォロワー
を抱えていたトランプ米大統領(当時)をツイッター上から永久
追放した気骨のある人物として知られています。
 ところで、ドーシー氏は、今後何をやろうとしているのでしょ
うか。日本経済新聞は、次のように報道しています。
─────────────────────────────
◎SNSから仮想通貨へ
 ドーシー氏は、ツイッターの創業を通じて、インターネットの
特性である「オープンで非中央集権」を志向するSNSの構築を
目指してきた。同氏の関心は今、同じく分散型の技術的思想を基
盤とする仮想通貨「ビットコイン」にある。7月、仮想通貨関連
のイベントに登壇した際、同氏はビットコインについて「私が子
どもだったころのインターネットを思い出させる」と述べた。
 ビットコインには、マイニング(採掘)と呼ぶ計算作業を通じ
て消費する電力が環境負荷をもたらす課題がある。10月にはC
EOを兼務してきた米決済大手スクエアを通じて、電力効率の高
い半導体の開発に乗り出す考えを表明した。誰もがマイニングに
参加できる環境を整え、一部の業者に偏る採掘作業を分散させる
構想も示している。──2021年12月1日付、日本経済新聞
─────────────────────────────
 一口に「ブロックチェーン」といいますが、ブロックチェーン
も進化しているのです。株式会社Ginco の代表取締役、森川夢佑
斗氏は、ブロックチェーンの進化を1・0、2・0、3・0とし
て整理すると、次のようになります。
─────────────────────────────
◎ブロックチェーン1・0/通貨ペイメント
 ビットコインの「P2Pネットワークでのお金のやり取り」と
いうテーマに用途を絞り込んだブロックチェーンである。PоW
のコンセンサスプロトコルをベースに、ブロック生成にかかる時
間や、ブロックチェーンの透明性・匿名性を調整したものが、こ
のブロックチェーン1・0である。
≪代表的暗号資産≫
 ・ビットコイン
 ・ビットコインキャッシュ
 ・ライトコインほか
◎ブロックチェーン2・0/多機能プラットフォーム
 1・0の「通貨ペイメント」に加えて、イーサリアムを参考に
した「アプリケーションの実行環境」として開発されているのが
モデルのブロックチェーンである。これによってさまざまなアプ
リケーションの開発され、豊かなプラットフォームが形成されて
いこうとしている。
≪代表的暗号資産≫
 ・イーサリアム
 ・ネム
 ・ネオほか
◎ブロックチェーン3・0/多機能&高効率プラットフォーム
 イーサリズムをベースに、コンセンサスプロトコルを改良し
て、それらが抱えた問題を根本的に解決するよう解決するよう
開発された次世代型のプラットフォーム型のブロックチェーン
てある。
≪代表的暗号資産≫
 ・イーオーエス
 ・ジリカ
 ・アイコンほか
 ──森川夢佑斗著『これからのブロックチェーンビジネス』
                        MdN刊
─────────────────────────────
 来週からは、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)が今後どう
なるのかについて、記述していきます。年内は、デジタル社会論
をこのまま継続してお届けします。
             ──[デジタル社会論V/080]

≪画像および関連情報≫
 ●進化を続けるブロックチェーンは、どの業界に影響を
  もたらすのか
  ───────────────────────────
   仮想通貨の基盤として一躍注目を浴びたブロックチェーン
  だが、この技術は実際にはより広範な可能性を秘めている。
  今後、製造や流通、金融、医療、不動産など、様々な業界で
  の活用が加速していくことになるだろう。そもそもブロック
  チェーンはビジネスにどのようなメリットをもたらすのか。
  事例を交えながらその動向を探ると共に、一人ひとりの働き
  方をも変えていく将来を展望する。
   ブロックチェーンが注目され始めたのは、ビットコインな
  ど仮想通貨の運用を支える基盤技術として用いられるように
  なったのがきっかけだ。だが、ブロックチェーン自体は高い
  汎用性をもった技術であり、製造業や流通・小売業など、B
  2B(企業間取引)を含めた非常に幅広い業界・業態のビジ
  ネスに応用できる。
   そもそもブロックチェーンとはどういうものなのか。簡単
  に言えば「台帳を分散して皆で共有しあう仕組み」である。
  従来のデータベースは中央集権型と呼ばれ、一カ所で集中管
  理されたデータに対して権限を持ったユーザーがアクセスす
  る形態をとっていた。これに対してブロックチェーンはデー
  タそのものをユーザー全員が持つ。さらに新しいデータは一
  定時間ごとに「ブロック」としてまとめられて配布され、積
  み重なっていく。また、それぞれのブロックは時系列で相互
  につながれている。      https://bit.ly/3o75MSQ
  ───────────────────────────
続々と出版されるNFTの本.jpg
続々と出版されるNFTの本
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月02日

●「ディーファイにはリスクがひそむ」(第5625号)

 ディーファイ「DeFi/ディーファイ」、分散金融の主要なサー
ビスの一つは、DEX、すなわち、分散型取引所です。これにつ
いては既に説明が終わっています。主要なサービスのもうひとつ
は「レンディングプラットフォーム」です。
 これをはじめたのは、暗号資産融資サービスのコンパウンドで
主にイーサリアムを利用した暗号資産のレンディングサービスを
提供しており、貸し手と借り手をスマートコントラクトの技術を
使って結びつけるのが特徴です。
 コンパウンドでもユニスワップと同様に「プール」の仕組みを
導入しています。ユーザーがウォレットを経由して、自分が保有
している暗号資産を預け入れたり、暗号資産を借り入れたりでき
ます。借りる場合は、借り入れ額の150%を担保にする必要が
あります。
 借り入れ利率は、暗号資産によって異なり、需給バランスに応
じて変動します。年利はいろいろで、年利6%〜20%になる場
合もあり、通常の金融商品に比べて収益性が高いといえます。
 プールの仕組みが使われるということは、このレンディングシ
ステムは、貸し手と借り手を直接マッチングさせるのではなく、
ユーザーはプールに暗号資産を貯め込むだけでよいのです。この
資金はコンパウンドが預かるのではなく、ブロックチェーン上に
ロックされ、後はプログラムによって管理されます。
 暗号資産をプールに預け入れると、「c Token」 が交付されま
す。これは「債権トークン」とも呼ばれています。cToken には
一定の利率が付与され、暗号資産を引き出すときには、利子が上
乗せされて戻ってくるようになっています。cToken を取引所に
おいて売却することも可能です。
 もし、自分がプールした暗号資産が借り入れに使われた場合は
cToken に加えて、借り入れ利率もつくことになります。202
1年5月現在、コンパウンドのプールにロックされている資金は
約81・5億ドルです。
 ディーファイのこの記事は、野口悠紀雄教授のレポートを参考
に書いていますが、野口教授は、ディーファイに関する日本のプ
ロジェクトはほとんどなく、あわてて手を出すにはリスクがある
と警告し、次のように述べています。
─────────────────────────────
 金融安定理事会(FSB)は、2019年に分散化金融技術に
関する報告書を公表し、「金融システムの分散化は競争の拡大と
多様性をもらたす可能性がある」と指摘する一方で、「法的責任
の曖昧さや消費者保護に関する不確実性」に言及した。
 日本でも、一部でディーファイが注目されているが、それは高
い収益性を狙うことができるからだ。ウェブにあるディーファイ
関連の記事は、「ディーファイでどう稼ぐか」といったものが多
い。ディーファイが新しい世界を作る可能性はあるもの、現時点
でディーファイが提供するサービスは、ディーファイのの世界に
とどまっており、現実の経済活動とリンクしていない。だから現
在、ディーファイへの投資で高い収益率を挙げられるのは資金が
流入し続けているからだ。その意味ではバブルと言うことができ
る。私が残念に思うのは、日本発のディーファイプロジェクトが
ほとんどないことだ。ディーファイは、将来の金融として大きな
可能性を持っている。        https://bit.ly/3liiGLU
─────────────────────────────
 ネット上でディーファイに関するレポートを探してみたところ
2021年6月21日付、日本経済新聞電子版において、金融工
学エディターの小河愛実氏は、次のレポートを発表しています。
ディーファイは、完全無人のサービスであるので、当然リスクは
高いといえます。似たような仕組みのユニスワップでは、現在、
3つのバージョンのサービスが並列で動いているといわれます。
問題が発生してもシステムを修正できないからです。
─────────────────────────────
 ◎仮想通貨「無人」取引が増加 本人確認不要の分散型金融
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 分散型金融(DeFi/ディーファイ) と呼ばれる暗号資産(仮
想通貨)市場の新しい仕組みが広がっている。仮想通貨の売買や
貸し借りなどを「無人」で提供する。200種類以上の金融サー
ビスがあり、土台となる資産のプールは5月中旬には約9兆円を
超えた。ただ、本人確認なく利用できる匿名性の高さや利用者保
護の仕組みが不十分など、リスクも多い。
 「仮想通貨の乱高下などどこ吹く風という人気ぶりだ」。国内
仮想通貨交換業の関係者はあきれ顔だ。5月はビットコインなど
の価格が急落し利用者が減るなかでもディーファイのサービスの
利用者は増え、1カ月前に比べ3割増の270万人となった。
 仮想通貨を売買する場合、通常は仮想通貨交換業者が管理する
取引所を使う。ディーファイでは取引所など第三者を介さない。
代表的なブロックチェーン、イーサリアムで使われている「スマ
ートコントラクト」というプログラムで運用される「無人」のサ
ービスだ。(一部略)
 プログラムの中身や各種サービスの運用条件などは開示されて
おり、利用にあたって国籍や氏名など個人情報は求められない。
誰でもサービスを使えるほか、新たにサービスを開発することも
自由だ。金融機能が十分ではない国や地域でもネットさえあれば
利用できるので、爆発的に利用が増えている。
 ただ、高い利便性の裏返しで課題は多い。DeFiは仕組み上、サ
ービスを止めたり、補修する権限を持つ人が世界中に無数に散ら
ばっている。ユニスワップは3つのバージョンのサービスが並列
で動いているが、これは一度立ち上げたサービスを止めることが
難しいためだ。安全面の問題などが出てきても、すぐにシステム
を修正できない恐れがある。https://s.nikkei.com/3D6BcwO
      ──2021年6月21日付、本経済新聞電子版
─────────────────────────────
            ──[デジタル社会論V/079]

≪画像および関連情報≫
 ●分散型金融コンパウンド、非暗号資産企業・金融機関向け
  サービス提供の開始
  ───────────────────────────
   分散型金融(DeFi)プロトコルのコンパウンドを運営する
  コンパウンド・ラボが新会社コンパウンド・トレジャリーを
  設立したことを6月27日に発表した。コンパウンド・トレ
  ジャリーのビジョンは暗号資産(仮想通貨)に関わっていな
  い金融機関の10億人ユーザーに分散型金融の根源的メリッ
  トを提供するための架け橋となることのようだ。
   コンパウンド・トレジャリーは機関投資家や金融機関向け
  にディーファイのコンパウンド・プロトコルのサービスを提
  供するための企業だ。具体的にコンパウンド・トレジャリー
  はカストディ企業ファイヤーブロックスとサークルと協力し
  て、ネオバンクやフィンテックスタートアップ、およびその
  他の米ドルの大口保有者が、秘密鍵管理、暗号資産から法定
  通貨への変換を行うサービスを提供する。
   またコンパウンド・トレジャリーは金利変動を含むプロト
  コル関連の複雑性を排除して、コンパウンド・プロトコルの
  米ドル市場で利用可能な金利にアクセスできるようなプロダ
  クトと資金の流れを構築した。ユーザーは、コンパウンド・
  トレジャリーの口座に米ドルを送金することで、年4%の固
  定金利が保証されるとのことだ。この口座は24時間対応で
  いつでも口座への入金・出金が可能で、最低金額、最大限度
  額固定期間も存在しないとのこと。またユーザーは毎月監査
  可能な詳細な預金残高報告書を入手することができるようで
  ある。             https://bit.ly/3FQwl4w
  ───────────────────────────
ディーファイに預けられている資産総額.jpg
ディーファイに預けられている資産総額
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月01日

●「ディーファイ/分散金融とは何か」(第5624号)

 11月18日のEJで「DeFi/ディーファイ」についても少し
述べましたが、今日のEJでは、「ディーファイ」について詳し
く解説します。「DeFi」とは、次の言葉の省略形です。
─────────────────────────────
     ◎「DeFi/ディーファイ」
      Decentralized Finance /分散型金融
─────────────────────────────
 「ディーファイ」とは、ブロックチェーンの仕組みを使うこと
によって、金融機関を介さずに、無人で金融取引を行うシステム
のことです。このシステムでは、信用履歴審査や本人確認なしに
誰でも使えるサービスになっています。
 ディーファイが開発されたの2020年のことですが、その成
長は早く、2021年6月の時点では、提供されているサービス
は240種類をオーバーしています。5月の時点では、ビットコ
インなどの暗号資産の価格が急落したものの、このサービスの利
用者は急増し、前年比3割増の270万人になっています。
 ディーファイに流入した資産総額は、2020年始は7億ドル
程度であったものが、2021年5月には、約860億ドルに成
長しています。
 ディーファイが急速に普及した最大の要因のひとつに、「DE
X」があります。DEXとは次の言葉を略したものです。またし
ても分散型です。
─────────────────────────────
        ◎DEX/分散型取引所
         Decentralized Exchange
─────────────────────────────
 DEXとは何でしょうか。
 DEXとは、イーサリアムのスマートコントラクトを活用して
構築されたP2Pの取引所のことです。暗号資産を扱う場合、通
常は、大手の暗号資産取引所のビットフライヤーやコインチェッ
クのような取引所を使うことになりますが、これらの取引所は中
央集権型の組織であって、手数料が高いのです。
 これに対してDEXは、ブロックチェーン上のプログラムであ
る「スマートコントラクト」で管理されている取引所で、流動性
(貨幣と同義)の供給から、取引の約定に至るまで、一連のプロ
セスのほとんどが、スマートコントラクトで自動的に処理される
のです。
 DEXの代表的存在がユニスワップ(Uniswap) で、ある暗号
資産を他の暗号資産と交換したい場合、ユニスワップに一定量の
暗号資産を拠出すると、アルゴリズムで計算された量の他の暗号
資産を得ることができます。
 ユニスワップは、画期的なシステムであるとして注目されてい
たのですが、「流動性が低い」という問題を抱えていたのです。
「流動性が低い」というのは、数が揃わないので、売買時期が限
定され、希望する数量が揃うかどうか、または捌けるかどうか判
らないものをいいます。
 これに対して「流動性が高い」とは、いつでも売買が可能で、
一度に売買可能な数量の多寡が問題にならないもののことですが
このネックを解消するため、「プール」という仕組みが導入され
それは見事に成功しています。
 プールというのは、流動性の供給者になりたい人は、誰でも任
意の量の暗号資産をプールに預けられる仕組みです。プールして
おくだけで収益を得ることができるのです。この仕組みによって
DEXの資金量が増加し、流動性の問題や取り扱い銘柄が少ない
という問題が解決されています。
 現在、このユニスワップの今年の5月の取引高は約9兆円。こ
れは、日本の大手交換所であるビットフライヤーの1兆8000
億円を大きく上回っています。
 プールに預け入れるとなぜ利益が出るのかというと、預け入れ
られた暗号資産の額に対して、ユニスワップの独自トークン「U
NI」が受け取れるからです。大勢のトレーダーが暗号資産を預
けることによって「UNI」の価格が上昇し、大きな収益が得ら
れるのです。2021年11月現在、の「UNI」の情報を以下
に示しておきます。
─────────────────────────────
   シンボル      ・・・ UNI
   発行上限      ・・・ 1,000,000,000枚
   価格        ・・・ ¥2,435,41
   時価総額      ・・・ ¥1,526,941,555,378
   時価総額ランキング ・・・ 17位
   購入できる取引所  ・・・ 国内になし
                  https://bit.ly/32tWLuy
─────────────────────────────
 ユニスワップに流動性が集まりやすいのは、もうひとつ理由が
あります。ユニスワップでは、中央集権取引所(CEX)のよう
に、暗号資産の上場審査がなく、どのような暗号資産でも上場さ
せることができます。
 しかし、どのようなマイナーな暗号資産でもよいとなると、大
きなデメリットも生じます。具体的には、詐欺コインが上場され
ているケースもあるため、怪しい通貨に手を出してしまい、損を
してしまう人もいます。とくに、ユニスワップなどの分散取引所
(DEX)は金融庁の認可が下りていない取引所であるため、投
資を行うさいは自己責任ということになります。したがって、素
人がユニスワップに手を出すのは、やめた方がよいということに
なります。
 ディーファイのもうひとつの主要なサービスは、レンディング
プラットフォームです。これについては、述べる紙面がなくなり
ましたので、明日のEJで詳しく述べることにします。現在、書
店では暗号資産関連の本が多く販売されています。
             ──[デジタル社会論V/078]

≪画像および関連情報≫
 ●競争激化のなか、分散型取引所(DEX)が大幅に成長
  :チェイナリシス
  ───────────────────────────
   分散型取引所(DEX)は2019年以降、大幅に成長。
  一方で、中央集権型、分散型を問わず、アクティブな取引所
  の数は減少している。チェイナリシスが11月9日発表した
  レポートで明らかになった。暗号資産(仮想通貨)取引所の
  間の競争が激化するなか、トレーダー、特に大規模で熟練し
  た暗号資産トレーダーはイノベーションとスケーラビリティ
  に優れた取引所を好んでいるようだ。「DEX」はきわめて
  高い人気を集めており、これは全般的なディーファイ(分散
  型金融)の爆発的な成長と一致している」アクティブなDE
  Xの数は2019年から大幅に増加している。だが、アクテ
  ィブな暗号資産取引所の数は、2020年8月の845件を
  ピークに2021年8月には672件まで減少した。チェイ
  ナリシスのレポートは暗号資産取引所をビジネスモデルと技
  術インフラに基づいて6つに分類した。中央集中型取引所、
  DEX、顧客確認(KYC)要件が少ないハイリスク取引所
  店頭取引(OTC)ブローカー、デリバティブ取引所だ。そ
  れによると2020年8月以降、大規模なDEXの数と受け
  取った暗号資産の額は飛躍的に増加している。DEXのユー
  ザーは、中央集権型取引所のユーザーよりもはるかに大口の
  取引を行っている。これはディーファイがより大きく、より
  確立された暗号資産市場を持つ国で人気があるためだろう。
                 https://bit.ly/3xwHHHX
  ───────────────────────────
ユニスワップ.jpg
ユニスワップ
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月30日

●「デジタル上でものが持てるNFT」(第5623号)

 昨日に引き続きNFTの話です。現代は、リアルの世界とネッ
トの世界がパラレルワールドのように存在し、人々は2つの世界
を行ったり、戻ったりして生活しています。
 とくにそろそろ1年6ヵ月以上にわたるコロナ禍では、リアル
の世界での行動が大幅に制限された結果、ネットの世界に出入り
する頻度が強まっています。
 信頼できる調査によると、第1回緊急事態宣言時と比較し、メ
ディアごとの接触頻度が「増えた」との回答では「インターネッ
ト(スマートフォン、タブレット)」が45・5%、「インター
ネット(PC)」が31・5%と高い数字を記録しています。
 その一方において、テレビは29・9%と前回よりも8ポイン
トダウンし、電子書籍を含む書籍13・2%、電子版を含む新聞
は9・1%、雑誌は5・4%と、インターネットと比較すると大
きく後れをとっています。
 一方、テレビは29・9%と前回よりも9%ダウンし、「有料
動画配信サービス」(21・9%)は、2・5ポイント上昇し、
「テレビ」の利用者が「有料動画配信サービス」にシフトした可
能性もうかがえます。現代の若者は、一方的にブロードキャスト
されるものを見るのをよしとせず、自分が見たいもの、関心のあ
るものを見ようとする傾向が強いのです。
 リアルの世界では、人々は預貯金や証券をはじめ自宅や乗用車
などの財産を保有し、それぞれの所有権が法的に認められていま
す。しかし、ネットの世界では、「ものを所有する」ことはでき
なかったのです。
 しかし、預貯金や証券などは、いわゆる暗号資産で実現しつつ
ありますが、金融資産以外のものを所有することはできなかった
のです。その突破口を開いたのは、ここまでお話してきているN
FTです。「ネットの世界でものを所有する」ことがどういうこ
とか、コインチェックの大塚雄介執行役員とネットメディアの記
者の一問一答をお読みください。
─────────────────────────────
──大塚さんは「NFTとは何ですか?」と聞かれたら、何と答
 えていますか?
大塚:デジタル上で物を持てるようになった(所有できるように
 なった)ことが全てなのかなと思っています。NFTやブロッ
 クチェーン、それらしい言葉がいくつか出てきますが、「デジ
 タル上で自分が所有している」ということを証明する「技術」
 であるということが本質だと思っています。
──NFTは「技術」なんですか?
大塚:そうですね。
──デジタル上で「所有できるようになった」という状態がどう
 いう状態なのか、いまいち腑に落ちていません。
大塚:「所有している」というのは、動かしたいと思ったときに
  自由に送ることができることだと思います。誰かに送ったり
  売ったりできる。所有していなければ、そういうことはでき
  ませんよね?
──デジタル通貨のようなものはこれまでにもありました。そう
  いったものは、所有できていなかったということですか?
大塚:所有はできていましたよ。ただ、先程の話を技術的な言葉
 で言うと「所有できている=ブロックチェーン上のアドレスに
 あるか」という話なんです。
──ブロックチェーンによって所有できている状態と、これまで
 たとえば、ペイペイなどに入金している「僕が所有しているお
 金」では、意味合いが違うということでしょうか?
大塚:ペイペイなどは、ペイペイが運営しているサーバーの中で
 あなたが持っているIDに対して所有していることを担保して
 います。ですので、楽天の経済圏やペイペイの経済圏、それぞ
 れであなたのお金が別にあるという話になります。仮の話です
 が、ブロックチェーンを使えばペイペイの経済圏でも楽天の経
 済圏でも、そこで所有しているお金のバリューは一緒であるこ
 とを担保できるようになる。NFTに置き換えると、ブロック
 チェーンの技術によって、デジタル上の世界全体でプラットフ
 ォームを超えて、お金やデジタルのアイテム、資産の価値が担
 保できるようになった。「デジタル上で誰かに何かを送った」
 という事実をキャンセルできなくなったんです。
                  https://bit.ly/3CR8aBl
─────────────────────────────
 美術品には贋作が付きものですが、NFTのデジタル作品は絶
対に贋作は作れないようになっています。ブロックチェーン上で
誰が、いつ、いくらで売買したかが記録され、コンテンツの真贋
問題や不正コピーなどを防ぎ、コンテンツの希少性を保持できる
からです。
 情報によると、会員数1億人といわれる楽天が、2022年に
新たにNFTサービス「Rakuten NFT」をスターさせるといわ
れています。NFT事業部ゼネラルマネージャーの梅本悦郎氏は
「Rakuten NFT」について。次のように述べています。
─────────────────────────────
 現在のところNFT市場は、投機筋や、先端技術に詳しいコミ
ュニティーなど、主にブロックチェーン技術に対するリテラシー
の高い方々で構成され、そうした方たちによってコントロールさ
れているのが現状です。誰でも参入できると言われてはいるもの
の、一般の人にはまだハードルが高いのではないでしょうか
 「Rakuten NFT」の最大の特徴は、楽天IDを利用したクレ
ジットカード決済が可能だという点です。そこでは暗号資産など
ではなく、法定通貨を利用します。もちろん、決済時には「楽天
ポイント」が貯まり、使える。さらに70以上ある楽天のサービ
スから様々な事業と連動する予定です。    ──梅本悦郎氏
                  https://bit.ly/3DU2p72
─────────────────────────────
            ──[デジタル社会論V/077]

≪画像および関連情報≫
 ●ブロックチェーンから「トークンエコノミー」が
  生まれた秘密
  ───────────────────────────
   ビットコインの登場以降、それを模倣してブロックチェー
  ン上にさまざまなトークンを発行するプロジェクト、いわゆ
  るビットコイン・コピーが立ち上がってきました。また、ビ
  ットコインなどすでに流通している通貨を基盤に、独自のサ
  ービス内ポイントに相当するようなトークンを発行するよう
  なアイデアも生まれました。
   これらはビットコインに代わるものとして登場してきた経
  緯から、代替という意味を表す「alt」と「coin」 を組み合
  わせて「Altcoin(アルトコイン)」と呼ばれています。
   また、ビットコインやアルトコインとは違い、現実世界で
  すでに価値を認められているものをブロックチェーン上の記
  録と紐づけようという試みも登場しました。これらは特定の
  資産を裏づけにしたトークンとして「アセットバックドトー
  クン」と呼ばれています。
   アセットバックドトークンは、米ドルと1対1で交換でき
  るテザーなどから始まり、金や土地などの現物資産を裏づけ
  助目とするものが考案されています。
   アセットバックドトークンは現実世界の資産と紐づけられ
  ていることから、暗号資産と比べて価値が安定しやすい傾向
  にあります。この安定性に着目したトークンをステーブルコ
  イン)」と呼ぶようになりました。ステーブルコインのアイ
  デアは後にCBDCと呼ばれる法定通貨のデジタル化へと発
  展していきます。        https://bit.ly/3nO87Sk
  ───────────────────────────
コインチェック大塚雄介執行役員題.jpg
コインチェック大塚雄介執行役員題
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月29日

●「NFTというものが蠢動している」(第5622号)

 「クリプトキティ」──猫の売買のダップスの話の続きです。
猫の交配によって変種が生まれると高い値が付き、高く売れると
いう話です。これはいったい、どういう仕組みになっているので
しょうか。
 先週金曜日のEJでご紹介したクリプトキティの3つの重要な
特色を再現します。
─────────────────────────────
     1.ダップスの先駆的な存在であること
     2.シンプルなゲームで性を備えている
   → 3.NFTゲームの先駆的な存在である
─────────────────────────────
 「1」と「2」については説明は終わっているので、「3」に
ついて説明します。要するに、「クリプトキティはNFTゲーム
の先駆的な存在である」といっているのです。それでは、NFT
ゲームとは何でしょうか。
 最初にNFTについて説明します。これについては11月18
日のEJで簡単には説明しています。これは、トークンの一種で
あり、NFTは、「ノンファンジブル・トークン」という意味に
なります。
─────────────────────────────
        @  ファンジブル・トークン
        Aノンファンジブル・トークン
─────────────────────────────
 「ファンジブル・トークン」というのは、円やドルなどのお金
と同様に、共通の単位に資産価値を自由に分割・代替することが
できるものです。ファンジブル・トークンには、ビットコイン、
イーサ、イオス、ジリカなどの暗号資産がそれに該当します。
 これに対して「ノンファンジブル・トークン」は、骨董品やア
ート作品のように、唯一固有の存在として発行される、分割や部
分譲渡ができにくいものをいいます。
 つまり、クリプトキティの猫はノンファンジブル・トークンが
適用されているのです。もっと正確にいうと、少し専門的になり
ますが、「ERC721」というイーサリアムベースのトークン
の標準規格が適用されています。「ERC721」は、あらゆる
データをNFT化するために必要とされる規格のことです。そも
そもNFTとは、非代替性トークンのことで、替えがきかない唯
一無二のトークンのことです。
 クリプトキティにおいて生み出された希少性の高い子猫の所有
権は、ERC721のインターフェスを継承して実証されている
のです。つまり、クリプトキティは、イーサリアムネットワーク
上で、猫のかたちをしたトークンを集め、それらの交配、交換す
るのを楽しむゲームと見ることができます。
 このNFTは、ちょうど2000年頃にアマゾンが突如として
現れたときと同じような状態です。NFTなんてほとんどの人は
知らないし、大きな関心はなかったと思います。そのとき、アマ
ゾンが、20年後に現在のEコマースの巨大王者になるなんて誰
も想像していなかったと思います。NFTも同じです。
 しかし、現在、少しずつですが、NFT市場が立ち上がりつつ
あります。
 経済評論家で、証券会社エコノミストの木内登英氏は、NFT
市場に関して、「デジタル・アーティストとNFT市場成長の潜
在力」と題する論文で次のように述べています。
─────────────────────────────
 NFTは、仮想通貨(暗号資産)と、デジタル作品とが融合し
たイメージだが、ウェブサイトの「ノンファンジブル・ドットコ
ム」によれば、米国でのNFT市場の規模は、現在2億5000
万ドル程度だという。仮想通貨(暗号資産)市場全体の規模が2
兆ドル超とされる中(coinmarketcap.com)、その規模はまだ
まだ相当小さい。それゆえに、この先規模が拡大していく余地は
大きいとの見方もある。
 しかし、NFTが本格的に注目を浴びるようになったのは、2
021年2月以降のことだ。象徴的な取引が3つある。2月には
「ニャンキャット」というアニメ画像のNFTが50万ドルを超
える価格で売れた。3月11日に、大手オークション会社クリス
ティーズで、「ビープル」という名義で活動するアーティストが
NFT化して売りに出した5000点のデジタル画像を合成して
作ったコラージュ作品が6930万ドルで落札された。また3月
には、米ツイッターのジャック・ドーシーCEO(最高経営責任
者)が2006年3月に投稿したツイートが、291万ドルで落
札された。
 これらを受けてNFT市場はバブルとの指摘がなされるように
なった。しかし、NFTの知名度が高まる中で、NFTのメリッ
トもコレクターに理解されるようになっていった。それは、デジ
タル作品の真贋の証明書が改ざんされないことである。通常の美
術作品であれば贋作が出回り、紙ベースの作品の証明書が偽造さ
れる。これが、コレクターに作品の購入を慎重にさせ、市場の拡
大を妨いでいる面があるだろう。       ──木内登英氏
                  https://bit.ly/30OH5St
─────────────────────────────
 現代の若者のほとんどは、いずれもスマホの高級機を持ってい
て、短い映像作品を制作し、それをユーチューブなどのSNSに
気軽にアップします。そういう若者はたくさんいます。良い作品
については多くの「いいね!」が付き、それで満足している若者
も大勢いますが、それらの若者のなかには、それをNFTアート
作品化し、大金を稼ぐ人もいるのです。
 まず作品を作ります。ただ、デジタルになっていればよいので
す。それをNFTマーケットプレイスのオープンシーなどを通し
て出品するだけです。それに果たして値がつくかどうかは、イー
サという暗号資産を持つ投資家たちが決めることです。
             ──[デジタル社会論V/076]

≪画像および関連情報≫
 ●デジタルアートや投稿に破格の値がつく話題の「NFT」と
  はなにか?
  ───────────────────────────
   アートやコンテンツの世界でいま、「NFT」が注目を集
  めている。各種のデジタルコンテンツが何百万円や何千万円
  どころか、数十億円といった高額で取り引きされる基盤技術
  として使われているのだ。「NFT」が大きな話題をよんだ
  のは、2021年3月のことだった。ツイッター社の共同創
  設者として知られるジャック・ドーシー氏による初めてのツ
  イートが、NFTを通じて約291万ドル、日本円にしてお
  よそ3億1500万円もの価格で販売されたのだ。
   11月初旬には、クエンティン・タランティーノ監督の初
  期の傑作「バルブ・タランティーノ」監督の初期の傑作『バ
  ブル・フィクション』の未公開カットがNFTで販売される
  ことが発表され、耳目を集めたばかりだ。
   主としてアートの世界で収益を得る新たな手段として注目
  されるNFTとは、いったいどのようなものなのか。可能性
  と危険性の両方をはらむこの技術について、深掘りしてみよ
  う。NFTとは、「Non Fungible Token」の略だ。「交換不
  可能な価値をもつトークン」という意味であり、「非代替性
  トークン」とよばれることもある。同じ技術基盤を使ってす
  でに世の中で広く使われているのが「仮想通貨(暗号資産)」
  である。仮想通貨はデジタルデータに「ブロックチェーン」
  技術を用いて唯一の価値を担保し、あたかも「国家=中央銀
  行以外が独自に発行した通貨」のように取引されているもの
  だ。             https://bit.ly/3oQ13UG
  ───────────────────────────
クリプトキティの猫.jpg
クリプトキティの猫
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月26日

●「クリプトキティ/ダップスの創始」(第5621号)

 LINEの「LINKチェーン」の話の続きです。土台に「L
INKネットワーク」(LINEブロックチェーン)があって、
その上に「LINKフレームワーク」があります。
 LINKフレームワークは、ログイン時の自動ウォレットの作
成や秘密鍵の安全管理を行うとともに、LINKチェーン上のプ
ラットフォームとして、各種ダップス(dApps) の開発基盤とし
て機能しています。
 さて、またしてもダップス(分散型アプリケーションdApps)
です。LINEは自社開発のダップスに加えて、開発キットなど
を提供し、他社開発のダップスも受け入れ、サービスの多様化を
図ろうとしています。2020年10月1日現在、次の8種類の
ダップスが登録されています。
─────────────────────────────
 1.「Knight Story」 ・・・・・ モバイルRPGゲーム
 2.「linksign」 ・・・・・・・・・ 電子契約サービス
 3.「aFan」 ・・・・・・・・・・ ソーシャルメディア
 4.「リーグオブキングダム」 ・・・ ММO戦略ゲーム
 5.「CryptoDozer」 ・・・・・  コインプッシュゲーム
 6.「SOMESING」 ・・・・・・・ ソーシャル・カラオケ
 7.「Theta.tv」 ビデオストリーミングプラットフォーム
 8.「Crypto Sports」 ・・・・・・  スポーツ・ゲーム
                 https://bit.ly/32jYmmB
─────────────────────────────
 「ダップス/dApps)」 について復習します。ダップスが分散
型アプリケーションといわれるのは、中央集権的なサーバーが存
在せず、そのネットワーク(ブロックチェーン)に参加している
全コンピュータが、アプリケーションを動かしているところにあ
ります。中央集権機構のない分散型の仕組みです。
 こういうことをいうと話がややこしくなりますが、「ビットコ
インは最初のダップスである」ということができます。ビットコ
インは、暗号資産であり、決済手段としての特徴のみが注目され
ますが、PCやスマホなどの電子機器にインストールするアプリ
ケーションであるという見方もできます。この見方に従うとビッ
トコインはオープンソースであり、ブロックチェーンでその記録
が保存されるため、ビットコインはアプリケーションのなかでも
ダップスであるということができます。こういってしまうと、す
べての暗号資産はダップスであるということになってしまいます
ので、いわゆる暗号資産──ピッコインやイーサリアムとダップ
スは、分けて考えたほうがわかいやすいと思います。
 ここで大変有名なダップスの例をご紹介します。イーサリアム
のダップスの1つで、リリースされたのは2017年11月28
日のことです。
─────────────────────────────
     ◎猫を育てる育成ゲーム
      「クリプトキティ(Cryptokitties)」
─────────────────────────────
 どんなゲームかというと、オンラインで猫を買って育て、猫同
士を交配させることで、希少度の高い猫を産ませると、イーサリ
アムの暗号通貨「イーサ/ETH」建てで販売することができま
す。猫の希少度により販売するときの価格が変わるため、珍しけ
れば珍しいほど高い価格で取引されるのです。
 まず、始めるのに何をすればよいか、少し具体的に書きます。
このことを知ると、LINEユーザーがLINEのダップスを利
用することがいかに便利であることがわかります。
─────────────────────────────
     1.国内暗号資産取引所で口座を開設する
     2.ウォレットを作り、登録手続きを実施
     3.国内取引所においてイーサを購入する
     4.イーサを自身のウォレットに送金する
     5.ウォレットと、クリプトキティの同期
     6.クリプトキティで猫を物色し購入する
─────────────────────────────
 猫にはそれぞれ価格がついており、他の猫と交配させることに
よって変種を生み出すことができれば、その猫は高値で売買する
ことができます。ちなみに、クリプトキティには、雄と雌という
概念はないことになっています。
 このクリプトキティというゲームには、次の3つの重要な特色
があります。
─────────────────────────────
     1.ダップスの先駆的な存在であること
     2.シンプルなゲームで性を備えている
     3.NFTゲームの先駆的な存在である
─────────────────────────────
 このゲームがリリースされたのは、2017年11月のことで
あり、ダップスやNFTの概念があまり知られていないときだっ
たので、新しい技術への期待から、多くの人がこのゲームに熱中
したといわれます。
 しかし、当時ダップスの存在を知っていたのは、一部の専門家
だけだったと思います。ブロックチェーン上のゲームといわれて
もピンとこなかったのは当然といえます。
 なお、「NFT」という概念は、少していねいな説明が必要な
ので、来週のEJで改めて述べるとして、なぜ、流行ったかにつ
いては、そのシンプルなゲーム性につきます。
 猫を売買、交配して自分だけの猫を集めるという、育成・コレ
クト型のゲームであり、目的やゴールがなく、売買と交配のみを
行うゲームで、シンプルなゲーム性となっているため、普段ゲー
ムをプレイしない人でも簡単に遊ぶことができます。また、猫の
可愛いイラストなども相まって幅広い方から人気を集めたものと
思われます。
             ──[デジタル社会論V/075]

≪画像および関連情報≫
 ●DApps(自律分散型アプリケーション)とは。活用事例や
  金融分野の動向を探る
  ───────────────────────────
   仮想通貨に興味がある人はDApps(ダップス) という言葉
  を一度は耳にしたことがあるかもしれません。現在は多くの
  分野でダップスが開発されており、オクトノット編集部では
  各業界から注目を集めているダップスのことを詳しく調べて
  みました。活用することのメリット・デメリットだけでなく
  今後金融業界のどのような分野で活用できそうなのか詳しく
  見ていきましょう。
   ダップスとは、Decentralized Applications を省略した
  ものです。中央管理者(企業や団体といったサービスを提供
  する主体)なしに提供される、自律分散型アプリケーション
  です。主にブロックチェーン上でスマートコントラクトを利
  用し作動します。
   ブロックチェーンとは、ネットワークに参加している人達
  が同一内容のデータを持っていて、取引の内容を参加者全員
  が見られるシステムです。チェーンでブロックをつないでい
  くようにデータを保存します。
   また、スマートコントラクトとは、ブロックチェーンの取
  引に関してあらかじめ決められたルールにより、自動的に実
  行されるプログラム。つまり、皆さんが使うスマホアプリや
  その機能そのものですね。これにより、アプリ内のデータ安
  全性と整合性が保たれます。   https://bit.ly/3FCqWhB
  ───────────────────────────
ダップス.jpg
ダップス
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月25日

●「LINEトークンエコノミー構想」(第5620号)

 もし、LINEが独自のブロックチェーンを構築しないで、す
でに公開されている既存のブロックチェーンのプラットフォーム
を借りてトークンを発行する場合、LINEのユーザーが、その
サービスを利用するには、ユーザー自身がウォレットを自分で作
り、管理する必要かあると那須利将氏は述べましたが、確かにそ
の管理は相当大変です。
 LINEユーザーとしては、単なるLINEのなかのサービス
を利用するだけなのに、外部企業のウォレットの作成や管理をや
らなければならないとしたら、そのようなサービスは誰も利用し
ないと思うので、独自のブロックチェーンを構築するというのは
的確な判断だったと思います。
 そもそも「ウォレット」とは何でしょうか。
 ウォレットは、暗号資産参加者がそれぞれ持つ「財布」のよう
なものです。ウォレットには種類があって、インターネットにつ
ながっているものを「ホットウォレット」、つながっていないも
のを「コールドウォレット」といいます。ホットウォレットは便
利な半面、ハッキング被害のリスクがあり、コールドウォレット
はセキュリティには強いが、使い勝手がよくないデメリットがあ
ります。ウォレットについて、少し詳しく説明をしておくことに
します。
 このようにウォレットは「財布」と訳されるので、あたかもそ
こに暗号資産を格納して保管するイメージですが、実際は異なり
ます。ウォレットについて坪井大輔氏は、次のように述べていま
す。文中の「ビットコインネットワーク」は、「暗号資産ネット
ワーク」と置き換えてください。
─────────────────────────────
 個人が自分の責任で管理するIDとパスワードによって、ビッ
トコインネットワーク内でウォレットを手に入れます。実はこの
ウォレット、日本語で「財布」を意味しますが、中に仮想通貨が
入るわけではありません。ウォレットに保管されるのは、IDに
紐づいた、このIDだけの「秘密鍵」と「公開鍵」という特別な
鍵だけです。               ──坪井大輔著
      『なぜ、ブロックチェーンなのか?』」/翔泳社
─────────────────────────────
 暗号資産のウォレットには、2つの鍵/公開鍵と秘密鍵の2つ
があります。公開鍵とは、ウォレットを通して暗号資産を受け取
るときに必要になるものです。実際に暗号資産を受け取るときは
この公開鍵を使って生成した「公開鍵のウォレットアドレス」と
いうものを、送り主に教えます。
 公開鍵のウォレットアドレスは銀行の口座番号のようなもので
あると考えるとよいでしょう。これとは反対に、暗号資産を誰か
に送金するときには、事前にこの公開鍵のウォレットアドレスを
教えてもらい、そのアドレスを宛先に指定して送金することにな
ります。
 これに対して秘密鍵とは、仮想通貨を送金するときに必要にな
るもので、パスワードのようなものだとイメージしてください。
銀行を通して誰かに送金するときにパスワードが必要になるのと
同じです。
 秘密鍵も公開鍵と同様、実際に仮想通貨を送金する際には、秘
密鍵のウォレットアドレスを生成して、そのアドレスをパスワー
ドのように入力することになります。ただし、秘密鍵は再発行で
きないという点に注意が必要です。だからこそ、管理が重要なの
です。
 銀行カードのパスワードを忘れてしまった場合は、銀行に問い
合わせて、パスワードを再発行してもらうことができますが、暗
号資産には銀行のような管理者がいないため、全て自己責任とい
うことになってしまいます。また、パスワードと同様、秘密鍵を
他人に知られてしまうと、勝手に仮想通貨を送金されてしまうこ
とになる点にも注意が必要です。
 LINEの那須利将氏の講演に戻ります。那須氏は、ここで、
「リンクチェーン/LINK Chain」の構造図(添付ファイル)」を
スライドで示します。
 「リンクチェーン」は、次の三層構造になっています。下から
上の順に書くと、次のようになります。
─────────────────────────────
    1. リンクネットワーク/LINK Network
    2.リンクフレームワーク/LINK Framework
    3.      ダップス/DApps
─────────────────────────────
 このスライドを示して那須氏は、「リンクチェーン」について
次のようにコメントしています。
─────────────────────────────
 突然「dApps」 と、見慣れない言葉が一番上に出てきていると
感じる方がいるかもしれません。一般的に、ブロックチェーンの
プラットフォームの上で動かすアプリケーション、もしくは、ブ
ロックチェーンのプラットフォーム機能を使ったサービスをダッ
プスと呼んでいます。        https://bit.ly/3CEMsQI
─────────────────────────────
 やっばりという感じです。狙いは「ダップス/dApps」 です。
LINEの狙いはこれにあります。
 土台である「リンクネットワーク」とは、ブロッチェーンその
ものです。ブロックチェーンには、「コンセンサス・アルゴリズ
ム」によってユーザーのリクエスト、トランザクションを承認し
たかたちとしてのブロックというデータ構造を生成する重要な働
きがあります。
 中間の「リンクフレームワーク」は、サービスログインするだ
けで、ウォレットの自動作成、秘密鍵の安全管理が行えるように
なっています。そして、ダップスを開発するためのサポートをす
るのが、中間部分です。「ダップス/dApps」 については、明日
述べます。        ──[デジタル社会論V/074]

≪画像および関連情報≫
 ●仮想通貨LINKとは?今後の可能性や特徴について解説
  ───────────────────────────
   「LINK(リンク)」は、日本国内で7000万人もの
  ユーザーを擁し、名実ともに社会インフラに近い存在となっ
  ているメッセージアプリ「LINE」の運営会社、LINE
  社が開発・運営している仮想通貨です。
   私たちは日常生活でLINEアプリを用いることが多いで
  すが、そのなかで仮想通貨の話やLINKの話に触れること
  はほとんどありません。そのため、LINEユーザーであっ
  ても、LINKのことは知らないという人がほとんどではな
  いでしょうか。
   しかし、LINKはLINE社が本腰を入れて開発し、普
  及を目指している仮想通貨であり、その構想は壮大です。L
  INKは、LINE社が構想を描いている「LINEトーク
  ンエコノミー」で基軸通貨とすることを目指しています。こ
  のLINEトークンエコノミーとは、LINEが開発してい
  るブロックチェーン「LINE Blockchain」 を基盤としたエコ
  システム上にさまざまなサービスを展開する構想です。
   LINE社はこうした経済圏の構築には基軸通貨が欠かせ
  ないとして、独自通貨のLINKを開発しました。仮想通貨
  LINKは、メッセージアプリのLINEを開発・運営して
  いるLINE社によって開発されました。その目的はLIN
  Eトークンエコノミーという経済圏構想の中で基軸通貨とし
  て流通させることで、その計画に向けて着々と準備が進めら
  れている段階です。       https://bit.ly/3r0OsRg
  ───────────────────────────
リンクチェーンの構造.jpg
リンクチェーンの構造
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月24日

●「なぜいまブロックチェーンなのか」(第5619号)

 LINEトークン・エコノミーについて、多くの情報が集まっ
てきています。そのなかで、2018年11月21日、LINE
株式会社のエンジニア向け技術カンファレンス「LINEデベロ
ッパーデイ/2018」における同社ブロックチェーン・ラボの
那須利将氏による講演はとても参考になったので、難しい部分は
省いてご紹介します。
─────────────────────────────
 ◎なぜ、ブロックチェーンなのか?
 LINEトークン・エコノミーのねらいとアーキテクチャー
                  https://bit.ly/3HGtSeH
─────────────────────────────
 LINEには、「LINEポイント」というものがあります。
LINEポイントは、LINEサービスを利用することによって
獲得できるポイントであり、通常のポイントと同様に、「1ポイ
ント=1円」として使えます。
 LINEポイントの便利なことは、アマゾンギフト券、ナナコ
ポイント、ポンタポイントなどへの交換ができることであり、逆
に他社サービスから、LINEポイントへの交換も可能です。そ
れだけではなく、LINEペイ残高に交換すれば、銀行から現金
で出金も可能です。
 那須利将氏は、2017年9月から2018年8月までの1年
間のポイント発行数を次に示しています。
─────────────────────────────
      32,834,324,740ポイント
       2017年9月〜2018年8月まで
─────────────────────────────
 実に320億ポイントです。大変な人気ですですが、これに対
して那須利将氏は、これでも顧客還元として十分ではないとし、
いろいろ模索した結果、ブロックチェーン技術にに行き着いたこ
とについて、次のように述べています。
─────────────────────────────
 みなさんの財布には多くのポイントカードがあったり、各種オ
ンラインサイトでも、多くのポイントを持っているのではないの
でしょうか。それは、サービス提供者が対価を還元したいという
証拠ではありますが、そのまま、捨てられてしまっているものが
あったり、単純にユーザーのサイトを圧迫しているものがあった
り、有効期限によりポイントが失効してしまったりと、サービス
提供者にとってもユーザーにとっても、望ましい結果になってい
るとは言い難い状況だと思います。
 こういった流れがあり、LINEはユーザーへの公平な還元、
つまり透明性と安全性が確保されたサービスの提供という2つを
改善すれば、より良いサービスを提供できるのではないだろうか
と考えるようになりました。
 そこで注目したのが仮想通貨・ポイント・コンテンツ・自己証
明など、透明性と安全性があり、トークンを発行してエコノミー
を実現できるブロックチェーン技術でした。 ──那須利将氏
─────────────────────────────
 例えば、ある月、あるユーザーが、サービスから受け取ったポ
イントが6ポイントだったとしましょう。ところがその次の月は
先月とはとくに変化がないのに1ポイントしかもらえなかったと
しましょう。なぜそうなったのか、ユーザーは当然疑問に思うは
ずです。ユーザーはサービスに対して、なぜ、5ポイント減った
のか、発行しているルールを教えてくれ」と考えるはずです。
 那須利将氏は、こういうことはあってはならないとし、還元ル
ールをすべてオープンにして、そこに透明性を持たせるべきだと
考えたのです。これを実現するには、ブロックチェーン技術しか
ないとして、次のように述べています。
─────────────────────────────
 ブロックチェーンの技術は、サービスからユーザーへの還元ル
ールから還元履歴まで、すべてがオープンで、誰でも閲覧できる
ようになっており、還元された対価の減少を多くの人が共有する
ことで、盗難されても、どのユーザーにポイントが移動したかす
ぐに確認できるようになっています。
 また、履歴管理をしているからこそ、改ざんしても過去のデー
タとの整合性が容易に崩れるようなデータ構造になっており、安
全な管理を実現しています。ですから、サービスからユーザーへ
の還元手段として、新たにブロックチェーンの技術を使い、トー
クンというかたちでシンプルに実現し、必要があればオンライン
で価値を交換できるようにすることで、複雑な手続きを介さず、
発生する手数料は本当に必要最小限で、ユーザーに対価の還元が
できるモデルを新しく開発できると考えるようになりました。
                     ──那須利将氏
─────────────────────────────
 那須利将氏の話によると、LINEが一番悩んだのが、ブロッ
クチェーンを独自に構築するか、すでに公開されているプラット
フォームを利用するかの判断です。しかし、ブロックチェーンを
独自にするとなると、時間も費用もかかるし、技術的にも大変で
あることは目に見えています。
 したがって、普通は既存のブロックチェーンのプラットフォー
ムを利用として構築するのですが、この場合、ユーザーが取引所
に口座を登録する必要があったり、ユーザー自身がウォレットを
作る必要があって、そこで自分の「秘密鍵」を作って管理しなけ
ればならないなど、開発側にとってもユーザーにとっても、面倒
で、リスクのあることが多いのです。
 そこで、LINEとしては、ユーザーにとっても開発者にとっ
ても、アクセスしやすいLINE独自のブロックチェーンプラッ
トフォームとして、「リンクチェーン/LINK Chain」を作ること
にしたのです。LINE独自のプラットフォームであれば、ユー
ザーに安心して使っていただけると確信したからです。
            ──[デジタル社会論V/073]

≪画像および関連情報≫
 ●沸騰するNFT市場。LINE発・仮想通貨の真のすごさと
  は?執行役員を直撃
  ───────────────────────────
   ビットコインが500万円前後を推移し、盛り上がりを見
  せる仮想通貨(暗号資産)市場。直近のブームはなんと言っ
  ても「NFT」だが、2018年からこの領域に取り組んで
  きたのがLINEだ。LINEはなぜ、これほどまでに仮想
  通貨に力を入れてきたのか?LINEの仮想通貨関連・ブロ
  ックチェーン事業を統括する子会社・LVC社の執行役員、
  米山裕介氏とブロックチェーン事業企画マネージャー、田中
  遼氏に聞いた。NFT:ノン・ファンジブル・トークン(非
  代替性トークン)。ブロックチェーン技術を使ったデジタル
  資産の一種。画像や音声など特定のデータを、唯一無二のも
  のとして証明できる。
   楽天は8月30日、2022年春に「Rakuten NFT」 の提
  供を開始すると発表した。すかさずGМOも8月31日、N
  FTマーケティングプレイス「アダム/GМO」β版をサー
  ビス開始。同サービスでは、漫画家の東村アキコさんの作品
  の販売も予定されている。仮想通貨取引所大手「コインチェ
  ック」「bitFlyer」もそれぞれNFT市場への参入を図る。
   大手ネット企業も次々とNFT事業へ参入する中、LIN
   Eは6月、満を辞してNFTを売買できるサービス「NF
  Tマーケットβ」をスタート。8月末から9月末にかけては
  クイズに答えると先着20万人にLINEの公式キャラクタ
  ー「BROWN & FRIENDS」 のNFTトレーディングカードが
  もらえるキャンペーンも実施。このNFTトレカは今冬以降
  ヤフオク!での売買ができるとも発表されている。
                  https://bit.ly/3cxiC62
  ───────────────────────────
LINEブロックチェーン・ラボ/那須利将氏.jpg
LINEブロックチェーン・ラボ/那須利将氏
posted by 平野 浩 at 06:11| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月22日

●「LINEトークンエコノミーとは」(第5618号)

 ある通販サイトがあるとします。通販サイトで商品を売る場合
顧客に強い影響を与えるのは、何といっても商品レビューです。
企業がPRするのではなく、実際にその商品を購入し、使った顧
客のコメントですから、信用できるのです。
 しかも、その通販サイトを出している企業はトークンを発行し
ていて、そのサイトでは、商品レビューを投稿すると、お礼とし
てトークンがもらえるとします。しかも良質のレビューであれば
あるほど、もらえるトークンが多くなるのです。
 これを続けると、そのサイトの商品レビューのコンテンツの質
は高くなり、より多くのユーザーが、サービスを利用するために
集まり、受け取ったトークンを使って、サービス内で商品を購入
したり、サービス内のユーザー同士でトークンを送りあったりす
ることで、トークン自体の価値が上がり、サービスだけでなく、
ユーザーにも経済的価値が還元されることになります。このよう
にして、トークンエコノミーが形成されていきます。
 これを狙っている企業があります。それはLINEです。LI
NEは、かねてから独自に開発したプライベートブロックチェー
ン「LINEブロックチェーン」(旧名称LINKチェーン)を
ベースにして発行された暗号資産「LINK」をサービス成長に
貢献したユーザーに向けたインセンティブとして使うことを目的
として、誕生させています。
 LINEの暗号資産LINKの最新の状況(2021年11月
現在)を以下に示しておきます。
─────────────────────────────
   仮想通貨名     ・・・ LINK(リンク)
   ブロックチェーン名 ・・・ LINE Blockchain
   ティッカーシンボル ・・・ LN
   現在の価格 ・・・・・・・ \21,082.910
   時価総額 ・・・・・・・・ \125,987,227,030.65
   時価総額ランキング ・・・ 220位
   購入できる取引所 ・・・・ LINE BITMAX
                 https://bit.ly/3nqyKNb
─────────────────────────────
 暗号資産であるLINKは、LINEアプリを運営するZホー
ルディング傘下「LVC社」が開発した「LINEブロックチェ
ーン」内で流通する基軸通貨です。LINEは、2018年8月
から、LINEブロックチェーンとLINKを基盤とした「LI
NEトークンエコノミー構想」を提唱しており、それに向けて開
発やアプリケーションの拡充などを進めています。
 2018年には、博報堂の社内において、博報堂グループの組
織横断の専門プロジェクトチーム「博報堂ブロックチェーン・イ
ニシアチブ」が立ち上がっています。このPTでは、ブロックチ
ェーンを「コミュニティーを形成するために適したツール」とし
て位置づけていて、一般にいわれる「トークンエコノミー」とい
う観点ではなく、「トークンコミュニティー」という観点から、
さまざまな施策を考えていることに特色があります。このPTに
おいて、リーダー的役割を占めるのは伊藤佑介氏ですが、彼はブ
ロックチェーンを「コミュニティーを形成するために適したツー
ル」として位置づけていて、一般にいわれる「トークンエコノミ
ー」という観点ではなく、「トークンコミュニティー」という観
点から、さまざまな施策を考えているといっています。これにつ
いて伊藤佑介氏が、なぜ「トークンコミュニティー」というかに
ついて論じているサイトでは、伊藤氏の構想について次のように
述べています。
─────────────────────────────
 この「トークンコミュニティー」という単語は伊藤氏が業界団
体で提唱し始めた言葉だという。その理由として「トークンエコ
ノミー」という言い方になじめなかった点を指摘している。「エ
コノミー」というと「商圏」という意味が強すぎて、経済的(=
貨幣)なものが関わっていないと回らないというイメージがある
が、経済価値以外のなにかを乗せることができるということを、
商圏ではなく、同じ価値観を持つ集団がコミュニティーだと考え
たいという。           https://bit.ly/30B4RRm
─────────────────────────────
 「トークンコミュニティー」について、LINEの出澤剛CE
Oは、記者からの質問を受けて、「スマートフォンという非常に
大きな変化の流れの中で、コミュニケーションで言えば、LIN
Eはプラットフォームになったといえるが、スマートフォンの次
のプラットフォームは何なのだろうという考え方から出てきてい
る」と述べています。そして、ブロックチェーンについては次の
ように述べています。2019年3月の時点でのコメントです。
─────────────────────────────
 ブロックチェーンにおいては、LINEが提供しているLIN
Eペイだとか、準備中の新銀行という金融の流れとは少し違った
パラレルワールドというか、そこの延長線上にあるというものと
いうより、別の次元のチャレンジとして進めています。将来的に
は、なだらかなグラデーションが起きながら、いまの金融サービ
スとLINEトークン・エコノミーが融合していく可能性はもち
ろんあるんですけど。我々は今、ブロックチェーンという大きな
技術的トレンドでどんなことができるのか、または世の中にどん
なインパクトを与えられるのかを探りながら、チャレンジしてい
るところです。ブロックチェーンとかクリプトカレンシー(仮想
通貨)では、一時の熱狂的ブームは過ぎて、逆に、より本質的に
なってきて、見直されてきているように思います。
                 https://bit.ly/3DskRDz
─────────────────────────────
 LINEの「トークンコミュニティー」については、まだ情報
が不足しており、これについては、新情報を求めつつ、EJとし
てご紹介していきたいと考えています。
             ──[デジタル社会論V/072]

≪画像および関連情報≫
 ●ついに本腰を入れた!LINEのトークンエコノミーとは?
  そのビジネス領域は一体何なのか?
  ───────────────────────────
   LINEは国内で多くのユーザーがいるコミュニケーショ
  ンツールです。LINEはコミュニケーションツールとして
  発展するだけではなく、独自の経済圏を形成しようとしてい
  ることをご存知でしょうか。
   2018年にLINEはトークンエコノミーの構想を発表
  して、2020年8月には独自に開発したブロックチェーン
  の商業化を始めました。いよいよLINEのトークンエコノ
  ミーが開始したとのことで、多くの企業が利用申請をしてい
  ます。この記事ではLINEが本腰を入れたトークンエコノ
  ミーと今後の展開についてご説明します。はじめにLINE
  のトークンエコノミーを語る上で欠かせないブロックチェー
  ンについてご説明します。
   ブロックチェーンとは、中央集権型の管理システムではな
  く、大勢の参加者によって運営される仕組みです。この仕組
  みからブロックチェーンのことを分散型台帳と呼ぶことがあ
  ります。具体的な活用方法としては、銀行のようにお金の管
  理や顧客データの管理があります。それらのデータはブロッ
  クチェーン上で暗号化されて簡単に改ざんすることができま
  せん。データの信頼性と透明性から高いセキュリティ性の確
  保が可能となっています。これまでブロックチェーンと聞く
  と、ビットコインや、イーサリアムなどの暗号通貨(仮想通
  貨)を運用するためのものと思われてきました。しかし、ブ
  ロックチェーンは通貨の運用だけではなく株式などの有価証
  券といった金融分野への応用もなされているわけです。
                  https://bit.ly/3x1gu06
  ───────────────────────────
LINEトークンエコノミーについて語る出澤剛CEO.jpg
LINEトークンエコノミーについて語る出澤剛CEO
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月19日

●「トークンはコミュニティをつくる」(第5617号)

 暗号資産(仮想通貨)、トークン、ブロックチェーンなどの関
係を追及していきます。
 トークンは、「何らかの概念を定量的に表現しやすく置き換え
たもの」のことであり、この考え方に立つと、あらゆるものをト
ークンと考えることができます。昨日のEJで述べたように、暗
号資産(仮想通貨)もトークンも「ファンジブルトークン」のな
かに入るのです。
 それでは、暗号資産(仮想通貨)とトークンは、どのように違
うのでしょうか。
 トークンも仮想通貨も、ブロックチェーン技術を基に作られる
電子通貨である点は同じですが、基になるブロックチェーンが独
自のものか、既存のものかによって異なってきます。
 例を上げます。「ザイフトークン」と「フィスコトークン」と
呼ばれるトークンがあります。「ザイフトークン」は、暗号資産
「ネム」という独自のブロックチェーンを利用して作られていま
すし、「フィスコトークン」は、暗号資産「ビットコイン」のブ
ロックチェーンを利用して作られています。
 つまり、独自のブロックチェーンとは、ある暗号資産、たとえ
ばビットコインを立ち上げるために独自に作られたブロックチェ
ーンのことで、それら既存のブロックチェーンを利用して作られ
た暗号資産が「トークン」と呼ばれるのです。
 それでは、独自のブロックチェーン上に作られた暗号資産(仮
想通貨)と、そのブロックチェーン上に作られた暗号資産(トー
クン)をどのように区別するのでしょうか。その区別は、以下の
ようになります。
─────────────────────────────
        ◎独自のブロックチェーン
         基軸通貨
        ◎既存のブロックチェーン
         代替通貨
─────────────────────────────
 トークンは、さまざまな状況で、誰でも購入することができま
す。トークンを購入し、保有するメリットとしては、次のような
ものが上げられます。
─────────────────────────────
         @リターンを期待できる
         Aサービスで利用できる
         B少額でも投資ができる
─────────────────────────────
 第1は「リターンを期待できる」ことです。
 多くの場合、トークンは企業が発行しますが、もし、その企業
が事業に成功すれば、当然トークンの価値は上がります。もし購
入時点よりもトークンが値上がりした場合、そのタイミングで売
却すれば、その差額が利益として得られます。つまり、株式と同
じように、値上がりによるキャピタルゲインが狙えるというわけ
です。
 第2は「サービスで利用できる」ことです。
 ICO(イニシャル・コイン・オファリング)などに参加し、
トークンを得た場合、その発行元の企業や団体が提供するサービ
スなどに利用できる可能性があります。どのようなサービスかと
いうと、内容は様々ですが、ゲーム内での通貨や、音楽やブログ
などのコンテンツサービスに利用できたり、指定の取引所で他の
通貨と交換できたりなどです。
 第3は「少額でも投資ができる」ことです。
 最低購入額は取引所によって違いますが、トークであれば、少
額から投資することが可能である点はメリットといえます。株式
などと比較しても、少額から購入できるので、投資の初心者でも
気軽に参加できることになります。
 「ブロックチェーンはバーチャルな組織、もっといえば社会を
つくる力を持っている」と坪井大輔氏はいいます。社会をつくる
というのが大袈裟であれば、コミュニティを作ると言い替えても
いいと思います。それは、トップがいなくても意思決定のできる
コミュニティです。それは、ブロックチェーンの持つ技術、コン
センサス・アルゴリズムによって可能になります。坪井大輔氏は
トークンは社会をつくるとして次のように述べています。
─────────────────────────────
 インターネットという宇宙の中に、ブロックチェーンで星をつ
くり、その星にトークンエコノミー・コミュニティで国をつくっ
て人を住ませる、というイメージです。それで今、大手企業は大
きな星をつくってそこに大きな国をつくろうとしている。小さな
会社だって小さいなりのコミュニティを形成して、100人の国
をつくろうとしている。さまぎまな形の星たちが、無数に存在す
る。今後このようなことが、いたるところで起きて、それぞれの
星を宇宙船に乗って行き来するようなイメージが現実的になるで
しょう。
 重ねて申し上げますが、なぜこれが実現できるかというとトー
クンのおかげです。インターネットだけでは実現できません。イ
ンターネットは情報を世界中に流通させますが、価値を定量化さ
せることは苦手です。レビューが一つの手段ですが、そこでは定
量化させるルールが個人の主観となり、定性的です。つまり、イ
ンターネットはそのままでは金融の機能がないわけです。経済に
ついて少し掘り下げて考えると、今のリアルの社会でも結局、金
融の上に経済が成り立っています。金融というメカニズムがなけ
れば経済が成り立たない。そう考えれば、トークンによって金融
が成り立ち、エコノミーができ、その上にサービスを設計してコ
ミュニティを生み出せるようになったことが最も重要な変化なの
だと思います。       ──坪井大輔著/翔泳社/SE刊
   『WHY BLOCK CHAIN/なぜ、ブロックチェーンなのか』
─────────────────────────────
             ──[デジタル社会論V/071]

≪画像および関連情報≫
 ●トークンエコノミーの時代がやってくる!―見えない価値を
  可視化し、交換する技術
  ───────────────────────────
   ブロックチェーンのユースケースとしては2017年から
  仮想通貨が大きな注目を浴びてきたが、2018年には仮想
  通貨交換所から資産が大規模に流出する事件が発生したり、
  いくつかの通貨ではハードフォークという一般のユーザーに
  は理解しにくい運用ポリシーによる“再編”という名の下で
  のイザコザが生じたり、そもそも通貨としては決済手段とし
  ての利用範囲が狭かったり、幸いにも取引によって利益が得
  られたとしても、納税(確定申告)の手続きが難しかったり
  といういくつものデメリットが生じたことから、一時期の仮
  想通貨の投機ブームも一気に冷え込んでいるのが実情だ。
   一方で、仮想通貨はブロックチェーンのユースケースのひ
  とつにしかすぎず、それ以外でもさまざまな応用のアイデア
  が研究されていたり、社会実験も行われたりしている。その
  なかでこれから注目できるのが「トークンエコノミー」とい
  う考え方である。
   去る1月29日、アルトデザイン株式会社は「未来のカタ
  チをデザインする」と題するトークンエコノミーに関するミ
  ートアップを東京で開催した。当日、プレゼンテーションに
  登壇したのは、株式会社博報堂が発足した「博報堂ブロック
  チェーン・イニシアティブ」の伊藤佑介氏、株式会社IND
  ETAIL代表取締役の坪井大輔氏、そして、ShоT氏と
  いう3名で、それぞれの観点から、トークンエコノミーへの
  取り組みについて熱く語った。ここでは、その概要を紹介す
  る。              https://bit.ly/3Cm6lMf
  ───────────────────────────
講演する坪井大輔氏.jpg
講演する坪井大輔氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月18日

●「改めてトークンとは何かを考える」(第5616号)

 イーサリアム、トークン、分散型アプリ―ケーションのダップ
スなど、このところEJでは難しい話が続いています。何を説明
したいのか、訝っている人もいると思います。それは、現在、中
央集権型組織のない様々なサービスが続々と実現しつつあり、拡
大しているからです。
 ひとつ例を上げます。「DeFi/ディーファイ」という言葉を聞
いたことがありませんか。日本語に訳すと「分散型金融」になり
ますが、現在このサービスは240種類を超えています。そのサ
ービスの利用者は、2021年5月現在、270万人、ディーフ
ァイに流入した資金の総額は2020年はじめには7億ドル程度
だったものが、2021年5月には約860億ドルに膨張してい
ます。こういうサービスを理解するには、イーサリアム、トーク
ン、ダップスなどの知識が必要になるからです。
 このような考え方から、トークンについては、もう少し詳しく
考える必要があります。坪井大輔氏は、「トークンは社会をつく
る」として、トークンについて次のように説明しています。きわ
めて重要なメッセージであり、参考になります。
─────────────────────────────
 ブロックチェーンはバーチャルな組織、もっといえば社会をつ
くる力を持っています。通貨と同様の機能を持つトークンをつく
ることができ、また、規制・統治の仕組みをともなったコミュニ
ティをつくることができるからです。
 規制・統治に関して述べるなら、ブロックチェーンを構成する
技術の中で一番重要なのは、コンセンサスアルゴリズムになりま
す。早くいえば、多数決を成り立たせるアルゴリズムです。なぜ
多数決が必要か。あるボス的な人の一存で「これだ」と意思決定
させず、みんなで決めるのが、ブロックチェーンの本質だからで
す。トップがいなくて、みんなで決める社会。かといって誰もが
不合理な判断をしては社会が立ち行きませんから、そこには一定
の規制や統治が必要になります。そこで、規制や統治をプログラ
ムに組んで、それを自動的に動かす。それがスマートコントラク
トです。スマートコントラクトによって、物事がルールから逸脱
することなく、自動的に実行される社会になります。
 経済(=エコノミー)は、社会(=コミュニティ)という価値
交換の手段がなければ社会は成り立ちません。ブロックチェーン
には価値を定量化し、交換する手段としてトークンがあります。
そして、実質的な法律・ルールとしてスマートコントラクトが機
能します。この中に人間が入れば、それはまさに社会です。トー
クンエコノミーの上に、トークンコミュニティがあるという構図
です。           ──坪井大輔著/翔泳社/SE刊
   『WHY BLOCK CHAIN/なぜ、ブロックチェーンなのか』
─────────────────────────────
 トークン(token) とは、直訳すると「しるし」「象徴」など
の意味になります。ある通貨システムのなかで、サービスや利用
シーンごとに最適化され、通貨としての役割を果たすものを「代
替通貨」といいます。具体的にいうと、スイカなどの電子マネー
Tポイントなどの電子ポイント、商品券や図書券などは、いずれ
も代替通貨です。
 ここで一番わかりにくいのは、ビットコインやイーサリアムの
の通貨である「イーサ」「イオス」「ジリカ」などのいわゆる暗
号資産とトークンの関係です。ブロックチェーン上で扱われるト
ークンには、次の2つの類型があります。
─────────────────────────────
        @  ファンジブル・トークン
        Aノンファンジブル・トークン
─────────────────────────────
 @は「ファンジブル・トークン」です。
 円やドルなどのお金と同様に、共通の単位に資産価値を自由に
分割・代替することができるものです。ファンジブル・トークン
は、ビットコイン、イーサ、イオス、ジリカなどの基軸通貨と、
代替通貨の「セキュリティトークン」と「ユーティリティ・トー
クン」分類できます。
 Aは「ノンファンジブル・トークン」です。
 ノンファンジブルトークンは、骨董品やアート作品のように、
唯一固有の存在として発行される、分割や部分譲渡ができにくい
ものをいいます。ノンファンジブルにあたる存在をイメージする
には、著名な画家による絵画を思い浮かべるとわかり易いです。
仮に作者や構図が同じ絵画があったとしても、直筆であれば全く
同じものは存在しないのです。
 ノンファンジブルトークンを活用としたゲームがありますが、
これについてあるサイトには次の説明があります。
─────────────────────────────
 2018年後半以降、日本国内でもノンファンジブルトークン
を活用したゲームが人気を集めており、ゲームのアイテムやキャ
ラクターがそれぞれ異なる価値を持つトークンとして扱われてい
ます。例えば、ゲーム世界にひとつしか存在しない最強の武器は
ノンファンジブルトークン、ごくありふれた武器はファンジブル
トークンとして設計可能です。
 また、ファンジブルトークンは日本の改正資金決済法上、仮想
通貨に分類される可能性が高いですが、ノンファンジブルトーク
ンは仮想通貨に該当しません。その法的位置づけは以前から議論
されていましたが、ゲーム内アイテムなどのノンファンジブルト
ークンは決済手段などの経済的機能を有していないと考えられる
ため、仮想通貨には該当しないとの見解が金融庁から示されてい
ます。               https://bit.ly/3DkMVcd
─────────────────────────────
 この考え方に立つと、トークンは、暗号資産の上位概念になり
ます。これについては、添付ファイルの図がわかり易いと思いま
す。森川夢祐斗著『これからのブロックチェーンビジネス』/M
dN刊に出ていたものです。──[デジタル社会論V/070]

≪画像および関連情報≫
 ●仮想通貨(暗号通貨)とトークンの違い
  ───────────────────────────
   インターネット上にのみ流通する仮想通貨とトークンは同
  じと考える人が多いですが、2つは別物です。仮想通貨なら
  何となくわかる人でも、トークンとは何かあまり知らない人
  もいるのではないでしょうか。仮想通貨やトークンの初心者
  向けに各々の定義やその仕組みを解説し、仮想通貨とトーク
  ンの違いを明らかにしていきます。
                  https://bit.ly/3FidYW2
  ───────────────────────────
iトークンとは何か.jpg
iトークンとは何か
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月17日

●「RPAによる自動化も考えられる」(第5615号)

 ブロックチェーンは、自動的というか自律的に動くことをよし
としています。その典型がスマートコントラクトです。ブロック
チェーンのシステムにルールや、満たさなければならない条件を
組み込んでしまえば、後のルールの執行は自動的に行われます。
このことについて、坪井大輔氏は次のようにいっています。
─────────────────────────────
 人がいなくても動くことをブロックチェーンはよしとしていま
す。一般的な会社や組織であればボスがいて、一定のルールの下
にボスが意思決定をして組織や人を動かします。しかしスマート
コントラクトになると、一定のルールや条件が事前にプログラム
に埋め込まれてさえいれば、条件を満たせば実行、満たさなけれ
ば実行されない、という動き方になり、ボスは不要になります。
「ルールの下の平等」がいわば強制的に実現するわけです。(一
部略)そのルールは、スマートコントラクトのプログラムが変更
されない限りは絶対で、その意味ではトラブルは起きようがあり
ません。人間がプログラムに使われる世界観です。これが、DA
Oを考える上で不可欠な概念です。
              ──坪井大輔著/翔泳社/SE刊
     『WHY BLOCK CHAIN/なぜ、ブロックチェーンなのか』
─────────────────────────────
 ところで、現在ビジネスの世界では、RPAなるものが流行し
ています。RPAもDAOに向かう社会の動きを象徴していると
いえます。RPAは、次の言葉の省略形です。
─────────────────────────────
       ◎RPA
        Robotic Process Automation
─────────────────────────────
 RPAは、「ロボテック」という言葉から始まりますが、ペッ
パーのようなロボットが何らかの作業をするのとは異なります。
普通人間の行うPC操作の一部をソフトウェアで自動化すること
をいいます。もっときちんというと、RPAは、これまで人間の
みが対応可能とされていた作業、もしくはより高度な作業を、人
間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習などを
含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みのことです。
 矢野経済研究所が2020年に実施した調査によると、RPA
の市場規模は、次のように躍進しています。ここで、市場規模と
いうのは、RPA関連サービスおよびRPAツール製品の売上高
のことです。
─────────────────────────────
      2016年 ・・・・ 85億円
      2017年 ・・・ 178億円
      2018年 ・・・ 338億円
      2019年 ・・・ 530億円
─────────────────────────────
 RPAが普及した理由について考えると、これには次の3つの
背景があります。
─────────────────────────────
       @生産労働人口が減少している
       A人対応業務量が増加している
       B働き方改革が促進されている
─────────────────────────────
 第1は「生産労働人口が減少している」ことです。
 現在、生産労働人口が減少しています。生産労働人口は、20
25年までの5年間で約4%減少するといわれています。これに
対応する方策が求められています。
 第2は「人対応業務量が増加している」ことです。
 複雑化・細分化した業務パターンに対して、業務のデジタル化
の遅れにより、結果として人が対応しなければならない業務量は
増加しています。
 第3は「働き方改革が促進されている」ことです。
 2019年4月から、働き方改革が法令化され、休暇取得や残
業時間に対するチェックは厳格化されつつあります。そのため、
働き手一人当たりの生産性の向上が必須になっています。
 RPAは、このような背景の下で普及しつつありますが、本格
的な普及はまさにこれからです。2019年1月のRPA国内利
用動向調査によると、現状は次のようになっていまする
─────────────────────────────
        RPA導入済 ・・ 32%
         導入検討中 ・・ 36%
           未導入 ・・ 32%
      ──RPA国内利用動向調査/2019年1月調査
─────────────────────────────
 しかし、RPAはここにきて、2つの問題点が浮かび上がって
きています。
─────────────────────────────
     @RPA開発要員の確保が困難化している
     AそのままRPAに適用可能業務が少ない
─────────────────────────────
 第1の問題点は「RPA開発要員の確保が困難化している」こ
とが上げられます。
 外部のRPA開発人員の確保が困難で、結果として高コストに
なってしまうことです。それに個々の業務に合わせてシステムを
作るので、開発側のスケールメリットが得られないことです。し
たがって、どうしても高コストになります。
 第2の問題点は「そのままRPAに適用可能業務が少ない」こ
とが上げられます。
 結局、仕事のやり方自体を変更せざるを得なくなることもあり
かえって作業効率が悪くなることもあります。つまり、ロボット
そのものに限界があることです。
             ──[デジタル社会論V/069]

≪画像および関連情報≫
 ●「RPAを導入したが効果が出ない」と悩む企業がまずやる
  べきこととは何か
  ───────────────────────────
   ワークスタイルにイノベーションをもたらすといわれるR
  PA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。業務
  改革と生産性向上に貢献するデジタル・テクノロジーとして
  脚光を浴び、ここ数年、国内でも幅広い業種の企業で導入が
  進んだ。一方で、「自動化した結果を管理できていない」と
  か「当初の課題が解決していない」、「新しい課題が生まれ
  た」など、新たな問題も浮上しているようだ。「そうした問
  題は、ある程度の規模でRPAを導入した際に起こることが
  多いようです」。こう切り出したのは、Hinemos の営業を担
  当するHinemos担当課長の谷越桂太氏だ。 大規模にRPAを
  導入すると、自動化の弊害が生じる可能性があると同氏は警
  鐘を鳴らす。
   「ソフトウェアロボットを搭載したPC端末が、定型的な
  業務を自動実行してくれると思いがちですが、RPAのシナ
  リオの実行が成功しているのか、あるいは失敗しているのか
  がわからなくなってしまうこともあります。例えば、PCの
  環境変化によって失敗していたとしても、成功していると思
  い込んで失敗に気づけなければ、原因の特定にも動けず、当
  然、問題を解決することもできません」(谷越氏)
   大量のRPAによって自動化した業務の結果を管理できて
  いないにもかかわらず、RPAの導入を他のシステムに広げ
  たり、さらに重要な業務オペレーションにまで適用を拡大し
  たりすることは、RPAはもちろん、システム運用、業務そ
  のものに大きなリスクを潜在的に抱え込むことになってしま
  う。              https://bit.ly/323XnXN
  ───────────────────────────
RPA.jpg
RPA
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月16日

●「ウェブアプリとの違いを考察する」(第5614号)

 分散型アプリケーション「ダップス/DApps」 の話をもう少し
続けます。ダップスとの違いを知るために、ウェブ・アプリケー
ションについて少し詳しく知る必要があります。
 インターネットを利用するアプリケーションといっても次の2
つがあります。
─────────────────────────────
      1.ネイティブ・アプリケーション
      2.  ウェブ・アプリケーション
─────────────────────────────
 「1」のネイティブ・アプリケーションとは何でしょうか。
 ネイティブ・アプリケーションとは、手元の端末(スマホやP
Cなど)にインストールして利用するアプリケーションのことで
す。プログラム自体をインストールしてしまうと、ネットにアク
セスする必要はありません。
 これに対して「2」のウェブアプリケーションは、ネットワー
ク経由で利用するアプリケーションのことです。アプリケーショ
ンのプログラムの本体はネットワーク上のウェブサーバー内にあ
るので、それをネットにアクセスして動作させるのです。
 ウェブアプリケーションには、次の2つがあって、プログラム
を作成するエンジニアも異なります。
─────────────────────────────
      @フロントエンド/クライアントサイド
      A バックエンド/  サーバーサイド
─────────────────────────────
 @のフロンドエンドとは何でしょうか。
 フロンドエンドとは、ウェブアプリケーションにアクセスした
ときに、ユーザー自身が見える部分、直接操作できる部分のこと
をいいます。クライアントサイドともいいます。
 それでは、Aのバックエンドとは何でしょうか。
 バックエンド(=サーバーサイド)は、ユーザーが見えない部
分・直接操作できない部分のことです。具体的にはフロントエン
ドでユーザーが入力した内容に基づき、そのデータを処理して結
果を返したり、入力された内容を保存したりするのがバックエン
ドの役割です。サーバーサイドともいいます。
 ウェブアプリケーションのエンジニアは、フロントエンドと、
バックエンドで異なります。使用するプログラミング言語が異な
るからです。
─────────────────────────────
       ◎フロンドエンドで使用する言語
        Html
        CSS
        JavaScript
       ◎ バックエンドで使用する言語
        PHP
        Ruby
        Python
        JavaScript
─────────────────────────────
 フロントエンドで使用する言語とは、要するに、ウェブサイト
を構築するために必要な言語です。Htmlはウェブページの構造を
決める言語ですし、CSS はウェブページのデザインを決める言語
です。JavaScript はウェブページに動きをつける言語です。
 バックエンドで使用する言語は4つあります。どちらかという
と、いずれも専門家向けの言語です。PHP は、ウェブサイトの開
発に適しており、Htmlに埋め込んで使用できます。多くのウェブ
サイトで使われています。
 Rubyというのは、日本のソフトウェア開発者のまつもとゆきひ
ろ氏が開発した言語です。ウェブアプリケーションによく使われ
ており、動的サイトを作るのに適しています。有名なクックパッ
ドは、このRuby で書かれています。
 Python は、最近AI、 ディープラーニング用に使われるよう
になったので、注目されている言語です。文法がとてもシンプル
であり、プログラミングの初心者でも取りつきやすい言語です。
 なお、JavaScript は、フロントエンドだけでなくバックエン
ドのプログラム言語としても利用されます。フロントエンド・バ
ックエンド同じ言語で開発できること、リアルタイムな処理がで
きること(例:メールが届いたときに更新しなくても受信が確認
できる)などがメリットです。
 以上がウェブアプリケーションのフロントエンドとバックエン
ドの話ですが、分散型アブケーションとどこが違うかというと、
次のようにいうことができます。
─────────────────────────────
 分散型アプリケーションと通常のウェブアプリケーションの主
な違いは、通常のアプリケーションのバックエンドとフロントエ
ンドの両方が単一のサーバ上でホストされていることです。対照
的に、ダップスのバックエンドは、世界中に散らばった同期化さ
れたサーバー(コンピュータノード)の分散ネットワーク上でホ
ストされています。         https://bit.ly/3wJt6bW
─────────────────────────────
 つまり、分散型アプリケーションのバックエンドは、世界中に
散らばった同期化されたサーバー(コンピュータノード)、すな
わち、P2Pネットワークを構成するコンピュータが担っている
のです。そのため、分散型アプリケーションというのです。
 しかし、それらのコンピュータの性能はそれぞれで異なってお
り、単一サーバーと違って、ダップスはどうしても処理速度が遅
くなります。これは、プルーフ・オブ・ワーク・コンセンサスア
ルゴリズムを使用したブロックチェーンでは、トランザクション
の決済と新しいブロックの採掘に時間がかかるためです。ちなみ
に、イーサリアムのブロックチェーンの平均のブロック時間は、
13・3秒です。     ──[デジタル社会論V/068]

≪画像および関連情報≫
 ●世界を「非中央集権化」するイーサリアムの完璧な理想は
  いつ証明できるのか?
  ───────────────────────────
   2018年10月下旬のことだ。広大なプラハ会議センタ
  ーの外では、天気が変わりつつあるだけでなく、暗号通貨の
  世界が崩壊しかけていた(実際、2018年の大半がそうだ
  ったが)。ほんの1年前、ブロックチェーン・システムへの
  期待は天井知らずだった。だが、期待に基づいて算出したコ
  イン価格と同じくらいの速さで期待値が急落している。しか
  し、プラハ会議センターの中の雰囲気は大きく違っていた。
  イーサリアム財団主催の年一回の「親族会」的なイベントで
  ある「デブコン(Devcon:開発者会議)」が開かれ、非常な
  盛り上がりを見せていた。ましてや、否定的な意見など皆無
  だった。それどころか、いたるところでユニコーンをテーマ
  にした服を着た人たちがハグし合い、将来への期待に心躍ら
  せているのが感じられた(イーサリアム財団に寄付をすると
  「ユニコーン」と呼ばれるトークンを受け取れる)。外で起
  こっていることなど誰も気にしていない。ここで起こってい
  ることはすべて、魔法のインターネット通貨を超えたところ
  のものなのだ。
   イーサリアムは、すでにビットコインに次いでもっとも有
  名な暗号通貨であり、時価総額は第3位だ。だが、他の暗号
  通貨とは異なり、汎用のコンピューター・プラットホームに
  なることを目的としている。イーサリアムによって、まった
  く新しい形の社会組織を作れるとイーサリアム支持者たちは
  信じている。          https://bit.ly/3orRsmL
  ───────────────────────────
ウェブアプリケーションのフロントエンドとバックエンド.jpg
ウェブアプリケーションのフロントエンドとバックエンド
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月15日

●「スマートコントラクトの正体とは」(第5613号)

 「ブロックチェーン」と「イーサリアム」、「スマートコント
ラクト」と「ダップス/DApps」 のそれぞれの関係について、言
葉を整理します。そもそも暗号資産「イーサリアム」の「スマー
トコントラクト」とは何かの解明です。
 「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーンシステム上
の概念です。あらかじめ設定されたルールにしたがって、ブロッ
クチェーン上のトランザクション(取引)、もしくは、ブロック
チェーン外から取り込まれた情報をトリガーにして実行されるプ
ログラムがスマートコントラクトです。
 ここで注意すべきは「スマート」という言葉です。スマートに
は「賢い」とか「頭が切れる」とかいう意味がありますが、「コ
ンピュータで制御できる」という意味もあるのです。しかし、ス
マートコントラクトのスマートは、「自動的に実行される」とい
う意味で使われています。提唱者は、ニック・サボ氏という米国
の経済学者であり、暗号研究家です。ちなみに既にご紹介してい
るヴィタリック・ブテリンは、イーサリアムの考案者です。
 スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で書かれたプロ
グラムによって実現されますが、そのプログラミング言語が「ソ
リディティ」であり、その実行環境が「EVM/イーサリアム・
ヴァーチャル・マシン」です。そして作り出されるさまざまなス
マートコントラクトが分散型アプリケーション「ダップス」であ
るというわけです。
 このあたりのことを本やネット上の解説をいくら読んでも半透
明のもやがかかっていて、はっきりしません。スマートコントラ
クトについて、ウィキペディアにある「ニック・サボ」氏のペー
ジでは、スマートコントラクトを次のように説明しています。
─────────────────────────────
 「スマートコントラクト」という呼称と概念はサボ氏によって
開発されました。この概念は、インターネット上における他人と
の電子商取引プロトコルの設計に、「高度に進化した」契約と実
行の商習慣をもたらすことを目的としています。
          ウィキペディア https://bit.ly/31YVsni
─────────────────────────────
 スマートコントラクトの概念を拡張すると、ビットコインは、
「通貨を送金、保管することに特化限定したスマートコントラク
ト」ということになります。これをあらゆる取引に対応できるよ
うに機能を拡張、発展させたものが現在いわれているところのス
マートコントラクトのシステムであるというのです。
 ひとつ具体的な例を上げます。フランスの大手保険会社のAX
Aでは、2017年11月にイーサリアム・ブロックチェーンを
利用し、スマートコントラクトで、完全に自動化した航空機遅延
保険「フィズィ/Fizzy」 を発表しています。そのステップは次
の通りです。
─────────────────────────────
 @AXAと連携している航空交通データベースが飛行機遅延
  の情報を検知し、イーサリアム・ブロックチェーンに情報
  をインプットする。
 Aスマートコントラクトが保険金を支払うかどうかを自動的
  に判断し、支払う場合は、そのリクエストを保険会社のシ
  ステムに送信する。
 Bリクエストを受けた保険会社のシステムは、保険の契約者
  に対し、保険金支払いを実施する。以上のプロセスは完全
  自動で実施される。
─────────────────────────────
 この場合、スマートコントラクトは、ブロックチェーンと一体
になって、「決められたある条件を満たすと自動的に契約(コン
トラクト)を実行する」役割をします。
 AXAの「フィズィ」は、明らかに分散型アプリケーションの
「ダップス」として記述されますが、この場合、このアプリは、
保険金を支払うかどうかの判断の情報を提供して、スマートコン
トラクトがコントラクト処理を実行することになります。あくま
でアプリは、スマートコントラクトを前提としてプログラミング
されることになります。このあたりのスマートコントラクトとア
プリの関係がいまひとつ明確ではないのです。
 ダップスのプログラミング言語のソリディティについて、ある
サイトでは次のように解説しています。
─────────────────────────────
 ソリディティは、コントラクト指向の高水準言語です。コント
ラクト指向とは、コントラクトする(取引処理を実行させる)目
的に特化していることを指します。イーサリアムの特徴のひとつ
である、スマートコントラクト(取引契約における過程の全てを
自動化するための、規約またはその機能)の実装に欠かせない要
素です。高水準言語とは、人間にとって理解しやすい単語や構文
概念で記述されるプログラミング言語のこと。
                  https://bit.ly/30oEGgI
─────────────────────────────
 イーサリアム・スマートコントラクト上で動く分散型アプリケ
ーション「ダップス」には、次の問題点があります。
─────────────────────────────
           @  実行速度
           A   手数料
           B  オラクル
           C   安全性
           Dプライバシー
─────────────────────────────
 現在のアプリケーションは、サービスの提供者がセキュリティ
面なども含めて総合的に管理しています。いわゆる集権型のアプ
リケーションです。しかし、管理者に全ての権限が集中している
ことが多くの問題を生んでいます。
             ──[デジタル社会論V/067]

≪画像および関連情報≫
 ●スマートコントラクトで航空機遅延保険を完全自動化する
  ───────────────────────────
   「フィズィ/Fizzy」 は航空機遅延保険と呼ばれるタイプ
  の保険で、保険加入者は自身が搭乗するフライトに対して保
  険をかけ、2時間以上の遅延やキャンセルがあった場合、金
  銭的な補償を受けられます。フィズィでは保険契約から支払
  いまで主な処理をイーサリアム・ブロックチェーン上のスマ
  ートコントラクトが扱い、保険の加入から支払いまでのプロ
  セスが自動化されています。フライトが2時間以上遅延した
  場合、着陸後数分で保証について連絡がくるといいます。ど
  んな理由でも2時間以上遅延すれば保険が適用され、保険会
  社に連絡したり、書面で補償を請求したりする必要がありま
  せん。
   フィズィのウェブサイトでフライトナンバーと出発日を入
  力し、居住国を選ぶと、過去の航行データをもとに保険料が
  計算され、契約の選択肢が示されます。東京からパリまでの
  直通便で試したところ、一番安い保険が6ユーロ700円ほ
  どで、到着が2時間以上遅れるまたはフライトがキャンセル
  されると130ユーロの補償を受けられます。130ユーロ
  は15000円強で、ホテルまでタクシーで行く、新たにホ
  テルを予約するといった出費をカバーできます。より補償額
  の多い保険でも20ユーロ2400円ほどです。保険は高い
  というイメージがありますが、手頃な金額で保険をかけられ
  もしもの場合に妥当な補償が受けられます(為替レートは、
  2019年8月現在の1ユーロ118円で換算)。ただし、
  居住国の選択肢がヨーロッパの主要国に限られていることか
  ら、現状はヨーロッパ在住者を対象とした保険商品だと考え
  られます。           https://bit.ly/3C7aIeh
  ───────────────────────────
ニック・サボ氏.jpg
ニック・サボ氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月12日

●「ダックスとはどのようなアプリか」(第5612号)

 昨日のEJで少し触れましたが、今日は、「分散型アプリケー
ション/ダックス/DApps」 について述べることにします。これ
については、ネット上に多くの解説がありますが、非常にわかり
にくいので、誰でもわかるように解説を試みます。全角の日本語
に混ぜて、なるべく英語を書きたくないので、「ダックス」と呼
称することにします。
 暗号資産「イーサリアム」上では、スマートコントラクトが実
現できますが、このスマートコントラクトの実体は、プログラム
そのものです。
 スマートコントラクトをもっと正確にいうと、その実行環境は
「イーサリアム・ヴァーチャル・マシン/EVM」であり、その
EVMに対して指示を与えるプログラミング言語は、「ソリディ
ティ(Solidity)」といいます。ソリディティは、イーサリアム
がスマートコントラクトを実装するために開発した独自のプログ
ラミング言語です。
 それでは、ダックスがどういうソフトウェアであるのかという
ことですが、このソフトウェアはダックスであるというためには
次の条件を満たしていることが必要です。
─────────────────────────────
 1.アプリケーションは、オープンソースであること。オペレ
  ーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たない
  こと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化さ
  れて分散化されたブロックチェーンを利用していること。
 2.アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トーク
  ンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトー
  クンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリ
  ワード(報酬)が支払われること。
 3.アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求
  によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザ
  ーのコンセンサスによること。
                 https://bit.ly/3H8QMeB
─────────────────────────────
 上記「1」の要件である「オペレーションは自動であり、中央
のコントロール主体を持たないこと」というのは、何を意味して
いるのでしょうか。
 PCで動くアプリケーションについて考えてみます。アプリの
バックエンドにはOS(サーバー)が存在し、アプリの動きをコ
ントロールしています。これは、中央集権的であるといえます。
ダックスはそういうアプリとは違うというのです。それでは、な
ぜ、ダックスを、分散アプリケーションというのでしょうか。
 これについて、ダックスについて書かれているサイトでは、次
のように説明しています。
─────────────────────────────
 分散型アプリケーションと通常のウェブアプリケーションの主
な違いは、通常のアプリケーションのバックエンドとフロントエ
ンドの両方が単一のサーバ上でホストされていることです。対照
的に、ダックスのバックエンドは、世界中に散らばった同期化さ
れたサーバー(コンピュータノード)の分散ネットワーク上でホ
ストされています。         https://bit.ly/3n4rKFF
─────────────────────────────
 つまり、通常のアプリが特定の単一サーバーによってコントロ
ールされているのに対して、分散型アプリケーションであるダッ
クスは、コンピュータノードの分散ネットワークによって動作が
維持されており、それが特徴であるというのです。
 分散型アプリケーションのメリットとしては、いくつかのノー
ドがネットワークから離れたり、コンポーネントに障害が発生し
た場合でも、残りのすべてのユニットが機能してそれを支えるこ
とができる点が上げられます。このようにして、アプリの心臓部
であるスマートコントラクトがブロックチェーン上で展開される
と、ネットワークが生きている限りは、アプリケーションは中断
なく実行されることです。
 一方、デメリットとしては、ダックスは、一度アプリを展開す
ると、スマートコントラクトを変更することは不可能であるため
その開発には十分な計画性と将来性を考慮する必要があることで
す。もし、プログラミングを間違えると大変なことになります。
 この分散型アプリケーションについて、「メタ」と社名を変更
したフェイスブックのマーク・ザッカーバーク会長は、この「ダ
ックス」について、次のようにその意義を強調しています。
─────────────────────────────
 現時点でテクノロジー分野において最も興味深いトピックの一
つは、中央集権と非中央集権の対比だ。我々の多くは、テクノロ
ジーに興味を持ったが、それはテクノロジーが個々人に力を与え
るような分散化する原動力になると信じているからだ(フェイス
ブックののミッションは”人々に力を”だ)。1990年台から
2000年台にかけて、殆どの人がテクノロジーは非中央集権化
する原動力になると信じていた。
 しかし今日、多くの人々はその見通しに対する自信を失ってい
る。少数の巨大なテック企業と、市民を監視するためにテクノロ
ジーを利用する政府の台頭と共に、人々は、テクノロジーとはパ
ワーを非中央集権化させるのではなく、むしろただ中央集権化さ
せるものだと思っている。
 とはいえ、暗号化や暗号通貨のようにこれらに逆行する流れも
ある。そしてそれらは、中央集権型システムから、個々人の手に
力を移行させる。これらはコントロールが及ばなくなるというリ
スクもある。私は、これらのテクノロジーをより深く理解し、ポ
ジティブな側面とネガティブな側面を学び、そして我々のサービ
スへの最適な利用法を考えたい。 ──マーク・ザッカーバーク
                 https://bit.ly/3wyR89A
─────────────────────────────
            ──[デジタル社会論V/066]

≪画像および関連情報≫
 ●DApps(自律分散型アプリケーション)とは。
  活用事例や金融分野の動向を探る
  ───────────────────────────
   仮想通貨に興味がある人は、DApps(ダップス) という言葉
  を一度は耳にしたことがあるかもしれません。現在は多くの
  分野でダップスが開発されており、オクトノット編集部では
  各業界から注目を集めているダップスのことを詳しく調べて
  みました。活用することのメリット・デメリットだけでなく
  今後金融業界のどのような分野で活用できそうなのか詳しく
  見ていきましょう。
   DAppsとは、Decentralized Applications を省略したもの
  です。中央管理者(企業や団体といったサービスを提供する
  主体)なしに提供される自律分散型アプリケーションです。
  主にブロックチェーン上でスマートコントラクトを利用し作
  動します。
   ブロックチェーンとは、ネットワークに参加している人達
  が同一内容のデータを持っていて、取引の内容を参加者全員
  が見られるシステムです。チェーンでブロックをつないでい
  くようにデータを保存します。
   また、スマートコントラクトとは、ブロックチェーンの取
  引に関してあらかじめ決められたルールにより、自動的に実
  行されるプログラム。つまり、皆さんが使うスマホアプリや
  その機能そのものですね。これにより、アプリ内のデータ安
  全性と整合性が保たれます。   https://bit.ly/3FbzbRD
  ───────────────────────────
マーク・ザッカーバーク氏.jpg
マーク・ザッカーバーク氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月11日

●「なぜ、暗号資産は数が増えたのか」(第5611号)

 言葉の整理が必要です。ここまで、ブロックチェーン上で通貨
として機能するデジタル通貨のことを、仮想通貨、暗号資産、ト
ークンと呼称してきていますが、人によって呼称が異なります。
 この場合、仮想通貨と暗号資産、それらとトークンとの間には
明確な違いがあり、問題は仮想通貨か暗号資産かです。
 これについては、仮想通貨交換業などをめぐる諸問題について
制度的な対応を検討するための「仮想通貨交換業等に関する研究
会」から、2018年11月12日開催の会合で、次のように提
案され、暗号資産と呼ぶべきであると結論づけられています。
─────────────────────────────
 「仮想通貨」の呼称を「暗号資産」に変更することも考えら
 れる。それは、次の2つの理由による。
  @国際的な場においては、暗号資産(Crypto Assets) の
   表現が使われている。
  A「仮想通貨」という呼称は、「法定通貨」であるとの誤
   解を生じやすいこと。
─────────────────────────────
 しかし、「仮想通貨」という名称を使ってはならないというこ
とではなく、柔軟に使っていいのですが、EJでは、暗号資産と
表現することにします。
 そうすると、ブロックチェーン上で機能するのは、暗号資産と
トークンということになります。それは、次のように区別するこ
とができます。
─────────────────────────────
 @ブロックチェーンを最初から立ち上げる ・・ 暗号資産
 A既にあるブロックチェーンを利活用する ・・ トークン
─────────────────────────────
 2021年9月現在、世界中に流通している暗号資産(トーク
ンを含む)の種類は1万種類を超えています。そのなかで、現在
日本で購入可能な代表的な14種を次に示します。
─────────────────────────────
    1.ビットコイン(BTC)
    2.イーサリアム(ETH)
    3.リップル(XRP)
    4.ビットコインキャッシュ(BCH)
    5.ライントコイン(LTC)
    6.イーサリアムクラシック(ETC)
    7.モナコイン(MONA)
    8.ネム(NEM)
    9.ファクトム(FCT)
   10.リスク(LSK)
   11.ステラルーメン(XLM)
   13.クアンタム(QTUM)
   14.ベーシックアテンショントークン(BAT)
─────────────────────────────
 なぜ、このように暗号資産が急増したのでしょうか。
 それは、トークンが作りやすくなったからであるといえます。
多くの著名な暗号資産は、ブロックチェーンをプラットフォーム
化し、高度なIT技術を持たない企業や個人でも、ICOという
かたちで、トークンを容易に発行できるようになったのです。一
からブロックチェーンを構築するのは大変ですが、トークンの発
行までの手続きは簡略化され、だれでも容易にトークンを発行で
きるようになっています。
 ICOに登録して企業独自のトークンを発行し、一般投資家か
らトークンの買い手を募り、プラットフォームが対応するトーク
ンで、資金調達が可能になります。投資家の視点から見ると、企
業が提供するサービスの価値が向上すれば、それに連動してトー
クンの価値も上がり、そこから、売却益を得られるようになりま
す。これは、暗号資産の仕組みを使ったクラウドファンデングで
あるといえます。しかも、トークンはブロックチェーン上で運営
されるので、世界中から大規模な資金調達も可能になります。
 イーサリアムには、ブロックチェーン上でスマートコントラク
トを利用して実現できるアプリケーション「DApps」 (ダップス
/分散型アプリケーション)が数多く開発されています。アップ
ストアにおけるアイフォーンのアプリのようなものです。
 イーサリアムでは、これらの開発者に対して、トークンを発行
し、手数料として支払っています。そのトークンの支払いにもス
マートコントラクトを利用しています。そのシステムをわかりや
すくいうなら、「自動販売機で株券を売る」ようなものです。
 イーサリアムでは、参加者(開発者やユーザー)は、アプリを
選んでイーサリアムの暗号資産のイーサを投入すると、そのイー
サはそのままそのアプリの開発者に送られ、参加者にはトークン
が発行されます。これによって、「DApps」 の開発者は、イーサ
を換金して資金を得ることができます。ちなみに「DApps」 とは
次の略称です。
─────────────────────────────
       ◎DApps/分散型アプリケーション
          Decentralized Applications
─────────────────────────────
 「DApps」 は、日本語で「分散型アプリケーション」と呼ばれ
ています。ブロックチェーン上でソフトウェアを動作させる仕組
みである「スマートコントラクト」を応用したものであり、現在
では、オークションプラットフォームやゲームなどが開発されて
います。現在、数多くの分野で「DApps」 が開発され始めており
次世代型のソフトウェアとして注目を集めています。
 現在、提供されている「DApps」 には、ユーザーが操作する画
面部分のみPCやスマホのアプリとして作成し、ユーザーから見
えない部分(バックエンド)にスマートコントラクトを利用する
ものも存在します。現在、「DApps」 には注目が集まりつつある
のです。         ──[デジタル社会論V/065]

≪画像および関連情報≫
 ●そもそもイーサリアムとは何なのか。生みの親ヴィタリック
  ・ブテリンが執着した3つの開発思想
  ───────────────────────────
   ヴィタリック・ブテリンは、まず、ビットコインと出会い
  「分散型」という思想に魅了されたそうです。ビットコイン
  が持つ「分散型台帳」や「ブロックチェーン」の技術を用い
  れば、運営主体(発行主体)が存在せずとも、利用者同士でネ
  ットワークを監視し合うことで、通貨の発行や管理を行うこ
  とができます。
   また、ブロックチェーンは「データ改ざんが極めて困難」
  という特性も持っており、発行主体が存在せずとも、その安
  全性をしっかりと担保しているのです。イーサリアムもビッ
  トコイン同様、ブロックチェーン技術を採用してますが、そ
  の上で「スマートコントラクト」という活気的な機能も持っ
  ています。
   スマートコントラクトは「あらゆる取引・契約を、ブロッ
  クチェーン上で自動化する」という目的を持っています。ブ
  ロックチェーンの「データ改ざんが困難」という特性を利用
  し、日常的に行われている取引や契約の情報をブロックチェ
  ーン上に記載し、契約を履行する。現在の「契約」は人の手
  を介して行われる場合が多く、仮に普及すれば、企業側は人
  件費削減などの大きなメリットを享受することでしょう。ま
  さに、ビジネスにおける根底の仕組みを覆しうる、そんな技
  術が「イーサリアム」であり「スマートコントラクト」なの
  です。             https://bit.ly/3kJ1Jdt
  ───────────────────────────
暗号資産/イーサリアム.jpg
暗号資産/イーサリアム
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月10日

●「トークンはどのように発行するか」(第5610号)

 「トークン」についてさらに考えます。企業はどのようなとき
に、どのようにして、「トークン」を発行することができるので
しょうか。
 トークンは、「ICO」に基づいて発行されますが、これに似
た言葉に「IPO」があります。ICOという言葉は、おそらく
IPOをもじって作られた言葉であると思います。
─────────────────────────────
 IPO ・・・ 新規株式公開/Initial Public Offering
 ICO ・・・ 新規通貨公開/ Initial Coin Offering
─────────────────────────────
 ある小規模の新興IT企業を例として取り上げます。その企業
は、IT業務を運営し、普通に営業していますが、あるよいアイ
デアを持っていて、それを事業化しようと考えています。こうい
う企業がそのための資金を調達しようとする場合、ICOにした
がって、トークンを発行する方法があります。
 この場合の資金調達の方法には、銀行に融資を申し込むとか、
いわゆるクラウドファンディングなどの方法で資金を集めるとか
いろいろな方法があります。ICOによるトークンの発行はその
ひとつです。
 ICOを実施しようとする企業は、仮想通貨市場に対して、な
ぜ、トークンを発行するのかアナウンスする必要があります。こ
れが「ホワイトペーパーの発行」です。ホワイトペーパーは、資
金調達の目的、使途、投資家への還元方法などをまとめたものを
いいます。
 続いて、企業は「オファーの提示」を行います。オファーとは
契約条件を規定した内容書です。このオファーを受けた投資家は
事業全容を把握し、投資する額や期間といったことを指定するの
です。ICOは、IPOと違って証券会社が関与していないので
このようなオファーが必要になるのです。投資家としては、その
事業が魅力的であれば、トークンを購入することになります。
 ICOの目的には次の2つの目的があります。
─────────────────────────────
           @通貨の普及
           A資金の調達
─────────────────────────────
 @は「通貨の普及」です。
 事業目的が魅力的であれば、発行したトークンは値上がりし、
それによってその仮想通貨も値上がりするはずです。仮に、イー
サリアムでトークンを発行したとすれば、そのトークンの値上が
りは、基軸通貨であるイーサの値上がりに対して、影響を与える
のです。
 企業にとっても、自社の発行したトークンが広く普及し、値上
がりすれば、発行した企業として大きな利益につながることにな
ります。日本だけでなく、世界に対してアッピールすることにな
るので、一人ひとりが投資している金額がわずかでも、巨額な金
額になることが多いです。
 Aは「資金の調達」です。
 発行したトークンの認知度が上がると、その発行元である企業
のホワイトペーパーに注目が集中します。そして、そのホワイト
ペーパーに示された事業内容が魅力的であり、その実現可能性が
高く、投資家の信頼が得られると、企業は目標とした資金が得ら
れることになります。
 ICOのメリットとデメリットについて考えてみます。
 企業側と投資家のメリットとデメリットについて、以下にまと
めておきます。
─────────────────────────────
  ◎企業側のメリット
   @調達した資金は借金ではないので返済不要である
   Aトークンに対して株式を発行する必要がないこと
   B世界中から幅広く資金調達することができること
  ◎投資家のメリット
   @トークンは少額でも購入は可能で、投資しやすい
   Aトークンの価格が上昇すると、大きな利益になる
   Bトークンが上がると基軸仮想通貨も値上がりする
  ◎企業側のデメリット
   @簡単に参入できるので、ライバル企業も多くなる
   A国によってはICOを運営する制度が異なること
  ◎投資家のデメリット
   @大きな損失が発生するリスクの可能性があること
   A投資家保護がなく詐欺にかかる可能性もあること
─────────────────────────────
 ALIS(アリス)という日本企業があります。ウェブサイト
にアクセスすると、一般的なブログサービスと同じように、記事
やカテゴリが並んでいます。他のサイトと大きく異なる点は、記
事の内容に関して、ALISは、独自の暗号資産である「ALI
Sトークン」を報酬として、配布している点です。
 良質な記事を書いた人と、その良質な記事に対して、いち早く
「いいね」をつけた人には、「ALISトークン」が報酬として
与えられる仕組みになっています。トークンの発行など一連の仕
組みをブロックチェーンによって実現しています。つまり、IC
Oを日本で一番最初にはじめた企業がALISというわけです。
ALISは、ICOを開始した直後に、たった4分で1億円を達
成したといいます。ALISについては、情報を集めてさらに詳
しくお伝えするつもりです。
 このように、ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨の
世界では、そのブロックチェーンを利用して、もうひとつの仮想
通貨トークンが作られ、それによって企業の資金調達にも役立っ
ていることがわかります。これらにおいて、日本は改めて世界に
対して非常に遅れていると感じます。
             ──[デジタル社会論V/064]

≪画像および関連情報≫
 ●DXに関心があるすべての企業が注目すべき新しい
  資金調達法──withコロナの時代
  ───────────────────────────
   企業のデジタルトランスフォーメーションが進み、その波
  は資金調達にも及んでいる。ITが発達し、これまでにも新
  たな資金調達手段が生まれたが、改正金商法が施行されるま
  さに今年・2020年には、また新たな形の資金調達が可能
  になる。新型コロナウイルスが拡大し、経済の先行き不透明
  感が増す中、将来を見据えてDXに取り組む企業・ビジネス
  パーソンが今こそ注目すべきこと、取るべき行動とは何か。
   デジタルトランスフォーメーションとは、進化したデジタ
  ル技術で人々の生活をより良いものへ変革することだ。AI
  5G、IоTなどの充実で日々の生活、暮らしも変わりつつ
  あるが、ビジネス・企業経営においてもDXは急速に進んで
  いる。資金調達でもデジタル化が進み、クラウドファンディ
  ングなど、新しい資金調達手段が生まれているが、なかでも
  今注目されつつあるのが、セキュリティトークンによる調達
  「STO」(セキュリティトークン・オファリング)だ。S
  TOというと、仮想通貨であるコイン、トークンを発行する
  ICOと比較し、「ICOを進化させたもの?」と思われが
  ちだが、STOとICOは別物だ。
   セキュリティ(Securities)とは株式や債券などの有価証
  券のことで、これをブロックチェーンで管理してトークンを
  発行する。つまり、「有価証券をデジタル化したもの」が、
  セキュリティトークン。まさに今年施行の改正金商法で実現
  する、これからの技術でありサービスなのだ。
                  https://bit.ly/3wxHvbe
  ───────────────────────────
トークン.jpg
トークン
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月09日

●「仮想通貨とトークンはどう違うか」(第5609号)

 昨日のEJの続きです。11月2日のニュースを取り上げるこ
とにします。
─────────────────────────────
◎「イカゲームコイン」運営者が逃亡、時価総額60億ドル
 が蒸発
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ネットフリックスの人気ドラマ「イカゲーム(Squid Game)」
にインスパイアされて作られた暗号通貨の価格が11月1日に暴
落した。ニュースサイトギズモンドは、このプロジェクトの背後
にいる詐欺師たちが、推定210万ドル(約2億4000万円)
を持ち逃げしたと報じている。コインマーケットキャプのデータ
によると、10月20日に発行されたスクイッドゲームトークン
と呼ばれる暗号通貨の価格は一時、2861ドル以上に達したが
11月1日早朝(米国時間)に急落し、15分間で約60億ドル
の時価総額が失われた。
 スクイッドゲームトークンの開発者は、11月に開催予定のイ
カゲームのビデオゲームのトーナメント内で、この通貨を使える
ようにすると述べていた。しかし、彼らは突然プロジェクトを停
止し、Tornado Cash と呼ばれるプロトコルで取引の詳細を隠し
た上で、約250万ドル相当のバイナンスコインを現金化したこ
とがウォレットの動きから判明し、暴落が発生した。
    ──2021年112日付、ヤフージャパン!ニュース
                  https://bit.ly/3wkKQu5
─────────────────────────────
 この記事を読んでも、色々なことが書かれていて、何が起こっ
たのかいまひとつピンとこないと思います。話を整理することに
します。
 まず「イカゲーム」というのは、ネットフリックス韓国ドラマ
で、9月17日に配信が開始されると、ネットフリックス全米第
1位を獲得し、配信後ほぼ1か月で、全世界1億4200万世帯
が視聴し、94か国でランキング1位を記録。ネットフリックス
創設以来最大のヒット作品となったのです。
 この「イカゲーム」の人気にインスパイアされて10月20日
に発行された「スクイッドゲームトークン」という名の暗号通貨
の価格が2861ドル以上に上昇したが、11月1日早朝(米国
時間)に急落し、15分間で約60億ドルの時価総額が失われと
いうのです。
 これは明らかに詐欺ですが、ここで注目すべきは、「スクイッ
ドゲームトークン」という名の暗号通貨です。この「トークン」
というのはいったい何でしょうか。
 ここからは、また少しわかりにくい話になります。トークンの
一般的な意味は、次の通りです。
─────────────────────────────
 ◎トークン(Token)
  しるし、象徴、証拠、記念品、形見、証拠品、地下鉄・バス
 料金などに用いられる代用貨幣、商品との引換券のこと
─────────────────────────────
 現実の世界で、トークンに一番近いものといえば、ポイントで
あるといえます。ポイント自体をお金に換えることはできません
が、ポイントを発行している各サービス元が提供している商品や
サービスをポイントを使って買うことができます。
 このようにポイントは理解できますが、仮想通貨の世界におけ
るポイントというべきトークンとは一体何かというと、少し頭が
混乱してきます。なせなら、トークンがお金の代わりに利用でき
るものであるならば、仮想通貨自体もトークンということになっ
てしまうからです。
 しかし、仮想通貨の世界では、仮想通貨とトークンは微妙に境
界線を設けて区別して使用されています。仮想通貨もトークンも
どちらも通貨としての性格を帯びますが、そのブロックチェーン
に違いがあるのです。
─────────────────────────────
  ◎仮想通貨
   独自のブロックチェーン上で発行・流通されている
  ◎トークン
   既存のブロックチェーン上で発行・流通されている
─────────────────────────────
 ビットコインやイーサリアムは、独自の専用のブロックチェー
ンを有しています。つまり、それぞれオリジナル技術に基づくブ
ロックチェーンです。
 しかし、トークンは、オリジナル技術ではなく、既存のブロッ
クチェーン上で発行されるのです。つまり、トークンは、間借り
してお店を出しているイメージです。例えば、ビットコインのブ
ロックチェーンを利用したり、イーサリアムのそれを利用して発
行しているのがトークンです。
 それではトークンは、どういう目的で発行されているのでしょ
うか。それは、企業の資金調達のためです。企業としては、トー
クンは、株式よりも簡単に、安価で、発行することが可能だから
です。ですから、企業としては、何とかしてトークンを発行した
いと考えています。
 トークンを発行して資金調達をする方法を「ICO」というの
です。ICO(新規仮想通貨公開)とは次の英語の略です。
─────────────────────────────
        ◎ICO/新規仮想通貨公開
           Initial Coin Offering
─────────────────────────────
 要するに、ICOとは、企業が仮想通貨を発行し、それを公開
し、購入してもらうことで、資金調達を行う方法です。株式を公
開するIPOに比べると、ICOはきわめて簡単に資金を集める
ことができるので、多くの企業が利用しているのです。
             ──[デジタル社会論V/063]

≪画像および関連情報≫
 ●ネットフリックスの「イカゲーム」を利用してトークンを
  つり上げか
  ───────────────────────────
   スキッド・ゲーム(SQUID)という名称で、遊んで稼
  ぐトークンとして宣伝されているトークンが、10月26日
  の取引開始から連続してかなり不自然に上昇したことを受け
  暗号資産(仮想通貨)業界と主流メディアの注目を集めてい
  る。しかし、このトークンのウェブサイトを少し見ても複数
  の不審点があり、提携先リストに掲載されている企業のうち
  少なくとも1社が提携関係を否定している。
   スキッド・ゲームは、10月26日にバイナンスチェーン
  のDEX(分散型取引所)であるパンケーキスワップで1S
  QUID=0.01ドルで取引を開始した後、記事執筆時点
  (UTC(協定世界時)29日14時24分)では7.55
  ドルで取引されており、4万5000%超上昇している。
   過去24時間では222%上昇しており、その値は増加し
  続けている。コインマーケットキャップのデータによると、
  24時間取引高は900万ドルを超えている。買い手にとっ
  て不幸なことに、ネットフリックスの韓国ドラマシリーズで
  ある「イカゲーム(英題は「スキッドゲーム」)」に着想を
  得たと思われるこのトークンには問題がある。複数のユーザ
  ーがパンケーキスワップ上で売却できないと報告している。
  現時点でこのトークンが取引されている市場がパンケーキス
  ワップのみであることを考えると、トークン保有者にとって
  この状況は当然ながら大きな問題となる可能性がある。
                  https://bit.ly/3qefPHh
  ───────────────────────────
スギッドゲーム.jpg
スギッドゲーム
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月08日

●「ステーブルコイン規制強化の動き」(第5608号)

 2021年11月2日と3日のことです。仮想通貨に関する大
きなニュースが相次いで報道されています。ともに重要なことな
ので、取り上げることにします。11月3日のニュースから取り
上げることにします。
─────────────────────────────
◎「法定通貨連動の仮想通貨」米当局「銀行並み規制を」/金融
 への影響EUも懸念
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 世界で法定通貨を裏付けにした暗号資産(仮想通貨)の一種で
ある「ステーブルコイン」への規制圧力が強まっている。米金融
当局は1日、発行企業に銀行並みの厳しい監督体制を課すために
議会に立法措置を取るよう要請。欧州連合(EU)も開示や資産
保全義務を課す規制案を公表した。金融システムに与える影響を
懸念し、当局が包囲網を強めている。
         ──2021年11月3日付、日本経済新聞
             https://s.nikkei.com/31BduMd
─────────────────────────────
 この記事の主役である「ステーブルコイン」とは何かです。
 仮想通貨には多くの種類がありますが、ビットコインがそうで
あるように、その価値が乱高下することで知られています。この
価格の変動幅のことを「ボラティリティ」といいますが、仮想通
貨のボラティリティの高さは、個人投資家が投資対象としている
多くの金融商品のなかでも群を抜いています。
 このボラティリティの高さを何らかの方法で解決して登場した
のが、「ステーブルコイン」です。ステーブル(Stable)とは、
「安定している」「固定されている」という意味で、「安定した
コイン」を意味しています。
 どのようにして、ボラティリティを抑えているかによって、ス
テーブルコインは、次の3種類があります。
─────────────────────────────
      @法定通貨担保型
      A   無担保型/アルゴリズム型
      B仮想通貨担保型
─────────────────────────────
 @は「法定通貨担保型」です。
 現在、市場で流通しているステーブルコインの大半は、このタ
イプです。法定通貨というのは、世界各国が発行している米ドル
や日本円、ユーロなどの既存通貨のことで、既存の法定通貨を担
保にして発行されるものを「法定通貨担保型」というのです。
 この場合、ステーブルコインを発行する企業や運営主体は、そ
のステーブルコインと同額の法定通貨を保有していることが条件
になります。
 ステーブルコインが仮に無価値になっても、同額の法定通貨が
あれば、それを担保にできるし、通貨の信用が維持される仕組み
になっています。実際問題として、このタイプのステーブルコイ
ンの1通貨当たりの価値は1ドル前後です。
 このタイプに属するステーブルコインとして有名なもののべス
ト3は、次の通りです。
─────────────────────────────
         1.テザー(USDT)
         2.  トゥルーUSD
         3.   USDコイン
─────────────────────────────
 Aは「無担保型/アルゴリズム型」です。
 このタイプは法定通貨などを担保にせず、発行主体がボラティ
リティをコントロールします。供給量を調節し、価値を保つこと
を目指すのです。価値を保つためのアルゴリズムを開発し、アル
ゴリズムが自動的に供給量を調節するので、アルゴリズム型とも
いわれます。このタイプの代表的ステーブルコインには、ベーシ
ス、ESDなどがあります。
 Bは「仮想通貨担保型」です。
 このタイプは、ドルや円やユーロなどの法定通貨の代わりに、
仮想通貨を担保にしているものをいいます。イーサリアムなど代
表的な仮想通貨を担保にしているので、担保となる仮想通貨の価
値が失われない限り、信用を維持できます。
 しかし、そもそも仮想通貨自体のボラティリティは高いので、
仮想通貨では、ステーブルコインとしての価格安定性を保ちにく
くなり、ステーブルコインのなかでもあまり採用されないタイプ
です。このタイプは、数が少なく、代表的なものとしてはDAI
があります。
 ステーブルコインを巡っては、一部で取り付け騒ぎも起きてい
るといいます。冒頭の新聞記事は、ステーブルコインの価値が急
変して、利用者に想定外の損失をもたらす可能性や、不正送金の
リスクなどが今後続出する可能性があるので、ステーブルコイン
の発行者は、あくまで預金取扱機関である銀行として扱われるべ
きだと総括しているのです。
─────────────────────────────
 ステーブルコインを巡っては、一部で取り付け騒ぎも起きてい
る。「IRON」というステーブルコインは21年6月に裏付け
資産の4分の1近くを占めるトークンの市場価値がゼロになり、
IRONの投げ売りが起きた。
 すぐに換金が難しい金融商品を保有資産として抱えている問題
もある。最大のステーブルコインである「テザー」を発行するテ
ザーホールディングスの6月末時点の保有資産の約半分は、企業
が短期の資金を調達するコマーシャルペーパー(CP)と譲渡性
預金(CD)だ。テザーに想定外の事態が起きれば短期市場に混
乱が広がり、金融取引に影響が出かねない。
             https://s.nikkei.com/31BduMd
─────────────────────────────
              ─[デジタル社会論V/062]

≪画像および関連情報≫
 ●「安定通貨」米で規制強化論/資産裏付けの仮想通貨
  安全か デジタルドルの行方に波及
  ───────────────────────────
   ドルなど実態のある資産に裏打ちされた暗号資産(仮想通
  貨)の一種「ステーブルコイン(安定通貨)」の規制強化論
  が米国で浮上している。ドルと連動する人気のステーブルコ
  インで安全性が疑問視されたためだ。米連邦準備理事会(F
  RB)が発行の是非をさぐる「デジタルドル」の行方とも絡
  み、金融のあり方に一石を投じそうだ。
   ステーブルコイン1単位は1ドルの現金に裏付けられ常に
  換金できる。そう触れ込んで急成長したドル建てのステーブ
  ルコインで問題が相次いでいる。実際は安全性や換金性で劣
  る証券などが裏付けとなっていたのだ。
   直近の例は時価総額2位の「USDコイン」。資産はコマ
  ーシャルペーパー(CP)や社債を多く含み現金やそれに近
  いMMF(マネー・マーケット・ファンド)は約6割にとど
  まった。運営者のサークルは8月22日、「9月中に裏付け
  資産をすべて現金か短期国債に替える」と発表した。時価総
  額首位の「テザー」はより深刻だ。一時は銀行との取引もな
  く、一部資金は融資に回っていたとニューヨーク州司法当局
  が指摘し、2月に1850万ドル(約20億円)の和解金を
  払った。テザーがのちに公表した資料では裏付け資産の約半
  分がCP。現預金はわずかで、他のデジタル通貨や金にも資
  金が投じられていた。   https://s.nikkei.com/3wn2WeR
  ───────────────────────────
ドルに連動する安定通貨の時価総額は急増.jpg
ドルに連動する安定通貨の時価総額は急増
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月05日

●「イーサリアムの考え方を整理する」(第5607号)

 イーサリアムに関して、スマートコントラクトの話を詳しく説
明しています。そのため、イーサリアムの実体がはっきりしなく
なっているようです。今日は金曜日であり、次のEJまで2日休
みがあるので、今日のEJは、このことをはっきりさせることに
したいと思います。
 イーサリアム(ETH)は、ビットコインと同様に、その実体
は仮想通貨(暗号資産)です。11月3日現在の、イーサリアム
/円(ETH/JPY)の価格をビットコイン(1BTC)の価
格と比較します。
─────────────────────────────
  ◎2021年11月3日現在
   イーサリアム(1ETH)・・  491138円
   ビットコイン(1BTC)・・ 6949864円
─────────────────────────────
 イーサリアムとビットコインでは、大きな差がありますが、イ
ーサリアムは、時価総額では、ビットコインに次いで第2位を占
めています。ちなみに、イーサリアムには、「イーサリアム企業
連合/EEA」という組織があって、そこには500社以上の企
業が加盟しており、実用化が進むと、イーサリアムの価格は大き
く上昇する可能性があります。
 「アルトコイン」という言葉があります。ビットコイン以外の
仮想通貨の総称を意味する言葉であり、代替コインともいわれま
す。イーサリアムはビットコインに次ぐアルトコインです。
─────────────────────────────
          ◎アルトコイン
           Alternative Coin
─────────────────────────────
 イーサリアム(ETH)についての基礎情報を次に示しておき
ます。
─────────────────────────────
     通貨名 ・・・ イーサリアム
    通貨略称 ・・・ ETH
     発案者 ・・・ ヴィタリック・ブテリン
    発行上限 ・・・ 7200万ETH
    送金時間 ・・・ 15秒前後
    時価総額 ・・・ 約2兆1000万円
─────────────────────────────
 この基礎情報のなかで注目すべきは送金時間です。これは正確
には送金ができるまでに要する時間のことです。ビットコインは
約10分ですが、イーサリアムは約15秒。これなら決済に十分
使えるスピードです。
 さて、「イーサリアム」という言葉は、このように仮想通貨の
名称であることに加えて、スマートコントラクトのためのプラッ
トフォーム、もう少し正確にいうと、ダップス(DApps) /分散
型アプリケーション開発のためのプラットフォームということに
なります。両方とも「イーサリアム」という言葉を使うのです。
これでは混乱必至です。
 そこで言葉を整理します。ビットコインもイーサリアムも、ブ
ロックチェーンという技術を使っています。しかし、ブロックチ
ェーンの質というか、レベルが違うのです。
 ビットコインのブロックチェーンは、「取引を改ざんできない
ように間違いなく記録する」ことを実行するものであったのに対
して、イーサリアムのそれはその機能に加えて、ダップス/分散
型アプリケーションを開発するためのプラットフォームにもなっ
ているのです。つまり、色々なアプリを開発し、契約を自動実行
できる、スマートコントラクトが実現できるプラットフォームに
もなっているのです。
 スマートコントラクトという言葉も定義しておきます。ちなみ
に「スマート」という言葉は、「賢い」とか「機敏な」という意
味が転じて、「コンピュータで制御できる」という意味でも使わ
れます。スマートハウス、スマートシテイ、スマートカーなどの
ようにです。
─────────────────────────────
◎スマートコントラクトとは
 今まで人が手動で行ってきた「契約」を、ブロックチェーン上
で「自動化」することである。スマートコントラクトを導入する
ことにより、改ざん不可能でかつ非中央集権型のサービスを実現
することができる。
─────────────────────────────
 要するにスマートコントラクトとは、ブロックチェーンの「改
ざんが不可能」という特質を利用し、ブロックチェーン上に契約
記録を書き込んでしまおう、というものです。スマートコントラ
クトが導入されれば、人間を介在せずに、より高いセキュリティ
レベルを保った状態で、契約が可能になります。
 これに加えて、ソリディティ(Solidity)という独自のプログ
ラミング言語を用いて、契約の執行条件などをブロックチェーン
上に定義しておくことにより、契約を完全に自動化することも可
能になります。
 それでは、イーサリアムには、ビットコインのPоW(プルー
フ・オブ・ワーク)のようなものはあるのでしょうか。
 イーサリアムには、PоWの代わりに「PоS/プルーフ・オ
ブ・ステーク」というものがあります。
 PоSとは、発行済の全コイン総量に対する保有コインの割合
によって、発言力が変動するように設計されたアルゴリズムのこ
とです。つまり、コインの保有量が多いほど報酬を得やすい仕組
みになっているのです。なお、取引のためのトランザクション実
行や、プログラム処理ごとに発生する手数料として「ガス」とい
う概念も使います。ガス代のことです。
              ─[デジタル社会論V/061]

≪画像および関連情報≫
 ●イーサリアム、環境に優しいシステムへの年内移行望む
  ──考案者が語る
  ───────────────────────────
   イーサリアムのソフトウエア開発者は以前から、PoWシ
  ステムの問題点である二酸化炭素の大量排出を解決する「プ
  ルーフ・オブ・ステーク(PoS)」システムへの移行を目
  指して取り組んできた。
   PoSへの本格移行は、複雑な技術面での挫折で遅れてい
  る。暗号資産(仮想通貨)は今月、イーロン・マスク氏がエ
  ネルギー消費の急増を理由にビットコインを使用したテスラ
  車購入を停止すると発表したことをきっかけに、最大級の価
  格変動に見舞われた。暗号資産業界は一刻も早い本格移行を
  待望している。
   英ケンブリッジ大学のビットコイン電力消費総合指数(C
  BECI)によれば、ビットコインの年間電力消費量は現在
  パキスタンやアラブ首長国連邦(UAE)での年間電力消費
  を上回る。同大学はイーサリアムの電力消費データは集計し
  ていない。
   イーサリアムの考案者、ヴィタリック・ブテリン氏はイン
  タビューで、「仮想通貨やイーサリアムがこの1年間で驚異
  的発展を遂げたことから、われわれにとってPoSへの転換
  が一段と急務になっている」と発言。年末までの移行を望ん
  でいるとしたが、来年前半までというのが大方の見方だ。そ
  れでも昨年12月時点の見通しから大幅に早まっている。
                  https://bit.ly/3BBSpNS
  ───────────────────────────
スマートコントラクト.jpg
スマートコントラクト
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする